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番外編 消防士と熱い夜 投稿7ヶ月記念小説 ナイトプール
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彼の非番は大体平日の2日間。たまに休日の場合もあるし、休みがない場合もある。
彼は消防士として働いていて、いつも筋トレをしているためか固い筋肉に覆われている。その筋肉を触るのが私の癒しであり、楽しみだったのだがーー
「は?合コンに行ったの?」
「合コンというか、飲み会というか」
「それって新たな出会いを求める所だよね?」
私の住む2LDKのリビングのソファーに足を組んで座る男物のオレンジ色のTシャツ姿の私の足元の床に、正座している彼氏だと思っていた上半身裸の男ーー亮平がいる。
「先輩が恋人欲しいと言って、数合わせで強制的に参加させられた…俺は萌香しか目に入らん」
大きな身体を縮こませ、捨てられた犬みたいに情けない顔をする亮平の顔は、普段だったら可愛いと思うんだけど、怒りで頭に血が上っている私にはイライラするだけだ。
事の始まりは、いつものように彼が次の日は非番だから、と私の部屋に上がり2人で戯れながら一緒にお風呂に入った。イチャイチャとしながらお互いの身体を拭き、亮平のTシャツを着て、彼は何度も来ているこの家に残した私物から自分のスウェットを取り出し、それを履いた。
このままベッドへ行こうかと思っていたら、彼の携帯電話が鳴り、職場の先輩だと言っていたのに、酔っているのか携帯電話から漏れた大きな声の男は、先日参加した合コン相手と上手くいかない、と嘆いていた。
ーーそれまでは、良かったのよ…
どんな先輩かは知らないけど、合コン相手と上手くいってないのか、と思って電話している彼のそばを離れようとしたら、携帯電話から
『この間、お前も参加したろ、合コンの彼女と上手くいってるのか?』
と、聞こえた瞬間私達に流れていた甘ったるい雰囲気は霧散し、冒頭に戻る。
「…そう、私しか見えないの」
冷静な声を努めて出して、何とか怒りを鎮めようとする。
「ああ、萌香だけだ」
きっぱりと迷いなく断言され、嬉しい気持ちも出てきたが…彼女いる彼氏が合コンに参加した事を思い出し嬉しい気持ちを頭の端に追いやる。
「そう」
それだけ返事をするのが、精一杯の私はソファーから立ち上がり、もう寝る、そう言って彼に背を向けて寝室へと向かった。
しばらくすると、亮平が寝室にやってきて私の眠るベッドへとやってきたが背後から抱きしめられ、生理の時以来の久しぶりにただ抱き合ったまま眠りについたのだった。
**************
ーー数日後
最初はギクシャクしていた私達だったけど、だんだんと普通に話す様になり以前と近い甘い雰囲気がまた流れようとしていた時。
「…萌香、あのメッセージはなんだ」
仕事が終わり、このまま待ち合わせ場所へと行こうと、時間を知るために携帯電話を取り出したら、出てきた数十件の着信履歴とSNSのメッセージ。
ーーもう情報がいったの、か
と呆れるよりも、先に亮平からの着信が来たので出たら、怒りの感情を抑える事も出来ていない亮平の低い声。
「…あのメッセージって?」
あえて惚けると、
「今日、樹から萌が合コンに参加するって聞いた」
「ええ、そうよ…私の友達が彼氏欲しいみたいだから参加するの、ダメだった?」
「ダメに決まってるだろ」
「どうして?私は亮平しか見えないわ、だからただの飲み会に参加するだけ、何の問題もないと思うけど」
そう言って、先日合コンに参加した際に言われた亮平の言葉を引用して自分の正当性をアピールした。
ーーまぁ、友達が恋人欲しいのは本当だけど…主催は私だし、合コン相手は美波に手配して貰ったけど
「ぐっ…だがっ」
「あっ、ごめん、今から電車乗るから、終わったら連絡する」
「ちょっ…萌っ…っ」
焦った声の彼からの電話を無理矢理切り、私は待ち合わせ場所へ行くために電車に乗り込んだのだった。
**************
ーーそれなのに、どうしてこうなった!!
「えー!まずは自己紹介っ!俺はイツキって言います!よろしくね、美波ちゃんっ、んでっ、こっちのムキムキマッチョは、先輩の…」
どこかで見たチャラ男が居た。しかも、美波しか見ていない。
「ヒロシだ、よろしく」
亮平以上に眉が太い厳つい男性。
「……俺はリョウヘイ」
何故、ぶすっとした彼がココにいるのか分からない。
「あ~……僕はタケシです、一応1番若い?」
メガネを掛けた真面目くん。
「ちょっとタケシ、何で疑問系?…俺はナツキです」
1番爽やかな青年。
「私は美波です!よろしくね、樹くんっ」
イツキに向かってニコニコする大親友の美波。
「あっ、アイコです、よろしく」
恋人欲しい私の友達。
「…モエです」
色々な感情が入り混じり、とりあえず自己紹介する私。
「私はマナです、よろしくお願いします!」
ボーイッシュで元気な美波の後輩の子。
「ナオです、よろしく」
眼鏡の私の後輩の子。
リーズナブルで有名なイタリアンレストランで合コンの待ち合わせした私達は、先に集まっていた男性陣の所へと案内された。
6人座れる長いテーブルに一列ずつ座り、対面で端から自己紹介する私達。少し声を出しても平気な個室が取れたので、周りに聞こえる事は…ないんだけど…
ーーなんで、彼氏が参加しているのっっ!
わなわなと怒りが湧き上がってきたのだが、私以上に人を殺して来たみたいな眼差しをする亮平に、私以外の女子はドン引きしている。
「じゃっ、とりあえず…」
とチャラ男というイツキが、若干引き気味でパスタと飲み物などを注文をした。
ある程度食事も終わり、アルコールをそれぞれ頼む雑談をする。
「モエちゃんは何の仕事してるの?」
ヒロシさんが、私の職業を聞いてくるので、素直に答えようと、口を開くと私のヒールに何かが当たる。
「…私は、デザインの企画会社…を…」
チラッとヒロシさんの隣に座り、私の前に座る男ーー亮平に視線を向けた。
ーーさっきから何っ?!ただ質問に答えているだけなのに、なんで質問される度に亮平の靴が私の靴に当たるのっ?!
「そうなんだ」
フッと苦笑するヒロシさんは、多分亮平の動きに気がついているのだろう、困ったように眉を下げていた。
さぁ、どうしようかな…と思っていたら、イツキが立ち上がったのを機に、男の人達が席の移動を始めた。美波が立ち上がりイツキの方へ、ヒロシさんはアイコの隣の美波が座っていた場所へ、タケシさんはナオの横へ、マナはナツキさんの所へと、そして私はーー
「…萌香」
気がついたら、私の横は亮平が横に移動して座っていた。
周りの人達は楽しそうに話しているのに、私達に流れる空気は冷え切っている。
私の座る椅子の背もたれに亮平の腕がつき、私の方を向いて座っている。私の頬に顔にかかる髪を優しい手つきで耳にかけて、そのまま顎のラインをなぞる。
「萌香」
私の耳元に口を寄せて私の名を呼ぶ亮平。低く艶のある落ちついた声は、まるでいつも2人が交わる時の声みたいで、自然と頬が赤く目が潤んでしまう。亮平の方を向くと、熱い眼差しと視線が絡まる。
「…亮平」
思わず口から漏れた私の声も、なんだが甘えているみたいで…
私の腰に腕を回した亮平は私を引き寄せると、彼の左半身の腕の中へと閉じ込めた。彼の肩に頭を乗せて彼の背に右腕を回すと、彼の胸板に左手を置いた。
「…萌香すまなかった」
ポツリと告げられた謝罪の言葉。
「…何に対しての謝罪?」
「…合コンに行ったこと、萌香を傷つけた事に対しての謝罪だ」
苦しそうな声は、本当に反省しているのだろう。彼の肩から見る表情は半分しか見えないから、はっきりとしない。そんな事をぼぅっと思っていたら、亮平の顔が私の方を向き視線が絡まった。
「本当にすまない、二度としない」
私の頬に彼の大きな手が添えられ、真剣な眼差しが私を射抜く。
「…反省し…たの…?」
鋭い瞳に見惚れてしまい、掠れた声が出てしまう。
「ああ、萌香が俺以外のヤツと話しているの見ているだけで耐えられない」
そう言って私の顔に彼の顔が近づいてきて、このままキスするのかな、と思っていたら、
「…萌香…愛してる」
あと数センチ近づけば唇が触れそうなくらいの距離で、小声で話す亮平の吐息が私の頬に当たる。周りからみたら、きっとキスをしていると思われてもしょうがないかもしれないが、彼から離れようとは思わなかった。
「…亮…平…なら…確かめさせて…」
彼の胸板に置いた左手の指先を微かに動かし、胸をカリッと引っ掻くと亮平の身体がピクッと反応した。
「…行こう」
ぐるっ、と唸る声と同時にガタガタッと乱暴に立ち上がって、私の腕を引いて歩き出した亮平に惚けてついて行った。
**************
向かった先は彼の家だ。何度か訪れた事のある彼の家は、1DKの物がほとんど無い部屋。玄関のドアを開けるとすぐに押し込められ、肩を掴まれ身体をぐるりと回されて、頭と首をガシッと掴まれ引き寄せられ口が塞がれる。声も息も全て飲み込むような荒々しい口づけ。彼の首のうしろへと腕を回して、私からも彼の舌に自分の舌を絡め始めた。彼の手が私のお尻を強く掴んでは揉み、私のお尻を持ち上げられる。彼の腰に足を絡め抱きつくと、口を塞がれながら歩き出した亮平は、物や壁にぶつかりながらも室内へと入っていく。
「んっ、っ、ん」
ちゅっ、ちゅっ、とリップ音と水音、2人の重なった唇の隙間から微かに漏れる声が響く。
背を支えるように手が移動して、ベッドへと下ろされると少しの間だけ彼の口づけから解放された。
「はぁっ…ぁ、っ」
すぐに覆い被され、鼻をくっつけたまま荒い呼吸を鎮める私と亮平。彼の首に回した腕を解かされ、ベッドへと縫い付ける様に顔の横に置かれて、重なった指が絡まった。
はむっと唇を喰まれ、今度はゆっくりと口内を味わうように彼の舌が私の口内に入る。歯列をなぞり、内頬を、上顎を舐められていく。最後に私の舌を絡め、強く吸われ優しく甘噛みされる。
「ん、っぁ、っ、ぁ、亮…平っ」
久しぶりの濃厚なキスは、すぐに私を夢中にさせてくれる。彼の唾液が私の口内に入り、ゴクンと難なく飲み込むと、嬉しそうに彼の口づけが深くなっていった。
忙しなくお互いの服を脱がせ合い、彼のズボンに手をかけると彼の手が私の手を掴んだ。そのまま私の腕を自分の首へとやると、キスを挟みながら器用にズボンを脱がして、布の擦れる音と落ちる音がした。身体を撫でられ触られていった。
「…萌…何故こんな下着なんだ、その服も」
低く唸る声とは裏腹に優しい手つきは、彼から与えられる快感へと変換していく。今日の服装は合コンを意識したお洒落なものだったし、下着は白い肌に映える黒いレースだった。
「っ、ん、終わった…ら、ぁっ、亮平に会うっ…つもりっ…だった…ぁ」
と、素直にそう答えると、無言で私の首筋に舌を這わして両手で私の乳房を揉んでは、胸の形を歪ませていき、ブラのホックを外して脱がせられた。彼の舌が私の肩や鎖骨や胸を濡らしていき、途中から強く吸われチクリと痛みが出る。
「っ、あ、亮平っ、ぁっ、んっ、好きっ、好き」
「萌っ、ッ…萌…」
彼の昂りが私の下半身にある蜜壺に触れて、下着越しにゴリゴリと押し付けられる。ヌチャヌチャとまだ触られていないのに、下着の中から粘音が大きくなっていく。
彼の手が私の乳房から手を離し下着へと移動すると、いきなりズラされ彼の指が蜜壺の中へと埋まった。
「あっ、あっ、急…っ、に、っ」
「急に、じゃないつ、…ずっとこうしたかった」
入った彼の指をぎゅうっと包み込み蜜壺は、彼の指を離さない。蜜壺から指を軽く出し入れしてもう一本増やされ、更に一本入った。三本が蜜壺に入った指を念入りに、早く動かし蜜壺の中を熱心に広げていく亮平の姿に、私の限界が近いてきた。
「好…き、っ…ぁっ、ん、早くっ、早くっ」
と腰を揺らすと、
「萌っ、まだ」
「いい、いいって…ねっ、ねぇっ」
と彼の腕に手をつけると、彼の昂りがぴくぴくと跳ねた。
「…っ、っ」
彼の太ももの裏に足を掛けると私は腰を揺らし、亮平の昂りに自分の下半身を押し付けた。腰を掴まれ蜜壺から指が抜けるとすぐに固い昂りが充てがわれた。亮平の熱い昂りがヌルッと蜜壺に入っていく感覚は、いつまでも慣れなくてギュッと目を閉じてしまう。そんな私を知ってか、私の右手を取り指を絡めた亮平。ズンッズンッと重い衝撃と共にやってくる圧迫感と快感が、私の身体を巡って全身に広がる。
「っう…ぅんっ、んっ」
はっ、と彼の低い吐息が聞こえて、艶っぽくて身体が反応して、蜜壺をきゅんと締め付けてしまう。
「ぐっ、萌っ…つ」
私を咎めるように、ズンッと腰を進めた亮平の昂りが、私の蜜壺の最奥へと一気に貫き完全に繋がった。私の顔の横に肘をつけて屈み、私の口を塞ぐ。舌を絡めて舐めて吸われながら、彼の腰が動き始め、少しも離れたくなくて彼の腰に脚を巻き付けた。
「っ、あっ、あんっ、あっ、っ、ん」
腰の動きがだんだんと激しくなるにつれて、ギシギシッと軋むベッドと、私の甘い声が重なり合う。
彼の激しい突きに、落ちないように彼の首に腕を回した。揺らされるたびに彼の肩が私の口に当たり、自然と彼の首に舌を這わしちゅうちゅぅと吸い付く。
亮平も私の首に顔を埋め、ラストスパートをかけていく。
「あっ、あっぐっ、ああ、あつ、あああぅっぐ」
蜜壺の最奥を突かれた瞬間、強い電流みたいな快感が頭の先まで流れ、目の前が真っ白になり身体が強張ってしまい蜜壺に入っている彼の昂りを強く締め付けた。
奥歯を噛み締め唸り声を抑えた亮平だったけど、蜜壺に叩きつけるように注がれた証を感じて彼もイッた事を知った。
呼吸も落ちついてある程度時間が流れ、身体の力が抜けると亮平は身体を起こしたけど、お互いの鼻が触れ合う距離に留まった。
私の頬に彼の手が添えられ、私の顔に掛かる髪を優しく退かす。視線が合わさったまま、何度か軽い口づけをすると、蜜壺の中にある昂りがむくむくと大きくなっていくのが分かる。
「…亮平、次…合コンとか行ったら許さないからね」
ワザと下半身に力を入れると、蜜壺の中にある昂りが締め付けられ、ぐっと唸った彼が苦しそうにしていた。
「すまない、二度としない」
そう言って私の腰に手を置き掴むと、腰の動きを再開させたのだった。
気まずい雰囲気だった1週間を取り戻すように、お互い求め合い、気絶するように眠るまで繋がりは解かされなかった。
彼は消防士として働いていて、いつも筋トレをしているためか固い筋肉に覆われている。その筋肉を触るのが私の癒しであり、楽しみだったのだがーー
「は?合コンに行ったの?」
「合コンというか、飲み会というか」
「それって新たな出会いを求める所だよね?」
私の住む2LDKのリビングのソファーに足を組んで座る男物のオレンジ色のTシャツ姿の私の足元の床に、正座している彼氏だと思っていた上半身裸の男ーー亮平がいる。
「先輩が恋人欲しいと言って、数合わせで強制的に参加させられた…俺は萌香しか目に入らん」
大きな身体を縮こませ、捨てられた犬みたいに情けない顔をする亮平の顔は、普段だったら可愛いと思うんだけど、怒りで頭に血が上っている私にはイライラするだけだ。
事の始まりは、いつものように彼が次の日は非番だから、と私の部屋に上がり2人で戯れながら一緒にお風呂に入った。イチャイチャとしながらお互いの身体を拭き、亮平のTシャツを着て、彼は何度も来ているこの家に残した私物から自分のスウェットを取り出し、それを履いた。
このままベッドへ行こうかと思っていたら、彼の携帯電話が鳴り、職場の先輩だと言っていたのに、酔っているのか携帯電話から漏れた大きな声の男は、先日参加した合コン相手と上手くいかない、と嘆いていた。
ーーそれまでは、良かったのよ…
どんな先輩かは知らないけど、合コン相手と上手くいってないのか、と思って電話している彼のそばを離れようとしたら、携帯電話から
『この間、お前も参加したろ、合コンの彼女と上手くいってるのか?』
と、聞こえた瞬間私達に流れていた甘ったるい雰囲気は霧散し、冒頭に戻る。
「…そう、私しか見えないの」
冷静な声を努めて出して、何とか怒りを鎮めようとする。
「ああ、萌香だけだ」
きっぱりと迷いなく断言され、嬉しい気持ちも出てきたが…彼女いる彼氏が合コンに参加した事を思い出し嬉しい気持ちを頭の端に追いやる。
「そう」
それだけ返事をするのが、精一杯の私はソファーから立ち上がり、もう寝る、そう言って彼に背を向けて寝室へと向かった。
しばらくすると、亮平が寝室にやってきて私の眠るベッドへとやってきたが背後から抱きしめられ、生理の時以来の久しぶりにただ抱き合ったまま眠りについたのだった。
**************
ーー数日後
最初はギクシャクしていた私達だったけど、だんだんと普通に話す様になり以前と近い甘い雰囲気がまた流れようとしていた時。
「…萌香、あのメッセージはなんだ」
仕事が終わり、このまま待ち合わせ場所へと行こうと、時間を知るために携帯電話を取り出したら、出てきた数十件の着信履歴とSNSのメッセージ。
ーーもう情報がいったの、か
と呆れるよりも、先に亮平からの着信が来たので出たら、怒りの感情を抑える事も出来ていない亮平の低い声。
「…あのメッセージって?」
あえて惚けると、
「今日、樹から萌が合コンに参加するって聞いた」
「ええ、そうよ…私の友達が彼氏欲しいみたいだから参加するの、ダメだった?」
「ダメに決まってるだろ」
「どうして?私は亮平しか見えないわ、だからただの飲み会に参加するだけ、何の問題もないと思うけど」
そう言って、先日合コンに参加した際に言われた亮平の言葉を引用して自分の正当性をアピールした。
ーーまぁ、友達が恋人欲しいのは本当だけど…主催は私だし、合コン相手は美波に手配して貰ったけど
「ぐっ…だがっ」
「あっ、ごめん、今から電車乗るから、終わったら連絡する」
「ちょっ…萌っ…っ」
焦った声の彼からの電話を無理矢理切り、私は待ち合わせ場所へ行くために電車に乗り込んだのだった。
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ーーそれなのに、どうしてこうなった!!
「えー!まずは自己紹介っ!俺はイツキって言います!よろしくね、美波ちゃんっ、んでっ、こっちのムキムキマッチョは、先輩の…」
どこかで見たチャラ男が居た。しかも、美波しか見ていない。
「ヒロシだ、よろしく」
亮平以上に眉が太い厳つい男性。
「……俺はリョウヘイ」
何故、ぶすっとした彼がココにいるのか分からない。
「あ~……僕はタケシです、一応1番若い?」
メガネを掛けた真面目くん。
「ちょっとタケシ、何で疑問系?…俺はナツキです」
1番爽やかな青年。
「私は美波です!よろしくね、樹くんっ」
イツキに向かってニコニコする大親友の美波。
「あっ、アイコです、よろしく」
恋人欲しい私の友達。
「…モエです」
色々な感情が入り混じり、とりあえず自己紹介する私。
「私はマナです、よろしくお願いします!」
ボーイッシュで元気な美波の後輩の子。
「ナオです、よろしく」
眼鏡の私の後輩の子。
リーズナブルで有名なイタリアンレストランで合コンの待ち合わせした私達は、先に集まっていた男性陣の所へと案内された。
6人座れる長いテーブルに一列ずつ座り、対面で端から自己紹介する私達。少し声を出しても平気な個室が取れたので、周りに聞こえる事は…ないんだけど…
ーーなんで、彼氏が参加しているのっっ!
わなわなと怒りが湧き上がってきたのだが、私以上に人を殺して来たみたいな眼差しをする亮平に、私以外の女子はドン引きしている。
「じゃっ、とりあえず…」
とチャラ男というイツキが、若干引き気味でパスタと飲み物などを注文をした。
ある程度食事も終わり、アルコールをそれぞれ頼む雑談をする。
「モエちゃんは何の仕事してるの?」
ヒロシさんが、私の職業を聞いてくるので、素直に答えようと、口を開くと私のヒールに何かが当たる。
「…私は、デザインの企画会社…を…」
チラッとヒロシさんの隣に座り、私の前に座る男ーー亮平に視線を向けた。
ーーさっきから何っ?!ただ質問に答えているだけなのに、なんで質問される度に亮平の靴が私の靴に当たるのっ?!
「そうなんだ」
フッと苦笑するヒロシさんは、多分亮平の動きに気がついているのだろう、困ったように眉を下げていた。
さぁ、どうしようかな…と思っていたら、イツキが立ち上がったのを機に、男の人達が席の移動を始めた。美波が立ち上がりイツキの方へ、ヒロシさんはアイコの隣の美波が座っていた場所へ、タケシさんはナオの横へ、マナはナツキさんの所へと、そして私はーー
「…萌香」
気がついたら、私の横は亮平が横に移動して座っていた。
周りの人達は楽しそうに話しているのに、私達に流れる空気は冷え切っている。
私の座る椅子の背もたれに亮平の腕がつき、私の方を向いて座っている。私の頬に顔にかかる髪を優しい手つきで耳にかけて、そのまま顎のラインをなぞる。
「萌香」
私の耳元に口を寄せて私の名を呼ぶ亮平。低く艶のある落ちついた声は、まるでいつも2人が交わる時の声みたいで、自然と頬が赤く目が潤んでしまう。亮平の方を向くと、熱い眼差しと視線が絡まる。
「…亮平」
思わず口から漏れた私の声も、なんだが甘えているみたいで…
私の腰に腕を回した亮平は私を引き寄せると、彼の左半身の腕の中へと閉じ込めた。彼の肩に頭を乗せて彼の背に右腕を回すと、彼の胸板に左手を置いた。
「…萌香すまなかった」
ポツリと告げられた謝罪の言葉。
「…何に対しての謝罪?」
「…合コンに行ったこと、萌香を傷つけた事に対しての謝罪だ」
苦しそうな声は、本当に反省しているのだろう。彼の肩から見る表情は半分しか見えないから、はっきりとしない。そんな事をぼぅっと思っていたら、亮平の顔が私の方を向き視線が絡まった。
「本当にすまない、二度としない」
私の頬に彼の大きな手が添えられ、真剣な眼差しが私を射抜く。
「…反省し…たの…?」
鋭い瞳に見惚れてしまい、掠れた声が出てしまう。
「ああ、萌香が俺以外のヤツと話しているの見ているだけで耐えられない」
そう言って私の顔に彼の顔が近づいてきて、このままキスするのかな、と思っていたら、
「…萌香…愛してる」
あと数センチ近づけば唇が触れそうなくらいの距離で、小声で話す亮平の吐息が私の頬に当たる。周りからみたら、きっとキスをしていると思われてもしょうがないかもしれないが、彼から離れようとは思わなかった。
「…亮…平…なら…確かめさせて…」
彼の胸板に置いた左手の指先を微かに動かし、胸をカリッと引っ掻くと亮平の身体がピクッと反応した。
「…行こう」
ぐるっ、と唸る声と同時にガタガタッと乱暴に立ち上がって、私の腕を引いて歩き出した亮平に惚けてついて行った。
**************
向かった先は彼の家だ。何度か訪れた事のある彼の家は、1DKの物がほとんど無い部屋。玄関のドアを開けるとすぐに押し込められ、肩を掴まれ身体をぐるりと回されて、頭と首をガシッと掴まれ引き寄せられ口が塞がれる。声も息も全て飲み込むような荒々しい口づけ。彼の首のうしろへと腕を回して、私からも彼の舌に自分の舌を絡め始めた。彼の手が私のお尻を強く掴んでは揉み、私のお尻を持ち上げられる。彼の腰に足を絡め抱きつくと、口を塞がれながら歩き出した亮平は、物や壁にぶつかりながらも室内へと入っていく。
「んっ、っ、ん」
ちゅっ、ちゅっ、とリップ音と水音、2人の重なった唇の隙間から微かに漏れる声が響く。
背を支えるように手が移動して、ベッドへと下ろされると少しの間だけ彼の口づけから解放された。
「はぁっ…ぁ、っ」
すぐに覆い被され、鼻をくっつけたまま荒い呼吸を鎮める私と亮平。彼の首に回した腕を解かされ、ベッドへと縫い付ける様に顔の横に置かれて、重なった指が絡まった。
はむっと唇を喰まれ、今度はゆっくりと口内を味わうように彼の舌が私の口内に入る。歯列をなぞり、内頬を、上顎を舐められていく。最後に私の舌を絡め、強く吸われ優しく甘噛みされる。
「ん、っぁ、っ、ぁ、亮…平っ」
久しぶりの濃厚なキスは、すぐに私を夢中にさせてくれる。彼の唾液が私の口内に入り、ゴクンと難なく飲み込むと、嬉しそうに彼の口づけが深くなっていった。
忙しなくお互いの服を脱がせ合い、彼のズボンに手をかけると彼の手が私の手を掴んだ。そのまま私の腕を自分の首へとやると、キスを挟みながら器用にズボンを脱がして、布の擦れる音と落ちる音がした。身体を撫でられ触られていった。
「…萌…何故こんな下着なんだ、その服も」
低く唸る声とは裏腹に優しい手つきは、彼から与えられる快感へと変換していく。今日の服装は合コンを意識したお洒落なものだったし、下着は白い肌に映える黒いレースだった。
「っ、ん、終わった…ら、ぁっ、亮平に会うっ…つもりっ…だった…ぁ」
と、素直にそう答えると、無言で私の首筋に舌を這わして両手で私の乳房を揉んでは、胸の形を歪ませていき、ブラのホックを外して脱がせられた。彼の舌が私の肩や鎖骨や胸を濡らしていき、途中から強く吸われチクリと痛みが出る。
「っ、あ、亮平っ、ぁっ、んっ、好きっ、好き」
「萌っ、ッ…萌…」
彼の昂りが私の下半身にある蜜壺に触れて、下着越しにゴリゴリと押し付けられる。ヌチャヌチャとまだ触られていないのに、下着の中から粘音が大きくなっていく。
彼の手が私の乳房から手を離し下着へと移動すると、いきなりズラされ彼の指が蜜壺の中へと埋まった。
「あっ、あっ、急…っ、に、っ」
「急に、じゃないつ、…ずっとこうしたかった」
入った彼の指をぎゅうっと包み込み蜜壺は、彼の指を離さない。蜜壺から指を軽く出し入れしてもう一本増やされ、更に一本入った。三本が蜜壺に入った指を念入りに、早く動かし蜜壺の中を熱心に広げていく亮平の姿に、私の限界が近いてきた。
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と腰を揺らすと、
「萌っ、まだ」
「いい、いいって…ねっ、ねぇっ」
と彼の腕に手をつけると、彼の昂りがぴくぴくと跳ねた。
「…っ、っ」
彼の太ももの裏に足を掛けると私は腰を揺らし、亮平の昂りに自分の下半身を押し付けた。腰を掴まれ蜜壺から指が抜けるとすぐに固い昂りが充てがわれた。亮平の熱い昂りがヌルッと蜜壺に入っていく感覚は、いつまでも慣れなくてギュッと目を閉じてしまう。そんな私を知ってか、私の右手を取り指を絡めた亮平。ズンッズンッと重い衝撃と共にやってくる圧迫感と快感が、私の身体を巡って全身に広がる。
「っう…ぅんっ、んっ」
はっ、と彼の低い吐息が聞こえて、艶っぽくて身体が反応して、蜜壺をきゅんと締め付けてしまう。
「ぐっ、萌っ…つ」
私を咎めるように、ズンッと腰を進めた亮平の昂りが、私の蜜壺の最奥へと一気に貫き完全に繋がった。私の顔の横に肘をつけて屈み、私の口を塞ぐ。舌を絡めて舐めて吸われながら、彼の腰が動き始め、少しも離れたくなくて彼の腰に脚を巻き付けた。
「っ、あっ、あんっ、あっ、っ、ん」
腰の動きがだんだんと激しくなるにつれて、ギシギシッと軋むベッドと、私の甘い声が重なり合う。
彼の激しい突きに、落ちないように彼の首に腕を回した。揺らされるたびに彼の肩が私の口に当たり、自然と彼の首に舌を這わしちゅうちゅぅと吸い付く。
亮平も私の首に顔を埋め、ラストスパートをかけていく。
「あっ、あっぐっ、ああ、あつ、あああぅっぐ」
蜜壺の最奥を突かれた瞬間、強い電流みたいな快感が頭の先まで流れ、目の前が真っ白になり身体が強張ってしまい蜜壺に入っている彼の昂りを強く締め付けた。
奥歯を噛み締め唸り声を抑えた亮平だったけど、蜜壺に叩きつけるように注がれた証を感じて彼もイッた事を知った。
呼吸も落ちついてある程度時間が流れ、身体の力が抜けると亮平は身体を起こしたけど、お互いの鼻が触れ合う距離に留まった。
私の頬に彼の手が添えられ、私の顔に掛かる髪を優しく退かす。視線が合わさったまま、何度か軽い口づけをすると、蜜壺の中にある昂りがむくむくと大きくなっていくのが分かる。
「…亮平、次…合コンとか行ったら許さないからね」
ワザと下半身に力を入れると、蜜壺の中にある昂りが締め付けられ、ぐっと唸った彼が苦しそうにしていた。
「すまない、二度としない」
そう言って私の腰に手を置き掴むと、腰の動きを再開させたのだった。
気まずい雰囲気だった1週間を取り戻すように、お互い求め合い、気絶するように眠るまで繋がりは解かされなかった。
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