【完結】内緒事のある友人との離れ方

琉海

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過去(出会い)編

友達と親友の距離感(14)

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黒、銀、茶色。赤、青、白。

「………わからない」

思わず目が回ってしまいそうなほど大量にディスプレイされたメガネの前で俺は一人、途方に暮れた。


小鳥遊にはいつも助けてもらってる。何か礼をしないとそう思った時、小中高と他人事のように見ていた光景が頭を過ぎた。

まるで友だちみたいだ。友だち、俺と小鳥遊は友だちだよな?

スマホの中には家族と小鳥遊の連絡先だけが登録されている。数時間前も着信を知らせる為にスマホが震えた。

滅多に鳴らないスマホが最近は頻繁に鳴る。少し煩わしい、返信も返したり返さなかったりだ。でも嫌に感じてるだけじゃない事も分かっていた。

誰かに何かを贈りたいと思ったのは初めてだ。それをメガネと候補を絞ったのは小鳥遊が授業中にしかめっ面で板書をしながら時々諦めて俺に何て書いてあるか聞いてくるからだ。

どうやら小鳥遊の視力は少しだけ悪いらしい。メガネを手にとって持ち上げてみる。テンプルがあまりにも細くてそのまま折ってしまわないか心配になってしまった。

そもそも小鳥遊はメガネを付ける気があるのか。俺にはあまりよく分からないが服もたくさん持っててお洒落ってやつなんだろう。

もしかしたらメガネよりコンタクト派かもしれない。そんな簡単な好みですら俺は知らない事をこの場にきて思い知らされた。結局、大学へ向かわないといけない時間になってしまって、何も買わずに店は後にする。

そうだ、分からないのなら小鳥遊に直接聞けばいい。友だち、なんだから。

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