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文化祭3
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文化祭が終わり、今校庭では後夜祭で盛り上がっている
文化祭が終わったら待ち合わせしよう、と執事喫茶から出た時に言われ空き教室で待っていた
電気もつけないで待っていたが、校庭でやっている後夜祭の明かりが大きな窓から入り、室内を少しだけ明るくする
机と椅子が教室の隅に置かれていたので、ひとつ机を引いて窓際に置き椅子にして座っていた
間もなく18時になろうとして薄暗くなり、秋のためか日が沈むのが早い
ガラッと開く扉から制服に着替えた山崎くんがやってきた
「待たせてすまん」
そう告げる顔は暗い教室からは見れない
「…着替えちゃったの?」
落胆の声が出てしまい
「…もう言うな」
と黒歴史だ、と悲しむ山崎くん
教室の隅にある椅子を持ってきて、私の目の前に置くと、身体が大きいために古い椅子に座るとギシッと軋む
他愛のない話をしていたら、始まった打ち上げ花火
パーンと弾ける黄金色の花火をもっと見たくて、机から降りて窓の前に立つ
しばらく花火を見ていたら、山崎くんが立ち上がった気配がして振り返ると
私の前で片膝をつき、手には白いリボンが巻かれたピンク色のラッピングされた小さな箱があった
「山…崎…くん?」
私を見上げる瞳は真剣そのもので、手を上げて小さな箱を近づけた
「好きだ、近野…お試し期間じゃなくて、本気で付き合いたい…俺の…俺の彼女になってほしい」
花火が打たれる度に全身に光が当たり、彼の表情が浮かぶ
キラキラと輝く瞳が綺麗で、口元をキュッと締めて眉をひそめ私を真っ直ぐ見ている
「好きだ」
もう一度告白され、震える手で小さな箱を受け取る
「…はい…私も…好き」
泣きそうになり、視界が歪むと立ち上がった彼に抱きしめられた
「好き…好き」
同じ単語を繰り返し彼の背に腕を回した
「俺も…好きだ、好きだ」
私が好きと言う度に好きだと返してくれ、抱きしめる力も強くなる
ドクンドクンと鳴る心臓の音に私もギュッと抱きつく力を強めた
「…開けていい?」
花火も終わり、教室の床に座る彼の足の間に座り背後からお腹に手を置き抱きしめられる
「ああ」
了承を貰ったので丁寧にラッピングを解いていく
ピンク色の包みを外し、中から白い箱が出てきて、箱を開ける
するとピンクのハート型のケースが出てきて蓋を開けると、シンプルな銀色の指輪が中のクッションに挟まっていた
「指輪だ」
落ちないように指輪をクッションから外すと、私の左手を掴んだ山崎くんが、指輪を持つ私の右手から指輪を取り
左手薬指にはめた
顔の上に手を広げ指輪を見る私に
「ぴったりで良かった」
とまたお腹に腕を回した
「…ありがと…嬉しい」
背後を振り返り、指輪のある左手を握り彼に伝える
彼の首に腕を回し膝立ちになると、ぎゅぅっと抱きしめられた
文化祭が終わったら待ち合わせしよう、と執事喫茶から出た時に言われ空き教室で待っていた
電気もつけないで待っていたが、校庭でやっている後夜祭の明かりが大きな窓から入り、室内を少しだけ明るくする
机と椅子が教室の隅に置かれていたので、ひとつ机を引いて窓際に置き椅子にして座っていた
間もなく18時になろうとして薄暗くなり、秋のためか日が沈むのが早い
ガラッと開く扉から制服に着替えた山崎くんがやってきた
「待たせてすまん」
そう告げる顔は暗い教室からは見れない
「…着替えちゃったの?」
落胆の声が出てしまい
「…もう言うな」
と黒歴史だ、と悲しむ山崎くん
教室の隅にある椅子を持ってきて、私の目の前に置くと、身体が大きいために古い椅子に座るとギシッと軋む
他愛のない話をしていたら、始まった打ち上げ花火
パーンと弾ける黄金色の花火をもっと見たくて、机から降りて窓の前に立つ
しばらく花火を見ていたら、山崎くんが立ち上がった気配がして振り返ると
私の前で片膝をつき、手には白いリボンが巻かれたピンク色のラッピングされた小さな箱があった
「山…崎…くん?」
私を見上げる瞳は真剣そのもので、手を上げて小さな箱を近づけた
「好きだ、近野…お試し期間じゃなくて、本気で付き合いたい…俺の…俺の彼女になってほしい」
花火が打たれる度に全身に光が当たり、彼の表情が浮かぶ
キラキラと輝く瞳が綺麗で、口元をキュッと締めて眉をひそめ私を真っ直ぐ見ている
「好きだ」
もう一度告白され、震える手で小さな箱を受け取る
「…はい…私も…好き」
泣きそうになり、視界が歪むと立ち上がった彼に抱きしめられた
「好き…好き」
同じ単語を繰り返し彼の背に腕を回した
「俺も…好きだ、好きだ」
私が好きと言う度に好きだと返してくれ、抱きしめる力も強くなる
ドクンドクンと鳴る心臓の音に私もギュッと抱きつく力を強めた
「…開けていい?」
花火も終わり、教室の床に座る彼の足の間に座り背後からお腹に手を置き抱きしめられる
「ああ」
了承を貰ったので丁寧にラッピングを解いていく
ピンク色の包みを外し、中から白い箱が出てきて、箱を開ける
するとピンクのハート型のケースが出てきて蓋を開けると、シンプルな銀色の指輪が中のクッションに挟まっていた
「指輪だ」
落ちないように指輪をクッションから外すと、私の左手を掴んだ山崎くんが、指輪を持つ私の右手から指輪を取り
左手薬指にはめた
顔の上に手を広げ指輪を見る私に
「ぴったりで良かった」
とまたお腹に腕を回した
「…ありがと…嬉しい」
背後を振り返り、指輪のある左手を握り彼に伝える
彼の首に腕を回し膝立ちになると、ぎゅぅっと抱きしめられた
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