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過去(出会い)編
友達と親友の距離感(18)
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小鳥遊に言われた通り、今回は土日に遠出できたこともあり街を観光することにした。綺麗な街だ。活気づいた人の声を聞きながら食べ歩きをしてみる。思っていた以上に観光は楽しかった。今までの街を何もせずただ通り過ぎてしまった事が惜しいと思ってしまうほどに。
すべて今までの自分には無かった感覚だ。これも全部、小鳥遊が教えてくれた事だった。
帰りの新幹線の切符を発券する。時間を確認すればまだ余裕があった。いつも通り待合室で座って勉強をしよう、そう思ったのに人で溢れた一角を見た瞬間、吸い寄せられるようにその場所、土産コーナーに足を運んでいた。そういえば、こういう場所に立ち入るのも初めてかもしれない。
くるくると店内を回ってそれから足を止める。
―――美味いもん食べ放題だな。
その言葉が箱に入った肉を見た瞬間、頭の中に浮かんだ。今回も連絡を入れる癖がついてないせいで黙って遠出をしてしまった。土日だし良いかなと甘えもある。悪気は全くない。でも戻って久しぶりに小鳥遊と会うといつも機嫌が悪い。その機嫌がとれればいい。そう思って何種類もある肉に挑むようにパッケージを睨みつけた。
すべて今までの自分には無かった感覚だ。これも全部、小鳥遊が教えてくれた事だった。
帰りの新幹線の切符を発券する。時間を確認すればまだ余裕があった。いつも通り待合室で座って勉強をしよう、そう思ったのに人で溢れた一角を見た瞬間、吸い寄せられるようにその場所、土産コーナーに足を運んでいた。そういえば、こういう場所に立ち入るのも初めてかもしれない。
くるくると店内を回ってそれから足を止める。
―――美味いもん食べ放題だな。
その言葉が箱に入った肉を見た瞬間、頭の中に浮かんだ。今回も連絡を入れる癖がついてないせいで黙って遠出をしてしまった。土日だし良いかなと甘えもある。悪気は全くない。でも戻って久しぶりに小鳥遊と会うといつも機嫌が悪い。その機嫌がとれればいい。そう思って何種類もある肉に挑むようにパッケージを睨みつけた。
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