強面騎士団長と転生皇女の物語

狭山雪菜

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ある夜の事

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慣れた手つきで羽織るだけの私の肌の色が見える黒いレースの夜着を、外していくトラヴィ様。彼はシンプルな黒いバスローブ姿でベッドの上のベッドボードに背を預けて座り、彼の足の上に跨って座り、夜着を脱がす彼の手を潤んだ瞳で見つめる。
彼と身体を重ねるようになってひと月。先週から続いていた月のモノが終わり、久しぶりに触れ合える日。
月のモノの間にもキスをしたり、怠くて横になっている私のお腹を優しく摩ってくれる彼に感謝していた。
昨日までしていた重なるだけの、啄むだけのキスではなく、呼吸も忘れてしまうほどの情熱的なキスにすぐに夢中になって、彼からプレゼントされたレースの夜着を外されると、乳房の粒を隠しただけの細い紐で首の後ろへと結んである下着、パンツは面積の少ない三角の布があてがわれ、その布が足の間を過ぎると紐となり腰の両脇で結んでいる。
一見定番でシンプルな夜着だけど、久しぶりに重ねる身体には刺激が強いみたいで、彼の手が止まり、うっとか、ゔっとか戸惑う彼の声も聞こえる。
私の首から内腿まで身体中につけられた赤い所有印は、月のモノで触れ合っていなかったので少し薄くなっている。
「…少し見えなくなったな」
「…んっ」
彼が手のひらの固い皮膚が私の身体に付けた赤い印に、順に触れていき期待で声が漏れてしまう。赤い印の場所は見えるところにもあるが、私がよく反応を示す場所にもつけられていて、少し触れられるだけで簡単に身体が熱くなってしまう。
私は彼の足の上から彼の腰の方へと、近づいて座り直した。私と彼の間に近くなった距離と、固くて熱くなっている昂りが私の下半身の下着に当たり、布の面積も少ないために彼の変化を直ぐに知る事が出来た。
ちゅっ、ちゅっと、啄むキスをしていると、彼の手が私のくびれをなぞったのを皮切りに、全身を愛撫していく。だんだんと息も上がり始めると、淡いキスからベッドボードから背を離し、上体を屈めた彼の顔が私の胸に埋まる。盛り上がった乳房に舌を這わし、甘噛みしては強く吸い、チクリとした痛みを断続的に感じる。
胸から鎖骨へ、鎖骨から首筋へ、首筋から耳までいくと、今度は胸元へと最初に触れた順に戻っていく。
「っ、ん、ん」
と我慢しようとしていた声が出てしまい、恥ずかしくて彼の頭を抱き締めると、柔らかな胸にむにゅっと押しつけられた彼の顔は完全に埋まってしまった。急に離れるわけでもなく彼は胸の隙間にも舌を這わし始めた。
彼の頭を抱きしめて何度か軽く達してしまい、プルプルと身体が震えてしまう。きっと彼は私の状態に気がついていると思うけど、構わずに口と手で私の乳房に愛撫を続け、はだけた胸当てが徐々にズレて乳房の粒が彼の目の前に出てしまう。柔らかく喰み、ちゅうちゅうと吸い、彼の舌で粒が転がされる。胸の愛撫だけじゃ物足りなくなった身体は、彼の上で跨る腰が無意識に揺れて、彼の昂りを上から押さえつけている。彼の右手が動き出して、揺れる腰を撫でて摘み、太ももにもマッサージをするように揉み摘む。
腰にある紐を引き解き横に引っ張るので、腰を上げると私の腰から下着を取り外した。
膝立となった私のお腹の下、露わになった下生えに手を伸ばし、その先の蜜壺の縁に彼の指の腹が触れた。
くちゅっ
と水音がして、蜜壺の中へと吸い込まれるように彼の指が埋まっていく。入って直ぐ、ぐちゅぐちゅと蜜壺の中を掻き回す。中を広げて昂りを蜜壺の中に入れる準備を進めるトラヴィ様。
「あっ、っ、っん!」
彼の両肩に手を置いて体重をかけると、彼の指から逃げ出すかのようにお尻が上がって突き出す。なのに、彼の指先は執拗に私の蜜壺を追いかけて、指がもう一本入る。指をパラパラと動かし、蜜壺の内側を広げ溢れて止まらない蜜が、彼の手のひらのから腕に向かって伝う。ぷるぷると震える下半身に力が入らなくて、このまま彼の足の上へと座ってしまいそうだ。
「…サーシャ」
蜜壺から指先を抜いたトラヴィ様の声が低く掠れて、呼ばれたので顔を上げると眉を寄せて額には汗をかいていて、それが色気を醸し出している。
「ん…トラヴィ様」
気分が昂ってきて彼の口を塞ぎ、彼の口内へと自分の舌を入れた。拙いながらも彼の舌に自分の舌を絡めていると、彼の手が私のお尻をひと撫でした後、私の腰に手を添えて腰を下ろすように誘導する。じっと彼の目線が下になっているのに気がつき、恥ずかしくて顔から火が出そうだ。ぬちゃっと粘音が擦れる音が聞こえ、蜜壺が広がっていく感覚が起こる。私の蜜壺に規格外の彼の大きな昂りが、少しずつ入っていくのを全身で感じ、先程まで感じていた快感が可愛らしく感じる。
「あっ、っん、っぐんっぅ」
不意に足の力が抜けてしまい、彼の腰の上にペタンと座り込むと、ズズッと一気に彼の昂りが蜜壺を貫き最奥までパンパンに埋まる。突然来た衝撃と快感に頭の中が真っ白になってしまい、全身が強張る。彼の肩に爪を立てても、ピクリともしない頑丈な身体。微かに聞こえる彼の唸り声を聞きながら、彼の腕の中に倒れ込む。顎を掴まれ上を向けさせられると、彼の口が私の口を塞ぎ舌が絡まる。顔の角度が何度も何度も変わり、私の両手を持って手のひらが合わさると、トラヴィ様の指が曲がり指が絡まる。そうするとベッドのスプリングを利用した下からの突き上げが始まり、身体が上下に揺れる。
「んあっ、っぁ、っ」
まだ私の口内にいた彼の舌を噛みそうになってしまい彼の顔から顔を離すが、彼の唇が私を追いかけまた口内へと戻った。私の両手が彼の両手と絡まっているから逃げ出す事も出来ず、下から突き上げられ甘い声しか出てこない。トラヴィ様は上体を屈めてぷるんぷるんと揺れる乳房を、口に含みちゅうちゅうと赤ちゃんみたいに吸い付く。
激しくなっていく下からの突き上げと、乳房への刺激に耐えきれなくなっていくのを感じる。
ーーだっ…だけどっ、凄いっ、可愛い、可愛いっ
「はっぁ、んっぁつ、あっんっ、ん」
心は私の乳房に夢中になっているトラヴィ様に、胸がきゅんきゅんとときめくのに口から出るのは甘い嬌声だけで、彼にこの気持ちを伝えたいと思うのに、休む間もなく突き上げられて、結局有耶無耶になってしまう。彼の左手が私の手から離れると、私の腰を掴み彼の昂りが抜けないように固定された。だんだんと私の蜜壺の最奥へと留まる時間が長くなり、彼の限界も近い気がする。繋がっている彼の手から指を解き、彼の首の後ろへと回して抱きつくと、彼の両手が私の腰をガッツリと掴む。
「トラヴィっ、様っあっ、あっ何っでっんんん!」
激しくなっていく突き上げに我慢出来ずに、彼の耳元で囁き喘ぐ。そんな私の声に反応したトラヴィ様の昂りがグンっと大きくなって私の蜜壺の中を圧迫して、一気に快感が膨れ上がり絶頂を迎える。
「ぐっっ…っつ」
ぎゅうぅぅっと蜜壺の中にいる昂りを強く締め付けてしまうと、私の腰にある彼の手に力が入ったと思ったら、ドクンドクンと蜜壺へと熱い証を注ぎ込んだ。



全身の力が抜けて、彼に抱きついた。
「…ね、トラヴィ様」
「どうした」
久しぶりの行為に離れるのが名残り惜しく、まだ彼の昂りは私の中にいた。火照った身体に彼の胸板も熱くて心地よい。
ーーこのまま2人で…居たい
快感を教えられた身体はもう前のように、ただ一緒に眠るだけじゃ物足りなくなっていっている。それに、いくら療養中だからと言って閉じこもってばかりじゃ、ダメだと思う。
「私…トラヴィ様以外と街にしか出かけた事ないので、他の所にも行きたいです…その…今度のパーティーに出席する前に」
今こんな事を言うのは違う気がしたが、2人きりの時間は今しかないからだ。使用人もいるこの屋敷では、いつ何時聞かれるか分からないからだ。
「うむ…そうだな…どこか行きたい場所とかあるのか?」
私の頭を撫でながら、彼は聞いてきた。
「…特には…まだ決めてないですが」
どこかに行きたいかなど、彼の休日にしか行かなかった下街も、今は外出せず彼の休みの前日から求められていた。今や次の日のお昼か最悪夜にならないと起き上がれないほどの倦怠感で横になっているのだ。またほぼリハビリと療養をしていた月日を考えたら、この世界の事は屋敷内で交わされる会話だけを聞くのみなので、いまいちピンとこない。
「そうか…なら、いくつか候補を絞っておこう」
「ありがとうございます」
目の前にある彼の胸板に頬を付けて、トラヴィ様が呼吸をする度に上下に上がる胸と規則正しく聞こえる彼の鼓動を感じる。
「サーシャ…?」
頭を撫でられて彼の腕の中で幸せな気持ちで満たされていた私は、瞼が閉じてしまうのを止めることが出来なかった。
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