【完結】内緒事のある友人との離れ方

本編

六月に芽吹く(11)

そのブリーチは色は綺麗に入るが代償に髪が酷く痛むことで有名なヤツだった。神崎の黒髪が好きだ。できれば染めないでほしい。でも神崎が染めたいって言うなら、俺に止める権利はない。でも流石に急すぎじゃないか。何もこんな、ど平日の明日も学校がある夜にする事じゃない。あと学校が許してくれるのか。

「金髪が好きなんだろ？」
「確かに俺の髪、前は金だったけど今関係ある？」
「そうじゃなくて、さっき小鳥遊に引っ付いてた女の子、金髪だった」

髪が長い金髪の女の子だ。選ぶ条件は俺に気があるのともう一つ、神崎の事を重ねてしまわないよう間逆な女の子であることだった。

「俺も金髪にしたら俺のこと好きになってくれるか？」
「は？」

神崎が何を言ってるのか分からない。別に金髪じゃなくても神崎の事が好きだ。いや、そういう意味で言うなら諦める為に彼女をつくろうとしてるくらい、めちゃくちゃ好きだ。