ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜

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夏が始まり、社会人の短い夏季休暇になった。普段は仕事と会社の往復だけの日々から、滅多に遠出をしなかった俺――亮平りょうへいが、最近出来た彼女と一緒に行くための旅行のプランを練るのが好きになっていた。
萌香もえかは、30歳の俺よりも年下の27歳のデザイン系会社に勤めるキャリアウーマンで、普段無口で怖いと強面と言われている俺にも物事をはっきりと言う頼もしい存在だ。セミロングの黒い髪とぱっちり大きな瞳、その左下にある目元には黒子ほくろがあり、黒子そこを舐めながらセックスすると嬉しそうに乱れるのも好きだ。折れそうな細い腰、手が大きいと自負していた俺の手よりも有り余る大きな胸、お尻もキュッとしまっていて、モデルのような体型な彼女と歩くと男女問わず羨望の眼差しを向けられる。それなのに、彼女は自分は見た目がいい方だと思っているのに、モテないのは男勝りな性格だと思い込んでいるみたいたが、それは違う。萌香に好意を抱く男がいるのに、彼女が仕事に親友である美波みなみにつきっきりで、周りが見えていなかったからだと俺は思っている。
――ま、その勘違いのおかげで俺と出会えたしな
きっかけは同じ職場で働くいつきに誘われて行ったナイトプールで、樹が萌香の親友である美波をナンパしたのがきっかけだ。一目で萌香に惚れた俺は彼女と離れたら死ぬかもしれないと、大袈裟ではなくそう思っていて、なんとか彼女と距離を縮めたくて、そばを離れてしまったら終わりだと思ってぴたりとくっついて流れるプールを回った。
ハート型のバカップルしかしないようなインパクトのある大きな浮き輪で、波と人混みのせいで身体が密着した時は頭が沸騰するかのように熱くなった。
俺とは違う柔らかな肌が脇腹に当たり、浮き輪に寄りかかる萌香の細いくびれと、時々浮かび上がる小さなお尻がエロくて、まるで俺の理性を試しているみたいだった。きっと、普段から消防士としてのキツイトレーニングをしていなかったら、きっと彼女の小さなお尻に、反応を始めた自分自身の欲情をぶつけていただろう。
――あの時ばかりは、鬼の壁歩きトレーニングをした時よりもキツかったな…
遠い目で過去を思い出し、あの流れるプールの時の自分を褒め称えていたら、いきなり腕を掴まれた。
「もう!ずっと呼んでるのに!」
知り合いの女の声よりも少し低いが、女性らしい声は何やらぷりぷりと怒っている。目線を声のする方へ向けると、黒い艶のある髪が揺れ、前髪の下の眉が寄せられて大きな瞳が少しだけ小さくなっていた。ムッと口が結んでいるのに、プルプルと瑞々しい唇は美味しそうで、むしゃぶりつきたくなる。顔の下に見える二つの胸は、赤いビキニに寄せられて谷間が見えて、本当に綺麗な丸い円の形をしていた。腰から下はブラトップと同じ赤色の三角のビキニを履いていて、その下から伸びた脚はするりとモデルのように細く長い。
「聞いてる?!亮平っ」
無言の俺に痺れを切らした萌香は俺の名を呼ぶけど、彼女に見惚れていた俺は返事をするのが遅れた。
「…準備出来たのか?」
「出来たよっもう」
ツンとした顔は拗ねていて、凶悪的な可愛さだ。このまま部屋に戻りたいと思ったが、今日はダメだとすぐに頭の中で否定した。
「なら、行くか」
「うん!行こ行こっ」
俺が歩き出すと、俺の左腕に彼女の細い腕が巻きつき、見た感じと同じ柔らかな胸が当たる。心の中にむくむくと起こる欲情から目を逸らすために、今日来た経緯を思い返した。




***************



今年の夏も日中で過ごすには厳しい状況のために、基本的には夕方から夜出かける事にしていた。俺も彼女も社会人のため、仕事のある日はそんなには外出はしなかったが、やはり休みの続く夏季休暇は一緒に過ごしたいと遠出をする事にした。
消防士という特殊な職業に就いている俺は、実は夏場には火事はあまり起きないから暇だと思われているが、火事以外にも出動する事がある。それにシフト制だから、毎年希望する休暇の日時が取れるわけじゃない。だが、今年は萌香と同じ休みの日と被った――萌香がシフト制の俺のために、自分の働く会社の休暇をずらしてくれた。一般よりも遅めの夏季休暇になったが、学生などの休みの人がいないわけじゃなく、どこも混雑する事が予想されているから外出先を厳選していると、萌香がプールに行きたいと俺に言った。
「プールか、ならここは?」
「ん~、ご飯も美味しいところがいいな」
メシか、ブッフェ?それとも外か部屋で食べる?」
「うーん…出来たらブッフェがいい、あっ!和洋中があるやつ!」
萌香のリクエストに応えるべく、キーワード検索をすると数軒ヒットしたので、2人であーだこーだいいながら、行き先が決まったのだ。



***************



『極上のひと時を、この豪華なラグジュアリーホテルで』

キャッチコピーの通り、西洋作りの建物の最上階にはプール、スパエステの完備、地下にはショッピング店と食事処の店、BARが並び、深夜まで営業している。萌香が希望するブッフェも、地上30階から見える絶景を見ながら食事が食べれると口コミがあり、プールでひと泳ぎした後行くつもりだ。
――その前に、俺の理性が保っていられるのかは知らないが
ホテルの最上階にある屋上プールのそばにある鍵付きの更衣室で、持ってきた水着に着替えただけなのに、夕方というオレンジ色の空の時間帯がそうしているのか…いつもより萌香が可愛くて、ホテルの部屋へと戻って愛し合いたいと思ってしまう。
朝早くに車で遠出して、観光スポットを巡りながらホテルへとやって来て、荷解きを終える前にプールへとやってきたのだ。プールは23時までやっていると、フロントの人に言われたが、ブッフェの後にプールに行ったら、お腹いっぱいでお腹が膨れちゃうから嫌だと萌香は言ったため、夜のブッフェの始まる19時前に先にプールに入ることにした。
このホテルのナイトプールは、俺たちが会ったプールとは違って飲食は提供されていない、純粋にプールを楽しむ場所だった。しかし、そうは言っても、横に慣れるサマーベッドはプールサイドに並んでいるし、日差しよけの白い三角の形をしたテント型の休息所もいくつか並んでいて全て早い者勝ちの無料で使える場所だ。
俺たちは一度、たまたま空いていたテント型の休息スペースに、持ってきた萌香の小さなポーチと2人分のとタオルを置いて、プールサイドにあるシャワーを浴びて、長方形のプールへと入った。軽く泳いだり冷たい水で熱くなった身体を冷やしていると、後1時間もすれば開場となるブッフェに行くのか、次第に人々がプールから上がっていき、数えるほどの人だけになってしまった。
「…みんな上がっちゃうのか」
「もうすぐ飯の時間だしな」
若い客もいないし、こんな時間に子供がプールにいるはずはなく、ハワイアン調の曲の音がよく聞こえる。俺たちはプールサイドの縁に掴まり、ひと泳ぎした後の休息も兼ねて他愛のない話をしていたが、だんだんと俺たちの距離が近くなっている。それは人が少なくなったのもあるし、揺れるプールの水のせいでもある。
プールの水で冷えた身体に、俺と同じように冷たくなった柔らかな萌香の身体が当たり、ごくん、と唾を飲む。
「萌香、少し冷えたから上がって休憩しよう」
俺の声がワントーン下がってしまったが、萌香はその変化に気がついていないみたいで、ただ、こくん、と頷いた。


身体を軽く拭いて俺が先にテントの中へ入ると、正面から見ると俺たちが座る中は見れるが、横や後ろからは見れないと気づいた。
――いやいや、俺は何考えてるんだ
2人きりになったら触れ合いたいと思うのは、付き合いたてのカップルにはありがちだが、こんなに欲情をしてしまうのは萌香が初めだった。彼女がいても居なくても淡々と過ごしてきたのに、萌香の事になるとジェットコースターのように急上昇急降下する自分の気持ちに戸惑いつつ、俺は新たな自分を発見しているとポジティブに考える事にした。
俺がテントの奥に座ると、萌香も身体を拭き終わってテントの中へと入ってきた。萌香は俺に背を向けて、プールが見える方に身体を向けて座る。ここから見えるプールには誰もいないから、ホテルの従業員もいなかった。
「ね、亮介…背中の日焼け止め塗って」
バスタオルを持っていた萌香は、プールに持ってきていたポーチから黄土色のミニボトルを取り出すと身体に塗っていたが、うしろを振り返ると俺にそう言った。
普通はプールに入る前に塗るんじゃないか、とか、今から塗っても意味がないんじゃないか、とか疑問が頭の中に浮かんでは消える。それでも俺は萌香に触れると、邪な気持ちに抗う事が出来なくて、うつ伏せになって横になる萌香に手を伸ばした。柔らかく冷たい身体にとろりとした白い液体を塗ると、まるで俺の熱情・・・・が弾けた証みたいだと、ムラムラとした気持ちが湧き上がる。髪を退かしたうなじは美味しそうだし、細い紐が結ばれた小さな背中と小さいけれど形の良い双丘のお尻がエロい。
――俺はこれしか考えられないのか
いや、下着同然の姿が目の前にあるのに、手を出さない方が失礼なのではないかと、逆に開き直る事にした。
「…ッ…ん」
背中までは普通に日焼け止めを塗っていたが、腰あたりから俺の手は彼女の皮膚を摘んでは揉み出した。形の良いお尻に手を伸ばすと、萌香の身体がぴくっと反応した。何も言われないのをいい事に、水着の中へ手を伸ばして、いつも俺を夢中にさせるお尻の奥にある蜜口に指先が触れると、ぬるぬるとしたプールの水とは違う蜜がすでに溢れている事に気がついた。
――エロすぎかよっ、くそっ
「萌香…タオルで隠して」
弱いと知っている彼女の耳元で敢えてそう告げると、彼女はうつ伏せから俺に背を向けたまま身体を横向きになり、大きなバスタオルを腰に掛けた。腰から太ももがバスタオルで隠れたのを見て、俺の手は大胆になっていく。彼女のお尻にある水着を右手でずらし、上に引っ張るとお尻に食い込ませた。バスタオルの下に隠れた彼女の水着のフロントに左手を伸ばして食い込ませた上から揉むと、ぬるぬるした蜜が少しずつ水着の上に出てくる。水着を引っ張りながら日焼け止めを塗っている風にしているから、ぱっと見で俺が何をやっているかなんて気がつかないだろう。
――あまり前に手を入れてるとバレるな、くそ、触りたい
もっと大胆に直接萌香に触りたいって気持ちと、乱れた萌香の姿は、他のやつに見せたくないという気持ち、バレたらやばいって気持ちが頭の中をぐるぐると回り、結局前から手を引いて後ろから触る事にした。水着から手を離し、萌香の足の隙間に左手を忍ばせ、足の付け根に向けて這わせた。俺が触りやすいように足を曲げてお尻を突き出すように動いた萌香に感謝しつつ、余計に歯止めが効かなくなったと心の中で嬉しい悲鳴をあげた。左手の指先で水着をずらして、彼女の蜜口にいきなり人差し指と中指の2本の指を入れると、引きちぎれそうなくらい強く締め付けられ、これが俺自身だったら果てているな、と目を細めた。こんだけ濡れてるなら遠慮なく、と、俺の手は彼女の蜜壺を出入りし、彼女が横向きになって俺の下半身を隠してくれているのをいい事に、俺は自分の水着の中から、バキバキに固くなった昂りを右手で取り出し上下に擦り始めた。昂りの先端から溢れたツユが擦り付けるたびに昂りの側面に伝い、ぐちゅぐちゅっも微かな卑猥な水音を発する。俺に背を向けているから見えないはずなのに、萌香の蜜壺の中がきゅんと締まったから、きっと耳に入ったんだろうと、勝手に解釈した。
――あぁ、挿れたい、ぐちゃぐちゃに掻き回して、中に溢れるまで挿れたままでいたい
俺の下半身に集まる熱は、偉そうに俺の手だけじゃ我慢出来ないとイけないと主張している。
チラッとテントから見えるプールサイドに視線を向け、誰も居ないのをいい事に俺は、萌香の首辺りに顔を合わせて横になった。突き出されたお尻から指を抜き、俺の怒張を代わりに蜜口へと充がえて、なるべく萌香が動かないように彼女の腰を掴みながら俺は自身の昂りを蜜壺へと埋めていった。
――くっ、狭い、気持ちぃ、脳が溶ける
ぎゅうぎゅうと容赦なく締め付けてくる蜜壺に、何も考えられなくなり、一気に彼女の蜜壺の中を貫くと俺は我慢出来なくなって快感を解放させた。どくん、どくん、と物凄い量の証が昂りから放たれているのを感じつつ、彼女の腰に手を食い込ませ萌香が動かないように固定した。イっている最中に、更にぎゅうぅっ、と強く締め付けられ、最後の一滴まで絞り出されると、ただ貫いただけなのに、全力疾走したかのように呼吸が荒くなった。この頭が真っ白になって、萌香の中へと俺の欲情を全て注ぐのが、もはや癖になってしまっていた。目の前にある美味そうなうなじに気がつくと、舌を這わせた。ピクッと揺れた萌香のうなじを舐めながら見ると、彼女は俺が使用していたバスタオルを口にして、声が漏れるのを防いでいた。
――声が聞きたい
小さな口から溢れる甲高い声を聞いて、萌香の微かな変化を感じ取るのも好きだ。自分の快感を高ぶらせながら、萌香の感じるところを攻めると、俺の昂りを締め付けて離さないのも可愛いところだと最近発見した。
――萌香ならなんでもいいって事だな
「ンッ…亮介っ」
甘えた声で名前を呼ばれ、繋がったままでいた昂りに直撃する。不意にキスをしたくなり、またチラッとプールサイドを見ると、泳いでいる宿泊客がいるのに気がついた。キスをしたいと思っても、今俺が動いて萌香に覆い被さると、俺たちが何をしているのか分かってしまう。流石の俺も、萌香の痴態を他の奴に見せつけられる心の広さは持ち合わせていない。その代わりといってはなんだが、萌香のうなじを甘噛みして吸い付くと、萌香の蜜壺はきゅうっと俺の昂りを締め付けた。
「萌香、声が聞きたい、胸も触りたいし、身体中を舐めたい」
「それっ、やっ…ぁっ」
萌香だけに分かるくらいの声量で囁くと、萌香は甘い吐息を吐き出していた。繋がった昂りをきゅんきゅんと断続的に締め付けられると、俺の昂りはまたむくむくと性懲りも無く固くなっていた。萌香の腰を掴んでまた固定させ、俺は彼女の蜜壺なかを昂りで抽送をすると、先ほど出した白い証が萌香の蜜と交わって、ぐちゅぐちゅと粘音を奏でる。彼女の首と肩の境い目を甘噛みしながら、ぎゅうぎゅうと締め付けられて2度目の放出はすぐにやってきたのだった。




「ンッ、亮介」
とろんとした萌香の眼差しは、壮絶な色気を発していた。道ゆく人々は俺の腕にしがみつく彼女を見ては、男女関係なく頬を染めて、見てはいけないものを見てしまったかのように、そそくさと退散する。
2度ほど果てた後、俺が萌香の中へ注いだ証が太ももを伝うものだから、彼女の腰にバスタオルを巻いて、プールから出る事にした。軽くシャワーを浴びた時に、敏感になった萌香の身体は、小さいが甘い声を漏らしたものだから、周りに誰にもいないな、とぎろりと見渡した。当初は夕飯のブッフェに行こうとしたが、蕩けきった顔の萌香の顔を誰にも見せたくなくて、更衣室で着替えてから部屋に戻る事にした。
「信じられないっ」
勿体無いとか、楽しみにしていたのに、と部屋に戻っても俺を詰る声は、彼女が俺の腕の中から聞こえる。だが、そもそもの原因を作ったのは、萌香なんだから俺のせいとばかりは言えない。
「悪かった」
そう言って腕の中にいる彼女の口を塞げば、彼女の舌が俺の口内に入り積極的に絡めてくる。朝から履いていたロングスカートの上からお尻を揉むと、彼女の太ももが上がり、俺の太ももに擦り付けられた。
「…明日は、うんと美味いものを食おう」
「…うん、亮介…キスやめないで」
もうご飯の事などどうでもいいように、欲情する女の顔をする萌香を見て、俺は内心ほくそ笑んだ。
――今日このまま、寝かせないでヤッて・・・も大丈夫そうだな

彼女と繋がれるなら旅先だろうが、美味いものを食べられなくても構わないと、虎視眈々と機会を狙う俺に無邪気に甘える萌香は気づいていないのだった。
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