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過去(出会い)編

友達と親友の距離感(25)

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よく分からない。よく分からないけど、カツアゲじゃなくて相手が知り合いだと言うのならお金を貸してあげてる現場を目撃したんだと思う。

吐き気がした。そんな大金をポンと出せてしまう小鳥遊の優しさが怖かった。

「渡したんじゃなくて先輩から買ったの。コレ」
「ぇ?」

そういって広げられた手の中には一本の鍵が握られていた。

「ビックリしたかも知れねえけど悪い人じゃないんだ、本当に。現ナマ貸してとかそういうの、絶対に言わないちゃんとした人だよ」

いやちゃんとした人は後輩に頭下げに来ねえか、まあ本当に悪い人じゃないんだ。説明しながら前を歩きだした小鳥遊の後を追う。鼻歌交じりの後ろ姿はどこか機嫌が良さそうだった。
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