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お出かけ2
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目的地に着くと、そこは割と栄えている町だった。
市場みたいに、出店が並び温かい食べ物ーースープや熱い生地にお肉を挟んだもの、温かい飲み物などの湯気がのぼっていた。
「足元に気をつけて」
私を見つめ優しく言う彼は、決して私の手を離そうとしなく、力強く握る手が私をしっかりと支えてくれる。
「はい、ありがとうございます」
大事にしてくださる彼にハニカミながらも返事をすると、プイッと勢いよく視線を逸らされた。
彼に案内されるがまま、色々なところを見て周り、"領主様もついに年貢の納め時だ!"と町民に言われてはお祝いにアクセサリーやスープをご馳走になった。
流石にお酒をススメられた時は、キースが全力で止めてくれたのだ。
楽しかった1日も日が暮れ始めると、
「そろそろ帰ろう、冷えるから」
と私を気遣って馬車へと戻った。
「夜は冷えるからこちらへ」
と低い声で手を差し出すキース。彼の手を取ると、膝の上に座らされ横抱きになった。
「…重くないですか?」
と恥を偲んで問いかけると、
「全然、軽いくらいだ」
と蕩ける顔で微笑む彼。規則正しく揺れる馬車と暖かい室内に、久しぶりに歩いた身体は思ったよりも疲れているらしく、瞼がだんだんと重くなっていった。
コクンコクンと揺れる頭を、彼は自分の肩に寄せると、
「…眠りなさい、着いたら起こす」
優しく言ってくれ、
「…すい…ませ…ん、キース様」
と起きなくては、思っていた私は彼の言葉に甘え、少しの間眠る事にした。
*******************
初めて一緒に出かけてから、私達の距離はぐんと近づいた…と思う。
夜に会うだけだったお茶会も、寝る前に私の部屋で過ごす事も…そして……
「ん、っ」
唇にキスをする事が大半を占めるようになった。額や頬だけだったのに、ある時唇の近くにキスをされ、そのまま初めてのキスをされた。触れるだけだった唇へのキスも、口内に彼の舌が入った日。舌を絡める日。歯列をなぞる日。舌を絡め歯列をなぞる日。とキスだけじゃなくお互いの唾液を飲んだり、流したりする日。とだんだんとキスにも種類がある事を知った。
最初の頃は息苦しくて、すぐに顔を離したのだが、鼻で息をすると教えてもらってからは、大分長い時間キスが出来る様になった。
キスの後にぼぅっと、自然と潤む瞳で彼を見上げると、彼はウッと鼻を押さえて、「おやすみ」と告げそそくさと、帰ってしまう事もあった。
そうした日々を過ごす中、結婚式まであと4日と言うお昼時に、ヒル家から手紙が届いた。
父だ。
『婚約は破棄出来そうか』
数枚の紙の1番最後にひと言書かれた文に、私は当初の目的を思い出した。
そのまま憂鬱な時間を過ごしていたら、部屋に閉じこもった私を、アガサが心配し気にかけてくれたのだが、とにかく誰にも会いたくなかった私は、体調が悪いと、夜のお茶会もキースの来訪も断ったのだった。
市場みたいに、出店が並び温かい食べ物ーースープや熱い生地にお肉を挟んだもの、温かい飲み物などの湯気がのぼっていた。
「足元に気をつけて」
私を見つめ優しく言う彼は、決して私の手を離そうとしなく、力強く握る手が私をしっかりと支えてくれる。
「はい、ありがとうございます」
大事にしてくださる彼にハニカミながらも返事をすると、プイッと勢いよく視線を逸らされた。
彼に案内されるがまま、色々なところを見て周り、"領主様もついに年貢の納め時だ!"と町民に言われてはお祝いにアクセサリーやスープをご馳走になった。
流石にお酒をススメられた時は、キースが全力で止めてくれたのだ。
楽しかった1日も日が暮れ始めると、
「そろそろ帰ろう、冷えるから」
と私を気遣って馬車へと戻った。
「夜は冷えるからこちらへ」
と低い声で手を差し出すキース。彼の手を取ると、膝の上に座らされ横抱きになった。
「…重くないですか?」
と恥を偲んで問いかけると、
「全然、軽いくらいだ」
と蕩ける顔で微笑む彼。規則正しく揺れる馬車と暖かい室内に、久しぶりに歩いた身体は思ったよりも疲れているらしく、瞼がだんだんと重くなっていった。
コクンコクンと揺れる頭を、彼は自分の肩に寄せると、
「…眠りなさい、着いたら起こす」
優しく言ってくれ、
「…すい…ませ…ん、キース様」
と起きなくては、思っていた私は彼の言葉に甘え、少しの間眠る事にした。
*******************
初めて一緒に出かけてから、私達の距離はぐんと近づいた…と思う。
夜に会うだけだったお茶会も、寝る前に私の部屋で過ごす事も…そして……
「ん、っ」
唇にキスをする事が大半を占めるようになった。額や頬だけだったのに、ある時唇の近くにキスをされ、そのまま初めてのキスをされた。触れるだけだった唇へのキスも、口内に彼の舌が入った日。舌を絡める日。歯列をなぞる日。舌を絡め歯列をなぞる日。とキスだけじゃなくお互いの唾液を飲んだり、流したりする日。とだんだんとキスにも種類がある事を知った。
最初の頃は息苦しくて、すぐに顔を離したのだが、鼻で息をすると教えてもらってからは、大分長い時間キスが出来る様になった。
キスの後にぼぅっと、自然と潤む瞳で彼を見上げると、彼はウッと鼻を押さえて、「おやすみ」と告げそそくさと、帰ってしまう事もあった。
そうした日々を過ごす中、結婚式まであと4日と言うお昼時に、ヒル家から手紙が届いた。
父だ。
『婚約は破棄出来そうか』
数枚の紙の1番最後にひと言書かれた文に、私は当初の目的を思い出した。
そのまま憂鬱な時間を過ごしていたら、部屋に閉じこもった私を、アガサが心配し気にかけてくれたのだが、とにかく誰にも会いたくなかった私は、体調が悪いと、夜のお茶会もキースの来訪も断ったのだった。
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