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リクエスト お義母さんとお義父さんの乱入 学校一の美女
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「白雪、これは」
「あっ安いかも、一個買おうか…ねっ、テツくん」
今日は鳥のむね肉を使うおかずを作ろうと、スマホのアプリでレシピで使う材料を見ながらショッピングカートに入れていく。
週末の金曜日。仕事終わりに私の会社の近くで待ち合わせをして、一緒に帰る日が1週間に1、2度ある。その時は2人で家の近くにあるスーパーで、買い物をして食材を買う。お惣菜だったりする時もあるし、外食で済ませる時もあるけど、ほとんどは私手料理を食べる夫――山崎哲夫、柔道の日本の強化選手に選ばれていて、日本代表として世界大会に出場し、圧倒的な強さに"侍野獣"という異名も持っている。
そんな凄い彼の妻であり、生涯を誓いあったのは、私――山崎白雪だ。
高校の時に告白され、お試し期間を得てお付き合いをスタートさせた私達は、他の人が入る隙間もないくらい相思相愛で…結婚して1年が経とうとしていた。
そんな一部の人達から有名な哲夫だが、こうして一緒に普通にスーパーで買い物をしたり、変装もせずデートもするし、お出かけもする。
太い腕と胸板と太い足、見た目以上に力が強い事を知っているし、服の下の鍛え抜かれた筋肉も知っている。キリッとした眉と、一重の鋭い目は強面の印象を強く与えるみたいだけど、その眼差しを私に向ける時は、優しくなり熱の篭った視線となる事も知っている。
スーパーで買った商品が入ったエコバッグの大半を哲夫が持ち、私が持っているのは卵のパックとパンが入った袋だけだ。スーパーから近い2人の住むマンションに入って、2人の住む家へと帰った。
***************
「それでね、部長が――」
「今日先輩が――」
洗い物をする哲夫の背中に抱きつき、両手を彼のお腹に回して、今日あったことや見たことを哲夫に一方的に話す。
時々、ああ、とか、うん、とか言っているけど、基本的には無言で聞き役になっている哲夫は、食後のお皿洗いをしている。結婚する前から同棲はしていて、家事の役割分担は事前に決まっていた。
料理は私、お皿の片付けは哲夫。それ以外も日替わりの掃除や洗濯の役割分担もあったけど、気がついたら哲夫は掃除、私が洗濯物の担当にやっていた。
最後に使った麦茶を飲んだコップを食器水切りカゴに入れた後に哲夫が振り返ったので、踵を上げて背を伸ばすと触れるだけのキスをした。
「…お疲れ様」
もうこの後の展開はいつも通りだ。哲夫は私の方に身体の向きを変えて、私の腰に腕を回す。腰に回った腕に力が入り、私の身体が持ち上がると、足を上げて彼の腰にくっつけ、落ちないように哲夫の手が私のお尻へと移る。同じ視線の高さになると、唇を重ね舌を絡める濃厚な口づけに変わる。
もう付き合って7年、もうすぐ8年の私達は相変わらず倦怠期知らずのラブラブなカップルだ。
好き、好きと思いながらする口づけは、顔も身体も熱くなっていく。歩き出した哲夫から落ちないように、彼の腰に巻きつく私の脚。このまま寝室に向かう彼の肩越しに、リビングの電気が消えるのを見ていた。
***************
2人が眠る寝室のカーテンの隙間から明かりが漏れる。土日はいつも遅く起きるために、アラームをセットしない…が、平日はいつも早起きしているので、自然と目が覚めてしまう。身体は疲れているけど、幸せな気持ちで目覚めた私は、隣で寝ている哲夫を見た。すると、上半身裸の哲夫は私に背を向けて寝ていて、少しだけ寂しい気持ちになる。身体の向きを変えて彼の方に向けると、しばらく彼の大きな背中を見ていると、ゴロンと勢いよく身体の向きを変えて、仰向けになった哲夫は胸を上下させ眠っている。
――起きない…よね…?
普段から私が起きたら彼も起きてしまい、眠りが浅い哲夫の睡眠妨害をしてしまうのに抵抗がある。それでも、と、彼の哲夫の右側に身体を寄せると、慣れ親しんだ固い腕に頬が触れて安心する。体温の高い腕も筋肉も、呼吸するたびに僅かに動く身体にも、まったりとした気持ちになり、眠気が襲ってくる。
「白…雪…起きたか?」
瞼を閉じると彼の寝起きの掠れた声が聞こえ、私の左頬に何か固いモノが触れる。
「ん…起きてるよ」
彼の腕に頬をすり寄せ、顔を上げると自然と上目遣いとなった。頬にかかる髪を耳の後ろへと流す、その一連の動きが優しくて嬉しくて頬が赤くなる。
起き上がった彼は私に覆い被さると、私の顔の横に左腕を付けた。自然と私の腕も上がり、彼の首の後ろへと手を回し、唇が重なる。彼の身体の半分が私の身体に重なって、体重をかけられて身動きが取れなくなる。啄むキスから、舌の絡むキスをして、また戯れる啄むキス。足を上げて彼の太ももに、自分の太ももをくっつけると、哲夫の下半身がシーツ越しに押し付けられた。
「んっ、んっ、ん」
鼻から漏れる甘い声に反応する哲夫は、身体を上下に揺すりギシギシとベッドが軋む。昂った哲夫の固さが下半身に当たり、意識が下へと向いてしまい、口づけに集中出来なくなると、それを咎めるように彼の口づけがしつこくなり、舌を強く吸われる。
ちゅうちゅうとお互いの舌を追いかけ追いかけられ、哲夫の手のひらが私の身体を弄り気分が高まると、2人の間にあるシーツをどかした。身体はさっぱりとしているから、きっと彼が綺麗にしてくれたのだろう。舌の絡むキスをしながら、私の背中に手を回し、起き上がり正座した彼の足の上に座ると、彼の昂りが直接ぐちゅっと蜜口に触れる。
「ん、っん…ん、テツく…っ」
「白…雪っ」
激しいキスの合間に、鼻の呼吸だけじゃ息苦しくなってきた私は唇を離すと、私の口を追いかけてまた口が塞がれる。
ピロピロリ~♪ピロピロリ~♪
盛り上がった所で突然鳴り響く着信を知らせる、枕元にある哲夫の携帯。
私はビクッと身体が驚いて反応をすると、構わず私の肩に顔を埋める哲夫。一度鳴り止み、また身体を弄る哲夫の愛撫に溺れ始めると、
ピロピロリ~♪ピロピロリ~♪
と哲夫の携帯は、着信を知らせる。
「…テツくんっ」
尚も私の蜜口に昂りを押し付ける彼に、重大な要件かもと、慌てて胸を押すと、
「…チッ」
と哲夫は舌打ちをした。
私を腕の中に収めたまま、携帯を取り、表示された着信者の画面を見て、はぁ、と大きなため息をついた。
鳴り響く着信音を、ピッと止めて通話が始まった。
「…はい…えっ…はっ?!ちょっ、と、おふっ」
不機嫌な声から驚きの声になって慌てはためくと、哲夫の携帯が真っ暗な画面となった。
「…テツくん?」
呆然とする彼に、どうしたのか気になって呼ぶと、
「…おふくろたちが後10分で着く」
と、とんでもない事を言い出した。
「いやー、悪いわねっ!また大きくなった?」
哲夫の通話が強制的に終了になって、ぴったり15分。私達の住むマンションのインターホンが鳴った。哲夫がリビングに通すと、2人分の足跡とハキハキと喋る女性の声が聞こえた。
「あらっ!白雪ちゃん!久しぶりねっ!」
「お義母さん、お久しぶりです」
リビングで待っていた私は、リビングの扉のそばにいるショートカットの女性の哲夫の母――よしこさんに挨拶をすると、
「いゃぁねっ!結婚前みたいによしこちゃんって呼んでよっ」
私と同じくらいの背の高さのお義母さんは、私を抱き締める。
「…おふくろ、白雪が困ってるだろ」
哲夫の母だからなのか、ぎゅうぎゅうに強めに抱きしめられ、お義母さんの背中に腕を回して抱きしめ返そうとすると、哲夫がやってきて呆れていた。
「…うるさいわね~白雪ちゃん、口うるさい哲夫が嫌になったら、お母さんに言ってね、ぶっとばすからっ!」
会うたびに言われる、お義母さんの言葉に、ふふっと笑ってしまう。そんな私を見て、お義母さんがキラキラと瞳を輝かせて、
「ッ…可愛いぃぃぃっ!一緒に住みたいっ!可愛いっ!」
と、私の頬にお義母さんの頬がくっついた。
「おふくろっ!」
不機嫌な声になった哲夫が、お義母さんと私の元へやってくると、
「…お母さん、白雪ちゃんが困ってるじゃないか」
と、哲夫と少し声音が似ている、落ち着いた声が聞こえる。リビングの方へ視線を向けると、哲夫よりかは背の低い、筋肉質の哲夫に似ている白髪混じりの男性が居た。
「お義父さん、お久しぶりです」
「お邪魔してるよ、白雪ちゃん」
片手を上げたお義父さんは、微笑むと目元の皺が深く刻み、とっつきにくい印象が柔らかくなった。
しばらく3人で微笑み合っていると、
「ほらっ2人ともコッチコッチ」
痺れを切らした哲夫は、お義父さんとお義母さんをソファーへと座らせた。
「…で?何しに来たの?」
若干不機嫌な哲夫は、2人掛けのソファーに座る両親を睨んだ。2人の前にはローテーブルがあって4人分の温かい緑茶が置いてあり、ローテーブルを挟んだ対面に私と哲夫が床に座っていた。
「何って白雪ちゃんの顔を見に来たのよ」
当たり前じゃない!と哲夫に呆れた顔をしたお義母さんは、私の方を見てにっこりと笑う。
「ねっ!白雪ちゃん!新しく出来たアウトレットに行かない?」
「あのCMのですか?」
「そそっ!今Autumnフェアってのやっていて――」
と、あれよ、あれよとアウトレットへ出かける事になった。
「白雪、悪いな」
哲夫の運転する車で話題のアウトレットに着くと、お義父さんもお義母さんもお手洗いへと先に行ってしまった。その間2人きりになった私達は、のんびりと駐車場から歩く。休日もあって混雑している駐車場は、アウトレットの建物と連絡通路として繋がる立体駐車場で、屋上までほぼ満車だった。屋上に停めた哲夫と、連絡通路のある階まで降りようと、エレベーターの前で待っていて、私達以外誰もいない。
そんな時に、哲夫にそう言われた私は、首を横に振った。
「ううん、お義父さんもお義母さんも優しくて好き」
哲夫を見上げると私の腰を引き寄せ、彼の腰に腕を回した。ちゅっ、と触れるだけのキスをすると、思わず笑いが込み上げてくる。
「…間に合って良かったね」
「ギリギリだったな」
お義父さん達が来るまでの15分、寝室の掃除と換気、裸で出迎える訳にも行かないから急いでメイクして着替えた。
そのため今日は白いシャツとブルーのデニムスカートというシンプルな装いで、哲夫も白いTシャツとブルージーンズを履いていた。
「帰ったら続きな」
目を細める哲夫は一段と声が低くて、まるで夜の時に見せる表情でドキドキしてしまう。
「ん…ばか」
と、照れ隠しでそう告げると、フッと笑った哲夫はもう一度私と唇を重ね、誰もいないのをいい事にしばらく口づけを堪能していた。
「あっ!白雪ちゃん!これもこれもっ!」
「お義母さん、さっきも買いましたよ」
「…おふくろ買いすぎだろ」
「…白雪ちゃん、これ私にどうだろか」
「綺麗なブラウンですね…でも同じ色のこちらのデザインの方がよりお義父さんの魅力が出ると思います」
「じゃあこっちにしよう」
「…親父も買いすぎだろ」
目について入るお店でお義母さんと色違いのお揃いだったり、お義父さんの身につける小物を買ったりと、手荷物が増えると哲夫が買い物する2人を止める流れとなっていた。
アウトレットの敷地内にあるキッチンカーで売っているタピオカを、飲みたいと言う2人に哲夫は4人分購入して、キッチンカーの前にあるテーブルと椅子に座って休む事にした。
「次は白雪ちゃんの物を買うからね」
「えっ!もう十分買いましたよ」
「いや、このお店に行こう」
「これ以上買っても…って、なんでアクセサリーなんだよ、身につける物は俺が買うよ」
敷地内MAPを広げて、次に行くお店を見ているお義母さんとお義父さんは、今度は私へのプレゼントを購入しようと話を進め、止めようとするはずの哲夫は、何故かお義父さんの提案にツッコミ一緒になってアクセサリー店を探し出す。
「ちょっ、あのっ、本当にいらないですよ?」
「…いや、白雪ちょっと待って…こっちの店はどうだろうか」
「あら!有名なブランドじゃない!見てみましょう」
「そうだな、有名なら」
本人がいらないと言っているのに、どんどん話が進んで、まだお店にも行っていないのに、私の身につける小物まで選び始める。
白熱した議論はタピオカが飲み終わる頃に終わり、そのまま目星をつけたお店へと向かった。
「今日は楽しかったわ!白雪ちゃん!また来るわねっ」
「白雪ちゃん、また今度」
「はい!今日はありがとうございました」
「…気をつけて帰れよ」
「ああ、じゃ」
近場のレストランで夕飯を一緒に食べた後、大きく手を振るお義母さんと手を上げたお義父さんと、駅のロータリーで下ろして別れの挨拶をした。荷物もあるし家まで送ると言ったのだけど、遠慮されてしまいこの場所になったのだ。駅構内に入っていく2人を見えなくなるまで見送ったら、彼が車を発信させた。
***************
「可愛い」
それぞれお風呂に入って膝上まで隠れる紺色のロングTシャツに着替えた私は寝る準備をしていたら、先にお風呂に入り終わったTシャツとハーフパンツ姿の哲夫に呼ばれた。寝室のベッドの上で彼の足の間に座り背後から抱きしめられた私は、髪を束ねて持ち上げて首元を見せると、哲夫に今日買ったネックレスを付けてもらっていた。2カラットほどの薄ピンク色のモルガナイトと呼ばれる宝石で、光に反射してキラキラとひかり可愛らしい。そんな私のネックレスの金具を留めた彼は、私の首筋にキスを落とした。一度だけだと思っていたキスはもう一度繰り返され、ついには首筋に舌を這わす。甘噛みされ強く吸われると、全身の力が抜けそうになる。
上半身をひねり振り返ると口を塞がれ、舌の絡む濃厚なキスとなる。彼の首の後ろへと腕を回すと、私の腰に彼の腕が回された。キスを続けながらベッドの上に足を乗せて哲夫の方に身体の向きを変えたら、自然と彼の膝の上へと向かい合わせに座った。ロングTシャツがずり上がった生足をゆっくりとした動きの哲夫に撫でられ、太ももを揉まれる。彼の指先が、私の外側の太ももを撫でて摘み揉む。
「ん、っぁ」
優しく揉まれているから痛くなくて、じわじわと身体が火照っていくのを感じる。彼の口から自分の口を離すと、私の首筋に顔を埋めた哲夫は、舌を這わし強く吸い付き時折チクリと痛みが出てくる。
彼の頭を抱きしめると、ブラをつけていない柔らかな乳房が彼の固い胸板に当たる。
「…白雪、愛してる」
熱のこもった低い声で耳元で囁かれ、耳朶を甘噛みし耳の中に舌を這わす哲夫。
「ん…私も…好き」
彼の大きな手のひらが私の太ももからシャツの裾に入り、直接身体のラインを沿って触れていく。彼の腕が上がると私のシャツもたくし上げられ、最終的には脱がされた。上半身裸になった私を見て、ほぅっと感銘の息をつく。もうこういう関係になって長いのに、まるで付き合いたてのカップルみたいに求められると、照れ臭い気持ちを通り過ぎて嬉しくなってしまう。
彼のシャツに手を伸ばして掴んで上へとたくし上げると、万歳をする彼のシャツを脱がした。私とは全く違う鍛え抜かれた胸板は、高校の時とは違いしっかりと筋肉の凹凸ができている。彼の胸に手を這わしてペタペタと触っていると、私の腰を掴んだ彼が私を抱き上げ、ベッドへと座らせた。ベッドの横でハーフパンツを脱ぎながら、屈んで私へのキスを続ける。彼の舌に吸い付き、彼の口内に溢れる唾液をかき乱し、じゅるっと音を立てながら、ゴクンと飲み干す。脱ぎ終わった彼が、ベッドに膝をついて、私の方へ覆い被さると私はゆっくり後ろへと倒れた。
パフッてベッドに仰向けになると髪が広がり、鎖骨まであったネックレスのチェーンがズレてベッドへとつく。
右膝を曲げると彼の太ももの外側に当たり、もう片方の膝を曲げると彼が私の足の間に身体を入れた。
お尻を上げると彼の両手が私の下着を引っ掛けて、下着を脱がす。ポイっとどこかへ投げた下着に見向きもせず、私の腰に置いた彼の手に自分の手を重ねた。
「…テツくん、もう」
「ああ、俺も我慢出来ない」
朝に邪魔され中途半端に断ち切られた快感が一日中燻っていて、最初から丁寧に愛撫されたらきっと、気が狂ってしまう。切羽詰まった私に気がついたのか、哲夫も私に合わせてくれるけど、いきなりは入れないみたいだ。
屈んだ彼は私の下半身に顔を近づけ、私の蜜口に直接口をつけた。舌を這わした事で溢れ始めた蜜を啜り、蜜口にある粒を舌で転がす。
「っ…!!」
ツンッとした快感は頭の先まで伸びて、絶頂に達すると足に力が入って丸まる。
掴む所が欲しくなって頭の横にある枕の端を掴むと、背がのけ反りお尻がベッドへと沈んだ。彼の舌は私の蜜を掻き出し、より深く舌を蜜壺へと入れようとする。入り口を広げ柔らかくしていくと、何度かまた軽く達してしまい、息も荒くなる。
「あっ、んぁっ、っ…あっ、テツッく…んっ、あっ」
熱い舌にトロトロに蕩けさせられる思考と身体。もっと深い快感が欲しくなって、腰がはしたなく揺れ始めると、最後に蜜を啜った哲夫は、私の下半身から顔を上げた。
両足を掴まれ彼の太ももに置かれ、下半身同士が近づくと、彼の昂りが視界に入った。すでに固くなっている哲夫の昂りは、はち切れそうなほど大きくなっていた。下半身に擦られた昂りは、私の下生えから先端が飛び出しては引く。くちゅくちゅと2人の下半身から音がし始めると、私の顔の横に肘をついた哲夫が私に覆い被さる。私は彼の背中に手を回して、抱きとめた。
「ん、んっふっ」
口を塞がれ舌を絡めていると、彼の昂りが私の蜜壺に入っていく。ミチミチと広がる蜜口は、哲夫の昂りを包みながら飲み込んでいく。身体の力を抜こうとしても、最初の異物感が拭えず太い昂りを、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
彼の太ももの裏にそれぞれ足をかけると、私の口を塞いでいた彼の口が名残惜しく一度、ちゅぅ、と私の舌を吸い離れた。
上体を起こし私の腰の横に手をついた哲夫の腰が、私の下半身に押し付けられた。ズズッと入っていく昂りが私の蜜壺の最奥に到達すると、腰を引いて抽送が始まった。
彼の腰の動きに合わせて、ギシッギシッと軋むベッド。枕の端を両手で掴み、彼から与えられる抽送に合わせて、何にも支えられていない乳房が前後に動き、ぷるんぷるんとぷりんのように揺れる。
「あっ、あっ、テツくんっ、あっ、好きっ、あっ」
彼の太ももに掛けた足に力を入れて、上下にされる抽送に合わせて自分の腰が前後に動いている事に白雪は気がつかない。
パンパン、グチュグチュと、肌のぶつかる音、結合部から溢れる蜜の音が大きくなっていくと、哲夫の限界が訪れた。
「はっ…ぐっ、っ…はっ、っ…ぐぐっ」
「ん、ぁぁあああっ!」
哲夫の腰を押しつけられ、ぐりぐりとドリルのように蜜壺の最奥に留まった彼の昂りがひと回り大きく膨れ、熱い飛沫を放出すると、最奥へと直接勢いよく注がれ、熱さと満たされる感覚で、私も哲夫より少し遅れて一気に絶頂へと達した。
ピンと伸びた背がベッドへと沈み、結合部が深く繋がる。ぴくぴくと反応する身体は、快感の波を悦んで感じているみたいだ。
やってきた快感が強すぎて頭が真っ白になったから息も忘れていたのか、口を開けて大きく呼吸していたら、先に我に返った哲夫の口づけが始まった。
たどたどしく、彼の舌に応えられるようになると、蜜壺の中にある哲夫の昂りが固くなっているのに気がついた。
「んっ、はっ、んぁっ、んぐっ」
顔の角度を何度か変えて濃厚な口づけに溺れていると、我慢出来なくなったのか哲夫の腰が動き出した。
「テツ…くん」
「ああ、中途半端、だったからな」
まるで私のせいだとでも言いたげな彼に、ムッと口を尖らせた。
「違うっ、んっあ、あ、あっ」
テツくんが電話を出たから、とか、テツくんのご両親だし、って抗議の言葉は、甘い喘ぎ声となって寝室に響いていった。
たっぷりと愛された後に、彼の固い腕枕で微睡むひと時。彼のお腹に手を乗せて、身体をぴたりと寄せると、他愛のない話の途中で、見つめ合い触れるだけの口づけ。
「テツくん…好き」
「愛してる、白雪」
愛おしそうにお互いを見つめる2人の夜は、しばらく眠ったら…まだ続くのであった。
「あっ安いかも、一個買おうか…ねっ、テツくん」
今日は鳥のむね肉を使うおかずを作ろうと、スマホのアプリでレシピで使う材料を見ながらショッピングカートに入れていく。
週末の金曜日。仕事終わりに私の会社の近くで待ち合わせをして、一緒に帰る日が1週間に1、2度ある。その時は2人で家の近くにあるスーパーで、買い物をして食材を買う。お惣菜だったりする時もあるし、外食で済ませる時もあるけど、ほとんどは私手料理を食べる夫――山崎哲夫、柔道の日本の強化選手に選ばれていて、日本代表として世界大会に出場し、圧倒的な強さに"侍野獣"という異名も持っている。
そんな凄い彼の妻であり、生涯を誓いあったのは、私――山崎白雪だ。
高校の時に告白され、お試し期間を得てお付き合いをスタートさせた私達は、他の人が入る隙間もないくらい相思相愛で…結婚して1年が経とうとしていた。
そんな一部の人達から有名な哲夫だが、こうして一緒に普通にスーパーで買い物をしたり、変装もせずデートもするし、お出かけもする。
太い腕と胸板と太い足、見た目以上に力が強い事を知っているし、服の下の鍛え抜かれた筋肉も知っている。キリッとした眉と、一重の鋭い目は強面の印象を強く与えるみたいだけど、その眼差しを私に向ける時は、優しくなり熱の篭った視線となる事も知っている。
スーパーで買った商品が入ったエコバッグの大半を哲夫が持ち、私が持っているのは卵のパックとパンが入った袋だけだ。スーパーから近い2人の住むマンションに入って、2人の住む家へと帰った。
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「それでね、部長が――」
「今日先輩が――」
洗い物をする哲夫の背中に抱きつき、両手を彼のお腹に回して、今日あったことや見たことを哲夫に一方的に話す。
時々、ああ、とか、うん、とか言っているけど、基本的には無言で聞き役になっている哲夫は、食後のお皿洗いをしている。結婚する前から同棲はしていて、家事の役割分担は事前に決まっていた。
料理は私、お皿の片付けは哲夫。それ以外も日替わりの掃除や洗濯の役割分担もあったけど、気がついたら哲夫は掃除、私が洗濯物の担当にやっていた。
最後に使った麦茶を飲んだコップを食器水切りカゴに入れた後に哲夫が振り返ったので、踵を上げて背を伸ばすと触れるだけのキスをした。
「…お疲れ様」
もうこの後の展開はいつも通りだ。哲夫は私の方に身体の向きを変えて、私の腰に腕を回す。腰に回った腕に力が入り、私の身体が持ち上がると、足を上げて彼の腰にくっつけ、落ちないように哲夫の手が私のお尻へと移る。同じ視線の高さになると、唇を重ね舌を絡める濃厚な口づけに変わる。
もう付き合って7年、もうすぐ8年の私達は相変わらず倦怠期知らずのラブラブなカップルだ。
好き、好きと思いながらする口づけは、顔も身体も熱くなっていく。歩き出した哲夫から落ちないように、彼の腰に巻きつく私の脚。このまま寝室に向かう彼の肩越しに、リビングの電気が消えるのを見ていた。
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2人が眠る寝室のカーテンの隙間から明かりが漏れる。土日はいつも遅く起きるために、アラームをセットしない…が、平日はいつも早起きしているので、自然と目が覚めてしまう。身体は疲れているけど、幸せな気持ちで目覚めた私は、隣で寝ている哲夫を見た。すると、上半身裸の哲夫は私に背を向けて寝ていて、少しだけ寂しい気持ちになる。身体の向きを変えて彼の方に向けると、しばらく彼の大きな背中を見ていると、ゴロンと勢いよく身体の向きを変えて、仰向けになった哲夫は胸を上下させ眠っている。
――起きない…よね…?
普段から私が起きたら彼も起きてしまい、眠りが浅い哲夫の睡眠妨害をしてしまうのに抵抗がある。それでも、と、彼の哲夫の右側に身体を寄せると、慣れ親しんだ固い腕に頬が触れて安心する。体温の高い腕も筋肉も、呼吸するたびに僅かに動く身体にも、まったりとした気持ちになり、眠気が襲ってくる。
「白…雪…起きたか?」
瞼を閉じると彼の寝起きの掠れた声が聞こえ、私の左頬に何か固いモノが触れる。
「ん…起きてるよ」
彼の腕に頬をすり寄せ、顔を上げると自然と上目遣いとなった。頬にかかる髪を耳の後ろへと流す、その一連の動きが優しくて嬉しくて頬が赤くなる。
起き上がった彼は私に覆い被さると、私の顔の横に左腕を付けた。自然と私の腕も上がり、彼の首の後ろへと手を回し、唇が重なる。彼の身体の半分が私の身体に重なって、体重をかけられて身動きが取れなくなる。啄むキスから、舌の絡むキスをして、また戯れる啄むキス。足を上げて彼の太ももに、自分の太ももをくっつけると、哲夫の下半身がシーツ越しに押し付けられた。
「んっ、んっ、ん」
鼻から漏れる甘い声に反応する哲夫は、身体を上下に揺すりギシギシとベッドが軋む。昂った哲夫の固さが下半身に当たり、意識が下へと向いてしまい、口づけに集中出来なくなると、それを咎めるように彼の口づけがしつこくなり、舌を強く吸われる。
ちゅうちゅうとお互いの舌を追いかけ追いかけられ、哲夫の手のひらが私の身体を弄り気分が高まると、2人の間にあるシーツをどかした。身体はさっぱりとしているから、きっと彼が綺麗にしてくれたのだろう。舌の絡むキスをしながら、私の背中に手を回し、起き上がり正座した彼の足の上に座ると、彼の昂りが直接ぐちゅっと蜜口に触れる。
「ん、っん…ん、テツく…っ」
「白…雪っ」
激しいキスの合間に、鼻の呼吸だけじゃ息苦しくなってきた私は唇を離すと、私の口を追いかけてまた口が塞がれる。
ピロピロリ~♪ピロピロリ~♪
盛り上がった所で突然鳴り響く着信を知らせる、枕元にある哲夫の携帯。
私はビクッと身体が驚いて反応をすると、構わず私の肩に顔を埋める哲夫。一度鳴り止み、また身体を弄る哲夫の愛撫に溺れ始めると、
ピロピロリ~♪ピロピロリ~♪
と哲夫の携帯は、着信を知らせる。
「…テツくんっ」
尚も私の蜜口に昂りを押し付ける彼に、重大な要件かもと、慌てて胸を押すと、
「…チッ」
と哲夫は舌打ちをした。
私を腕の中に収めたまま、携帯を取り、表示された着信者の画面を見て、はぁ、と大きなため息をついた。
鳴り響く着信音を、ピッと止めて通話が始まった。
「…はい…えっ…はっ?!ちょっ、と、おふっ」
不機嫌な声から驚きの声になって慌てはためくと、哲夫の携帯が真っ暗な画面となった。
「…テツくん?」
呆然とする彼に、どうしたのか気になって呼ぶと、
「…おふくろたちが後10分で着く」
と、とんでもない事を言い出した。
「いやー、悪いわねっ!また大きくなった?」
哲夫の通話が強制的に終了になって、ぴったり15分。私達の住むマンションのインターホンが鳴った。哲夫がリビングに通すと、2人分の足跡とハキハキと喋る女性の声が聞こえた。
「あらっ!白雪ちゃん!久しぶりねっ!」
「お義母さん、お久しぶりです」
リビングで待っていた私は、リビングの扉のそばにいるショートカットの女性の哲夫の母――よしこさんに挨拶をすると、
「いゃぁねっ!結婚前みたいによしこちゃんって呼んでよっ」
私と同じくらいの背の高さのお義母さんは、私を抱き締める。
「…おふくろ、白雪が困ってるだろ」
哲夫の母だからなのか、ぎゅうぎゅうに強めに抱きしめられ、お義母さんの背中に腕を回して抱きしめ返そうとすると、哲夫がやってきて呆れていた。
「…うるさいわね~白雪ちゃん、口うるさい哲夫が嫌になったら、お母さんに言ってね、ぶっとばすからっ!」
会うたびに言われる、お義母さんの言葉に、ふふっと笑ってしまう。そんな私を見て、お義母さんがキラキラと瞳を輝かせて、
「ッ…可愛いぃぃぃっ!一緒に住みたいっ!可愛いっ!」
と、私の頬にお義母さんの頬がくっついた。
「おふくろっ!」
不機嫌な声になった哲夫が、お義母さんと私の元へやってくると、
「…お母さん、白雪ちゃんが困ってるじゃないか」
と、哲夫と少し声音が似ている、落ち着いた声が聞こえる。リビングの方へ視線を向けると、哲夫よりかは背の低い、筋肉質の哲夫に似ている白髪混じりの男性が居た。
「お義父さん、お久しぶりです」
「お邪魔してるよ、白雪ちゃん」
片手を上げたお義父さんは、微笑むと目元の皺が深く刻み、とっつきにくい印象が柔らかくなった。
しばらく3人で微笑み合っていると、
「ほらっ2人ともコッチコッチ」
痺れを切らした哲夫は、お義父さんとお義母さんをソファーへと座らせた。
「…で?何しに来たの?」
若干不機嫌な哲夫は、2人掛けのソファーに座る両親を睨んだ。2人の前にはローテーブルがあって4人分の温かい緑茶が置いてあり、ローテーブルを挟んだ対面に私と哲夫が床に座っていた。
「何って白雪ちゃんの顔を見に来たのよ」
当たり前じゃない!と哲夫に呆れた顔をしたお義母さんは、私の方を見てにっこりと笑う。
「ねっ!白雪ちゃん!新しく出来たアウトレットに行かない?」
「あのCMのですか?」
「そそっ!今Autumnフェアってのやっていて――」
と、あれよ、あれよとアウトレットへ出かける事になった。
「白雪、悪いな」
哲夫の運転する車で話題のアウトレットに着くと、お義父さんもお義母さんもお手洗いへと先に行ってしまった。その間2人きりになった私達は、のんびりと駐車場から歩く。休日もあって混雑している駐車場は、アウトレットの建物と連絡通路として繋がる立体駐車場で、屋上までほぼ満車だった。屋上に停めた哲夫と、連絡通路のある階まで降りようと、エレベーターの前で待っていて、私達以外誰もいない。
そんな時に、哲夫にそう言われた私は、首を横に振った。
「ううん、お義父さんもお義母さんも優しくて好き」
哲夫を見上げると私の腰を引き寄せ、彼の腰に腕を回した。ちゅっ、と触れるだけのキスをすると、思わず笑いが込み上げてくる。
「…間に合って良かったね」
「ギリギリだったな」
お義父さん達が来るまでの15分、寝室の掃除と換気、裸で出迎える訳にも行かないから急いでメイクして着替えた。
そのため今日は白いシャツとブルーのデニムスカートというシンプルな装いで、哲夫も白いTシャツとブルージーンズを履いていた。
「帰ったら続きな」
目を細める哲夫は一段と声が低くて、まるで夜の時に見せる表情でドキドキしてしまう。
「ん…ばか」
と、照れ隠しでそう告げると、フッと笑った哲夫はもう一度私と唇を重ね、誰もいないのをいい事にしばらく口づけを堪能していた。
「あっ!白雪ちゃん!これもこれもっ!」
「お義母さん、さっきも買いましたよ」
「…おふくろ買いすぎだろ」
「…白雪ちゃん、これ私にどうだろか」
「綺麗なブラウンですね…でも同じ色のこちらのデザインの方がよりお義父さんの魅力が出ると思います」
「じゃあこっちにしよう」
「…親父も買いすぎだろ」
目について入るお店でお義母さんと色違いのお揃いだったり、お義父さんの身につける小物を買ったりと、手荷物が増えると哲夫が買い物する2人を止める流れとなっていた。
アウトレットの敷地内にあるキッチンカーで売っているタピオカを、飲みたいと言う2人に哲夫は4人分購入して、キッチンカーの前にあるテーブルと椅子に座って休む事にした。
「次は白雪ちゃんの物を買うからね」
「えっ!もう十分買いましたよ」
「いや、このお店に行こう」
「これ以上買っても…って、なんでアクセサリーなんだよ、身につける物は俺が買うよ」
敷地内MAPを広げて、次に行くお店を見ているお義母さんとお義父さんは、今度は私へのプレゼントを購入しようと話を進め、止めようとするはずの哲夫は、何故かお義父さんの提案にツッコミ一緒になってアクセサリー店を探し出す。
「ちょっ、あのっ、本当にいらないですよ?」
「…いや、白雪ちょっと待って…こっちの店はどうだろうか」
「あら!有名なブランドじゃない!見てみましょう」
「そうだな、有名なら」
本人がいらないと言っているのに、どんどん話が進んで、まだお店にも行っていないのに、私の身につける小物まで選び始める。
白熱した議論はタピオカが飲み終わる頃に終わり、そのまま目星をつけたお店へと向かった。
「今日は楽しかったわ!白雪ちゃん!また来るわねっ」
「白雪ちゃん、また今度」
「はい!今日はありがとうございました」
「…気をつけて帰れよ」
「ああ、じゃ」
近場のレストランで夕飯を一緒に食べた後、大きく手を振るお義母さんと手を上げたお義父さんと、駅のロータリーで下ろして別れの挨拶をした。荷物もあるし家まで送ると言ったのだけど、遠慮されてしまいこの場所になったのだ。駅構内に入っていく2人を見えなくなるまで見送ったら、彼が車を発信させた。
***************
「可愛い」
それぞれお風呂に入って膝上まで隠れる紺色のロングTシャツに着替えた私は寝る準備をしていたら、先にお風呂に入り終わったTシャツとハーフパンツ姿の哲夫に呼ばれた。寝室のベッドの上で彼の足の間に座り背後から抱きしめられた私は、髪を束ねて持ち上げて首元を見せると、哲夫に今日買ったネックレスを付けてもらっていた。2カラットほどの薄ピンク色のモルガナイトと呼ばれる宝石で、光に反射してキラキラとひかり可愛らしい。そんな私のネックレスの金具を留めた彼は、私の首筋にキスを落とした。一度だけだと思っていたキスはもう一度繰り返され、ついには首筋に舌を這わす。甘噛みされ強く吸われると、全身の力が抜けそうになる。
上半身をひねり振り返ると口を塞がれ、舌の絡む濃厚なキスとなる。彼の首の後ろへと腕を回すと、私の腰に彼の腕が回された。キスを続けながらベッドの上に足を乗せて哲夫の方に身体の向きを変えたら、自然と彼の膝の上へと向かい合わせに座った。ロングTシャツがずり上がった生足をゆっくりとした動きの哲夫に撫でられ、太ももを揉まれる。彼の指先が、私の外側の太ももを撫でて摘み揉む。
「ん、っぁ」
優しく揉まれているから痛くなくて、じわじわと身体が火照っていくのを感じる。彼の口から自分の口を離すと、私の首筋に顔を埋めた哲夫は、舌を這わし強く吸い付き時折チクリと痛みが出てくる。
彼の頭を抱きしめると、ブラをつけていない柔らかな乳房が彼の固い胸板に当たる。
「…白雪、愛してる」
熱のこもった低い声で耳元で囁かれ、耳朶を甘噛みし耳の中に舌を這わす哲夫。
「ん…私も…好き」
彼の大きな手のひらが私の太ももからシャツの裾に入り、直接身体のラインを沿って触れていく。彼の腕が上がると私のシャツもたくし上げられ、最終的には脱がされた。上半身裸になった私を見て、ほぅっと感銘の息をつく。もうこういう関係になって長いのに、まるで付き合いたてのカップルみたいに求められると、照れ臭い気持ちを通り過ぎて嬉しくなってしまう。
彼のシャツに手を伸ばして掴んで上へとたくし上げると、万歳をする彼のシャツを脱がした。私とは全く違う鍛え抜かれた胸板は、高校の時とは違いしっかりと筋肉の凹凸ができている。彼の胸に手を這わしてペタペタと触っていると、私の腰を掴んだ彼が私を抱き上げ、ベッドへと座らせた。ベッドの横でハーフパンツを脱ぎながら、屈んで私へのキスを続ける。彼の舌に吸い付き、彼の口内に溢れる唾液をかき乱し、じゅるっと音を立てながら、ゴクンと飲み干す。脱ぎ終わった彼が、ベッドに膝をついて、私の方へ覆い被さると私はゆっくり後ろへと倒れた。
パフッてベッドに仰向けになると髪が広がり、鎖骨まであったネックレスのチェーンがズレてベッドへとつく。
右膝を曲げると彼の太ももの外側に当たり、もう片方の膝を曲げると彼が私の足の間に身体を入れた。
お尻を上げると彼の両手が私の下着を引っ掛けて、下着を脱がす。ポイっとどこかへ投げた下着に見向きもせず、私の腰に置いた彼の手に自分の手を重ねた。
「…テツくん、もう」
「ああ、俺も我慢出来ない」
朝に邪魔され中途半端に断ち切られた快感が一日中燻っていて、最初から丁寧に愛撫されたらきっと、気が狂ってしまう。切羽詰まった私に気がついたのか、哲夫も私に合わせてくれるけど、いきなりは入れないみたいだ。
屈んだ彼は私の下半身に顔を近づけ、私の蜜口に直接口をつけた。舌を這わした事で溢れ始めた蜜を啜り、蜜口にある粒を舌で転がす。
「っ…!!」
ツンッとした快感は頭の先まで伸びて、絶頂に達すると足に力が入って丸まる。
掴む所が欲しくなって頭の横にある枕の端を掴むと、背がのけ反りお尻がベッドへと沈んだ。彼の舌は私の蜜を掻き出し、より深く舌を蜜壺へと入れようとする。入り口を広げ柔らかくしていくと、何度かまた軽く達してしまい、息も荒くなる。
「あっ、んぁっ、っ…あっ、テツッく…んっ、あっ」
熱い舌にトロトロに蕩けさせられる思考と身体。もっと深い快感が欲しくなって、腰がはしたなく揺れ始めると、最後に蜜を啜った哲夫は、私の下半身から顔を上げた。
両足を掴まれ彼の太ももに置かれ、下半身同士が近づくと、彼の昂りが視界に入った。すでに固くなっている哲夫の昂りは、はち切れそうなほど大きくなっていた。下半身に擦られた昂りは、私の下生えから先端が飛び出しては引く。くちゅくちゅと2人の下半身から音がし始めると、私の顔の横に肘をついた哲夫が私に覆い被さる。私は彼の背中に手を回して、抱きとめた。
「ん、んっふっ」
口を塞がれ舌を絡めていると、彼の昂りが私の蜜壺に入っていく。ミチミチと広がる蜜口は、哲夫の昂りを包みながら飲み込んでいく。身体の力を抜こうとしても、最初の異物感が拭えず太い昂りを、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
彼の太ももの裏にそれぞれ足をかけると、私の口を塞いでいた彼の口が名残惜しく一度、ちゅぅ、と私の舌を吸い離れた。
上体を起こし私の腰の横に手をついた哲夫の腰が、私の下半身に押し付けられた。ズズッと入っていく昂りが私の蜜壺の最奥に到達すると、腰を引いて抽送が始まった。
彼の腰の動きに合わせて、ギシッギシッと軋むベッド。枕の端を両手で掴み、彼から与えられる抽送に合わせて、何にも支えられていない乳房が前後に動き、ぷるんぷるんとぷりんのように揺れる。
「あっ、あっ、テツくんっ、あっ、好きっ、あっ」
彼の太ももに掛けた足に力を入れて、上下にされる抽送に合わせて自分の腰が前後に動いている事に白雪は気がつかない。
パンパン、グチュグチュと、肌のぶつかる音、結合部から溢れる蜜の音が大きくなっていくと、哲夫の限界が訪れた。
「はっ…ぐっ、っ…はっ、っ…ぐぐっ」
「ん、ぁぁあああっ!」
哲夫の腰を押しつけられ、ぐりぐりとドリルのように蜜壺の最奥に留まった彼の昂りがひと回り大きく膨れ、熱い飛沫を放出すると、最奥へと直接勢いよく注がれ、熱さと満たされる感覚で、私も哲夫より少し遅れて一気に絶頂へと達した。
ピンと伸びた背がベッドへと沈み、結合部が深く繋がる。ぴくぴくと反応する身体は、快感の波を悦んで感じているみたいだ。
やってきた快感が強すぎて頭が真っ白になったから息も忘れていたのか、口を開けて大きく呼吸していたら、先に我に返った哲夫の口づけが始まった。
たどたどしく、彼の舌に応えられるようになると、蜜壺の中にある哲夫の昂りが固くなっているのに気がついた。
「んっ、はっ、んぁっ、んぐっ」
顔の角度を何度か変えて濃厚な口づけに溺れていると、我慢出来なくなったのか哲夫の腰が動き出した。
「テツ…くん」
「ああ、中途半端、だったからな」
まるで私のせいだとでも言いたげな彼に、ムッと口を尖らせた。
「違うっ、んっあ、あ、あっ」
テツくんが電話を出たから、とか、テツくんのご両親だし、って抗議の言葉は、甘い喘ぎ声となって寝室に響いていった。
たっぷりと愛された後に、彼の固い腕枕で微睡むひと時。彼のお腹に手を乗せて、身体をぴたりと寄せると、他愛のない話の途中で、見つめ合い触れるだけの口づけ。
「テツくん…好き」
「愛してる、白雪」
愛おしそうにお互いを見つめる2人の夜は、しばらく眠ったら…まだ続くのであった。
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