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過去(出会い)編

友達と親友の距離感(6)

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「………」

何故だろう、いつもならはっきりと言いたくないと言ってしまう。それで俺に近づいてきた人たちは皆、離れてく。俺もそれで良いと思ってる。他人と関わるのは得意じゃない。相手が不機嫌になろうと例え嫌われようとどうでも良かった。なのに口が開くのを拒否するみたいに声が出なかった。

何故かは分からない。でも、小鳥遊にはそういう言葉を向けたくなかった。


「あっそう。言いたくないのね」

俯いた顔があげられない。この感情は何だろう。今まで抱いたことない思いだ。

「ん」
「……え…?」

そんな俺を置いてきぼりにして小鳥遊が目の前に差し出してくれたのはノートだった。一冊じゃない。色とりどりのキャンパスノートが重なり分厚くなっている。

「え、いらね?あ、もう誰かから借りた?」
「い、いる…」

自己完結して鞄の中に仕舞おうとする小鳥遊の手を慌てて掴むが、あって気づいて直ぐに離した。そんな俺を他所に少し笑った小鳥遊はまた鞄の中を漁りだす。

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