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嫌われ者の末路(1)
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「ディオ様、アンタ敵が多いな」
「おい、敬語抜けてんぞ」
ディオを背に庇い剣を構えて目の前の敵と対峙するようにカイルは構え立つ。前回の裏切りからまだ数ヶ月も経っていないのに、またディオの命を狙う者が現れた。
「やはり敵は元を絶たないと駄目ですね」
「諦めろ。嫌われ者の第二王子じゃ誰もそこまで動かねぇ」
「前々から思ってたんですけど、もっと人から好かれる努力をしたらどうですか?」
「あ?なんで俺が合わせねぇといけねえんだ」
それを素で言ってのけてしまうからディオは傲慢で我儘と言われるのだ。主人の悪評を思い出してカイルも深いため息を溢す。
でも実際はこんな軽口を叩き合えるくらい余裕のはずだった。敵の数は前回より多いが、その数が不安の表れかのように一人一人の力はそう強くない。
「ディオ様、後ろへ」
「ふん、弱い奴ほどよく群れる」
ディオ目がけて下ろされた剣先を防ぎながらゆっくりと後退する。本当に数が多い。カイルが防ぎ切れなかった攻撃はディオ自身が対処する。
仲間がもう一人だけでもいればディオの守りを任せてカイルは飛び出す事も出来るのだろうがそうも言ってられない。だが多勢に無勢とはこういう時の為の言葉だろう。
「おい、敬語抜けてんぞ」
ディオを背に庇い剣を構えて目の前の敵と対峙するようにカイルは構え立つ。前回の裏切りからまだ数ヶ月も経っていないのに、またディオの命を狙う者が現れた。
「やはり敵は元を絶たないと駄目ですね」
「諦めろ。嫌われ者の第二王子じゃ誰もそこまで動かねぇ」
「前々から思ってたんですけど、もっと人から好かれる努力をしたらどうですか?」
「あ?なんで俺が合わせねぇといけねえんだ」
それを素で言ってのけてしまうからディオは傲慢で我儘と言われるのだ。主人の悪評を思い出してカイルも深いため息を溢す。
でも実際はこんな軽口を叩き合えるくらい余裕のはずだった。敵の数は前回より多いが、その数が不安の表れかのように一人一人の力はそう強くない。
「ディオ様、後ろへ」
「ふん、弱い奴ほどよく群れる」
ディオ目がけて下ろされた剣先を防ぎながらゆっくりと後退する。本当に数が多い。カイルが防ぎ切れなかった攻撃はディオ自身が対処する。
仲間がもう一人だけでもいればディオの守りを任せてカイルは飛び出す事も出来るのだろうがそうも言ってられない。だが多勢に無勢とはこういう時の為の言葉だろう。
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