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過去(出会い)編
友達と親友の距離感(19)
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電車で揺られ続けること数時間。やっと馴染んだ東京に戻ってきた。
指先につまみが入ったレジ袋を引っ提げて、小鳥遊のために買ったを肉を握りしめる。移動時間が長いと保冷剤が有料になるなんて初めて知った。
早く小鳥遊に会いたい。
どんな反応をしてくれるのか、早く知りたかった。
いつもの見慣れたホームに着く。耳に当てたスマホがコール音を鳴らせる。一回、二回、三回。なかなか出てくれない。あれ、今日バイトだったかな。切ろうとした瞬間、コール音が止んだ。
『神崎?』
「小鳥遊ッ!」
思ってたよりも大きな声が出て口に手を当てる。電話の向こうでも小鳥遊が驚いたように声を上げてる。
『え、どうした?神崎から電話してくるの初めてだな。何かあったか?』
「今どこに居る?」
『家だよ。まったりしてた』
「会いたい」
『……は?』
「今すぐ会いたい、行ってもいいか?」
『………わかった。地図送るから一旦切るな』
「ん、待ってる」
そわそわして落ち着かない。小鳥遊から地図が届く。確認すれば大学から二つ離れた駅から十分くらい歩いた場所だった。
指先につまみが入ったレジ袋を引っ提げて、小鳥遊のために買ったを肉を握りしめる。移動時間が長いと保冷剤が有料になるなんて初めて知った。
早く小鳥遊に会いたい。
どんな反応をしてくれるのか、早く知りたかった。
いつもの見慣れたホームに着く。耳に当てたスマホがコール音を鳴らせる。一回、二回、三回。なかなか出てくれない。あれ、今日バイトだったかな。切ろうとした瞬間、コール音が止んだ。
『神崎?』
「小鳥遊ッ!」
思ってたよりも大きな声が出て口に手を当てる。電話の向こうでも小鳥遊が驚いたように声を上げてる。
『え、どうした?神崎から電話してくるの初めてだな。何かあったか?』
「今どこに居る?」
『家だよ。まったりしてた』
「会いたい」
『……は?』
「今すぐ会いたい、行ってもいいか?」
『………わかった。地図送るから一旦切るな』
「ん、待ってる」
そわそわして落ち着かない。小鳥遊から地図が届く。確認すれば大学から二つ離れた駅から十分くらい歩いた場所だった。
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