83 / 87
秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)
再び内陸線に乗って雪見旅
しおりを挟む
2017年2月、5歳の息子を連れて森吉山の樹氷を見ながらスキーをしに再び内陸線に乗った。本音を言えば春の足音が聞こえ始めそうで日本海側である秋田県も1月~2月よりも晴れる確率が高そうな3月上旬の週末に行きたかったのだが、他の予定で都合が悪くしかも2月下旬は森吉山で夜の樹氷が見られるナイトツアーの予約がいっぱいで取れずに2月中旬の週末に行く事にした。
1日目の行きの新幹線はホームが地下にある上野を出発して、地上に出た時は冬晴れであったが仙台を過ぎて古川のあたりから既に雪が降っていた。盛岡を出て田沢湖線の線路に入ると雪が深くなり降る雪も増えているように見えた。秋田新幹線が走る田沢湖線は全線単線のために、乗客の乗り降りなしで反対方向に向かう列車との行き違いのみで途中の駅に停車するケースもある。その行き違いのみの停車で反対の盛岡、東京方面のすれ違う列車が大雪のために10分くらい遅れていた。その行き違い後に発車した辺りから「コッ コッ」と列車が雪の中にある氷の塊を跳ね除けるような音をよく耳にした。その音と大雪による列車の遅れだけでもこの冬の雪の多さを、テレビのニュースのみならず、雪国の現地で感じた。角館には10分くらい遅れて到着したが内陸線との接続にはまだ10分くらい余裕があった。
今回で3回目の内陸線。発車前から車内販売にてバター餅と地酒「またぎ」、そしてまた連れて来た5歳の息子にはニコちゃんマークの笑内饅頭と小さい秋田犬のぬいぐるみのストラップを買った。角館を出発した列車は秋田新幹線の線路と別れ降りしきる雪の中を雪ですっかり真っ白になりきったような田園の中を走る。あちこちのローカル線でよく見られる田園が広がる里と遠くに山並みが見える車窓がしばらく続くと思いきや沿線を流れる桧木内川がこの辺りの車窓をバラエティー豊かにしてくれる。まるで桧木内川が木々や小高い丘のような山林を何回も我々の前に連れて来てくれているような感覚だ。阿仁合や十二段トンネルに向かい山を登って行くディーゼルエンジン音が大雪の中奮闘しているようでより力強く感じた。
隣の席の5歳の息子は車窓を楽しむ父ちゃんの上半身の部分をさっき買ったストラップに付いている小さい秋田犬の遊び場にしていた。私も小さい頃は気に入ったぬいぐるみを手で動かしてよくそういう遊びをしたものだ。暖かい車内から見られるバラエティーに富んだ雪景色。乗り鉄にとっては至福の一時。時間が止まっているように感じた。
「いつまで続いて欲しい」
と。至福の一時が20分少々続いた後列車は十二段トンネルに入った。
ひとまず現実に戻り5697メートルのトンネルを抜けてから直ぐに着く阿仁マタギで降りる準備を始めた。
1日目の行きの新幹線はホームが地下にある上野を出発して、地上に出た時は冬晴れであったが仙台を過ぎて古川のあたりから既に雪が降っていた。盛岡を出て田沢湖線の線路に入ると雪が深くなり降る雪も増えているように見えた。秋田新幹線が走る田沢湖線は全線単線のために、乗客の乗り降りなしで反対方向に向かう列車との行き違いのみで途中の駅に停車するケースもある。その行き違いのみの停車で反対の盛岡、東京方面のすれ違う列車が大雪のために10分くらい遅れていた。その行き違い後に発車した辺りから「コッ コッ」と列車が雪の中にある氷の塊を跳ね除けるような音をよく耳にした。その音と大雪による列車の遅れだけでもこの冬の雪の多さを、テレビのニュースのみならず、雪国の現地で感じた。角館には10分くらい遅れて到着したが内陸線との接続にはまだ10分くらい余裕があった。
今回で3回目の内陸線。発車前から車内販売にてバター餅と地酒「またぎ」、そしてまた連れて来た5歳の息子にはニコちゃんマークの笑内饅頭と小さい秋田犬のぬいぐるみのストラップを買った。角館を出発した列車は秋田新幹線の線路と別れ降りしきる雪の中を雪ですっかり真っ白になりきったような田園の中を走る。あちこちのローカル線でよく見られる田園が広がる里と遠くに山並みが見える車窓がしばらく続くと思いきや沿線を流れる桧木内川がこの辺りの車窓をバラエティー豊かにしてくれる。まるで桧木内川が木々や小高い丘のような山林を何回も我々の前に連れて来てくれているような感覚だ。阿仁合や十二段トンネルに向かい山を登って行くディーゼルエンジン音が大雪の中奮闘しているようでより力強く感じた。
隣の席の5歳の息子は車窓を楽しむ父ちゃんの上半身の部分をさっき買ったストラップに付いている小さい秋田犬の遊び場にしていた。私も小さい頃は気に入ったぬいぐるみを手で動かしてよくそういう遊びをしたものだ。暖かい車内から見られるバラエティーに富んだ雪景色。乗り鉄にとっては至福の一時。時間が止まっているように感じた。
「いつまで続いて欲しい」
と。至福の一時が20分少々続いた後列車は十二段トンネルに入った。
ひとまず現実に戻り5697メートルのトンネルを抜けてから直ぐに着く阿仁マタギで降りる準備を始めた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/


ほるぷ
名前も知らない兵士
エッセイ・ノンフィクション
たまに僕は本当に小さくなってしまう。それは、他人と比べたり、自分に自信が無くなってたり、ひどく落ち込むときにおこる。
その日の朝も、重なる綿繊維の波の上に僕は立っていて、まるで違う惑星にいるかのように、壮大な場所でちっぽけになってしまった。
カーキ色の肌掛け布団が鼻背ですれる。それから静けさに気付かれないように両眼を宙空に移した。そういうときは、すぐに起きれなくて、陽射しに当たってきらきらと光る、遠方の人口衛星みたいな微小のホコリを、布団の中から見つめている。やがて、新鮮なコーヒーを淹れようだとか、今日はあの子と会おうだとか、まだ読み終えてない文庫を読もうとか、自分のためにシュークリームを買おうだとか考えて、何とかして元気を取り戻してもらい起きることにしている。
僕は仕事を辞めて、バツイチで、漫画原作志望者で、ようやく掴んだ青年漫画誌の連載の話も消えてしまう。それでも日常は進んでいって……あてもない世界を、傍にいつも暗い道がある人生を、日々進んでいく。
いつになったら抜け出せるのかと、自問自答を繰り返しながら。その積み重ねた日常を築くことが、その人の魂にとって、本当の価値があることを見出す物語。
新しい日本のことわざ図鑑
naomikoryo
エッセイ・ノンフィクション
日本には、古くから伝えられてきた知恵や教訓が込められた「ことわざ」が数多く存在します。これらの短い言葉は、時代を超えて人々の日常生活や文化に深く根付いており、人生の指針や人間関係のヒントを与えてくれます。
本図鑑では、代表的なことわざを厳選し、その意味、語源、そして日常での使い方を詳しく解説しています。また、それぞれのことわざに込められた教訓や、それに似た表現も紹介することで、ことわざの奥深い魅力を感じていただける内容となっています。
さらに、ことわざに関連するエピソードや、海外の類似表現との比較を通じて、日本の文化的な背景をより深く知ることができます。
★こんな方におすすめ★
日常の会話にことわざを取り入れたい方
日本の文化や歴史に興味がある方
学校や職場で教養としてことわざを学びたい方
海外の人に日本文化を紹介したい方
**「日本のことわざ図鑑」**は、読むだけで日本の言葉の美しさと知恵を感じられる一冊です。ぜひ、ことわざを通じて、古くから受け継がれる日本の精神文化に触れてみてください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる