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お試し4
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「…お待たせ」
そう言って通路にあれ椅子に座る山崎くんの所に戻った
お手洗いに行くから、と少しの時間離れていたのだ
「…ん」
彼の横に座ると先程取ったぬいぐるみを渡され、ぎゅうと抱きつく
「気に入った?」
「とっても!本当ありがとう!」
にこにこ笑う私に、いいえ、と言う彼の顔が赤い
「とりあえず…なんか飲むか」
と言って立ち上がる彼の斜め後ろについていく
タピオカミルクティーを頼んで彼とショッピングモールの屋外にある庭園に並んで座る
美味しいね、と感想を言い飲むが心なしか空気が重い…今日でお試し期間終わりだからだ
ある程度飲んだタピオカミルクティーを、横に置き彼の方へ向く
突然身体の向きを変えたため、いつからかずっと私を見ていたらしい彼は、少しだけ驚き視線を彷徨わせる
バッグの中から、このショッピングモールに着いた時に見たファンシーショップのキーホルダーが入った小さなピンクの袋を渡した
驚いて固まる彼の手のひらに置き
「あげる…今日のお礼です」
「さんきゅ…開けていい?」
私が頷くと、恐る恐る袋のテープを外し、逆さにした袋から手のひらにキーホルダーを出した
「これは…」
そう、柔道着のキーホルダーに目を奪われ、山崎くんにあげたいとお手洗いに行くといってファンシーショップへと買いに行っていたのだ
「気に入ってくれるといいな」
「すごく気に入った…さんきゅ…大事にする」
宝物のように大事そうに手のひらで包みバッグへとつける
その様子を見ながら、今だ!と
「…それでね…今日でお試し期間終わりでしょ」
私がお試し期間に言及すると、ぴたりと止まる彼
「まだ、山崎くんの事よく分からなかったし…このまま終わるのが…その…寂しいな…って思っていて、もし良かったら…お試し期間延長してもいいかな」
顔を真っ赤にして、山崎くんの顔が見れなくて視線を下にしながら早口で伝える素直な気持ち
「………本当に…?」
信じられないという彼に、コクンと頷く私
「嬉しい…俺も延長を…お願いしようと思ってた」
そう言って私を抱きしめた
突然抱きしめられ驚く私にぎゅうぎゅうと抱きしめ、固い筋肉に包まれていたら、彼の身体から初めてジャージを借りた時のお日様の匂いに安心して力を抜き、彼の胸板に頬を付けた
しばらく抱き合っていると
「わっ…すまんっ」
と慌てた彼が私の肩に手を身体をつけ離す
「…ううん」
と温かい身体がなくなって、きっと変な顔をしていたのだろう
ゴクンと唾を飲み込む彼が
「…抱きしめてもいい…か…?」
掠れた声で聞いて来て
コクリと頷いたと同時に彼の腕の中に戻ったのだった
どのくらいそうしていたのかは、分からない
「…そろそろ行こうか」
と告げる彼の身体が離れ立ち上がり、手を差し出てくれる
その手を取ると、ぎゅっと握られ離れない
抱きしめて貰ってからずっとぼうっとする私は彼の腕に頬を付ける
繋がっていない方の手で頭を撫でられ、セミロングの下ろした髪の先をくるくると弄る彼
視線を上げ山崎くんと視線が絡まると、途端に2人きりの世界になった
「…好きだ」
切なく告げる彼に、今はまだ何の返事も出来ない私は
「…うん」
とだけ言って彼の腕に額をつけた
そう言って通路にあれ椅子に座る山崎くんの所に戻った
お手洗いに行くから、と少しの時間離れていたのだ
「…ん」
彼の横に座ると先程取ったぬいぐるみを渡され、ぎゅうと抱きつく
「気に入った?」
「とっても!本当ありがとう!」
にこにこ笑う私に、いいえ、と言う彼の顔が赤い
「とりあえず…なんか飲むか」
と言って立ち上がる彼の斜め後ろについていく
タピオカミルクティーを頼んで彼とショッピングモールの屋外にある庭園に並んで座る
美味しいね、と感想を言い飲むが心なしか空気が重い…今日でお試し期間終わりだからだ
ある程度飲んだタピオカミルクティーを、横に置き彼の方へ向く
突然身体の向きを変えたため、いつからかずっと私を見ていたらしい彼は、少しだけ驚き視線を彷徨わせる
バッグの中から、このショッピングモールに着いた時に見たファンシーショップのキーホルダーが入った小さなピンクの袋を渡した
驚いて固まる彼の手のひらに置き
「あげる…今日のお礼です」
「さんきゅ…開けていい?」
私が頷くと、恐る恐る袋のテープを外し、逆さにした袋から手のひらにキーホルダーを出した
「これは…」
そう、柔道着のキーホルダーに目を奪われ、山崎くんにあげたいとお手洗いに行くといってファンシーショップへと買いに行っていたのだ
「気に入ってくれるといいな」
「すごく気に入った…さんきゅ…大事にする」
宝物のように大事そうに手のひらで包みバッグへとつける
その様子を見ながら、今だ!と
「…それでね…今日でお試し期間終わりでしょ」
私がお試し期間に言及すると、ぴたりと止まる彼
「まだ、山崎くんの事よく分からなかったし…このまま終わるのが…その…寂しいな…って思っていて、もし良かったら…お試し期間延長してもいいかな」
顔を真っ赤にして、山崎くんの顔が見れなくて視線を下にしながら早口で伝える素直な気持ち
「………本当に…?」
信じられないという彼に、コクンと頷く私
「嬉しい…俺も延長を…お願いしようと思ってた」
そう言って私を抱きしめた
突然抱きしめられ驚く私にぎゅうぎゅうと抱きしめ、固い筋肉に包まれていたら、彼の身体から初めてジャージを借りた時のお日様の匂いに安心して力を抜き、彼の胸板に頬を付けた
しばらく抱き合っていると
「わっ…すまんっ」
と慌てた彼が私の肩に手を身体をつけ離す
「…ううん」
と温かい身体がなくなって、きっと変な顔をしていたのだろう
ゴクンと唾を飲み込む彼が
「…抱きしめてもいい…か…?」
掠れた声で聞いて来て
コクリと頷いたと同時に彼の腕の中に戻ったのだった
どのくらいそうしていたのかは、分からない
「…そろそろ行こうか」
と告げる彼の身体が離れ立ち上がり、手を差し出てくれる
その手を取ると、ぎゅっと握られ離れない
抱きしめて貰ってからずっとぼうっとする私は彼の腕に頬を付ける
繋がっていない方の手で頭を撫でられ、セミロングの下ろした髪の先をくるくると弄る彼
視線を上げ山崎くんと視線が絡まると、途端に2人きりの世界になった
「…好きだ」
切なく告げる彼に、今はまだ何の返事も出来ない私は
「…うん」
とだけ言って彼の腕に額をつけた
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