満月の夜に

鳫葉あん

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十六歳の母(♡なし版)

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 とある世界のとある森。あまり人の踏み入らぬそこには、とある一族の暮らす集落があった。文明化の進む中、古くからの仕来りを重んじ、閉ざされた世界でひっそりと生きる彼らは、誇り高き獣人であった。
 獣人と言ってしまえば一言で終わるが、それは人種である。獣人にも兎の姿をしたものや、猫のようなものもおり、様々な種族が様々な場所で暮らしている。
 この集落には狼の姿をした獣人達が住んでいる。人のように二足歩行を可能とし、人よりも逞しい肉体を持ち、人と獣を混ぜていいとこ取りをしたような、不思議な顔立ちの彼らはあまり外と干渉せず、己の世界で生きている。
 優しく厳しい両親のもと、森で狩りをして番をつくり、伴侶と子供を養い生き、家族に看取られて死んでいく。遥か昔から築き上げられた幸福な人生である。
 その人生に納得し、森で一生を過ごす者が大半の中、疑問や憧れを抱いて森を出ていく者も少なからず存在する。大人達はそんな少数の開拓者に、決まって言った。

『森を出るならせめて成人の儀を終えてからにしなさい』

 大人になって分別がつくようになって、それでも外へ出ていく熱意があるのなら、それを止めることは出来ない。けれど現実を知って消えてしまうような想いなら、森を出ては生きていけない。森の外は辛く厳しい茨の道なのだから。


 森の中を一羽の兎が跳ねている。
 ひょこひょこと愛らしく、何かを探すかのように辺りを見回したり、草の香りを嗅いではその歯でつまみ、警戒心の欠片も感じさせぬ兎を、一対の眼が見つめていた。気配を消し、音を立てぬよう慎重に近寄るそれは、若い狼だった。
  射程範囲まで近付くと狼は一息に兎目掛けて飛びかかる。大きく開いた口から覗く鋭い牙で噛み付き、食らってやろうという目論見は外れ、兎は狼をさっと避けると一目散に駆け出した。

「あー! 待って! 待ってよぉ!」

 兎に狙いを付けていた時の凛然とした姿は遠く、間抜けな叫びを上げる狼は、兎の姿が見えなくなるとがっくりと肩を落とした。
 はぁ、と大きなため息をついた狼の姿がみるみるうちに変貌する。獣の形をしていた肉体は人の形となり、毛皮の上に纏っていた布切れは上手い具合に服としての役割を担い、顔立ちは人と獣の混じり合った不思議なものに変わる。変わらないのは尻の上から生えた尻尾くらいだ。
 狼――フィルは森で暮らす狼の獣人だ。次の満月の夜に行われる成人の儀で大人の仲間入りをするフィルは、毎日狩りの特訓に明け暮れている。上達するかどうかは別として。

「……今日はもう諦めて……ヌバの実でも採ってこよ……」

 誰に言うでもなくそう言って、フィルは好物の果物が実る樹林を目指して歩き出す。その歩みは遅く、背中からは哀愁すら漂っていた。
 いくつか果物を抱えたフィルが集落に戻ると、群れの男達が今日の成果を見せ合っていた。兎や鹿の多い中、猪を仕留めた者もいるようで、女達が誰かを持て囃している。猪はさぞ美味いのだろうと、何気無くそちらへ向けた目をフィルは慌てて反らした。
  女達だけでなく男達からも尊敬の眼差しを向けられているのは、長の息子であり群れの皆から次期長と認められているグレンだった。
 目が合いそうになった気がして、フィルは逃げるようにその場を離れた。抱えた果物を落とさないよう気を付けながら向かうのは自宅ではなく、友人の家だ。
 丸太を組み合わせた壁に付けられた木製のドアをカツンカツンと叩くと、中から声が聞こえる。

「フィルか? 開いているよ」
「お邪魔するね」

 戸を開けて中へ入ると、家の主でありフィルにとって幼馴染みである青年、クライヴは読書に耽っていた。
 邪魔をしないようにと静かな動きで台所に向かうと、抱えていた果物の半分を隅に置かれた籠に入れ、その上に吊るされていた干し肉を一切れ取る。狩りの下手なフィルは幼馴染みの好意から、果物と干し肉を交換してもらっていた。

「……クライヴは、森を出るんだよね」
「ああ」

 いつの頃からか、クライヴは外の世界に憧れていた。月に数回集落を訪れる行商の人間に話をねだり、大きくなると行商人から人間の書物を買い、文字を学び、世界を学んでいた。直に迎える成人の儀が終われば森を出るのだと教えられ、フィルは何とも言えぬ気持ちを覚えた。
 知り合いもコネもない、全くの未知の世界へ旅立とうとしている幼馴染みへの寂しさや憧れ、尊敬、羨望。複雑な想いが胸に渦巻いている。

「何処へいくつもりなの?」
「北の帝国だ。そこは完全な実力社会で、能力さえあれば人でも獣人でも関係ないらしい。まぁ、差別が全くないとはいかないだろうがな」
「怖くないの?」
「不安がないわけではないが、俺はどうしても外へ行ってみたいからな。踏み出さなければ何も出来ない」

 本から目を離さずに答えるクライヴに、フィルは目を細める。夢を持ち、それを叶える為に人生を切り開こうとしている幼馴染みが、フィルにはひどく眩しく感じられた。
 クライヴに礼を言い、家路についたフィルは家の前に佇む存在を見つけて思わず顔を伏せてしまう。しかし帰らぬわけにもいかず、ある程度近付くと、その人へと声を掛けた。

「あの、グレン。何かご用?」

 フィルをじっと見つめ続けていたグレンは、徐に足下に置いていた獲物の猪を掴み、フィルに差し出した。美味しそうな肉の塊に涎が出そうになるが、フィルは頭を振る。要らないという意思表示に、グレンは眉を顰めた。

「……狩り、上手くいかなかったんだろう」
「でも、食べるのには困らないから。いつまでも甘えてられないもの」

 グレンはよくこうして獲物をフィルに分けようとしてくれる。小さな頃は有り難く頂いていたが、大人を意識し始めた頃からフィルは断るようになった。
 狩りが下手なフィルでも、三日に一度くらいは獲物を捕まえることが出来る。クライヴを頼れば干し肉は食べられるが、もうすぐ居なくなる幼馴染みを思うと、いつまでも甘えてはいられない。それに、果物しか食べられなくても死にはしない。
 幼い頃に両親を亡くし、一人で生きていく決心をしているフィルにとって、グレンの優しさはありがたいが受け取ることは出来なかった。

「いつまでも痩せっぽっちのままじゃないか。もっと肉を食え。ほら」
「いらない、大丈夫だから……」

 どうにかグレンを帰し、家に入ったフィルはため息をつく。
 グレンは無口なだけで優しいし、容姿も整っている。若者達を率いるリーダーとして信頼され、既に長の貫禄を醸し出している彼を慕う女は多い。
 成人の儀の夜。大人の仲間入りを果たした者達の多くがその夜の内に意中の相手へ求愛し、受け入れられれば番となり、やがて子を授かり、家庭を築く。
 きっとグレンも求愛するのだろう。相手は集落一の器量好しと言われ集落の男達を虜にしているヒルダあたりか。
 グレンに寄り添うヒルダの姿を思い描いて、フィルは後悔した。自分は絶対に手に入れられない幸せな姿を想像しただけで羨ましくて仕方ない。
 フィルの体は性別がなかった。男性器もあるし女性器もある。胸も僅かだが膨らんでいる。生理もある。射精もする。男であるし女でもあり、しかし男とも女とも言えない体はコンプレックスの塊でしかない。
 フィルの奇特な体は集落に知れ渡っている。小さな頃は性別に関係なく遊んでいたが、思春期を迎えるとフィルは孤立し始めた。
 半分は異性であるフィルを友人達はどう接するべきなのか持て余していた。男女共によそよそしい態度であしらわれるようになっても、関係が変わらなかったのはたった二人だけ。
 一人はクライヴだ。フィルの体を知っても特に気にした素振りもない。興味がないのかもしれない。彼にとってフィルはフィルでしかないのだから。
 そしてもう一人はグレンだ。昔から何かとフィルを構ってくれた彼は世話を焼こうとしてくれる。両親を亡くし、伴侶も得られないフィルへ同情してくれているのだろう。
 再び溢れ出たため息を誤魔化すように、クライヴから貰った干し肉にかじりつく。味付けに塩が使われており、ほんのりとした辛みが美味しかった。



 成人の儀は満月の夜に行われる。群れの広場に集まり、長から大人としての心構えを教わり、そして祝福される。それで終わりなのだが、古くから宴が開かれる習慣があり、どちらかというとそちらの方がメインに扱われていた。
 篝火が闇を照らす中、広場には山盛りの食事が詰まれ、酒も惜しみなく振る舞われており、皆競い合うように酒を飲んでいる。
 一応成人の儀を迎えるまでは飲酒を禁じられているが、たいていは年頃になると親がこっそり飲ませてくれるもので、この場で酒を初めて飲むのはフィルくらいかもしれない。器に注がれたそれに舌先を浸してみると、不思議な味と感覚に眉を顰めた。
 久しぶりに焼いた肉にありつき、腹の膨れたフィルは幼馴染みの姿が見えないことに気付くと、宴の輪から離れる。鼻を頼りに歩いていくと、いつの間にか森の中にいた。

「クライヴ?」

 匂いの濃さが探し人が近いことを知らせる。暗い木々を目を凝らして見つめるフィルに、声が掛かった。

「何だ」
「ご飯食べたの? 猪の肉があったよ」
「食べた……ちょうど良かったのかもな」

 何が、と問おうとしたフィルだが、クライヴの顔を見て口にするのは止めた。どこか悟ったような顔の彼は、恐らく覚悟を決めていた。

「もう行くの?」
「ああ。早く外に出たかったからな。……けど、いざ出ようと思うと、ようやく怖くなってきた」

 じゃあ、外に出ず皆と共に一緒に森で暮らしたら――そう思わずにいられないが、彼が欲しいのはそんな言葉じゃない。

「クライヴなら大丈夫だよ。とっても強いし、要領いいし、優しいし……きっと人間とだってやっていけるよ」

 それでも、どうしてもダメだったら帰ってくればいいだけだ。森の皆はきっとクライヴを受け入れる。

「最後にお前の顔が見れて良かった。邪魔されるかと思ったから。元気に暮らすんだぞ、フィル」
「うん!」

 不安が和らいだのか、晴れやかな顔で去っていく背中を見送る。多分、クライヴが森に帰ることはない。何となくそう思うのだが、先程感じていた寂しさはなかった。
 彼が後悔せず生きてくれたら、それが一番いいのだ。


 儀式の日は夜が深まると新成人達の逢い引きが始まる。美味い酒と肉、そして大人の仲間入りを果たした高揚感も手伝って、そのまま夫婦の契りを交わす者が大半だ。逆に儀式の夜に家に帰ろうものなら、相手はいないのかと親に心配される。
 フィルは心配をかけるような親はいないので帰っても問題ないが、何だかそれも悲しい気がして、目的もなく森をぶらついていた。たまに他の狼の匂いがして、近くにいると邪魔になるので慌てて離れる。
 人気のない方へ向かっているのに、ずっと後ろから近付いてくる匂いがあった。グレンだ。穴場でも探しているのかもしれない。
 どうしたものかと考えあぐねていたら、木の根元に出来た洞穴が目に入る。穴は少し深いようで、狼になればフィル一人なら入り込めそうだ。ここなら邪魔にならない。
 思い付いたら行動は早く、獣姿になったフィルは穴へ潜り込んだ。丸まって目を閉じると睡魔がやって来る。今日はここで寝てしまおうと、逆らうことなく意識を閉ざし始めた頃、穴の前に人の足が立った。
 足の主はグレンだった。跪いて穴の中へ手を入れ、眠っているフィルを引きずり出す。
 飛び起きたフィルが人型に戻る。

「何するのグレッ! んぶっ……んーっ! ううっ……」

 問いただそうとした口が口で塞がれる。驚いて開いたままの口内をグレンの舌が蹂躙する。
 酸欠に喘ぐフィルが呆然としている間に、衣服が剥ぎ取られていく。果物ばかり食べて痩せた体が晒される。どうせなら板のように何もない方が清々するのに、フィルの胸はほんの僅かに膨らみがある。
 何も出ない胸に、グレンが吸い付いてくる。熱くザラついた舌で舐められたり軽く噛まれたりすると、何だかくすぐったいような、それだけではないような、変な気持ちになった。

「やめて、ねぇ……やめてよ!」

 胸に張り付く頭を外そうと手をかけても、グレンはびくともしない。力をこめても痛みに繋がらないらしく、眉一つ動かさない。
 胸に吸い付いたまま、グレンの手はフィルの下肢へとのびていく。ろくに見もせずフィルの衣服全てを剥ぎ取ると、ようやく胸から頭が離れる。
 頬を染め、熱に溺れた眼差しがフィルを見つめる。

「フィル……フィル……!」
「やっ……」

 首筋を舐められる。かと思えば強く吸われる。大きな手はフィルの胸を揉んでくる。
 何故こんな真似をするのか。フィルにはわからなかった。
 酔っているのかと思ったが、グレンに酒気はない。ただフィルを見つめている。

「ひんっ……」

 刺激され、立ち上がった乳首をぐりぐりと弄られると甘ったれた声が漏れた。それを聞いたグレンは手を離し、体も離れていく。
 飽きてくれたのかと思ったフィルが姿を追うと、グレンはフィルの股の間に移動しただけだった。

「え」

 グレンの顔がフィルの股の間にある。衣服を奪われたフィルのそこは、包み隠さず全てを晒している。
 緩やかに起立した男性器も。その下に割れた女性器も。誰とも明らかに違うそれを、グレンは食い入るように見ていた。

 嫌だと、隠そうと動いたフィルの手よりも先に。グレンはフィルの両足を掴んで脚を開かせ、舐め上げた。これから自分を受け入れさせる、陰裂を。

「ひっ」

 フィル自身、どう扱っていいのかわからず、触れないように気を付けていたもの。その中に入り込んでくる滑った体温に、思わず声が出た。気持ちが良いとか悪いとか、そんなものは最初はわからなかった。
 フィルの混乱を置いてけぼりに、グレンの長い舌が肉壺をほじくっていく。異物感から上げていた声は、やがて色を変えていく。
 フィルの体が快感を得ようとしていた。

「やぁっ……いやっ、やだぁ……ぁん……グレン……」

 言葉は拒否しているのに、フィルの声の甘さは喜びを物語っていた。

「……こんなに勃ち上がってるのに?」

 グレンが指し示すのは、腹へ向けて芯を持ったフィルの陰茎だった。ひくひくと震える鈴口からは先走りが漏れている。

「やだっ……うそっ、うそぉっ……!」
「嘘なものか。フィル、可愛いな。そんなに気持ち良かったか」

 もっと良くしてやると言いながら、グレンの指が割れ目にあてがわれる。自らの愛液とグレンの唾液にまみれたそこへ、ゆっくりと入り込んでくる。

「あひっ」

 細長い指を咥え込み、その指が肉壺の中を荒らしていく。滑りがそれを受け入れ、快感に変えていく。

「あっ……あんっ……やっ……んああっ……!」

 グレンの指が動く度にいやらしく水音が立つ。フィルの口からは嬌声が絶えない。一際高く鳴き、絶頂を味わいながら吐精するフィルを見て、グレンも唸り声を上げた。
 指を引き抜かれてもすぐには閉じない割れ目に、猛った雄を押し入れる。よく濡れたそこはグレンを拒まず受け入れた。

「んひぃぃぃぃいっ」

 指とは違う、太く長い雄に奥深くまで侵入され、肉壺を抉られ。与えられる刺激全てを快感として。悦びの悲鳴を上げながら、フィルの両足がグレンの腰に絡み付く。両手を逞しい肩に回し、抱き込むような体勢で腰を振る。
 フィルはすっかり男に与えられる快楽に酔っていた。
 グレンから与えられる律動が速まっていく。昇りつめているのだと感じ取る。
 フィルの名前を呼びながら、グレンは射精した。フィルの中に。奥深くに隠された子宮に向けて。
 温かい精液が胎の奥へ吐き出されたことにすら、フィルは快感を覚えていた。



「ずっと一緒だ」

 一度吐き出した程度ではグレンの熱は冷めなかった。フィルの中へ入ったまま、フィルと共に昇りつめようとする。
 ただ喘ぐしか出来ないフィルの中へ、何度目かの射精を済ませる。薄い胎の中はすっかり精液で満たされている――気がした。

「結婚しよう。番になろう。夫婦になって、ずっと。ずっと一緒に暮らそう」

 熱のこもった目と声で請われ、フィルの蕩けた頭は頷いた。
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