学校一の美女が学校一の漢に告白される話

狭山雪菜

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文化祭2

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ざわざわとする廊下を歩く

生徒が呼び込んだり、自由時間を友達と歩く生徒、看板を持って宣伝して歩く生徒や見張りの先生達が多くいる

お互い無言で手を繋ぎ歩く、白雪は若干赤い頬を手で押さえる
ぎゅぅと握る力が強くなる彼の指先に、力を弱めて欲しいと腕に触れる
はっとした彼が私を見ると、
「悪い」
指の力が弱くなる
ううん、と顔を横に振る私と目が合う


見つめ合うと周りが止まり驚きと戸惑いで騒ぎ出すが、白雪は気がつかず、ただただ山崎を見つめていた







吹奏楽部の中庭の演奏を聴いたり、体育館での演劇部の劇を観たり、お腹空いたので屋台で食べたりして楽しんだ文化祭初日はあっという間に過ぎた



2日目、一般公開のため午前中からお化け屋敷の受付になった私はクラスのオリジナルTシャツを着て
受付と書いてある紙プレートが置かれた長机名前に立っていた
カップルや友達同士、私服の人など中へ案内してた

「近野さん、お疲れー交代するよ」
とクラスメイトと交代の時間になったのに気がついた
「ありがと」
と、長机から離れる時に
「ねぇ、近野さん、もしかして山崎くんと付き合ってるの?」
と聞かれた
「えーうん、そう」
頬が赤くなるのに気が付き、手で仰いで冷ます
「…マジか」
驚く人に、がっくりする人が多い
昨日山崎くんと出店を回ったりしたから、今日は付き合っているのか、よく聞かれる
私にとっては嬉しいけど、山崎くんにとってはどうなんだろうと判断に困る

まだ、正式にお付き合いとは言えないからだ

「そっか…あっお客さんきたから」
そう言って受付に入るクラスメイトに、私はそっと離れた





お店を回るにも1人じゃつまらない私は、携帯を取り出し
山崎くんとのLINEのトークを見た
1時間前に送られてきたメッセージには、午後いっぱい執事喫茶の当番だと

ーー行ったら迷惑かな…裏方って言っていたけど、もしかしたらチラッと見れるかも

少しだけ、そう自分に言い訳して彼のクラスへと向かった





「執事喫茶、セバスチャンへようこそ、お嬢様」
2人の男装した執事に出迎えられ、中に入る私
窓際の席に通され座ると学校の机の上に一輪の花が、横には手書きのメニューがあった

「こちらのメニューでは、指名出来ます」
と告げられ聞いたことある声に、今給仕している人を見る
「…山崎…くん?」
「おっおかえりなさいませ、お嬢様」
大きな身体に黒いぴちぴちしているスーツに黒の蝶ネクタイ姿の山崎くんの口元がピクピクと動いていた

「…執事なの?」
「…そうだ」



メニューで顔を隠して、ふふふと笑みが溢れた私に
「だから言いたくなかったんだ」
とちょっと拗ねる姿も可愛くて
「ちがっ…ごめん、ふふ、凄く似合ってる…山崎くんを指名してもいいですか?」
と彼にアイスティーでお願いします、と言うと
「はい、お嬢様」と言って私が帰るまで私のそばに居てくれた


ぴちぴちのスーツを見て、腕の筋肉と厚い筋肉がはち切れそうなズボンにみんなが何にも言わないのに、白雪だけはニコニコと似合っていると褒めては腕を触るお客さんに
担任の先生は「ホストじゃないのになぁ」とぼやいていた
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