学校一の美女が学校一の漢に告白される話

狭山雪菜

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平穏な日々

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体育祭から1ヶ月が経った

それからいつ告白されるのだろうか、とビクビク登校していた白雪は、そもそも山崎くんとは会わない事に気がついた

白雪は2組で彼のクラスは隣だったが、選択教科も2クラス毎にやる体育も被らず
ただビクビクと過ごした1ヶ月だった

ーー次は文化祭か


9月に体育祭、11月に文化祭があり10月と12月にはテストが挟まる
テスト期間も終わり文化祭の出し物でソワソワとみんなが落ち着かない

学活の時間でクラスの出し物を決めるために、クラスメイト達が意見を出したりおしゃべりをしているので、白雪は興味を無くしグランドを見る

すると、体育をやっているのか
男子がジャージ姿でグランドに立っていた
その中にぽつんと頭一つ大きい身体と、白い体操服姿の山崎くんがいた



ーーみんながジャージ姿なのに、すごく目立ってる



最初はそんな感想だった
なのにひときわ目立つ山崎くんに目がいってしまい、じっと見ていたのがバレたのか山崎くんが振り返る動きをしたので、慌てて教室に視線を戻す

クラスではまだ出し物が決まっていなくて、黒板には
"劇" "喫茶店" "屋台" "お化け屋敷"

と候補が挙がっていて、隣に座る松井さんが私に声を掛けてきた
「近野さんはどれがいいと思う?」
松井さんは、ショートヘアが似合うバレー部のキャプテンで責任感も強くて、クラスで浮いている私を助けてくれたり、ペアになってくれる優しい人だ


「‥.私はどれでも…でも劇だとセリフ覚えるの大変そうだね」
と小声で返したハズが、

「そうだね!テスト終わったとはいえ短期間でセリフ覚えるのは大変だから、違うのにしよう!」

黒板の前にいた文化祭実行委員が声高々にみんなに伝え、松井さんはぷぷぷっと笑っていた

「…小声で言ったのに」
「あはは、流石!姫だね!みんなを導いてくれる!」


と堪えきれなくなり大笑いする松井さんを恨めしげに見た






*****************



HRも終わり、帰り支度したり部活へ向かう生徒達が居なくなると私も動き出す

向かう先はーー



校舎裏の花壇だ


美化委員をしている私の仕事は、花の水やり
他にも美化委員もいるのだが、ゴミ拾いや目標を設定したりと役割はバラバラで基本的にはひとりで動く

昔から花が好きで、小学校も中学校も、この学校でも美化委員をやってきた


校舎裏に着くと、ジョウロに水を入れ長さ5m程の花壇に咲く赤と黄色のガーベラに水を撒く

水撒きが終わると、花ごとを眺めて雑草や余分な葉を外す

作業時間は大体30分くらいで終わるので、実質花を眺めるだけだ
じっくりと堪能して眺めた花壇から立ち上がった時に聞こえた男の声が


 「あぶないっ!」



と、帰ろうと振り返ると突然水をかけられた


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