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過去(出会い)編
友達と親友の距離感(29)
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「免許合宿、一緒に行こうって約束したけどやっぱ俺ズラすわ」
「な、何で。予定でも入ってるのか?」
「いや体は空いてんだけど、金がどうしても…神崎は来月じゃなきゃムリなんだろ?すっげえ一緒に行きたかったけど、マジでゴメン」
「いくら足りないんだ?」
「え?」
「俺が貸す」
「は?」
低い声にビクッと肩が跳ねる。あの時と同じだ。何が間違ってたのか今だ分かってない神崎を怒らせてしまったあの日のことが頭を過る。
今だってそうだ。何で神崎がそんな声を出したか分からない。でも今、引くわけにはいかなかった。
「受けとれない。人に借り作るの好きじゃない」
「借りじゃない。返さなくていい。これは俺が小鳥遊と一緒に免許取りに行きたい我が儘だから」
「……あぁもう、あんがとな!俺も神崎と一緒に行きたい!でも金は絶対に返すから!!」
良かった、いつもの神崎だ。ホッと胸を撫で下ろす。それに危うく初めて行く小鳥遊との外出を蹴られる所だった。小鳥遊は知らない。俺がどれだけ小鳥遊と免許を取りに行く日を楽しみにしているか。
「な、何で。予定でも入ってるのか?」
「いや体は空いてんだけど、金がどうしても…神崎は来月じゃなきゃムリなんだろ?すっげえ一緒に行きたかったけど、マジでゴメン」
「いくら足りないんだ?」
「え?」
「俺が貸す」
「は?」
低い声にビクッと肩が跳ねる。あの時と同じだ。何が間違ってたのか今だ分かってない神崎を怒らせてしまったあの日のことが頭を過る。
今だってそうだ。何で神崎がそんな声を出したか分からない。でも今、引くわけにはいかなかった。
「受けとれない。人に借り作るの好きじゃない」
「借りじゃない。返さなくていい。これは俺が小鳥遊と一緒に免許取りに行きたい我が儘だから」
「……あぁもう、あんがとな!俺も神崎と一緒に行きたい!でも金は絶対に返すから!!」
良かった、いつもの神崎だ。ホッと胸を撫で下ろす。それに危うく初めて行く小鳥遊との外出を蹴られる所だった。小鳥遊は知らない。俺がどれだけ小鳥遊と免許を取りに行く日を楽しみにしているか。
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