強面騎士団長と転生皇女の物語

狭山雪菜

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団長室にて

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「凄かったです!とってもカッコよくて、剣の動きも速くて見えなくて」
本部の中を案内され、訓練も見終わった私は団長室に戻っても興奮したまま、彼の勇姿を称えていた。最初は私の言葉に、いや、とか、大袈裟な、とか言っていたが、私の言葉が止まらなくなると、褒められすぎて照れ臭くなったのか、目元を赤らめてずっと黙ったままだ。スミレはいつの間にかいなくなっていて、完全にトラヴィ様と2人きりだ。
団長室のソファーに座った彼の足の上に身体を横にして座り身振り手振り忙しなく動かしていた私に、トラヴィ様は私の腰に左手を添えて、右手を私の膝に置いて私の話を聞いている。
「…なら、褒美に愛しい妻サーシャからの唇を求めてもいいだろうか」
あまりにも褒めすぎたのか、ご褒美が欲しいと言われ、今度は私が赤面する番だ。
「わっ…私からですかっ…っ」
「…いやか?」
途端に悲しそうな顔をするトラヴィ様に、そんなわけ無いと顔を横に振って否定する。
「私からっ…っ…目を…目を閉じてください」
私をじっと見つめている彼が、冗談じゃなくてキスを求めているのに気がついて、心を決めた。
顔を寄せて目を閉じた彼の頬を両手で挟み、顔を近づけて触れるだけのキスをした。私の唇が離れた途端に目を開けた彼は、少し不満そうに眉を寄せた。その顔が可愛くて、くすくすも笑っていると、突然ムッとしたトラヴィ様が私の口を塞いだ。彼の舌が私の唇のラインをなぞり、口が自然と開いてヌルッとしたトラヴィ様の舌が口内へと入る。
彼の舌を向かい入れて自分の舌を絡め、彼の頬から首の後ろへと手を移動するとより深い口づけになる。
「っ、んっ、ん、っ」
鼻から息をするのに甘い声が漏れてしまい、私を抱き寄せる彼の手の力が強くなる。
顔の角度を何度か変えると、名残惜しく離れた唇同士を透明な糸が繋ぐ。無意識のうちにぺろりと舌で舐めとると、トラヴィ様が低く唸る。鼻先を彼の頬に押しつけ、擦り合わせて甘えていたら、はぁっ、と甘い息を吐くたびに唇を強く吸われる。
「…今日…は、早く帰ってきますか…?」
最近はトラヴィ様の帰りが遅くて、毎日身体を重ねて居なかったのだ。寂しい、そんな思いが声に滲んでしまって、甘えた言動が出てしまっていた。
「絶対に早く帰る」
そう固く決意したトラヴィ様の力強い声に、ふふっと笑ってしまった。もう一度トラヴィ様の頬を両手で挟み、今度は恥ずかしがらずに私から口づけをすると、しばらくお互いの唇に夢中になっていた。

キスに夢中になっている、という事は…それだけじゃ足りないわけで…

トラヴィ様の足の上に横向きに座っていた私は、一度立ち上がり彼の足を跨いで向かい合って座り直した。その間にもキスは止まらずに、口を追いかけ追いかけられている。座り直した途端に私の太ももを撫で始めたトラヴィ様と、彼の首の後ろへと腕を回し抱きついた私は密着した。彼の舌をちゅうちゅうと吸っていると、胸がトラヴィ様の固い胸板に当たり自然と押しつける形となってしまうが、彼は気にしている素振りも見せない。彼の太ももを撫でていた両手が腰に、くびれにと上がり、ブラウスの上から両手で私の胸を揉む。ブラウスとロングスカートという比較的楽な服装をしているとはいえ、固いワイヤーで補強されている下着は、加減しているのかトラヴィ様の力をもってしても胸の形を変える事は出来ないし、彼の愛撫も感じられない。
ーー全て脱いで彼と抱き合ってしまいたくなる…ここは団長室で、屋敷の自室じゃない
そう思っても一瞬でどうでも良くなって、またしばらくすると自分の場所を思い出すループに入ってしまう。
「あっ、っ」
胸への愛撫を諦めたのか、今度はお尻へと移動した彼の両手がワンピース越しにお尻を掴む。お尻には柔らかな布のパンツを履いただけなので、すぐに彼の手の動きを感じる事が出来た。
「あっ…ぅっ」
掴む手はねちっこくて少し痛いが、気持ちいい。彼の左手が私のお尻を難なく持ち上げ、彼の足の上で跨いだソファーについた足の膝を立てらされる。ロングスカートをたくし上げて、持つように言われて赤面しながらも彼の首の後ろから腕を離した。両手でロングスカートの裾を持つと、彼の右手がスカートの中へと滑り込む。指先が内腿を辿り、足の付け根に彼の指先が到達すると下着の上から、人差し指かは分からないけど、カリカリと擦られた。
「っ…ふ…っん」
自分でも気がつかなかった、ヌルッと滑る下着に既に湿ってると知り、恥ずかしくて穴があったら入りたくなった。
「サーシャ、感じていたのか」
と、揶揄うでも驚くわけでもなく熱の篭った熱い眼差しで私を見つめるトラヴィ様と視線が合って、胸がきゅんと熱くなる。
「…っはいっ…だって…トラヴィ様ですもの、あっ!」
そう言うと、ぐるっと獣のような呻き声が聞こえて、下着の上から弄っていた指先が、下着をズラして蜜壺の中へと入っていった。無遠慮に1本の指が入り、2本もさほど時間をおかずに入ると、自由に動き回る彼の指に蜜壺が伸縮して向かい入れるのを感じる。突然やってきた強烈な快感をガクガクと揺れる膝で支える事が出来なくなり、ロングスカートの裾を持ったままトラヴィ様の肩に両手をつけた。
「あっ、っ…んっ、あっ」
彼の指から逃げるように腰が引け、蜜壺から抜けそうになると彼の手がすかさず追いかけ、逃げるなんて、と咎めるように大胆な動きへと変わっていく。
内腿に伝う蜜にも敏感になった身体は反応してしまい、ピクピクと身体が勝手に動く。
「あっ、はっぁ」
と、甘い声が止まらなくなってしまうと、彼の指が私の蜜壺から抜け、私の腰を掴んで腰を下ろすように彼の左手に力が入った。熱にかかったかのように、何にも考えられなくなっていた私は、彼に促されるがまま、下着がずらされたまま彼の腰の上に移動して腰を落とした。すると、熱くて固いモノが当たり、私の体重の助けもあってその熱いモノが蜜壺の中へと埋まっていく。
「あっ、っ、っ声が…っ」
「ぐっ…く…千切れそうだっ…っ」
下からズンッ、ズンッと突き上げられて、零れる甘い喘ぎ声を抑える事ができない。ロングスカートから手を離して、トラヴィ様の首の後ろへと腕を回すと、彼は私の太ももの下を持ち立ち上がった。
「あっ!」
その時に一気に貫かれて、目の前がチカチカと光り快感が身体中を巡った。
「あっっ…トラヴィ…っ様、まだっ、あっ」
まだイッているのに彼は私を揺らし始めて、私の身体が上下に動く。その動作を利用して彼も腰を動かすと、深く繋がれて、またもや快感が溢れてくる。
「はっ、っぐっ…はっ」
「あっ、んっ、ん」
私を揺らしながら歩き始めた彼の動きは止まらずに、ぱんぱんっと肌のぶつかる音がより快感を昂らせ、もう腕の力を入れて落ちないようにするのが精一杯となり、ただただ気持ちいいとしか思えない。
「あっ、あ、あ、っんんん!」
イッたばかりの身体に追い打ちをかけられ、呆気なく達すると、トラヴィ様の動きが止まり蜜壺の中がじわじわと温かくなっていくのを感じた。
「っ…は」
トラヴィ様は腰を左右に動かすと、ぐりぐりと蜜壺の中ーー内側に浸透させたいかのように、いつの間にかまた固くなった昂りを押しつけた。
「あ…っ、ん」
腕の力を入れて彼に抱きつくと、太ももにあった手は腰とお尻に回り、私は彼の腰に足を巻き付けた。
啄むキスが始まり、次にお互いの唇を喰み合う。このままもう一度するのかと、思っていたが…
「…くっ、今日はこのまま帰ろう」
「ん、っあ」
彼の執務机に下ろされ、彼の昂りが蜜壺から抜けた。ドロッとした熱い証が溢れると、彼はハンカチを取り出してそれを丁寧に拭った。まだ固くなっている昂りは、天井を向いていて一度出したとは思えない。窮屈そうにズボンの中へと入れると、私の身支度を整えて私を横抱きに持ち上げると、団長室から出て行った。


元々指示されていたのか、帰りの馬車は私とトラヴィ様だけで、そこでも少し盛り上がってしまった。豪華な馬車に続いたのは、トラヴィ様が通勤で使っている馬車だったのだ。

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