【完結】内緒事のある友人との離れ方

琉海

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本編

六月に芽吹く(1)

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『合コン来てんだけど可愛い女の子お持ち帰りできそう』

ただの自慢話で腹立つ文面だな。こんなの送られてきたら俺だったら未読スルーしてやる。そうスマホを眺めながら他人事のように思う。送ったのは俺自身。送り先の男はこれを見てどう思うだろうか。考えてみたけど答えは想像できなかった。


俺は神崎のことが好きだ。でもこの思いが報われない事を一番知ってるのも俺だ。

シェアハウスだとか神崎から初めて連絡をもらっただとかどんなに浮かれたって俺の恋心が実ることはない。

あいも変わらず音信不通になった神崎が東京に戻ってくるまでの数日、俺は今後の身の振り方を考えた。

神崎との友達はやめたくない。追いかけてくれたのも嬉しかった。今さらまた手放すなんてきっと出来ない。これからも仲良くしたい。神崎の結婚式にだって出席したい。そんで友人代表として神崎との出会いを少し時間をもらって語りたい。

思うだけなら簡単だ。問題は俺の心が何処までそれを許容できるかって事だ。どうやったら神崎が好きだって気づく前に戻れるのかな。考えて考えて、学校で教師として教壇に立つ数時間だけ忘れて、それからまた考えてそして気づいた。


そうだ、彼女をつくればいい。
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