学校一の美女が学校一の漢に告白される話

狭山雪菜

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「ねぇ、松井さん…松井さんって彼氏いる?」

「ぶっ!何突然っ!」

授業の間の15分休みで隣に座って、携帯を弄っていた松井さんに声を掛けた

私が声を掛けると、慌ててキョロキョロと見回し
顔を近づけた
「…この話は4時間目の体育の時間でっ今ココで言うとみんなに睨まれる」
小声で告げられた言葉に、必死の形相に圧倒されコクコクと頷く


すると、ブブッと震える携帯に山崎くんからのメッセージが届いた
松井さんは、途端に興味を無くしたかのように自分の席に座り直し携帯を弄り始めた

そんな松井さんから携帯に視線を戻して、アプリを開く

『昼は、いつもの場所で』
了解と書いてある猫のスタンプを送って
『今日は4時間目体育だから少し遅くなるかも』
メッセージを送った


彼とお昼を食べるようになると、余ったおかずを彼にあげることが増え楊枝で刺しては口に運ぶと、お昼が終わる合図みたいになったのだ
最初は食べれなかったミートボールだったのに、だんだんと上げることが当たり前になって…それで
と彼が真っ赤になりながらもモグモグと口を動かしているのを見ないと落ちつかなくなったなんて…

ひとり思い出しては真っ赤になる

そんな私の携帯を見ては赤くなったりにやにやしたりする百面相に松井さんはハラハラと周りを見ては心配そうにしているとは気が付かなかった








「んで、どうして彼氏がいるか聞いたの?」
体育の時間になり、準備運動しながら2人1組になったペアの松井さんが聞いてきた
「実は…今…お試しで付き合っている人がいるんだけど…」
「えっ?!」
驚く声が大きくなる松井さん

ピッと笛が鳴り
「松井っ!お喋りしないっ!」
体育の先生に注意される

すいません、と叫び準備運動を続けた
「…本当なの…?」
「うん、もうすぐお試し期間が終わるんだけど…終わるのが寂しいなって…思っていて…この気持ちなんだろうって」
「………えっと…まとめるとお試し期間を設けていて、もうすぐ終わるのが嫌って事かな?」
「…そうだね」
「ちょっと考えさせて」

そう言うと、丁度笛が鳴り次の運動へと移る









「つまりよ、近野さんはこのままその彼との関係を終わりにしたいの?」
体育の種目で終わった人から休んでいた所に来た松井さんが私に問いかける
「…終わり?」
「そう、だってお試し期間で何ともなかったら、終わりでしょ?何ともないって言うのは近野さんの気持ちね」
「私の…気持ち」
「うん近野さんが、もうこの関係を終わらせたいなら解消だし、寂しいならもう少し延長してもらえば?」
隣に座り、うんうんと一緒に考えてくれる
「…終わり…は、寂しいな」
「じゃぁ、もう少し延ばしてもらえば?」
「延ばしてくれるかなぁ」
「近野さんのお願い断る男なんていないから大丈夫」
と私の肩に左手を置き、励ましてくれた

「…うん!そうだね!お願いしないと分からないよね!ありがとうっ」
にっこりと悩みを解決出来たことに嬉しくて松井さんにお礼を言った

「いいえ~…ちなみに…お試しの相手は誰?」
と聞かれたので
「山崎くん」
と答えると、ピタッと固まり

「えええええええぇっ?!」
大声で叫び、
「松井っ!うるさいっ!」
と先生に注意されていた



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