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魔王様の北の獣
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魔界の北方は気候的に年中寒い。他の地域が暑さに喘ぐ時期はそれらと比べれば若干涼しいが、寒さに慣れた国民からしたら暑いものは暑い。
肉体を分厚い毛皮に覆われた獣人達が大半を占めるので尚更だ。極寒の時期は彼ら以外では生きることに苦労する。
そんな国を支配するのはやはり獣人であった。実力主義の魔物にしては血統も重んじるきらいがあり、国が起こった当時から同じ一族の中で王を定めてきた。
ヴィネは現在の王であるが、そうなるには辛苦があった。
ヴィネには十三人の兄がいる。みなヴィネと同じ獅子の獣人で、逞しく、力強く、頭が悪かった。
力こそ正義。筋肉こそ全て。真面目にそう思っていそうな脳筋達は物心つくと常に張り合っていた。次期王となるために。
ヴィネも男であるからには他者に負けぬ存在でありたい。兄達に混ざり体を鍛えるが、兄達程逞しくはなれなかった。かといって華奢でもないし弱くもない。それなりに強かったが、脳筋達はそれ以上だった。
強さに思い悩むヴィネの前に、ある日見知らぬ美男が現れた。後から知ることになるその人は西の国の支配者――ベリアルだった。
ヴィネの悩みを見透かしたベリアルはヴィネの才能を教えた。ヴィネは物理攻撃よりも魔術の伸びが良い両刀タイプだったのだ。
国の魔術師に教えを乞い、見事才能を開花させたヴィネが兄達に勝負を挑む。魔術を用いて彼らを打ち倒したヴィネだったが、兄達は口を揃えて言った。
「いや、魔術とか反則じゃん。男なら筋肉だろ」
脳筋に魔術は高度過ぎて認められなかった。
次期王判定役である父からは「誰もが納得しないと駄目」と駄目押しされた。
控えめに言っても糞じゃねぇかと思いつつ、もう別に王になれなくてもいいかと納得しかけていた頃のこと。国に旅人が訪れた。
ふらりと立ち寄った様子の彼は次期王を決めるために王子達が毎日決闘しているという話を聞くと、止める衛兵をものともせず城内に入り込み、戦い合う王子達のもとへやって来た。
侵入者の乱入に王子達は顔色一つ変えない。自分達の筋肉に自信を持つ彼らは小柄な侵入者の貧相な肉体を見て負けるわけがないと高を括っていた。
魔術に精通したヴィネは侵入者の手にはめられた腕輪の異常に気付いていた。魔力を増強している。何か企んでいるのだろう。気付いていないふりをして侵入者の思惑を探る。
侵入者の瞳に怪しい力が宿る。強い魅了の術だった。
「ふーにふにふに。どうだ、まいったか」
「あ゛へっ♡ もう゛だめに゛ゃのぉぉぉお゛ん♡♡♡ ごうしゃん♡♡ にゃでにゃでテクにこうしゃんしちゃうのおっほぉおおん♡♡♡♡♡ もっとなでなでしてぇ♡♡♡」
目の前には地獄が広がっている。
脳筋らしく魔力への抵抗力は皆無に等しい兄達は侵入者にまんまと魅了され、顔周りや前足を撫でられてアへっていた。
すでに撫で終えられたものは余韻でアへり続け、まだ撫でられていない者はアへる兄弟を羨ましそうに眺めている。正気のヴィネはドン引きしていた。
一人、また一人と倒れ、侵入者の足元に侍ってゴロゴロ喉を鳴らしてじゃれつく。いよいよヴィネの番となり、魅了されているふりをしているので逆らうことも出来ず、狼狽えるヴィネの鼻に侵入者の指が触れた。挨拶だった。
耳の付け根やひげの周り、頭のてっぺんを優しく撫でる手付きは気持ちいい。けれど兄のようにアへることはなく、油断すると喉が鳴る程度だ。前足へのマッサージも気持ちいい。
ご機嫌な様子で撫で終えられたヴィネを見て、侵入者は兄達へ宣言した。
「この子はお前達と違って私の攻撃がちっとも効いてないぞ。この子が一番強いんじゃないのか?」
侵入者の発言に、兄達は目をまんまるにさせ、口を揃えた。
「ほんとだぁ」
脳筋だから深く考えないのだ。
兄達の満場一致と父王の判定もあり、ヴィネは次期王と決まった。跡継ぎが決まると父王はさっさと隠居し母と共に長いバカンスへ旅立ってしまった。みんな頭が緩いのだ。
ヴィネを王にした侵入者に礼を言い、望みが何かを尋ねた。全てを叶えることは出来ないが、可能な限りは聞いてやるつもりだった。
「きみが欲しい。北の国の王であり、とっても強くて可愛らしい獅子のきみが」
ヴィネの口と比べたらとても小さなそれを重ね、ヴィネから何かを吸い取っていく彼は淫魔だった。色恋に慣れた様子の彼はヴィネを寝室に連れ込み、ヴィネに跨がって雄を咥えて悦んだ。
魅了の術は効いていない筈なのにヴィネは彼を拒めなかった。ヴィネを締め付けて腰を振り、獣のような嬌声を上げる彼はひどく美しく見えた。
ヴィネはこうして、この時はまだ魔王ではなく、色んな男を誘惑して下僕にしていただけだったシュトリの男になった。
北の城に小さな獅子達が我先にと集い、帰って来ていた。
「お帰り。どうだった?」
自室で出迎えたヴィネに獅子達は情けない声を出して詫びる。言葉通り深海の底から山のてっぺんまで、余すところなく魔界中を見て回ったというのに、シュトリを見つけることが出来なかったのだ。
「お前達に見つけられなかったというのなら、魔界にはいないのだろう」
労うように獅子達の頭を撫でると、その姿は霧散する。ヴィネの魔力で形作られただけのそれは、ヴィネの中へと戻っていった。
「となると……恐らくは」
考えを語ろうとしたヴィネだが、それは乱暴に開けられた扉の音に遮られた。
ヴィネの部屋に無断で入れる存在は限られている。
最愛の主であるシュトリか。許可という言葉を知らないベリアルやバアルか。身内である脳筋どもだけだ。
「ヴィネ! 最近シュトリが来ないじゃないか」
「お前何かやらかしたのか?」
「シュトリ怒らせたならはやく謝ってこいよ」
ヴィネ同様、シュトリのことが大好きな兄達が頭の悪いことを言いながら入ってくる。青筋を立てながら、ヴィネはまず第一に気を付けるべきことを叫んだ。
「『魔王様』か『陛下』と呼べ! シュトリの名を呼べるのは僕達王婿だけだ!」
「えー。シュトリは気にしなくていいって言ってたぞ」
「嫉妬は醜いぞ」
「うるせぇ!!」
「逆ギレすんなよ。それよりシュトリは?」
ここ最近、失踪以前から北の国へ訪れることの少なくなっていたシュトリを兄達は恋しがり、ヴィネに文句を言ってくるようになった。ヴィネだってシュトリに会えなくて寂しいというのに。
長い間会っていないからか、ヴィネが見ても彼らからシュトリの魔力は――魅了の力は感じられない。脳筋だから魅了が解けたのに気付いていないのか、そんなものがなくてもシュトリのことを気に入っているのか。前者であってほしかった。
「……シュトリは、何処かで迷子になってるみたいなんだ」
思い付くことがあり、ヴィネは話し始めた。兄達は大変だ探さないとと慌てている。
「僕はシュトリを探しに行きたい。だから僕が不在の間、国のことを任せたいのだけれど」
弟の頼みに兄達は笑顔で頷いた。賢い弟ならすぐにシュトリを見つけて帰ってくると信じているのだ。
国を任せるといっても大臣は普通に優秀だし兄達もそこまでバカじゃないのが十三もいるのだからどうにかなるだろう。それに。
「……シュトリを探して帰るなんて、すぐに終わるに決まってる。僕は天才魔術師で……シュトリの男なんだから」
シュトリが何を思って魔王を辞めたのか――十中八九あの腕輪関連だろうけど、話せば解決する筈だ。そう、ヴィネは信じている。
逃亡先は魔界ではないのなら、界を渡った先。人の暮らす世界だろう。そう推察したヴィネは迷うことなく界を渡った。
バアルやセーレには相談しない。彼らとてシュトリの行方を察しても他を出し抜こうとするだろう。事後報告で充分だ。
邪魔者の存在も、シュトリが対話も帰還も拒否することなど、露程も考えていなかった。
肉体を分厚い毛皮に覆われた獣人達が大半を占めるので尚更だ。極寒の時期は彼ら以外では生きることに苦労する。
そんな国を支配するのはやはり獣人であった。実力主義の魔物にしては血統も重んじるきらいがあり、国が起こった当時から同じ一族の中で王を定めてきた。
ヴィネは現在の王であるが、そうなるには辛苦があった。
ヴィネには十三人の兄がいる。みなヴィネと同じ獅子の獣人で、逞しく、力強く、頭が悪かった。
力こそ正義。筋肉こそ全て。真面目にそう思っていそうな脳筋達は物心つくと常に張り合っていた。次期王となるために。
ヴィネも男であるからには他者に負けぬ存在でありたい。兄達に混ざり体を鍛えるが、兄達程逞しくはなれなかった。かといって華奢でもないし弱くもない。それなりに強かったが、脳筋達はそれ以上だった。
強さに思い悩むヴィネの前に、ある日見知らぬ美男が現れた。後から知ることになるその人は西の国の支配者――ベリアルだった。
ヴィネの悩みを見透かしたベリアルはヴィネの才能を教えた。ヴィネは物理攻撃よりも魔術の伸びが良い両刀タイプだったのだ。
国の魔術師に教えを乞い、見事才能を開花させたヴィネが兄達に勝負を挑む。魔術を用いて彼らを打ち倒したヴィネだったが、兄達は口を揃えて言った。
「いや、魔術とか反則じゃん。男なら筋肉だろ」
脳筋に魔術は高度過ぎて認められなかった。
次期王判定役である父からは「誰もが納得しないと駄目」と駄目押しされた。
控えめに言っても糞じゃねぇかと思いつつ、もう別に王になれなくてもいいかと納得しかけていた頃のこと。国に旅人が訪れた。
ふらりと立ち寄った様子の彼は次期王を決めるために王子達が毎日決闘しているという話を聞くと、止める衛兵をものともせず城内に入り込み、戦い合う王子達のもとへやって来た。
侵入者の乱入に王子達は顔色一つ変えない。自分達の筋肉に自信を持つ彼らは小柄な侵入者の貧相な肉体を見て負けるわけがないと高を括っていた。
魔術に精通したヴィネは侵入者の手にはめられた腕輪の異常に気付いていた。魔力を増強している。何か企んでいるのだろう。気付いていないふりをして侵入者の思惑を探る。
侵入者の瞳に怪しい力が宿る。強い魅了の術だった。
「ふーにふにふに。どうだ、まいったか」
「あ゛へっ♡ もう゛だめに゛ゃのぉぉぉお゛ん♡♡♡ ごうしゃん♡♡ にゃでにゃでテクにこうしゃんしちゃうのおっほぉおおん♡♡♡♡♡ もっとなでなでしてぇ♡♡♡」
目の前には地獄が広がっている。
脳筋らしく魔力への抵抗力は皆無に等しい兄達は侵入者にまんまと魅了され、顔周りや前足を撫でられてアへっていた。
すでに撫で終えられたものは余韻でアへり続け、まだ撫でられていない者はアへる兄弟を羨ましそうに眺めている。正気のヴィネはドン引きしていた。
一人、また一人と倒れ、侵入者の足元に侍ってゴロゴロ喉を鳴らしてじゃれつく。いよいよヴィネの番となり、魅了されているふりをしているので逆らうことも出来ず、狼狽えるヴィネの鼻に侵入者の指が触れた。挨拶だった。
耳の付け根やひげの周り、頭のてっぺんを優しく撫でる手付きは気持ちいい。けれど兄のようにアへることはなく、油断すると喉が鳴る程度だ。前足へのマッサージも気持ちいい。
ご機嫌な様子で撫で終えられたヴィネを見て、侵入者は兄達へ宣言した。
「この子はお前達と違って私の攻撃がちっとも効いてないぞ。この子が一番強いんじゃないのか?」
侵入者の発言に、兄達は目をまんまるにさせ、口を揃えた。
「ほんとだぁ」
脳筋だから深く考えないのだ。
兄達の満場一致と父王の判定もあり、ヴィネは次期王と決まった。跡継ぎが決まると父王はさっさと隠居し母と共に長いバカンスへ旅立ってしまった。みんな頭が緩いのだ。
ヴィネを王にした侵入者に礼を言い、望みが何かを尋ねた。全てを叶えることは出来ないが、可能な限りは聞いてやるつもりだった。
「きみが欲しい。北の国の王であり、とっても強くて可愛らしい獅子のきみが」
ヴィネの口と比べたらとても小さなそれを重ね、ヴィネから何かを吸い取っていく彼は淫魔だった。色恋に慣れた様子の彼はヴィネを寝室に連れ込み、ヴィネに跨がって雄を咥えて悦んだ。
魅了の術は効いていない筈なのにヴィネは彼を拒めなかった。ヴィネを締め付けて腰を振り、獣のような嬌声を上げる彼はひどく美しく見えた。
ヴィネはこうして、この時はまだ魔王ではなく、色んな男を誘惑して下僕にしていただけだったシュトリの男になった。
北の城に小さな獅子達が我先にと集い、帰って来ていた。
「お帰り。どうだった?」
自室で出迎えたヴィネに獅子達は情けない声を出して詫びる。言葉通り深海の底から山のてっぺんまで、余すところなく魔界中を見て回ったというのに、シュトリを見つけることが出来なかったのだ。
「お前達に見つけられなかったというのなら、魔界にはいないのだろう」
労うように獅子達の頭を撫でると、その姿は霧散する。ヴィネの魔力で形作られただけのそれは、ヴィネの中へと戻っていった。
「となると……恐らくは」
考えを語ろうとしたヴィネだが、それは乱暴に開けられた扉の音に遮られた。
ヴィネの部屋に無断で入れる存在は限られている。
最愛の主であるシュトリか。許可という言葉を知らないベリアルやバアルか。身内である脳筋どもだけだ。
「ヴィネ! 最近シュトリが来ないじゃないか」
「お前何かやらかしたのか?」
「シュトリ怒らせたならはやく謝ってこいよ」
ヴィネ同様、シュトリのことが大好きな兄達が頭の悪いことを言いながら入ってくる。青筋を立てながら、ヴィネはまず第一に気を付けるべきことを叫んだ。
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「えー。シュトリは気にしなくていいって言ってたぞ」
「嫉妬は醜いぞ」
「うるせぇ!!」
「逆ギレすんなよ。それよりシュトリは?」
ここ最近、失踪以前から北の国へ訪れることの少なくなっていたシュトリを兄達は恋しがり、ヴィネに文句を言ってくるようになった。ヴィネだってシュトリに会えなくて寂しいというのに。
長い間会っていないからか、ヴィネが見ても彼らからシュトリの魔力は――魅了の力は感じられない。脳筋だから魅了が解けたのに気付いていないのか、そんなものがなくてもシュトリのことを気に入っているのか。前者であってほしかった。
「……シュトリは、何処かで迷子になってるみたいなんだ」
思い付くことがあり、ヴィネは話し始めた。兄達は大変だ探さないとと慌てている。
「僕はシュトリを探しに行きたい。だから僕が不在の間、国のことを任せたいのだけれど」
弟の頼みに兄達は笑顔で頷いた。賢い弟ならすぐにシュトリを見つけて帰ってくると信じているのだ。
国を任せるといっても大臣は普通に優秀だし兄達もそこまでバカじゃないのが十三もいるのだからどうにかなるだろう。それに。
「……シュトリを探して帰るなんて、すぐに終わるに決まってる。僕は天才魔術師で……シュトリの男なんだから」
シュトリが何を思って魔王を辞めたのか――十中八九あの腕輪関連だろうけど、話せば解決する筈だ。そう、ヴィネは信じている。
逃亡先は魔界ではないのなら、界を渡った先。人の暮らす世界だろう。そう推察したヴィネは迷うことなく界を渡った。
バアルやセーレには相談しない。彼らとてシュトリの行方を察しても他を出し抜こうとするだろう。事後報告で充分だ。
邪魔者の存在も、シュトリが対話も帰還も拒否することなど、露程も考えていなかった。
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