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第二話「挑戦の日々」
五.対人戦デビューへ
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eスポーツ部の五月は目まぐるしく過ぎていった。
間にテスト休みを挟みつつも、アツシは毎日のようにエイジと一緒にAI相手のトレーニングに励んだ。もちろん、レイカや小峠もサポートしてくれている。「二人には頭が上がらない」と、アツシは改めて思った。
フルダイブ環境にも随分と慣れてきた。アバターは日に日に本物の体のように馴染み始め、「ダブルス!」のシステムへの理解も進んでいる。
ただ、毎日のようにフルダイブを繰り返していて、気付いたこともあった。段々とだが「疲れ」がたまってきたのだ。肉体的な疲労ではなく、「精神的な疲労」が。
「エル・ムンド」のフルダイブ・システムは、脳を活性化させる効果があるという。なんとなくではあるが、その影響ではないかとアツシは感じていた。
「一時間ごとの休憩」が必要な理由が、少しだけ分かった気がした。
肝心のゲームの腕前の方は、毎日のようにみっちりとトレーニングをした結果、アツシもエイジもAI相手ならほぼ負けなくなってきていた。
「重戦士」と「軽戦士」以外のクラスの練習も重ね、今ではどのクラスを選んでもそこそこ戦えるようになっている。もちろん、お互いの得意不得意はある。だが、そこはチームワークで補えばいいと考えていた。
「そろそろAI相手のトレーニングだと頭打ちだな」
「そうだね。ボクも色々調べてみたけど、『ダブルス!』は対人戦を重視してるから、AIプレイヤーの強さは控えめにしてあるらしいよ。――ボクらも次のステップに進むべきかもしれない」
こうして、アツシ達のトレーニングはいよいよ次の段階に進むことになった。AIではなく、人間相手の「対人戦」へと。
***
全ての「エル・ムンド」は、ネットワークを通じて全世界に散らばるサーバーと繋がっている。つまり、全ての「エル・ムンド」同士は、そのサーバーを経由して繋がっていることになる。
「ダブルス!」では、このネットワーク機能を利用して世界中のプレイヤーと対戦することができる。
対戦方式は、サーバー側によるマッチング対戦とフレンドコードを知っている者同士のフレンド対戦の二種類。その点は従来のネットワーク型対戦ゲームと大差ない。
他のゲームと大きく異なるのは、「ダブルス!」のマッチング対戦が基本的に匿名で行われる点だ。つまり、プレイヤー同士はお互いにどこの誰と対戦しているのか、分からない仕組みになっている。
マッチングによる対戦では、メッセージのやり取りなどもできない。その点は一般のゲームよりも不便なところだった。
アツシ達も詳しくは知らないが、なんでも、過去に対戦を巡るトラブルが起きたり個人情報の流出があったりしたせいで、そういうシステムになっているらしかった。
特に、アバターに本人の顔をそのまま使用するプレイヤーが多いせいで、何かとトラブルがあったらしい。
今では、マッチングによる対戦では、対戦相手のアバターは汎用のグラフィックに差し替えられて表示される仕様になっていた。
もちろん、「大会」の時は匿名ではない。学校名や個人名がきちんと表示された上で対戦することになる。アバターも、基本的にはプレイヤー本人の顔や体型を元にしたものにするのがルールだ。
フレンドコードを交換した者同士の対戦の時も同様だ。
レイカが調べたところによれば、部活動で「ダブルス!」をプレイしている学校の多くは他校との交流に意欲的で、学校公認の上でフレンドコードを交換していることが多いらしい。
それによって、練習試合や交流試合を組みやすいというメリットがある為だ。
他のスポーツと同じく、他校との練習試合は得るものが多くある。オンライン故に、他のスポーツよりも日程調整のハードルが低いという理由もあり、部活における「ダブルス!」の練習試合はとても盛んらしかった。
もっとも、できたばかりの梶原中eスポーツ部には、練習試合を組んでくれるような交流のあるチームには心当たりが無かった。
レイカが知り合いの伝手で、色々と探してくれてはいたのだが――。
そんな事情もあり、アツシ達はまずマッチング対戦で腕を磨くことにした。
「大会」当日まで、どこの誰とも分からぬ人々を相手に対戦を重ねてトレーニングする訳だ。
ただし、一般の「エル・ムンド」が全世界のプレイヤーと対戦できるのに対し、学校の部活仕様の「エル・ムンド」は、国内かつ同じ中学生に相手が限られるらしかった。
残念ながら「初心者が世界王者と対戦!」のような夢のある話は、無い。
***
『じゃあ、早速マッチングを始めるね? 二人とも準備はいい?』
「オレは大丈夫です!」
「ボクもオーケーです。お願いします」
天から響くレイカの声に、二人が答える。いよいよマッチングによる対人戦が開始される。
なお、今アツシ達がいるのは、最初に「ダブルス!」を起動した時にいた、あの高原だった。このマップは「ホーム」と呼ばれる、言ってみれば彼らの本拠地だ。
「ダブルス!」を起動すると、アバターはまずこの「ホーム」に転送される。そこからチュートリアルやトレーニング、対戦用のマップへと転送される仕組みだ。
フレンドコードを交換した相手を招待することもできる。
もちろん、何もない高原以外にも自由にマップの種類を選べるし、建物を建てることだってできる。
だが、アツシ達にとって今は、少しでも「ダブルス!」を上手くなりたい時期だ。その為、「ホーム」のカスタマイズには全く手を出さず、トレーニングに時間を費やすことにしていた。
――本当なら、エイジに仮想空間の中でだけでも不自由なくリラックスしてもらえるよう、ログハウスの一つでも建ててみたいのだが。
内心そう思いつつも、アツシも中々言い出せずにいた。
『管理者が対人戦マッチングを実行しました。対戦相手を探しています……対戦相手が見つかりました。使用するクラスを選んでください』
機械音声が早くも対人戦の相手を見付けたことを告げる。いよいよだった。
「ダブルス!」では、対戦で使用するクラスを試合が始まる直前に決める仕組みになっている。「大会」や「練習試合」の時には、対戦チームの素性は分かっているが、相手がどんなクラスを使ってくるのかは、対戦が始まるまで分からない仕組みだ。
クラスにはそれぞれ「相性」がある。ジャンケンに例えるなら、グーが「重戦士」でパーが「魔法使い」、チョキは「軽戦士」といった感じだ。クラス選びの時点で、有利不利がある程度は決まってしまう。
大会では、対戦相手が得意なクラスを調べ上げて、そのクラスに対して有利なクラスを選ぶのがセオリーだ。だが、今はランダムな相手との対戦なので、あまり気にしなくてよかった。
この一ヶ月近くで、アツシもエイジも自分の「得意クラス」が何となく分かり始めていた。アツシは「軽戦士」と「長弓使い」が、エイジは「重戦士」と「短弓使い」が、それぞれ性に合っているらしかった。
――得意分野が違うのは、なんともオレとエイジのコンビらしい。
口には出していないが、アツシにはそれが何となく嬉しく感じられた。
今回は、エイジは「重戦士」を、アツシは「長弓使い」を選択した。
『クラス決定を確認。続いてバトルフィールドへ転送します。そのままお待ちください。5,4,3,2,1――』
視界が不意に暗くなる。次に景色が見えた時が、戦いの始まりだった。
『さあ、初陣の相手はどんなヤツらだ?』
視界が開けるまでの刹那、アツシは一人、好戦的な笑みを浮かべていた。
間にテスト休みを挟みつつも、アツシは毎日のようにエイジと一緒にAI相手のトレーニングに励んだ。もちろん、レイカや小峠もサポートしてくれている。「二人には頭が上がらない」と、アツシは改めて思った。
フルダイブ環境にも随分と慣れてきた。アバターは日に日に本物の体のように馴染み始め、「ダブルス!」のシステムへの理解も進んでいる。
ただ、毎日のようにフルダイブを繰り返していて、気付いたこともあった。段々とだが「疲れ」がたまってきたのだ。肉体的な疲労ではなく、「精神的な疲労」が。
「エル・ムンド」のフルダイブ・システムは、脳を活性化させる効果があるという。なんとなくではあるが、その影響ではないかとアツシは感じていた。
「一時間ごとの休憩」が必要な理由が、少しだけ分かった気がした。
肝心のゲームの腕前の方は、毎日のようにみっちりとトレーニングをした結果、アツシもエイジもAI相手ならほぼ負けなくなってきていた。
「重戦士」と「軽戦士」以外のクラスの練習も重ね、今ではどのクラスを選んでもそこそこ戦えるようになっている。もちろん、お互いの得意不得意はある。だが、そこはチームワークで補えばいいと考えていた。
「そろそろAI相手のトレーニングだと頭打ちだな」
「そうだね。ボクも色々調べてみたけど、『ダブルス!』は対人戦を重視してるから、AIプレイヤーの強さは控えめにしてあるらしいよ。――ボクらも次のステップに進むべきかもしれない」
こうして、アツシ達のトレーニングはいよいよ次の段階に進むことになった。AIではなく、人間相手の「対人戦」へと。
***
全ての「エル・ムンド」は、ネットワークを通じて全世界に散らばるサーバーと繋がっている。つまり、全ての「エル・ムンド」同士は、そのサーバーを経由して繋がっていることになる。
「ダブルス!」では、このネットワーク機能を利用して世界中のプレイヤーと対戦することができる。
対戦方式は、サーバー側によるマッチング対戦とフレンドコードを知っている者同士のフレンド対戦の二種類。その点は従来のネットワーク型対戦ゲームと大差ない。
他のゲームと大きく異なるのは、「ダブルス!」のマッチング対戦が基本的に匿名で行われる点だ。つまり、プレイヤー同士はお互いにどこの誰と対戦しているのか、分からない仕組みになっている。
マッチングによる対戦では、メッセージのやり取りなどもできない。その点は一般のゲームよりも不便なところだった。
アツシ達も詳しくは知らないが、なんでも、過去に対戦を巡るトラブルが起きたり個人情報の流出があったりしたせいで、そういうシステムになっているらしかった。
特に、アバターに本人の顔をそのまま使用するプレイヤーが多いせいで、何かとトラブルがあったらしい。
今では、マッチングによる対戦では、対戦相手のアバターは汎用のグラフィックに差し替えられて表示される仕様になっていた。
もちろん、「大会」の時は匿名ではない。学校名や個人名がきちんと表示された上で対戦することになる。アバターも、基本的にはプレイヤー本人の顔や体型を元にしたものにするのがルールだ。
フレンドコードを交換した者同士の対戦の時も同様だ。
レイカが調べたところによれば、部活動で「ダブルス!」をプレイしている学校の多くは他校との交流に意欲的で、学校公認の上でフレンドコードを交換していることが多いらしい。
それによって、練習試合や交流試合を組みやすいというメリットがある為だ。
他のスポーツと同じく、他校との練習試合は得るものが多くある。オンライン故に、他のスポーツよりも日程調整のハードルが低いという理由もあり、部活における「ダブルス!」の練習試合はとても盛んらしかった。
もっとも、できたばかりの梶原中eスポーツ部には、練習試合を組んでくれるような交流のあるチームには心当たりが無かった。
レイカが知り合いの伝手で、色々と探してくれてはいたのだが――。
そんな事情もあり、アツシ達はまずマッチング対戦で腕を磨くことにした。
「大会」当日まで、どこの誰とも分からぬ人々を相手に対戦を重ねてトレーニングする訳だ。
ただし、一般の「エル・ムンド」が全世界のプレイヤーと対戦できるのに対し、学校の部活仕様の「エル・ムンド」は、国内かつ同じ中学生に相手が限られるらしかった。
残念ながら「初心者が世界王者と対戦!」のような夢のある話は、無い。
***
『じゃあ、早速マッチングを始めるね? 二人とも準備はいい?』
「オレは大丈夫です!」
「ボクもオーケーです。お願いします」
天から響くレイカの声に、二人が答える。いよいよマッチングによる対人戦が開始される。
なお、今アツシ達がいるのは、最初に「ダブルス!」を起動した時にいた、あの高原だった。このマップは「ホーム」と呼ばれる、言ってみれば彼らの本拠地だ。
「ダブルス!」を起動すると、アバターはまずこの「ホーム」に転送される。そこからチュートリアルやトレーニング、対戦用のマップへと転送される仕組みだ。
フレンドコードを交換した相手を招待することもできる。
もちろん、何もない高原以外にも自由にマップの種類を選べるし、建物を建てることだってできる。
だが、アツシ達にとって今は、少しでも「ダブルス!」を上手くなりたい時期だ。その為、「ホーム」のカスタマイズには全く手を出さず、トレーニングに時間を費やすことにしていた。
――本当なら、エイジに仮想空間の中でだけでも不自由なくリラックスしてもらえるよう、ログハウスの一つでも建ててみたいのだが。
内心そう思いつつも、アツシも中々言い出せずにいた。
『管理者が対人戦マッチングを実行しました。対戦相手を探しています……対戦相手が見つかりました。使用するクラスを選んでください』
機械音声が早くも対人戦の相手を見付けたことを告げる。いよいよだった。
「ダブルス!」では、対戦で使用するクラスを試合が始まる直前に決める仕組みになっている。「大会」や「練習試合」の時には、対戦チームの素性は分かっているが、相手がどんなクラスを使ってくるのかは、対戦が始まるまで分からない仕組みだ。
クラスにはそれぞれ「相性」がある。ジャンケンに例えるなら、グーが「重戦士」でパーが「魔法使い」、チョキは「軽戦士」といった感じだ。クラス選びの時点で、有利不利がある程度は決まってしまう。
大会では、対戦相手が得意なクラスを調べ上げて、そのクラスに対して有利なクラスを選ぶのがセオリーだ。だが、今はランダムな相手との対戦なので、あまり気にしなくてよかった。
この一ヶ月近くで、アツシもエイジも自分の「得意クラス」が何となく分かり始めていた。アツシは「軽戦士」と「長弓使い」が、エイジは「重戦士」と「短弓使い」が、それぞれ性に合っているらしかった。
――得意分野が違うのは、なんともオレとエイジのコンビらしい。
口には出していないが、アツシにはそれが何となく嬉しく感じられた。
今回は、エイジは「重戦士」を、アツシは「長弓使い」を選択した。
『クラス決定を確認。続いてバトルフィールドへ転送します。そのままお待ちください。5,4,3,2,1――』
視界が不意に暗くなる。次に景色が見えた時が、戦いの始まりだった。
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