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9月 初めての自宅
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8月も終わったが、厳しい残暑がまだ続いていた。
壱哉は足繁く私の家に通って、私はただ壱哉がくる日を待つ日々を送っていた。
──そろそろ、働きたいな…
実は私の部屋にある服は、どれも私好みじゃないギャルが着るようなド派手な服ばかりで、なるべく一番無難な服を選んで着ているけど、そろそろ新しい服を買いたくなった。
──目覚めた時も、金髪だったし…前の私はパリピ側だったのかな?
と記憶喪失になったら、好みも変わるのかと思っていたが、先生に相談すると、そういったケースの場合もあるが、ほとんどは以前と同じ物を好む傾向にあると言われた。
だが実際には、私の身体にフィットしたタイトなワンピースも、遠くからでも分かる蛍光の黄色や緑の服を着て外に出歩くなんて出来なかった。
「そろそろバイトをしようと思うの」
その事を両親に告げると、両親はずっと部屋に篭っていた私を心配し始めていたので、
「そうね、そろそろリハビリがてら、働いてみたらどうかしら」
と賛成してくれた。しかし、
「いや、まだ早いよ…1人で通勤するの大変じゃないの?」
唯一難色を示したのは壱哉で、私が公共機関や徒歩で働く前から体力が持たないんじゃないかと心配した。
「…そうかな…そうだよね…まずはウォーキングから始めないとダメだよね」
だが…事故の後からは、何とも思っていなかった道もダメになっていた。身体が拒絶反応を起こして、立ちすくんで歩けなくなるのだ。今後働きたいと思う場所を面接の前に、通勤手段の確認をしなければいけなくなるはずだ。
「なら、試しに俺の家に通いなよ帰りは送るからさ」
「でもそれじゃ、壱哉の負担になるし」
仕事から帰ってきているし、土木の仕事は体力勝負だと知っているから私が断ると、
「車あるし、すごく遠いわけじゃないから」
壱哉は何でもないように言ったので、働きたいと言っていたのにいつの間にか週に二度、彼の元へと行く事になった。
***************
「ただいまー」
「おかえり」
壱哉の家に出入りするようになって2週間経つと、ある程度慣れてきて、壱哉の帰りを家の中で待てるようになった。壱哉の家に行くと決まった後は、壱哉の次の休みの日曜日に彼の住む家を案内してもらったし、いきなり合鍵を渡された。
壱哉の家は私の家から電車で5つくらい先の隣町で、駅から徒歩圏内にある1階がコンビニがある12階建てのマンションだった。壱哉はそこの8階の角部屋に住んでいて、部屋は1DKだった。
最初壱哉の家に入った時は、アルコールしか入ってない小さな冷蔵庫と数個の衣装ケース、それから衣装ケースの上に積み上がった作業着、壱哉がいつも持っている使い込まれたショルダーバッグが床に転がっていた。床に敷かれた薄い布団と掛け布団。調理道具も食器も全くないが、何故かコップだけは一つあり、洗濯機もない家電や家具と物のなさに驚いた。
『ご飯は基本外食だし、ほとんど寝に帰ってるだけ』
と言って、仕事着ている会社の作業着も普段着も下着もまとめて、週に何回か、または休みの日にまとめてコインランドリーで洗って乾かしていると言っていた。
『ごめん、これじゃ、まいが座る場所ないね』
どこに座ればいいのか悩んでいたら壱哉に告げられ、壱哉の家に入って10分もしないうちに、気がついたら大型のショッピングモールへと出かけて、その中にあるインテリアショップで2人が座れるソファーを買いに行く事が決まっていた。
『どのソファーにする?』
『えっ…それは、壱哉が座りやすいソファーがいいんじゃない?』
『俺よりも、まいが好きなソファーがいいな、俺は何でもいいからさ』
と言って、私がテキトーに目の前にあった、このソファーかな、と思って見ていたら、壱哉がそのまま店員を呼ぼうとしたから慌てて彼を止めて、冗談でもなく本当に選んでいいんだと思ったので改めてちゃんと吟味することにした。
座り心地と色と素材を見て、背もたれが低い代わりに大きなクッションが付いた濃紺のコットン生地の2人掛けのソファーにした。少し値の張る金額に心配していたが、壱哉はたいして気にませずに近くに来た店員に注文すると、その流れのまま食器や、私が料理を作ると言うと調理器具も一緒に購入した。
『今日から作る?一応家でも作っていたけど…手の込んだ料理は無理だけど』
「…本当?なら食材も買おうか』
壱哉の家はアルコール以外何にもないと気がついて、流石に塩や砂糖はあるだろうと思ったら、それもないと言ったので少量のミニサイズの容器に入った調味料をいくつか、ついでに買った。
『俺が帰る頃を見計らって来なくても、お昼とか…何時からでもいいから待っていて欲しい』
そう言って、荷物を積み終わって車に乗り込んだ時に、壱哉の家の合鍵をもらったのだ。
それが2週間前の出来事で。
今は買い物に行った数日後に来た届いた、このソファーの端が私の定位置となっていた。なるべく夕方くらいの時間帯に、この家につくようにして、私は料理と軽い掃除を済ませると、彼が帰って来るまでソファーで座って過ごしていた。
「…大丈夫だった?」
「うん、結構慣れたよ」
壱哉は毎回帰ってくると、私が道中嫌な思いをしなかったか心配をしてくれる。私も毎回なんにもなかったと言うけど、やっぱり道を歩くときは少しだけ怖い。だけど、退院した最初の時に比べたらだいぶマシになったし、いずれこの怖いと感じる気持ちもなくなると思ったから、壱哉に心配をかけたくなかった。
「…今日も、さ…いい?」
「うん…ちょっとだけなら」
壱哉がお風呂から上がって、私がご飯をテーブルに──これは最近通販で購入した──並べていると、彼が私を背後から抱きしめて、首筋に唇を押し当てながら、甘えてきた。
壱哉の家にいると、壱哉と身体が触れ合う時間がほとんどになるようになった。21時ぴったりに、家に着くように送り届けてくれるが、まるで磁石のように見えない磁場で、引き寄せられているみたいにどこかしら触れ合っているのだ。私の家にいた時は触れ合う事なんてなかったのに、今はご飯の時も向かい合わせじゃなくて、隣に座るくらい距離が近い。ただ抱き合っているならいい…最近では壱哉の手が私の身体のあちこちを触り、愛撫されているような触れ合いに様変わりしていた。
それも決まってご飯の後で、私が家に帰る時間に近づくまでの僅かな時間だ。汚れた食器を洗おうとすると、あとで洗うからと彼の手によって止められ、そのままソファーへと連れて行かれる。ソファーに座る彼の足の間に座らされ、身体を後ろに倒すと、壱哉の胸板に背中がくっついて、振り向くと口を塞がれる。
「…ん」
最初は決まって口へのキスだ。その次に頬と首筋、また口に戻ると、今度は私の身体を触り始める。
「まい、可愛い」
下から持ち上げるように胸を着ている服の上から揉まれ、背中が丸まると、彼は私の耳を甘噛みして舐める。こうして毎回触れ合いが始まると、お風呂に入って綺麗になった壱哉とは反対に、私は電車にも乗ったし、少しだが歩いて来ているのが気になっていくようになる。
「…最近のまいってさ、お風呂入ってきたの?すごくいい匂いがする」
だから最近では、壱哉の家に来る前に実家でお風呂に入って来ているのだけど、壱哉は少しだけ残念そうに言う。
「んっ、だって色々舐めたりっ…するからっ」
そう、壱哉は私の事になるとNGな事がないみたいで、お風呂に入ってなくても嫌な顔ひとつせずに私の服の中に手を入れて…このあとは多分今日も先に進むはずだから、服を脱がせられたら壱哉は私の全身を舐めるのだ。毎回、足の先までも。だからせめてある程度は綺麗にしようと思っているのに、壱哉は
「なら、この家で入っていきなよ、一緒に入るのもいいね」
うっとりと私を見つめながら、もう着替えもいらないよね、と仄暗い表情を私に見せて囁く。彼に舐められている間は服を脱ぐから、最初から一緒にお風呂に入って脱ぐ必要が無くなると暗に知らせる。
「…でも、今も暑いけど、まいが風邪ひいたら嫌だな」
ゆっくり喋るのに、私の身体を弄る手は緩めない。
「あっ、壱っ…哉っ」
いつもの流れで私の服の中に手を入れると、彼は私のブラを上にズラして直接乳房を揉み始めた。両手で私の乳房の中心にある粒を親指と人差し指で摘むと、ぐるぐるとダイヤルを回すみたいにこねる。その他の指でも乳房を揉むから、快感が生まれて、壱哉の肩に後頭部をつけた。
「ああ、可愛い…本当に、食べちゃいたい」
壱哉は私の口を塞ぐと、私の乳房をぎゅっと掴んだ。うしろを振り返ってのキスは息も上手く出来ないから、私は身体をよじって壱哉の方を向くと、彼の首の後ろへと腕を回した。
壱哉はキスを続けながら、私の膝の下と腰に腕を回して持ち上げると、私をソファーに仰向けで寝かせ、私の足の間のソファーに膝をついて私に覆い被さった。
「そうだ、家にくる日は泊まったらどうだろう」
「…泊まる?」
「そう…ああ、でも布団がないや…今度の休みに新しく買いに行こうか」
「まっ…て、あっ…んっ」
壱哉は私の言葉を遮って私の服をたくし上げると、露わになった乳房を口に含んだ。
「そうだ、そうしよう、このソファーじゃ2人で寝れないし、固い床でまいを寝かせてやれないや」
「壱哉っ、は…ぁっ!」
私が彼の頭を抱きしめると、壱哉は私の乳房から顔を上げた。
「いや?」
「いや…じゃないけど…もう入らないよ」
そう、ソファーも食事用のテーブルと椅子を購入したから、もうベットを1DKのこの部屋に入れたら歩くのが大変になりそうだ。愛撫されていたから荒くなった呼吸で、そう告げると、壱哉は一瞬悩んだ素ぶりを見せた。
「…それもそうか、うーん……考えるのは後でもいい?今はこの可愛いおっぱいを味わいたい」
そう言って私の乳房の愛撫を再開させると、私の胸に顔を埋めた。
徐々に服を脱がされ…もう時間だと、残念そうに呟いた壱哉は私の身体から離れた。
「…次から泊まって行ってよ…大丈夫、最後まではしないよ」
いくらなんでも私は流されすぎかも、と思っていると、壱哉は私の考えを読んだのか、ちゃんと付き合ってからすると甘く蕩けるような声で呟いた。
「…可愛い」
今更全身舐められているから最後も何もないと思うのに、壱哉に甘えられると、どうしようもなく可愛くて胸がドキドキするのだ。
「俺の事可愛いと思うのは、多分まいだけだけど」
私が思わず可愛いと呟いてしまうと、壱哉は眉を寄せて不本意そうに返事をする。壱哉の頭を撫でると、彼は途端に嬉しそうに笑うから、やっぱり犬みたいで可愛いと思っていると、
「違うからっ!これは、まいから触ってくれるのが嬉しいからだからっ!頭を撫でられて嬉しいとかじゃないからっ!」
一生懸命言い訳する彼に、私は服を着せさせられながらにこにこと笑った。
***************
「まい、どう?」
それでもなお、私が求人を見ていると、それを見た壱哉が欲しい物あるの?と聞いて来たので、私が着る服が欲しいと働く理由を壱哉に告げたら、なら俺が買うよ、と壱哉が数着購入してくれたので、私の働きたい理由がなくなってしまった。でも、このままでいいのかな、と思っていると、ある平日の夕方にリビングで座ってスマホを触っていたら、母から声を掛けられた。
「うん…だいぶ行動範囲広くなった…と思う」
「そう…良かったわ」
「あのさ…以前の私って、家にお金入れてたのかな?もしかして働いた方がいい…よね?」
いくらなんでも事故とはいえ無職だし、自分の部屋の中を見る限り、最新の流行りものは少ないが荷物が多いから全く買わなかったわけではなさそうだった。
「…少し入れてくれていたわ、でもまいが家にお金を入れないからって、生活出来ないわけじゃないわ」
母はそう言ってリビングのテーブルに向かい合わせで座ると、私の前に温かい紅茶の入ったマグを置いた。
「ありがと…今更だけど…事故の前の私の様子とか教えて欲しいの」
「まぁ…どうしたの?」
「う…ん、なんか事故後はリハビリとか、生活の変化についていくのが精一杯だったけど、今は心に余裕が出来たから…知りたいなって」
壱哉の家に行くようになって、道路にも慣れたし、外出に抵抗がなくなっていた。だから、心にもゆとりが出来て事故前の自分が過ごした自分の日常を知りたくなった。
「そうね…何かに悩んでた…って言わなかったわ…というより、明世ちゃん以外の交友関係はわからないけど…人間関係で悩んでいるって聞かなかったし、まいは言わなかったわ」
「そうなの…私の部屋にある服なんだけど」
「ああ、私もお父さんも派手な服ね、と言っていたけど、まいはこれでいいと言ってたから、気の済むまで放っておこうって決めたのよ」
クローゼットを開けたら、色味の強い目の痛いものばかりで、理由を聞きたかったのに、母も父も私の趣味だと思ったみたいだった。
「あっでもね、まいは昔から辛いものは苦手だったわよ、ふふっ、今と同じね」
とお母さんはくすくすと少女のように無邪気に笑うと、私を安心させるために事故前と今の私と同じところをいくつか挙げてくれた。
「辛いもの、でしょ…それから、時間に遅れるのが嫌だからアラームを掛けないと落ち着かない所は同じだし、あっ、そうそうフラワー系の香を好きな所も変わらないわ」
「…そうなの?」
「ええ、無香料の柔軟剤とお花の柔軟剤、どちらも置いてるのに、いつもお花の方を使うでしょ?前のあなたもそうだったわ」
意外な事を言われて驚いいると、母はさらに続けた。
「…まいは、少しやんちゃな男の子が好きだと思っていたのに、壱哉くんと付き合うって聞いて驚いたわ…彼はどちらかというと…まいの嫌いなタイプだと思っていたから」
「…?それってどういうこと?」
「壱哉くんはいつもにこにこしているし、歳の割に落ち付いているし、とってと気が利くでしょ?まいは一緒に騒ぐ子が好きなのかな、と思っていたのよ」
確かに壱哉は眼差しは鋭いが髪も染めていないし、普段の服装もTシャツとジーンズだし、私の持っている服のようにド派手な物は持っていない。むしろ物欲がここまでない人がいるのだろうか?と、新鮮な気持ちもある。
「ただいまー、今帰ったぞっ…あとそこで壱哉くんにばったり会ったから一緒に来たぞ」
「おじゃましまーす」
それは歴代の彼氏のことなのだろうか、とお母さんにもう一度聞こうとしたら、玄関を開ける音と騒がしい父の叫ぶ声が聞こえた。
「まっ、今日は早いわね、さっ準備をしましょう…まいは出迎えて」
「あ…うん」
母は私の前にあるマグを取るとキッチンへと向かい、私は母に言われた通りに父と壱哉を出迎えに玄関へと行った。
「おかえりーいらっしゃい」
「ただいま」
父は先に家の中に入り、壱哉はちょうど靴を脱いでいる所だった。壱哉は私を見ると、目元を緩めた。背後に誰もいないのを確認して、壱哉の頬にキスをすると、彼はふっ、と笑う。
「これいいね、今度から帰って来たらキスをするようにしようか」
「…いつもしてるじゃん」
私が壱哉の家のどこにいても、彼は帰って来たら私の元へやってきてキスをするんだから、意味がないと思っていたが、
「違うよ、出迎えのがいいんだよ」
と、私の腰を抱き寄せて、私がした頬のキスのお返しとでも言わんばかりに、私の唇にキスをした。
「続きは…後でね」
さらに私の耳を甘噛みして意地悪く囁くと、彼は耳を舐めた。
「なっ!後でって!」
「ははっ」
私を解放すると、彼は慣れた足取りでリビングへと向かった。
「んっ…やだっ」
「やだって…もうわがままだなぁ、まいは」
父も母も2階の自分の部屋に行くと、2人きりの時間が始まった。いつも壱哉とはキスとそれ以上の事をしているから、自分の家のソファーの上にいる彼の隣に座ってキスを自分から求めてキスに夢中になっていたら、いつの間にか彼の足の上に向かい合わせに座らされていた。キスを止めようとする壱哉に、彼の首の後ろに腕を回してそれを阻止しようとすると、彼は苦笑した。
「ここは俺の家じゃないから、これ以上は出来ないよ」
そう言いながらも、壱哉は私の腰に両手を付けると、ゆっくりマッサージするように揉んだ。その触り方は、ただ身体が触れただけじゃなく、2人の濃厚な時間を思い出させる愛撫のような触り方で、私の身体は勝手に期待をしてしまう。
「…うそ」
「うそじゃないよ」
半べそになっている私にくすくす笑いながら、彼は私の耳に息を吹きかけ私を揶揄うのに、彼の手は私の服の中に入って直接私の肌に触れた。
「やだっ」
触って欲しいのに、ちゃんと触ってくれないと嫌だ、とわがままな自分がいる。だけど、自分の気持ちなんかコントロール出来ていたら、最初から壱哉にキスなんて強請ってないのだ。壱哉を前にすると、どうやったらずっと私を見てくれるのか──いや、どうやったら彼にずっと触れられるかばかり考えていて、自分は頭がおかしくなったのかさえ疑うようになっている。壱哉の首にある手に力を入れて、一夜の顔を自分の胸へと寄せると、彼は私の鎖骨辺りに額を付けた。
「…ここが家だったら良かった」
もちろん私の家じゃなく、壱哉の家だ。
「…なら一緒に住む?」
ワントーン下がった壱哉の声は本気とも取れたし、違うかもしれない。だが、ここで一緒に住むとは言えなかった。私が家族以外の人と住むとなると、事故の記憶喪失が深い傷を心に残して不安しか残らないからだ。
「ゆっくり考えよ…まだ、先は長いから」
壱哉は私が返事をしないのを咎めるわけでもなく、私の胸から顔を上げて、これ以上何にも考えなくていい、とでも言うように私の唇に自分の唇を重ねて舌の絡まる深いキスを始めたのだった。
壱哉は足繁く私の家に通って、私はただ壱哉がくる日を待つ日々を送っていた。
──そろそろ、働きたいな…
実は私の部屋にある服は、どれも私好みじゃないギャルが着るようなド派手な服ばかりで、なるべく一番無難な服を選んで着ているけど、そろそろ新しい服を買いたくなった。
──目覚めた時も、金髪だったし…前の私はパリピ側だったのかな?
と記憶喪失になったら、好みも変わるのかと思っていたが、先生に相談すると、そういったケースの場合もあるが、ほとんどは以前と同じ物を好む傾向にあると言われた。
だが実際には、私の身体にフィットしたタイトなワンピースも、遠くからでも分かる蛍光の黄色や緑の服を着て外に出歩くなんて出来なかった。
「そろそろバイトをしようと思うの」
その事を両親に告げると、両親はずっと部屋に篭っていた私を心配し始めていたので、
「そうね、そろそろリハビリがてら、働いてみたらどうかしら」
と賛成してくれた。しかし、
「いや、まだ早いよ…1人で通勤するの大変じゃないの?」
唯一難色を示したのは壱哉で、私が公共機関や徒歩で働く前から体力が持たないんじゃないかと心配した。
「…そうかな…そうだよね…まずはウォーキングから始めないとダメだよね」
だが…事故の後からは、何とも思っていなかった道もダメになっていた。身体が拒絶反応を起こして、立ちすくんで歩けなくなるのだ。今後働きたいと思う場所を面接の前に、通勤手段の確認をしなければいけなくなるはずだ。
「なら、試しに俺の家に通いなよ帰りは送るからさ」
「でもそれじゃ、壱哉の負担になるし」
仕事から帰ってきているし、土木の仕事は体力勝負だと知っているから私が断ると、
「車あるし、すごく遠いわけじゃないから」
壱哉は何でもないように言ったので、働きたいと言っていたのにいつの間にか週に二度、彼の元へと行く事になった。
***************
「ただいまー」
「おかえり」
壱哉の家に出入りするようになって2週間経つと、ある程度慣れてきて、壱哉の帰りを家の中で待てるようになった。壱哉の家に行くと決まった後は、壱哉の次の休みの日曜日に彼の住む家を案内してもらったし、いきなり合鍵を渡された。
壱哉の家は私の家から電車で5つくらい先の隣町で、駅から徒歩圏内にある1階がコンビニがある12階建てのマンションだった。壱哉はそこの8階の角部屋に住んでいて、部屋は1DKだった。
最初壱哉の家に入った時は、アルコールしか入ってない小さな冷蔵庫と数個の衣装ケース、それから衣装ケースの上に積み上がった作業着、壱哉がいつも持っている使い込まれたショルダーバッグが床に転がっていた。床に敷かれた薄い布団と掛け布団。調理道具も食器も全くないが、何故かコップだけは一つあり、洗濯機もない家電や家具と物のなさに驚いた。
『ご飯は基本外食だし、ほとんど寝に帰ってるだけ』
と言って、仕事着ている会社の作業着も普段着も下着もまとめて、週に何回か、または休みの日にまとめてコインランドリーで洗って乾かしていると言っていた。
『ごめん、これじゃ、まいが座る場所ないね』
どこに座ればいいのか悩んでいたら壱哉に告げられ、壱哉の家に入って10分もしないうちに、気がついたら大型のショッピングモールへと出かけて、その中にあるインテリアショップで2人が座れるソファーを買いに行く事が決まっていた。
『どのソファーにする?』
『えっ…それは、壱哉が座りやすいソファーがいいんじゃない?』
『俺よりも、まいが好きなソファーがいいな、俺は何でもいいからさ』
と言って、私がテキトーに目の前にあった、このソファーかな、と思って見ていたら、壱哉がそのまま店員を呼ぼうとしたから慌てて彼を止めて、冗談でもなく本当に選んでいいんだと思ったので改めてちゃんと吟味することにした。
座り心地と色と素材を見て、背もたれが低い代わりに大きなクッションが付いた濃紺のコットン生地の2人掛けのソファーにした。少し値の張る金額に心配していたが、壱哉はたいして気にませずに近くに来た店員に注文すると、その流れのまま食器や、私が料理を作ると言うと調理器具も一緒に購入した。
『今日から作る?一応家でも作っていたけど…手の込んだ料理は無理だけど』
「…本当?なら食材も買おうか』
壱哉の家はアルコール以外何にもないと気がついて、流石に塩や砂糖はあるだろうと思ったら、それもないと言ったので少量のミニサイズの容器に入った調味料をいくつか、ついでに買った。
『俺が帰る頃を見計らって来なくても、お昼とか…何時からでもいいから待っていて欲しい』
そう言って、荷物を積み終わって車に乗り込んだ時に、壱哉の家の合鍵をもらったのだ。
それが2週間前の出来事で。
今は買い物に行った数日後に来た届いた、このソファーの端が私の定位置となっていた。なるべく夕方くらいの時間帯に、この家につくようにして、私は料理と軽い掃除を済ませると、彼が帰って来るまでソファーで座って過ごしていた。
「…大丈夫だった?」
「うん、結構慣れたよ」
壱哉は毎回帰ってくると、私が道中嫌な思いをしなかったか心配をしてくれる。私も毎回なんにもなかったと言うけど、やっぱり道を歩くときは少しだけ怖い。だけど、退院した最初の時に比べたらだいぶマシになったし、いずれこの怖いと感じる気持ちもなくなると思ったから、壱哉に心配をかけたくなかった。
「…今日も、さ…いい?」
「うん…ちょっとだけなら」
壱哉がお風呂から上がって、私がご飯をテーブルに──これは最近通販で購入した──並べていると、彼が私を背後から抱きしめて、首筋に唇を押し当てながら、甘えてきた。
壱哉の家にいると、壱哉と身体が触れ合う時間がほとんどになるようになった。21時ぴったりに、家に着くように送り届けてくれるが、まるで磁石のように見えない磁場で、引き寄せられているみたいにどこかしら触れ合っているのだ。私の家にいた時は触れ合う事なんてなかったのに、今はご飯の時も向かい合わせじゃなくて、隣に座るくらい距離が近い。ただ抱き合っているならいい…最近では壱哉の手が私の身体のあちこちを触り、愛撫されているような触れ合いに様変わりしていた。
それも決まってご飯の後で、私が家に帰る時間に近づくまでの僅かな時間だ。汚れた食器を洗おうとすると、あとで洗うからと彼の手によって止められ、そのままソファーへと連れて行かれる。ソファーに座る彼の足の間に座らされ、身体を後ろに倒すと、壱哉の胸板に背中がくっついて、振り向くと口を塞がれる。
「…ん」
最初は決まって口へのキスだ。その次に頬と首筋、また口に戻ると、今度は私の身体を触り始める。
「まい、可愛い」
下から持ち上げるように胸を着ている服の上から揉まれ、背中が丸まると、彼は私の耳を甘噛みして舐める。こうして毎回触れ合いが始まると、お風呂に入って綺麗になった壱哉とは反対に、私は電車にも乗ったし、少しだが歩いて来ているのが気になっていくようになる。
「…最近のまいってさ、お風呂入ってきたの?すごくいい匂いがする」
だから最近では、壱哉の家に来る前に実家でお風呂に入って来ているのだけど、壱哉は少しだけ残念そうに言う。
「んっ、だって色々舐めたりっ…するからっ」
そう、壱哉は私の事になるとNGな事がないみたいで、お風呂に入ってなくても嫌な顔ひとつせずに私の服の中に手を入れて…このあとは多分今日も先に進むはずだから、服を脱がせられたら壱哉は私の全身を舐めるのだ。毎回、足の先までも。だからせめてある程度は綺麗にしようと思っているのに、壱哉は
「なら、この家で入っていきなよ、一緒に入るのもいいね」
うっとりと私を見つめながら、もう着替えもいらないよね、と仄暗い表情を私に見せて囁く。彼に舐められている間は服を脱ぐから、最初から一緒にお風呂に入って脱ぐ必要が無くなると暗に知らせる。
「…でも、今も暑いけど、まいが風邪ひいたら嫌だな」
ゆっくり喋るのに、私の身体を弄る手は緩めない。
「あっ、壱っ…哉っ」
いつもの流れで私の服の中に手を入れると、彼は私のブラを上にズラして直接乳房を揉み始めた。両手で私の乳房の中心にある粒を親指と人差し指で摘むと、ぐるぐるとダイヤルを回すみたいにこねる。その他の指でも乳房を揉むから、快感が生まれて、壱哉の肩に後頭部をつけた。
「ああ、可愛い…本当に、食べちゃいたい」
壱哉は私の口を塞ぐと、私の乳房をぎゅっと掴んだ。うしろを振り返ってのキスは息も上手く出来ないから、私は身体をよじって壱哉の方を向くと、彼の首の後ろへと腕を回した。
壱哉はキスを続けながら、私の膝の下と腰に腕を回して持ち上げると、私をソファーに仰向けで寝かせ、私の足の間のソファーに膝をついて私に覆い被さった。
「そうだ、家にくる日は泊まったらどうだろう」
「…泊まる?」
「そう…ああ、でも布団がないや…今度の休みに新しく買いに行こうか」
「まっ…て、あっ…んっ」
壱哉は私の言葉を遮って私の服をたくし上げると、露わになった乳房を口に含んだ。
「そうだ、そうしよう、このソファーじゃ2人で寝れないし、固い床でまいを寝かせてやれないや」
「壱哉っ、は…ぁっ!」
私が彼の頭を抱きしめると、壱哉は私の乳房から顔を上げた。
「いや?」
「いや…じゃないけど…もう入らないよ」
そう、ソファーも食事用のテーブルと椅子を購入したから、もうベットを1DKのこの部屋に入れたら歩くのが大変になりそうだ。愛撫されていたから荒くなった呼吸で、そう告げると、壱哉は一瞬悩んだ素ぶりを見せた。
「…それもそうか、うーん……考えるのは後でもいい?今はこの可愛いおっぱいを味わいたい」
そう言って私の乳房の愛撫を再開させると、私の胸に顔を埋めた。
徐々に服を脱がされ…もう時間だと、残念そうに呟いた壱哉は私の身体から離れた。
「…次から泊まって行ってよ…大丈夫、最後まではしないよ」
いくらなんでも私は流されすぎかも、と思っていると、壱哉は私の考えを読んだのか、ちゃんと付き合ってからすると甘く蕩けるような声で呟いた。
「…可愛い」
今更全身舐められているから最後も何もないと思うのに、壱哉に甘えられると、どうしようもなく可愛くて胸がドキドキするのだ。
「俺の事可愛いと思うのは、多分まいだけだけど」
私が思わず可愛いと呟いてしまうと、壱哉は眉を寄せて不本意そうに返事をする。壱哉の頭を撫でると、彼は途端に嬉しそうに笑うから、やっぱり犬みたいで可愛いと思っていると、
「違うからっ!これは、まいから触ってくれるのが嬉しいからだからっ!頭を撫でられて嬉しいとかじゃないからっ!」
一生懸命言い訳する彼に、私は服を着せさせられながらにこにこと笑った。
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「まい、どう?」
それでもなお、私が求人を見ていると、それを見た壱哉が欲しい物あるの?と聞いて来たので、私が着る服が欲しいと働く理由を壱哉に告げたら、なら俺が買うよ、と壱哉が数着購入してくれたので、私の働きたい理由がなくなってしまった。でも、このままでいいのかな、と思っていると、ある平日の夕方にリビングで座ってスマホを触っていたら、母から声を掛けられた。
「うん…だいぶ行動範囲広くなった…と思う」
「そう…良かったわ」
「あのさ…以前の私って、家にお金入れてたのかな?もしかして働いた方がいい…よね?」
いくらなんでも事故とはいえ無職だし、自分の部屋の中を見る限り、最新の流行りものは少ないが荷物が多いから全く買わなかったわけではなさそうだった。
「…少し入れてくれていたわ、でもまいが家にお金を入れないからって、生活出来ないわけじゃないわ」
母はそう言ってリビングのテーブルに向かい合わせで座ると、私の前に温かい紅茶の入ったマグを置いた。
「ありがと…今更だけど…事故の前の私の様子とか教えて欲しいの」
「まぁ…どうしたの?」
「う…ん、なんか事故後はリハビリとか、生活の変化についていくのが精一杯だったけど、今は心に余裕が出来たから…知りたいなって」
壱哉の家に行くようになって、道路にも慣れたし、外出に抵抗がなくなっていた。だから、心にもゆとりが出来て事故前の自分が過ごした自分の日常を知りたくなった。
「そうね…何かに悩んでた…って言わなかったわ…というより、明世ちゃん以外の交友関係はわからないけど…人間関係で悩んでいるって聞かなかったし、まいは言わなかったわ」
「そうなの…私の部屋にある服なんだけど」
「ああ、私もお父さんも派手な服ね、と言っていたけど、まいはこれでいいと言ってたから、気の済むまで放っておこうって決めたのよ」
クローゼットを開けたら、色味の強い目の痛いものばかりで、理由を聞きたかったのに、母も父も私の趣味だと思ったみたいだった。
「あっでもね、まいは昔から辛いものは苦手だったわよ、ふふっ、今と同じね」
とお母さんはくすくすと少女のように無邪気に笑うと、私を安心させるために事故前と今の私と同じところをいくつか挙げてくれた。
「辛いもの、でしょ…それから、時間に遅れるのが嫌だからアラームを掛けないと落ち着かない所は同じだし、あっ、そうそうフラワー系の香を好きな所も変わらないわ」
「…そうなの?」
「ええ、無香料の柔軟剤とお花の柔軟剤、どちらも置いてるのに、いつもお花の方を使うでしょ?前のあなたもそうだったわ」
意外な事を言われて驚いいると、母はさらに続けた。
「…まいは、少しやんちゃな男の子が好きだと思っていたのに、壱哉くんと付き合うって聞いて驚いたわ…彼はどちらかというと…まいの嫌いなタイプだと思っていたから」
「…?それってどういうこと?」
「壱哉くんはいつもにこにこしているし、歳の割に落ち付いているし、とってと気が利くでしょ?まいは一緒に騒ぐ子が好きなのかな、と思っていたのよ」
確かに壱哉は眼差しは鋭いが髪も染めていないし、普段の服装もTシャツとジーンズだし、私の持っている服のようにド派手な物は持っていない。むしろ物欲がここまでない人がいるのだろうか?と、新鮮な気持ちもある。
「ただいまー、今帰ったぞっ…あとそこで壱哉くんにばったり会ったから一緒に来たぞ」
「おじゃましまーす」
それは歴代の彼氏のことなのだろうか、とお母さんにもう一度聞こうとしたら、玄関を開ける音と騒がしい父の叫ぶ声が聞こえた。
「まっ、今日は早いわね、さっ準備をしましょう…まいは出迎えて」
「あ…うん」
母は私の前にあるマグを取るとキッチンへと向かい、私は母に言われた通りに父と壱哉を出迎えに玄関へと行った。
「おかえりーいらっしゃい」
「ただいま」
父は先に家の中に入り、壱哉はちょうど靴を脱いでいる所だった。壱哉は私を見ると、目元を緩めた。背後に誰もいないのを確認して、壱哉の頬にキスをすると、彼はふっ、と笑う。
「これいいね、今度から帰って来たらキスをするようにしようか」
「…いつもしてるじゃん」
私が壱哉の家のどこにいても、彼は帰って来たら私の元へやってきてキスをするんだから、意味がないと思っていたが、
「違うよ、出迎えのがいいんだよ」
と、私の腰を抱き寄せて、私がした頬のキスのお返しとでも言わんばかりに、私の唇にキスをした。
「続きは…後でね」
さらに私の耳を甘噛みして意地悪く囁くと、彼は耳を舐めた。
「なっ!後でって!」
「ははっ」
私を解放すると、彼は慣れた足取りでリビングへと向かった。
「んっ…やだっ」
「やだって…もうわがままだなぁ、まいは」
父も母も2階の自分の部屋に行くと、2人きりの時間が始まった。いつも壱哉とはキスとそれ以上の事をしているから、自分の家のソファーの上にいる彼の隣に座ってキスを自分から求めてキスに夢中になっていたら、いつの間にか彼の足の上に向かい合わせに座らされていた。キスを止めようとする壱哉に、彼の首の後ろに腕を回してそれを阻止しようとすると、彼は苦笑した。
「ここは俺の家じゃないから、これ以上は出来ないよ」
そう言いながらも、壱哉は私の腰に両手を付けると、ゆっくりマッサージするように揉んだ。その触り方は、ただ身体が触れただけじゃなく、2人の濃厚な時間を思い出させる愛撫のような触り方で、私の身体は勝手に期待をしてしまう。
「…うそ」
「うそじゃないよ」
半べそになっている私にくすくす笑いながら、彼は私の耳に息を吹きかけ私を揶揄うのに、彼の手は私の服の中に入って直接私の肌に触れた。
「やだっ」
触って欲しいのに、ちゃんと触ってくれないと嫌だ、とわがままな自分がいる。だけど、自分の気持ちなんかコントロール出来ていたら、最初から壱哉にキスなんて強請ってないのだ。壱哉を前にすると、どうやったらずっと私を見てくれるのか──いや、どうやったら彼にずっと触れられるかばかり考えていて、自分は頭がおかしくなったのかさえ疑うようになっている。壱哉の首にある手に力を入れて、一夜の顔を自分の胸へと寄せると、彼は私の鎖骨辺りに額を付けた。
「…ここが家だったら良かった」
もちろん私の家じゃなく、壱哉の家だ。
「…なら一緒に住む?」
ワントーン下がった壱哉の声は本気とも取れたし、違うかもしれない。だが、ここで一緒に住むとは言えなかった。私が家族以外の人と住むとなると、事故の記憶喪失が深い傷を心に残して不安しか残らないからだ。
「ゆっくり考えよ…まだ、先は長いから」
壱哉は私が返事をしないのを咎めるわけでもなく、私の胸から顔を上げて、これ以上何にも考えなくていい、とでも言うように私の唇に自分の唇を重ねて舌の絡まる深いキスを始めたのだった。
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