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山形新幹線
おしんの故郷
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山形盆地を抜けるとあたりで車窓にようやく日本三大急流の一つである最上川が登場し、その最上川の水運などで栄えた町の一つである大石田町に入り大石田駅に到着する。
大石田は、特に夜の温泉街の明かりで大正時代の面影が漂う、銀山温泉への最寄駅である。その銀山温泉はNHKの朝の連ドラ「おしん」のロケ地で一躍有名になった。
明治、大正、昭和と激動の時代を描いた「おしん」の始まり幼少時代の舞台は山形県であった。特に最上川で船に乗りたった7歳くらいなのに、小作人の貧しい家庭の事情で家計を支える為に丁稚奉公(仕事)に出る時に、両親に見送られるシーンは有名である。
今日地球の人口は爆発的に急増しているが、その大きな要因が多くの経済的に貧しい地域で働き手を出来るだけ増やそうと子供をたくさん作っていることである。
戦前までの日本でも農村を中心に同じことが当たり前のように起きていたのだろう。
「おしん」の舞台にもなり米、紅花、フルーツ、肉牛など農業が盛んな山形県の車窓を見るだけでも、明治以降の激動の時代特に農業に従事された方々、特に小作人のご苦労にはここでは書き表せないくらい頭が下がる。
モノや情報などが豊かな環境に恵まれている現代に生かされている事に改めて感謝すべきである。
私がおしんのシーンで一番印象に残っているのは、おしんが7歳の時に初めて奉公に行った材木屋で、おしんの面倒を見てくれた女の人のあまりの厳しさに耐えられずに、おしんが脱走した直後の話であった。
7歳の女の子ではとても歩いて実家に帰れる距離ではない。吹雪の中で気を失って倒れているおしんを助けたのは山の中で狩などをして暮らしていた兄(あん)ちゃんであった。あんちゃんって言ってももちろんおしんとは赤の他人である。
あんちゃんは日露戦争に従軍していた時に、人間同士での殺し合いなどに嫌気が差して旅順から脱走したのであった。あんちゃんのような脱走兵は見つかったら憲兵(当時の警察)に捕まってしまう。それで山の中に隠れて世間の目に晒されてないように暮らしていたのだ。
あんちゃんはとても良い人で当時奉公で小学校にも行かれなかったおしんにひらがななど、おしんに色々なことを教えてくれた。その中であんちゃんは与謝野晶子さんの戦場である旅順に従軍していた弟への想いを中心に描いた反戦の詩で有名な「君死にたまふことなかれ」や、あんちゃんが戦争に反対して平和を願うハーモニカの曲を教えたりもした。
さらに
「自分に対して嫌なことを言ったりしたりした人もそれなりの事情がある訳だし、その人達も含めて他人を憎むのべきではない」
とも教えていた。あんちゃんは春を迎えようとしていた季節におしんを実家のある里に送っている途中で憲兵に見つかって撃たれて殺されてしまう。
私はそのシーンを見て、あんちゃんを撃った憲兵も含めて、当時脱走兵を冷たい目で見ていた世間に対してもの凄く憤りを覚えた。
「日露戦争で日本は旅順を攻略しただけでも5万人以上の日本人を犠牲にした。そのような惨状にあなたたちは耐えられますか?」
このシーンは反戦のみならず、狩を中心とした山の中での暮らしを通じて、モノやお金が少なくて地位や名誉がなくても心豊かに生きていけることを、おしんの作者である橋田寿賀子さんが我々に訴えているように思えた。
話を大石田に戻すが、山形新幹線からこの辺りの遠くの山々を見ながら
「あの辺りにあのあんちゃんとおしんは暮らしていたのか?」
と、あのハーモニカの音色を頭の中に響かせながら想像した。
また大石田駅が玄関口となっている尾花沢市は、松尾芭蕉が奥の細道で10泊と最も長く滞在し、長旅の疲れを癒した場所でもあり江戸時代の町屋の完成した姿で「芭蕉清風歴史資料館」も開館されている程である。人口は約16000人で東北地方の市のなかでは最小でしかも鉄道で「尾花沢」という駅名は存在しないが、スイカ、肉牛、銀山温泉、松尾芭蕉でも有名で先述したように山形を代表するお祭り「花笠音頭」発祥の地でもあり、山形県や東北地方にとって欠かせない市の一つと言えよう。
大石田は、特に夜の温泉街の明かりで大正時代の面影が漂う、銀山温泉への最寄駅である。その銀山温泉はNHKの朝の連ドラ「おしん」のロケ地で一躍有名になった。
明治、大正、昭和と激動の時代を描いた「おしん」の始まり幼少時代の舞台は山形県であった。特に最上川で船に乗りたった7歳くらいなのに、小作人の貧しい家庭の事情で家計を支える為に丁稚奉公(仕事)に出る時に、両親に見送られるシーンは有名である。
今日地球の人口は爆発的に急増しているが、その大きな要因が多くの経済的に貧しい地域で働き手を出来るだけ増やそうと子供をたくさん作っていることである。
戦前までの日本でも農村を中心に同じことが当たり前のように起きていたのだろう。
「おしん」の舞台にもなり米、紅花、フルーツ、肉牛など農業が盛んな山形県の車窓を見るだけでも、明治以降の激動の時代特に農業に従事された方々、特に小作人のご苦労にはここでは書き表せないくらい頭が下がる。
モノや情報などが豊かな環境に恵まれている現代に生かされている事に改めて感謝すべきである。
私がおしんのシーンで一番印象に残っているのは、おしんが7歳の時に初めて奉公に行った材木屋で、おしんの面倒を見てくれた女の人のあまりの厳しさに耐えられずに、おしんが脱走した直後の話であった。
7歳の女の子ではとても歩いて実家に帰れる距離ではない。吹雪の中で気を失って倒れているおしんを助けたのは山の中で狩などをして暮らしていた兄(あん)ちゃんであった。あんちゃんって言ってももちろんおしんとは赤の他人である。
あんちゃんは日露戦争に従軍していた時に、人間同士での殺し合いなどに嫌気が差して旅順から脱走したのであった。あんちゃんのような脱走兵は見つかったら憲兵(当時の警察)に捕まってしまう。それで山の中に隠れて世間の目に晒されてないように暮らしていたのだ。
あんちゃんはとても良い人で当時奉公で小学校にも行かれなかったおしんにひらがななど、おしんに色々なことを教えてくれた。その中であんちゃんは与謝野晶子さんの戦場である旅順に従軍していた弟への想いを中心に描いた反戦の詩で有名な「君死にたまふことなかれ」や、あんちゃんが戦争に反対して平和を願うハーモニカの曲を教えたりもした。
さらに
「自分に対して嫌なことを言ったりしたりした人もそれなりの事情がある訳だし、その人達も含めて他人を憎むのべきではない」
とも教えていた。あんちゃんは春を迎えようとしていた季節におしんを実家のある里に送っている途中で憲兵に見つかって撃たれて殺されてしまう。
私はそのシーンを見て、あんちゃんを撃った憲兵も含めて、当時脱走兵を冷たい目で見ていた世間に対してもの凄く憤りを覚えた。
「日露戦争で日本は旅順を攻略しただけでも5万人以上の日本人を犠牲にした。そのような惨状にあなたたちは耐えられますか?」
このシーンは反戦のみならず、狩を中心とした山の中での暮らしを通じて、モノやお金が少なくて地位や名誉がなくても心豊かに生きていけることを、おしんの作者である橋田寿賀子さんが我々に訴えているように思えた。
話を大石田に戻すが、山形新幹線からこの辺りの遠くの山々を見ながら
「あの辺りにあのあんちゃんとおしんは暮らしていたのか?」
と、あのハーモニカの音色を頭の中に響かせながら想像した。
また大石田駅が玄関口となっている尾花沢市は、松尾芭蕉が奥の細道で10泊と最も長く滞在し、長旅の疲れを癒した場所でもあり江戸時代の町屋の完成した姿で「芭蕉清風歴史資料館」も開館されている程である。人口は約16000人で東北地方の市のなかでは最小でしかも鉄道で「尾花沢」という駅名は存在しないが、スイカ、肉牛、銀山温泉、松尾芭蕉でも有名で先述したように山形を代表するお祭り「花笠音頭」発祥の地でもあり、山形県や東北地方にとって欠かせない市の一つと言えよう。
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