【完結】逆行騎士は己の意志を貫きたい

琉海

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足りない言葉(3)

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腕を掴まれ大股で再び歩きだすメルロ様に合わせるように突っかかる足をなんとか動かして、それから放り投げられた先はメルロ様のベッドの上だった。

倒れた体を起こそうとすればメルロ様が肩を押してまたシーツの中に逆戻りする。

開けた服の裾部分に手を差し入れられた。

「メルロ様!?」

こんな大きな声を出すのは生まれて初めてかも知れない。慌ててメルロ様の腕を掴む。

「うるせぇ、黙れ」
「何をする気ですか!?」
「今日はよく喋るし、表情も変わるな。お人形は何処いった?」
「お戯れを…っ!」
「お前がディエゴのものになるって言うなら、俺がこの手で汚してやるよ。穢れちまえばお前みたいな奴はディエゴのとこに帰れねえだろ」
「何の話をしてるのですか!?」
「さっさと俺の所まで堕ちて来れば良いんだよ」
「っ、巫山戯ないでください!!!」

腹筋を使い上半身を起こす。メルロ様に覆い被され上から押さえられてたとしてもウェイトも筋肉量も何もかも俺の方が上だ。そのままメルロ様に頭突きを喰らわせる。後ろに倒れそうになったメルロ様を支えたのは無意識だった。

両手で額を押さえて痛かったのか少し瞳を潤ませてる。俺の額も鈍い痛みを伝えてきた。それでも、さっきまで濁っていたメルロ様の目から毒気は抜けていた。
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