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リクエスト 社会人編 学校一の美女
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彼と付き合って間もなく、6年の冬。
23歳になった大学卒業後一般企業に勤める私と、3年前に史上最年少で柔道の金メダルを取ってから、指導や練習に忙しくなった彼と同棲をしているが、すれ違う生活が続いていた。
18時に仕事が終わり家に帰っても、誰もいない部屋でパジャマ姿でソファーに座り静かに過ごす。
ーー本当だったら、彼のご飯を準備するのに…
今日急な集まりで外食になった彼ーー山崎哲夫は、益々カッコ良く、逞しくなり魅力的になった彼の浮気の心配はしていなかったのだが…
『今日は、集まりなんてないはず』
ちょくちょく同級生の中川くんがテツくんの動向を教えてくれ、何気なく解散時間を聞いてしまったために、集まりなんてないと知ってしまった。
哲夫に嘘をつかれ、ショックを受けている自分がいた。
ーーもしかしたら、今までも…?
過去の事なんか考えてもキリがないのに、押し寄せる疑惑に頭が痛くなる。
ーー聞くのが怖い、知りたくない、でも…
ぐるぐると頭の中を回る今までのイベントも、幸せな夜も、彼の試合に行ったことや同棲の許可を求め私の両親に挨拶してくれた事も…すごく幸せな思い出に影が入る。
ーー違う、絶対に…彼の愛を疑うなんて
彼が私を見つめる優しい眼差しを疑うなんて、どうかしてる、とすぐに否定する。
中川くんに返信しないと、既読スルーになってしまうと思うのに身体が動かない。
ソファーに座る私の横に置いたスマホが着信を知らせ、画面を見ると今1番会いたいのに会いたくない人ーー哲夫だった。
しばらく鳴り続け、切れるとまた鳴り出す。
それが5回ほど続くと、着信がなくなった。そのかわりピロン、ピロンと鳴るLINEにメッセージが届いた事を知らせる音が響く。
通知画面に知らされ、哲夫からのメッセージが、どこ?、電話出て、そして"スタンプを受信されました"と絶え間なくメッセージの表示が変わるのが、嫌になりスマホの電源を切った。
テレビも電気も全て消して、もう寝る事にした。歯を磨き洗顔をして、洗面所から出た時に廊下の先にある玄関の扉を見て、チェーンを掛けようか迷ったが、流石にやり過ぎかなと思い留まった。
くるっと扉に背を向け2人の寝室に入ると、部屋の中央にあるキングサイズのベッドが目に入り、急に涙が溢れてきた。
普通のダブルサイズのベッドじゃ狭いと、2人で悩んだベッドフレームもマットレスも1人で寝ていたら意味がない。その場でしゃがみ溢れる涙を止める事が出来ない。
ーー本当に悲しいと声も出ない
泣き叫ぶと思っていたのに、静かに涙がポロポロと頬を伝う。
ガチャンッドスドスッと玄関が騒がしくなり、乱暴に歩く音が聞こえたと思ったら、腕を引っ張られ無理矢理立ち上がらせられる。
顔を上げると今外食中の哲夫が、はぁはぁっと息を荒げ眉を寄せていた。
「っ…白雪っ」
「テツ…く…?」
力強く抱きしめられ、頭を掴む彼の胸板に頬を押し付けられる。ぎゅぅぅっと息もまともに出来ないほど抱きしめられ、彼の鼓動が聞こえる。
「…っ良かった…っ連絡取れないからっ」
哲夫の声が胸から私の頭に響き、身体を包まれる感覚になる。驚いていた私は彼の背に手を付けると、ギュッと抱き返した。
「っテツくんっ!テツく…!」
急展開で止まっていた涙がまた溢れて、ポロポロと涙が零れた。
ちっと舌打ちし乱暴に上着を投げた哲夫は、腰を掴み白雪を抱き上げベッドへと押し倒したら、すぐさま哲夫が覆い被さる。
パフっとベッドに仰向けになった私は、部屋の明かりが消された部屋で、多分私を見下ろす影を見上げた。
優しく宝物のようにそっと頬を触れた手の親指の腹が、私の目から溢れる涙を拭う。目を細めて彼の大きな手に自分の頬を押し付け、彼の手首を両手で掴むと、
「…泣いてる…俺…か…?」
掠れた低い怒りを抑えつけている不機嫌な声。
「…集まりないっ…て聞いた…の」
浮気の疑惑よりも、嘘をつかれたことの方が悲しくてショックが大きい事に気がつく。
「…っ…他にっ…好きな人っ…できた…?」
苦しくて認めたくない言葉が出てしまうと、やっぱり聞きたくなくて身体を横にして彼の腕から逃れようとするが、無言で肩を掴み引くと、ゴロンとまた仰向けに戻された。
「…他に…好きな人?出来るわけないだろっ」
唸る声が怒りを抑えられていなく、初めて聞く彼の声にビクッと身体が反応する。
「…白雪っ」
名前を告げると同時に口を塞がれ、荒々しく舌を絡めとられ強く吸われる。息をする間もなく次々と口内を、傍若無人に動き回る彼の舌に噛み付く。
「っつ」
痛みで唇が離れた彼の腕から逃げようとしても、すぐに捕まりベッドへと戻される。
「テツ!いやっ怒ってる、のにっ!」
滅多に呼び捨てにしない私の怒りを、彼は逃がさない。
「ならっ…離れるなっ!」
両手首をベッドへと押し付けられた私は、キッと彼を睨む。
どちらも視線を外さず譲らない睨みに、
「………嘘を、ついた…私にっ!酷いっ!……今日は久しぶりにっ……一緒に入れると思ったの…に」
我慢出来なくて勢いよく怒るのに、だんだんと弱々しく頼りない声になってしまう。
「…白雪」
彼も幾分か興奮が鎮まったのか、優しい声に変わっていく。
「今日急な集まりって言うのは、嘘だ…すまん…だが…どうしても行かないといけなかった…」
懺悔をする哲夫は私の唇にキスをしようとするが、私はプィッと右横を向く。
「…私よりも…大切な事…?」
私と仕事ーーなんて、ドラマや漫画の中のセリフを言うつもりはなかったのに、少なからずショックだった。
「いや….白雪より大切なものなんてない」
横を向いた私の露わになった首筋に、ちゅうっと何度も何度も強く吸い、チクリと印が刻まれていくのが分かる。
「…なら…」
もう彼のセリフを聞いただけで、充分なはずなのに責める口は止まらない。
「…指輪が…出来たと連絡があった」
チュウチュウと吸い舌を這わす哲夫は、喋り続ける。
「そろそろ白雪を、完全に俺のものにしたいから」
私の手首から手を退かすと、私のパジャマの上から胸を揉み、首筋に甘噛みをする哲夫。
「テツ…っん」
舌を這わす動作は緩めない彼は、耳朶を噛み舌を耳の中へと入れる。
「っん…きたなっ…い」
自由になった右手で彼の肩を押すが、ピクリとも動かない。
「なぁ…白雪…愛してる」
変わらず耳を責める低い声が、私を蕩けさせる。
「…んっあ…酷いっ…その声っ」
耐えきれず哲夫の方を向くと、顎を掴まれ口を塞ぐ。激しく濃厚なキスを、丹念に私の口内を味わうキスに、肩に置いた手を彼の太い首に回し髪に指を絡めた。
顔の角度を何度も何度も変えては、求め合う舌を絡め溢れる唾液を飲み込む。もう片方の掴まれていた手首が自由になると、彼の首に腕を回す。ピタリと重なる身体に彼の大きな手が私の背をなぞる。
ゾクゾクと背中に何か走り、身じろぎをすると唇が離れ、口から溢れた唾液を舐めとる。そのまま首筋に移動した彼の顔が、舌を這わし強く吸っては甘噛みをする。
「んっ…ぅっ、ぁ」
服越しに大きな手で胸を下から掬い、形を確かめるようにむにむにと、揉んでいく。優しく触れる手がもどかしく、彼の掴む手の上から自分の手を重ねて強く押す。
「…白雪」
哲夫は顔を上げると私の顎に彼の吐息が掛かり、息すら愛おしくなる。
潤む視線が彼の瞳に重なると、乱暴に口を塞がれ呼吸ごと奪われる。
名残惜しく離れた口と、状態を起こした哲夫は、服を脱ぎ捨てていく。私も上体を起こしパジャマのボタンを取っていると、彼の指もボタンを取るのを手伝ってくれ、パジャマの下から黒のキャミソールも脱がされた。
プルプルと揺れる乳房に顔を寄せた哲夫は、揉む時に指の隙間に出来る膨らみを軽く喰み吸う。
「んぁっ…っん…テツ」
手のひらで粒を押し潰して、もう片方の乳房は口に含まれ舌で転がす彼。腰を揉みズボンの間に手を入れる彼の手が、私のお尻を揉み下着をずらす。シーツに手をつけ足を上げると、哲夫は私のズボンと下着を脱がし裸になる。
ガチャガチャとズボンのベルトを外し、チャックを下げた哲夫はグレーのボクサーパンツの中に手を入れ、昂りを取り出す。
薄暗い部屋のカーテンの隙間から微かな電灯の光が入り、目が慣れてきた白雪には、はっきりと見えてきている。
すでに太く固く大きくなっている彼の昂りの先端から透明なツユが出ている。頭の横のシーツを握り、膝を閉じて腰を揺らし彼の昂りが欲しいと伝えると、ぐっと唸った彼が膝に齧り付く。
内腿に手を入れると、内側を摩り徐々に足の付け根の方へ下がっていく。
くちゅっと息遣いの荒い部屋に水音が響き、恥ずかしくなり顔を背けた。哲夫は気にする事なく蜜壺に指を2本埋めていくと、グチュグチュと、指を広げて描き混ぜる。指を折り抜き差しして、溢れる蜜が彼の手首に伝う。
何度かイくと彼の指が蜜壺から抜け、代わりに彼の昂りが充てがう。私の太ももを持ち上げ自分の胸に添え、腰を進めていく。ミチミチっと蜜壺の縁が広がり彼のが埋まっていく。
「んっ…んんっ、んぁ」
中の蜜壺が指とは違いいっぱいに広がり、圧迫していく。
「くっ白雪っつ」
苦しそうな彼の声が頭上から聞こえ、ズンズンと奥へと進む。胸にあった足をズラし彼の腰に内腿が触れると、進みやすくなった彼は、私に覆い被さり頭の横に腕をついた。
片手は私の腰を掴み、私が動かないよう固定する。
ぐぐっと最奥までピタリと下半身が重なると、途端に抜き差しが始まる。
ベッドのスプリングが私を受け止め、上から打ち付けられる彼の昂りが、全力で私の蜜壺にぶつかる。
「あっ、ん、んっん」
首に顔を埋めた彼の背に手をつけ、太くて熱い昂りに陶酔する。口が開きっぱなしで喘ぐ声に、私の思いが自然と零れる。
「っ…好きっ…好き」
「白雪っ…ぐっ…好きだっ」
首筋から顔を上げ、腕の位置を私の頭の少し先に置いた哲夫は、動きやすくなり力強く蜜壺に打ちつけは抜けて、彼の体重に耐えるベッドが激しい動きにもびくともしない。
早くなる律動に、目の前で揺れる彼の胸に触れて顔を上げちゅぅちゅうと吸うと、
「っ…白雪っ…」
いたずらするなと咎めるようにひと突きが重くなり、快感でわけがわからなくなって、ベッドへ頭を押し付ける。
くっ…ぐうっと唸る声が断続的に聞こえると、グググっと強く腰を押し付けられたら、蜜壺に入っている昂りが弾けドクドクッと最奥に熱い証を注がれた。
「あっぁぁぁぁっ」
勢いよく注がれた証が、敏感になった蜜壺に当たり頭まで突き抜けた快感で絶頂へと達した。
はぁはぁっと荒い息をする2人は、白雪が目の前にある上下に動く胸にちゅっとキスをした事により、また濃密な時間が立ち込めた。
「テツ…くん」
「白雪」
お互いの名を呼び白雪の額にキスを落とすと、固くて太くなった昂りが蜜壺の中で大きくなり、そのまま腰を揺らし始めたのだった。
キッチンで私が着ると膝上まである彼のシャツを着て、お腹が空いたので夜食を作る。糖質制限されている麺と塩味のスープにムネ肉をラーメン皿にのせていると、お風呂から上がった哲夫が私を背後から抱きしめた。盛り付けも完成したので、彼の胸に背中を預け指を絡めた。ちゅっちゅっと指先をキスされる。
「ふふふっ夜食できたよ」
「ん、さんきゅ」
首筋に舌を這わし、このままだと夜食どころじゃなくなると感じた私は、彼の頬に触れた。
「ん…もう…だめ」
めっと幼い子供を叱るように言うと、目を見開いた哲夫は、くくっと笑い出す。
2人でしばらく笑い合って、お盆に載せた大きさの違う器のラーメン2杯を運ぶ哲夫について行く。2人掛けのテーブルにお盆を置き向かい合わせに座る。
「「いただきます」」
手を合わせ2人で笑い美味しいといいながら食べ、お皿を洗う担当の彼が洗う。
その彼の後ろから抱きつき、背中に頬をくっつけた。すっかり機嫌が良くなった私は、彼の予定を聞く。
「明日は?」
「明日は…予定ない、いや…明日は予定を入れないでくれ」
「…?どうして?」
お皿を洗う手を止めた彼は、手をタオルで拭い振り向いた。
向かい合って、彼の腰に手を付けると、彼は私の顎に手をつけ上げた。
「明日は…予約したんだ、この間行きたがっていたホテルのレストラン」
親指の腹で私の唇をなぞる彼と視線を絡め、うっとりと見つめる。
「…あのレストラン…?サプライズに言いってあった?…サプライズしてくれるの?」
以前テレビでやっていた、プロポーズ特集を見て、いいなぁと言ったことを覚えていてくれたのだ。
「ああ…もう嘘はつかない」
そう囁き私の唇にチュッと触れると、何度も啄む。
「…ああ、それとも明日は朝から一緒に出かけようか」
私の唇を舐め、なぞる。
「…仕事は…?」
期待を込めて、薄く口を開けると、
「記念日になる1日ぐらい2人で過ごしたい」
そう言って私の口内に彼の舌が入り絡め合い、次の日まで離れなかった。
23歳になった大学卒業後一般企業に勤める私と、3年前に史上最年少で柔道の金メダルを取ってから、指導や練習に忙しくなった彼と同棲をしているが、すれ違う生活が続いていた。
18時に仕事が終わり家に帰っても、誰もいない部屋でパジャマ姿でソファーに座り静かに過ごす。
ーー本当だったら、彼のご飯を準備するのに…
今日急な集まりで外食になった彼ーー山崎哲夫は、益々カッコ良く、逞しくなり魅力的になった彼の浮気の心配はしていなかったのだが…
『今日は、集まりなんてないはず』
ちょくちょく同級生の中川くんがテツくんの動向を教えてくれ、何気なく解散時間を聞いてしまったために、集まりなんてないと知ってしまった。
哲夫に嘘をつかれ、ショックを受けている自分がいた。
ーーもしかしたら、今までも…?
過去の事なんか考えてもキリがないのに、押し寄せる疑惑に頭が痛くなる。
ーー聞くのが怖い、知りたくない、でも…
ぐるぐると頭の中を回る今までのイベントも、幸せな夜も、彼の試合に行ったことや同棲の許可を求め私の両親に挨拶してくれた事も…すごく幸せな思い出に影が入る。
ーー違う、絶対に…彼の愛を疑うなんて
彼が私を見つめる優しい眼差しを疑うなんて、どうかしてる、とすぐに否定する。
中川くんに返信しないと、既読スルーになってしまうと思うのに身体が動かない。
ソファーに座る私の横に置いたスマホが着信を知らせ、画面を見ると今1番会いたいのに会いたくない人ーー哲夫だった。
しばらく鳴り続け、切れるとまた鳴り出す。
それが5回ほど続くと、着信がなくなった。そのかわりピロン、ピロンと鳴るLINEにメッセージが届いた事を知らせる音が響く。
通知画面に知らされ、哲夫からのメッセージが、どこ?、電話出て、そして"スタンプを受信されました"と絶え間なくメッセージの表示が変わるのが、嫌になりスマホの電源を切った。
テレビも電気も全て消して、もう寝る事にした。歯を磨き洗顔をして、洗面所から出た時に廊下の先にある玄関の扉を見て、チェーンを掛けようか迷ったが、流石にやり過ぎかなと思い留まった。
くるっと扉に背を向け2人の寝室に入ると、部屋の中央にあるキングサイズのベッドが目に入り、急に涙が溢れてきた。
普通のダブルサイズのベッドじゃ狭いと、2人で悩んだベッドフレームもマットレスも1人で寝ていたら意味がない。その場でしゃがみ溢れる涙を止める事が出来ない。
ーー本当に悲しいと声も出ない
泣き叫ぶと思っていたのに、静かに涙がポロポロと頬を伝う。
ガチャンッドスドスッと玄関が騒がしくなり、乱暴に歩く音が聞こえたと思ったら、腕を引っ張られ無理矢理立ち上がらせられる。
顔を上げると今外食中の哲夫が、はぁはぁっと息を荒げ眉を寄せていた。
「っ…白雪っ」
「テツ…く…?」
力強く抱きしめられ、頭を掴む彼の胸板に頬を押し付けられる。ぎゅぅぅっと息もまともに出来ないほど抱きしめられ、彼の鼓動が聞こえる。
「…っ良かった…っ連絡取れないからっ」
哲夫の声が胸から私の頭に響き、身体を包まれる感覚になる。驚いていた私は彼の背に手を付けると、ギュッと抱き返した。
「っテツくんっ!テツく…!」
急展開で止まっていた涙がまた溢れて、ポロポロと涙が零れた。
ちっと舌打ちし乱暴に上着を投げた哲夫は、腰を掴み白雪を抱き上げベッドへと押し倒したら、すぐさま哲夫が覆い被さる。
パフっとベッドに仰向けになった私は、部屋の明かりが消された部屋で、多分私を見下ろす影を見上げた。
優しく宝物のようにそっと頬を触れた手の親指の腹が、私の目から溢れる涙を拭う。目を細めて彼の大きな手に自分の頬を押し付け、彼の手首を両手で掴むと、
「…泣いてる…俺…か…?」
掠れた低い怒りを抑えつけている不機嫌な声。
「…集まりないっ…て聞いた…の」
浮気の疑惑よりも、嘘をつかれたことの方が悲しくてショックが大きい事に気がつく。
「…っ…他にっ…好きな人っ…できた…?」
苦しくて認めたくない言葉が出てしまうと、やっぱり聞きたくなくて身体を横にして彼の腕から逃れようとするが、無言で肩を掴み引くと、ゴロンとまた仰向けに戻された。
「…他に…好きな人?出来るわけないだろっ」
唸る声が怒りを抑えられていなく、初めて聞く彼の声にビクッと身体が反応する。
「…白雪っ」
名前を告げると同時に口を塞がれ、荒々しく舌を絡めとられ強く吸われる。息をする間もなく次々と口内を、傍若無人に動き回る彼の舌に噛み付く。
「っつ」
痛みで唇が離れた彼の腕から逃げようとしても、すぐに捕まりベッドへと戻される。
「テツ!いやっ怒ってる、のにっ!」
滅多に呼び捨てにしない私の怒りを、彼は逃がさない。
「ならっ…離れるなっ!」
両手首をベッドへと押し付けられた私は、キッと彼を睨む。
どちらも視線を外さず譲らない睨みに、
「………嘘を、ついた…私にっ!酷いっ!……今日は久しぶりにっ……一緒に入れると思ったの…に」
我慢出来なくて勢いよく怒るのに、だんだんと弱々しく頼りない声になってしまう。
「…白雪」
彼も幾分か興奮が鎮まったのか、優しい声に変わっていく。
「今日急な集まりって言うのは、嘘だ…すまん…だが…どうしても行かないといけなかった…」
懺悔をする哲夫は私の唇にキスをしようとするが、私はプィッと右横を向く。
「…私よりも…大切な事…?」
私と仕事ーーなんて、ドラマや漫画の中のセリフを言うつもりはなかったのに、少なからずショックだった。
「いや….白雪より大切なものなんてない」
横を向いた私の露わになった首筋に、ちゅうっと何度も何度も強く吸い、チクリと印が刻まれていくのが分かる。
「…なら…」
もう彼のセリフを聞いただけで、充分なはずなのに責める口は止まらない。
「…指輪が…出来たと連絡があった」
チュウチュウと吸い舌を這わす哲夫は、喋り続ける。
「そろそろ白雪を、完全に俺のものにしたいから」
私の手首から手を退かすと、私のパジャマの上から胸を揉み、首筋に甘噛みをする哲夫。
「テツ…っん」
舌を這わす動作は緩めない彼は、耳朶を噛み舌を耳の中へと入れる。
「っん…きたなっ…い」
自由になった右手で彼の肩を押すが、ピクリとも動かない。
「なぁ…白雪…愛してる」
変わらず耳を責める低い声が、私を蕩けさせる。
「…んっあ…酷いっ…その声っ」
耐えきれず哲夫の方を向くと、顎を掴まれ口を塞ぐ。激しく濃厚なキスを、丹念に私の口内を味わうキスに、肩に置いた手を彼の太い首に回し髪に指を絡めた。
顔の角度を何度も何度も変えては、求め合う舌を絡め溢れる唾液を飲み込む。もう片方の掴まれていた手首が自由になると、彼の首に腕を回す。ピタリと重なる身体に彼の大きな手が私の背をなぞる。
ゾクゾクと背中に何か走り、身じろぎをすると唇が離れ、口から溢れた唾液を舐めとる。そのまま首筋に移動した彼の顔が、舌を這わし強く吸っては甘噛みをする。
「んっ…ぅっ、ぁ」
服越しに大きな手で胸を下から掬い、形を確かめるようにむにむにと、揉んでいく。優しく触れる手がもどかしく、彼の掴む手の上から自分の手を重ねて強く押す。
「…白雪」
哲夫は顔を上げると私の顎に彼の吐息が掛かり、息すら愛おしくなる。
潤む視線が彼の瞳に重なると、乱暴に口を塞がれ呼吸ごと奪われる。
名残惜しく離れた口と、状態を起こした哲夫は、服を脱ぎ捨てていく。私も上体を起こしパジャマのボタンを取っていると、彼の指もボタンを取るのを手伝ってくれ、パジャマの下から黒のキャミソールも脱がされた。
プルプルと揺れる乳房に顔を寄せた哲夫は、揉む時に指の隙間に出来る膨らみを軽く喰み吸う。
「んぁっ…っん…テツ」
手のひらで粒を押し潰して、もう片方の乳房は口に含まれ舌で転がす彼。腰を揉みズボンの間に手を入れる彼の手が、私のお尻を揉み下着をずらす。シーツに手をつけ足を上げると、哲夫は私のズボンと下着を脱がし裸になる。
ガチャガチャとズボンのベルトを外し、チャックを下げた哲夫はグレーのボクサーパンツの中に手を入れ、昂りを取り出す。
薄暗い部屋のカーテンの隙間から微かな電灯の光が入り、目が慣れてきた白雪には、はっきりと見えてきている。
すでに太く固く大きくなっている彼の昂りの先端から透明なツユが出ている。頭の横のシーツを握り、膝を閉じて腰を揺らし彼の昂りが欲しいと伝えると、ぐっと唸った彼が膝に齧り付く。
内腿に手を入れると、内側を摩り徐々に足の付け根の方へ下がっていく。
くちゅっと息遣いの荒い部屋に水音が響き、恥ずかしくなり顔を背けた。哲夫は気にする事なく蜜壺に指を2本埋めていくと、グチュグチュと、指を広げて描き混ぜる。指を折り抜き差しして、溢れる蜜が彼の手首に伝う。
何度かイくと彼の指が蜜壺から抜け、代わりに彼の昂りが充てがう。私の太ももを持ち上げ自分の胸に添え、腰を進めていく。ミチミチっと蜜壺の縁が広がり彼のが埋まっていく。
「んっ…んんっ、んぁ」
中の蜜壺が指とは違いいっぱいに広がり、圧迫していく。
「くっ白雪っつ」
苦しそうな彼の声が頭上から聞こえ、ズンズンと奥へと進む。胸にあった足をズラし彼の腰に内腿が触れると、進みやすくなった彼は、私に覆い被さり頭の横に腕をついた。
片手は私の腰を掴み、私が動かないよう固定する。
ぐぐっと最奥までピタリと下半身が重なると、途端に抜き差しが始まる。
ベッドのスプリングが私を受け止め、上から打ち付けられる彼の昂りが、全力で私の蜜壺にぶつかる。
「あっ、ん、んっん」
首に顔を埋めた彼の背に手をつけ、太くて熱い昂りに陶酔する。口が開きっぱなしで喘ぐ声に、私の思いが自然と零れる。
「っ…好きっ…好き」
「白雪っ…ぐっ…好きだっ」
首筋から顔を上げ、腕の位置を私の頭の少し先に置いた哲夫は、動きやすくなり力強く蜜壺に打ちつけは抜けて、彼の体重に耐えるベッドが激しい動きにもびくともしない。
早くなる律動に、目の前で揺れる彼の胸に触れて顔を上げちゅぅちゅうと吸うと、
「っ…白雪っ…」
いたずらするなと咎めるようにひと突きが重くなり、快感でわけがわからなくなって、ベッドへ頭を押し付ける。
くっ…ぐうっと唸る声が断続的に聞こえると、グググっと強く腰を押し付けられたら、蜜壺に入っている昂りが弾けドクドクッと最奥に熱い証を注がれた。
「あっぁぁぁぁっ」
勢いよく注がれた証が、敏感になった蜜壺に当たり頭まで突き抜けた快感で絶頂へと達した。
はぁはぁっと荒い息をする2人は、白雪が目の前にある上下に動く胸にちゅっとキスをした事により、また濃密な時間が立ち込めた。
「テツ…くん」
「白雪」
お互いの名を呼び白雪の額にキスを落とすと、固くて太くなった昂りが蜜壺の中で大きくなり、そのまま腰を揺らし始めたのだった。
キッチンで私が着ると膝上まである彼のシャツを着て、お腹が空いたので夜食を作る。糖質制限されている麺と塩味のスープにムネ肉をラーメン皿にのせていると、お風呂から上がった哲夫が私を背後から抱きしめた。盛り付けも完成したので、彼の胸に背中を預け指を絡めた。ちゅっちゅっと指先をキスされる。
「ふふふっ夜食できたよ」
「ん、さんきゅ」
首筋に舌を這わし、このままだと夜食どころじゃなくなると感じた私は、彼の頬に触れた。
「ん…もう…だめ」
めっと幼い子供を叱るように言うと、目を見開いた哲夫は、くくっと笑い出す。
2人でしばらく笑い合って、お盆に載せた大きさの違う器のラーメン2杯を運ぶ哲夫について行く。2人掛けのテーブルにお盆を置き向かい合わせに座る。
「「いただきます」」
手を合わせ2人で笑い美味しいといいながら食べ、お皿を洗う担当の彼が洗う。
その彼の後ろから抱きつき、背中に頬をくっつけた。すっかり機嫌が良くなった私は、彼の予定を聞く。
「明日は?」
「明日は…予定ない、いや…明日は予定を入れないでくれ」
「…?どうして?」
お皿を洗う手を止めた彼は、手をタオルで拭い振り向いた。
向かい合って、彼の腰に手を付けると、彼は私の顎に手をつけ上げた。
「明日は…予約したんだ、この間行きたがっていたホテルのレストラン」
親指の腹で私の唇をなぞる彼と視線を絡め、うっとりと見つめる。
「…あのレストラン…?サプライズに言いってあった?…サプライズしてくれるの?」
以前テレビでやっていた、プロポーズ特集を見て、いいなぁと言ったことを覚えていてくれたのだ。
「ああ…もう嘘はつかない」
そう囁き私の唇にチュッと触れると、何度も啄む。
「…ああ、それとも明日は朝から一緒に出かけようか」
私の唇を舐め、なぞる。
「…仕事は…?」
期待を込めて、薄く口を開けると、
「記念日になる1日ぐらい2人で過ごしたい」
そう言って私の口内に彼の舌が入り絡め合い、次の日まで離れなかった。
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