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後編
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充くんとキスをしてからは、生活の変化が現れた。
まず、ふとした瞬間に目が合うと触れるだけのキスをするようになった。いつも夕飯の後はテーブルにある椅子とソファーに座る彼だったのに、背後から抱きしめられ彼の腕の中でソファーに座るようになった。
お腹を撫でる彼の手の上に自分の手を重ね、指を絡める。頸にチュッチュッと口づけを落としては、擽ったくて首をすくめると、彼も笑い出す。
まったりとした時間に微睡むと、身体が冷えるからと言ってブランケットを用意するようになった。
早めに就寝する彼と、離れ難くなり歯を磨く彼のうしろについて行くと、私も歯磨きをする様になり、そのまま彼の部屋で眠る事が増えた。
狭いシングルのマットレスだけで床に置いていたので落ちる心配もなかったのだが、心配だからと壁側に寝かされ、お腹を撫でて眠る彼の寝顔を見てから、私も眠るのが習慣になった。
朝早く4時に彼が起きると、自然と私も目が覚め軽い朝食を作るようになり、喜び私の周りにいる彼に、話の流れでお昼はどうしてるの?と聞いたらカップ麺と聞いて次の日から前日の残り物中心のお弁当を作って持たせるようになった。
クリスマス前になると100円均一で集めた装飾と、インテリアショップで買った小さなツリーを飾りつけ、仕事から戻った彼を驚かせた。お互いに渡すプレゼントを買い、産まれてくる子供のプレゼントもツリーの下へ置いた。
「…俺…昔から家族が欲しかった」
ポツリポツリと話す彼の家族の不仲の話や元カノとの過去を聞いて、私の過去も彼に話したらもっと距離が縮まった気がした。
クリスマスも終わり、初めて過ごす長期休暇に寒さもあって、触れる時間がどんどん多くなる。
触れるだけだったキスも、舌を絡める濃厚なものに変わり、軽い身体の触れ合いも増えた。
お腹が大きくて身体が洗いにくいと零すと、じゃあと、お風呂に入り身体を洗ってくれた。
お返しに彼の身体を洗うと振り向くと、勃ち上がっている彼の昂りに視線がいってしまい、頬が赤くなった。
「俺はいいからっ、もう出ようか」
気まずくて早口で言う彼の腕を掴み、真っ赤になりながらも
「あっ洗ってくれたからっ」
と彼の黒いボディタオルを取り、ボディソープを付けて泡立てると、彼の背中にゴシゴシと擦り、腕や胸板と上半身を泡だらけにしていく。
お腹のへその上までボディタオルで擦っていたが、手が滑り床に落としてしまう。屈んでボディタオルを拾った彼が私を覗き込み、潤む瞳が彼を見つめた。
その直後に噛み付くキスをされ夢中で応えると、腰を引き寄せられるが、大きいお腹が距離を縮みられなく、もどかしくて彼の首に腕を回した。シャワーの流れる浴室で、お互いの舌を絡め追いかけては追い、吸ったり吸われたりした。
「ンッ…充くっ…んぁ」
「舞ちゃん…舞っ」
飽きる事なく貪る唇に、ぼうっとして足がガクンと崩れたところを支えられ、浴槽の縁に座らされそれでもまだ口づけは続いた。
離れた唇を名残惜しく見ていると、シャワーで泡を洗い流し「出よう」
とまだ夢見心地の私の身体を拭いた彼は、マタニティの厚手のピンクのワンピースを着せ、自分もパパッとグレースウェットを着ると、暖房のかかったリビングのソファーに座らされた。お風呂の前に準備してあったドライヤーを持って、私の髪を乾かしながらお互いの唇を啄み、彼の首に腕を回した。
「っ…舞っ…乾かせないっ風邪…ひくっ」
「ンッ…やっ」
甘えた声で、キスを止めようとする彼を引き寄せる。
しばらくするとドライヤーの音も止み、お互いの唇に夢中になって絡めていた。
そのまま盛り上がった私達は、
「ンッ…ンッ」
「っ…く」
膝まで下ろしたズボンの彼はソファーに浅く座り、天井を向いて勃ち上がった昂りに両手で握り上下に擦り、先端から溢れるツユを丁寧に舐めとる。昂りを口に含むが、全て入りきらないので、側面を舐めて歯があたらないように喰む。
「こっ…ここっ」
掠れた声の充くんが、私の手の上から自分の手を重ね、強く握り触るように告げる。
彼の指に動かされるまま、潤んだ瞳で彼の昂りを見つめていたが、顔を近づけ先端を口に含んだ。
ギュッと手の動きが止まった彼が低く唸ると、口内に熱い液体が注ぎ込まれ、無意識にゴクンと飲み干す。何にも出なくなった先端を綺麗にしていると、両脇に手を入れ私を持ち上げた彼の腰の上に座った。
「…まだ…綺麗にしてたのに…」
拗ねたように口を尖らせた私に、ゔっと赤くなった充は、
「…止まんなくなるからやめて」
と消え入る声で、ボソボソと喋った。
*****************
ゆっくり過ごす年も明け、春になると出産日が近づく。
入院の荷物を纏めていつ陣痛が来てもいいように準備をしていると、私以上に緊張して心配する充が、ウロウロと彷徨う。
「…充くん、落ち着いて」
「舞…落ち着きすぎ」
逆に言われ、そうかな?と首を傾げた。
もう大きくならないと思っていたお腹もさらに大きくなってしまって、もうしゃがむのも難しくなっていた。
充が仕事から帰ってきてから、一緒に散歩をする時しか外出する事が無くなった私は、すっかり充の同じ時間帯で生活するのが当たり前になっていた。食品はネットスーパーを使用し、急に必要になったら充に頼んだり、日曜日に一緒に買い出しに行っている。
「…名前…決めた?」
お腹を撫でながら彼を見ると、頬をぽりぽりと掻く彼。
「…充と舞で…女の子ならマミか、男ならルイかな」
「…ふふ、かわいい名前になりそう」
思わず笑ってしまうと、背後から抱きしめられ肩に彼の顎が乗る。
「….俺たちの子だから、世界一可愛い」
と頸にキスする。
彼と私の希望で、性別を知らせないようにと、お医者さんに伝えた。産まれてきてくれるだけで嬉しいし、楽しみも増えるからだ。私の部屋にあるベビーベッドには、とりあえず白ベースの服が多い。産まれてから買おうと決めている。
出産日が近づくと、床のマットレスで眠る彼の部屋で起きるのが辛くなったので、ベッドフレームがある私の部屋に移動した。これで座ってから、立ち上がりやすくなった。
「…早く会いたいね」
私がそう告げると、
「そうだね…世界で一番の家族になろう」
と彼が私の耳元で囁いた。
数週間後ーー
産まれたのは3200gの大きな女の子で、両親の愛を注がれた子の名は真実と呼ばれた。
まず、ふとした瞬間に目が合うと触れるだけのキスをするようになった。いつも夕飯の後はテーブルにある椅子とソファーに座る彼だったのに、背後から抱きしめられ彼の腕の中でソファーに座るようになった。
お腹を撫でる彼の手の上に自分の手を重ね、指を絡める。頸にチュッチュッと口づけを落としては、擽ったくて首をすくめると、彼も笑い出す。
まったりとした時間に微睡むと、身体が冷えるからと言ってブランケットを用意するようになった。
早めに就寝する彼と、離れ難くなり歯を磨く彼のうしろについて行くと、私も歯磨きをする様になり、そのまま彼の部屋で眠る事が増えた。
狭いシングルのマットレスだけで床に置いていたので落ちる心配もなかったのだが、心配だからと壁側に寝かされ、お腹を撫でて眠る彼の寝顔を見てから、私も眠るのが習慣になった。
朝早く4時に彼が起きると、自然と私も目が覚め軽い朝食を作るようになり、喜び私の周りにいる彼に、話の流れでお昼はどうしてるの?と聞いたらカップ麺と聞いて次の日から前日の残り物中心のお弁当を作って持たせるようになった。
クリスマス前になると100円均一で集めた装飾と、インテリアショップで買った小さなツリーを飾りつけ、仕事から戻った彼を驚かせた。お互いに渡すプレゼントを買い、産まれてくる子供のプレゼントもツリーの下へ置いた。
「…俺…昔から家族が欲しかった」
ポツリポツリと話す彼の家族の不仲の話や元カノとの過去を聞いて、私の過去も彼に話したらもっと距離が縮まった気がした。
クリスマスも終わり、初めて過ごす長期休暇に寒さもあって、触れる時間がどんどん多くなる。
触れるだけだったキスも、舌を絡める濃厚なものに変わり、軽い身体の触れ合いも増えた。
お腹が大きくて身体が洗いにくいと零すと、じゃあと、お風呂に入り身体を洗ってくれた。
お返しに彼の身体を洗うと振り向くと、勃ち上がっている彼の昂りに視線がいってしまい、頬が赤くなった。
「俺はいいからっ、もう出ようか」
気まずくて早口で言う彼の腕を掴み、真っ赤になりながらも
「あっ洗ってくれたからっ」
と彼の黒いボディタオルを取り、ボディソープを付けて泡立てると、彼の背中にゴシゴシと擦り、腕や胸板と上半身を泡だらけにしていく。
お腹のへその上までボディタオルで擦っていたが、手が滑り床に落としてしまう。屈んでボディタオルを拾った彼が私を覗き込み、潤む瞳が彼を見つめた。
その直後に噛み付くキスをされ夢中で応えると、腰を引き寄せられるが、大きいお腹が距離を縮みられなく、もどかしくて彼の首に腕を回した。シャワーの流れる浴室で、お互いの舌を絡め追いかけては追い、吸ったり吸われたりした。
「ンッ…充くっ…んぁ」
「舞ちゃん…舞っ」
飽きる事なく貪る唇に、ぼうっとして足がガクンと崩れたところを支えられ、浴槽の縁に座らされそれでもまだ口づけは続いた。
離れた唇を名残惜しく見ていると、シャワーで泡を洗い流し「出よう」
とまだ夢見心地の私の身体を拭いた彼は、マタニティの厚手のピンクのワンピースを着せ、自分もパパッとグレースウェットを着ると、暖房のかかったリビングのソファーに座らされた。お風呂の前に準備してあったドライヤーを持って、私の髪を乾かしながらお互いの唇を啄み、彼の首に腕を回した。
「っ…舞っ…乾かせないっ風邪…ひくっ」
「ンッ…やっ」
甘えた声で、キスを止めようとする彼を引き寄せる。
しばらくするとドライヤーの音も止み、お互いの唇に夢中になって絡めていた。
そのまま盛り上がった私達は、
「ンッ…ンッ」
「っ…く」
膝まで下ろしたズボンの彼はソファーに浅く座り、天井を向いて勃ち上がった昂りに両手で握り上下に擦り、先端から溢れるツユを丁寧に舐めとる。昂りを口に含むが、全て入りきらないので、側面を舐めて歯があたらないように喰む。
「こっ…ここっ」
掠れた声の充くんが、私の手の上から自分の手を重ね、強く握り触るように告げる。
彼の指に動かされるまま、潤んだ瞳で彼の昂りを見つめていたが、顔を近づけ先端を口に含んだ。
ギュッと手の動きが止まった彼が低く唸ると、口内に熱い液体が注ぎ込まれ、無意識にゴクンと飲み干す。何にも出なくなった先端を綺麗にしていると、両脇に手を入れ私を持ち上げた彼の腰の上に座った。
「…まだ…綺麗にしてたのに…」
拗ねたように口を尖らせた私に、ゔっと赤くなった充は、
「…止まんなくなるからやめて」
と消え入る声で、ボソボソと喋った。
*****************
ゆっくり過ごす年も明け、春になると出産日が近づく。
入院の荷物を纏めていつ陣痛が来てもいいように準備をしていると、私以上に緊張して心配する充が、ウロウロと彷徨う。
「…充くん、落ち着いて」
「舞…落ち着きすぎ」
逆に言われ、そうかな?と首を傾げた。
もう大きくならないと思っていたお腹もさらに大きくなってしまって、もうしゃがむのも難しくなっていた。
充が仕事から帰ってきてから、一緒に散歩をする時しか外出する事が無くなった私は、すっかり充の同じ時間帯で生活するのが当たり前になっていた。食品はネットスーパーを使用し、急に必要になったら充に頼んだり、日曜日に一緒に買い出しに行っている。
「…名前…決めた?」
お腹を撫でながら彼を見ると、頬をぽりぽりと掻く彼。
「…充と舞で…女の子ならマミか、男ならルイかな」
「…ふふ、かわいい名前になりそう」
思わず笑ってしまうと、背後から抱きしめられ肩に彼の顎が乗る。
「….俺たちの子だから、世界一可愛い」
と頸にキスする。
彼と私の希望で、性別を知らせないようにと、お医者さんに伝えた。産まれてきてくれるだけで嬉しいし、楽しみも増えるからだ。私の部屋にあるベビーベッドには、とりあえず白ベースの服が多い。産まれてから買おうと決めている。
出産日が近づくと、床のマットレスで眠る彼の部屋で起きるのが辛くなったので、ベッドフレームがある私の部屋に移動した。これで座ってから、立ち上がりやすくなった。
「…早く会いたいね」
私がそう告げると、
「そうだね…世界で一番の家族になろう」
と彼が私の耳元で囁いた。
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産まれたのは3200gの大きな女の子で、両親の愛を注がれた子の名は真実と呼ばれた。
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