短編集〜現代〜

狭山雪菜

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先生、生徒、カメラ

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女子高に通う私には出会いがなかった
彼とデートをしたりイチャイチャするのが夢だった


ーー本当最悪だ


私が呼ばれたのは生活指導の鬼教師と言われている厳しい先生だ
初めて会った時に一目惚れしたのに、私の気持ちを断り、スカートが短いだの(私より短い子いるし)、ネイル禁止を守れだの(爪保護してるトップコートなのに)、目を合わせれば注意される

今日は鬼教師に会っていないのに、呼び出される意味が分からない

放課後ひと気がなくなった生活準備室に行くと、ドアは開いていて顔を出したら鬼教師が机で何やら仕事をしていた
「…先生?呼び出されたんですけどー」
一応不満な感じを出して中へ入る
「…ああ…来たか…こっち行くぞ」
中に入る帰る準備をしていた他の先生に、ではお疲れ様でした、と言ってスタスタ歩き出した

背後から早足で着いていくと、足が早くてムカつく
横に2本の首元から肩にラインがある紺の上下のジャージに室内用の白い運動靴の髪は短いがスポーツ刈りよりは長い黒髪が廊下から差し込む陽射しでキラキラ光っていた

先生が入ったのは、3階の空き教室で長いテーブルとパイプ椅子が置いてあった。
カーテンが閉められた薄暗い部屋のカーテンを少し開けるとほんの少し明るくなり、先生はパイプ椅子を出して座るように私に言った
私が座ったのを確認した先生は、ドアを閉めて長いテーブルに腰掛けた

「…どうして呼ばれたか…わかるか?」
問いかける声はいつもより不機嫌で不思議な気持ちだった

ーー何で怒ってるんだろう?

でも、分からないものは分からないので
「いえ、分かりません」
というと、はぁとため息を吐いた先生がポケットから出したスマホを操作して、画面を見せてきた

画面に映っていたのは

アキナとのチャットルームと表示されていた

『早くみーちゃんに会いたいなぁ♪』
『好き好き』
『かまって~ょ』
の下に首から下のパジャマ写真を撮影した写真付きだ
と昨日私が送ったメッセージのトークルームのページだった

顔を真っ青にして先生を見れば
「…わかったか?何で呼ばれたのか」
ともう一度同じ問いかけをする
「……はい…分かってます」
としょんぼりとした

私がマッチングアプリ"ストロベリーラブ"を知ったのはYouTubeの広告で趣味友が欲しくて先月始めたのだが
未成年使用不可だったので、年齢操作して登録したのだ
プロフィール画像は青空だ

アキナ 19歳 女 
コメント
最近失恋したので、お話しませんか


とのメッセージに山ほどメッセージが届いたが、どれもパパ活ばかりで嫌になっていたら1件だけ最後に届いたメッセージがあり、開くとプロフィール画像は夕空でメッセージは

『俺も失恋した』

短く素っ気ないものだったので興味を惹かれ彼のプロフィールを見にいった

ミツ 28歳 男
コメント
趣味は写真よろしく


それからひと言ふた言話す仲になり、この3週間毎日チャットをした
ぶっきらぼうなメッセージはドキドキして毎日毎日嬉しい思いばかりしていた
写真を撮る癖がついたのはみーちゃんのせいだ
お互い撮った風景や食べた物の写真を送り合った
昨日写真撮ったのは新しいパジャマを見せたかったからだ


「…未成年はこういうアプリ出来ないの知ってるよな?」
「…はい、すみません」

しょんぼり謝ると頭上からため息が聞こえた

ーー飽きられちゃった
悲しくて泣きたくなる

「…………お前は俺の事好きなんじゃなかったのか?それとも遊びで告白したのか?」
「っっ!それはありえない!本当に…今でも好き…でもいつも断るからっ…諦めようって…思って」
勢いよく顔を上げると先生は私に噛み付くようなキスをする

「んっんふっ」
急に口が塞がれ絡まる舌に困惑するが、大好きな人とキスをしている事実を実感し、先生の肩に触れジャージを握る
ぐぃっと背中を引き寄せられ立たされた私は先生の腕の中に閉じ込められキスを続ける
はぁ、と額を合わせたまま少し離れ肩で息をする
「…なん…で…キスを…するの」
潤んだ目で先生を見れば鼻を擦り寄せる
「…俺が先生だから断っているんだよ…それじゃなかったら」
言葉が途切れまた始まる口づけ
何度も何度も唇を喰み、舌を出すと舐め吸ってくれる
「…俺と付き合うってどういうことか…わかる?」
耳を舐め甘噛みしながら耳元で低く囁く
「…んっ…どうい…うこ…と?」
背中がゾクゾクとして彼のくれる首筋を舐める彼に委ねる

「…卒業するまでは、手を繋いで出かけられないし、友達にも言えないんだぞ…耐えられるか?」
制服の上から腰を撫で頬を甘噛みする
「…うん…うん…付き合う…付き合いたいです」
嬉しくて先生の頬を両手で挟み顔を合わせる
「…ああいうアプリもしないこと」
不機嫌な声で禁止される
「うん!…じゃあ先生…みーちゃんも…ダメだよ?」
ふふっとアプリ内で呼んでいた愛称で甘くお願いする
「…わかった」
半笑いの先生はまた顔を近づけ唇を啄む
「…ねぇ…連絡先…教えて」
というとわかったと呟いた先生は濃厚なキスで私の願いを叶えてくれた









****************





交換した連絡先に届く先生からのメッセージ
みっちゃんとの秘密の恋が始まった


夜は電話をする
メッセージも頻繁に、写真付きが多い



今までと同じ態度で先生にスカートが短い!と注意される事もあったが、廊下で引き寄せられキスをされる事も増えた


学校帰りにバックに私服を入れトイレで着替えて先生との待ち合わせ場所の駅の立体駐車場に向かう
『3F』と来たメッセージに3階に向かうと車のライトがひかり、先生が手を上げ座っていた
急いで助手席に滑り込むと、先生の首に腕を巻き付け舌を絡めるキスをした
お互い何度も貪るキスに車内というのを忘れて溺れる

しばらくして私服を見た先生は耳を舐めながら「可愛い」
と言って褒めてくれる

今日は大人っぽく見れるように、紺のワンピースにした
先生はジャージから着替えて紺のシャツとベージュのチノパンだ

先生の家でおうちデートをして家まで送ってくれる予定だ

「食材は昨日買ったから、テキトーに作るよ」
「わー楽しみ」
他愛のない話をしながら、信号待ちでは口づけをする
ねっとりと絡まる舌に目が潤むがニヤニヤする先生に口を尖らせる
悔しくて次の信号待ちでは積極的に舌を絡めるとびっくりした先生を見て勝ち誇った顔をする
2人でキスをし合い着いた先生のマンションの駐車場でねっとりと濃厚なキスの仕返しを受けた


車から降り助手席側に来た先生を横から抱きしめ歩き始める
エレベーターに入ると彼を見上げ啄むキスを何度もする
チンっと音がして到着した階に手を引かれ歩く先生に、急いで歩いて彼の横に抱きつく
じゃれながら歩き止まった扉の鍵を開け入るとガチャンと閉まると同時に抱きしめられ舌を絡められる
先生の背中に手を回しくっつく身体
ピッタリとくっつき喰む唇に私もお返しに先生の下唇を喰む
お互い口づけに溺れていたらちゅうっと離れる唇に銀の糸がツツっと引く
頬を撫でられ「入ろう」と手を引かれ彼の部屋にお邪魔した


リビングのソファーに座り、先生がお茶を出してくれたので飲む
新しく撮った写真を見せ合い笑っていると訪れた沈黙に目を絡めたまま指を絡め口づけが始まった

先生の上に乗り貪欲にキスする2人
お互い何度も貪るキスに口元から溢れた唾液が顎に伝う
ワンピース越しに下から掬うように胸を揉まれジンジンとする乳房に「んっんふっんっ」と塞がれた口から抗議をするが手がやらしくて気持ちよくてまた、口づけに溺れる


「…今日20時までには家に帰すから」
首筋に顔を埋め、強く抱きしめる先生にきゅんとしてしまう


「……うん」


ーー帰すって……帰したくないみたいじゃん

壁にある時計を見ると18時
先生の家から自分の家までは40分くらいかな…


ーーもっと一緒にいたい

そう思っけど親が心配するな…と思って口に出さず先生に抱きついた



「…最後までしないから、ちょっと味見だけ」




そう言った先生は残された1時間ずっと全身舐められ、揉まれた恥ずかしくて死ぬかと思った
パンツの中に手を入れて、顔を埋めようとする先生の頭を拒否したのに、何で?と当たり前のように言われ
お風呂入ってからじゃないと無理
じゃあ一緒に入る?
…それは無理
……無理無理ばかり、ずるいよね?
と解放された時は制服に着替え、若干ぐったりしていた私を背後から甘やかしてくれるイチャイチャタイムに入った
耳が弱いと知ると、耳を舐めながら
「次は、もうちょっと頑張る」
とか
「次は俺が服も下着も準備する」
とか、何を頑張るの?とか服準備って?という疑問は先生のキスに飲まれた



そして

私が先生のスマホチェックをし、先生がスマホをチェックする

「…俺以外の男とやっていたら許さない」
って低い声で私を責めながら囁く



先生私を振ったよね?



アプリを始めなかったら始まらなかった関係に私は蕩けた



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