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黒部峡谷鉄道と黒部ダム
トンネルの先は
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ダムの反対側の立山連峰へ向かう、ケーブルカー乗り場の入り口のトンネルまで来た。トンネルの向こうにはケーブルカー、ロープウェイ、バスを乗り継いで行く立山黒部アルペンルートが続く。
トンネルの先に通じる室堂平は、元々信仰登山や修験者の宿泊や祈祷の為の堂から始まり、立山連峰最高峰の大汝山(標高3015m)や北アルプスで有名で百名山の一つである標高の数字から登頂しても
「あともう少しで3000mなのに…」
ともどかしくなりそうな剱岳(標高2999m)と二つの日本百名山などの登山の拠点ともなっている。周辺では湖や池、高山植物の花々や雷鳥などが見られることもあり、立山連峰の自然や温泉も満喫できる。室堂平よりも富山寄りに行くと、東西4km、南北2kmの溶岩台地に広がる湿原で高山植物や紅葉も美しい弥陀ヶ原、日本一の落差である称名滝などまだまだ見どころが満載である。
プロアドベンチャーレーサーの田中陽希さんが、日本百名山及び二百名山をそれぞれ地図で一筆書きをするように踏破した様子が描かれた、NHKBSの旅のドキュメンタリー番組「グレートトラバーズ」シリーズがある。百名山及び二百名山を踏破に挑み達成された彼は、今度は三百名山踏破に挑んだ。その途中で立山連峰最高峰の大汝山に富山平野から昔からの信仰登山と同じルートを辿って登った様子をテレビで見た。立山連峰も含めた北アルプスから流れる、大量の雪解け水が生んだ日本一の落差である称名滝は、水が流れ落ちる轟音を仏様の名を称える念仏に例えて名付けられたという。高山植物や紅葉も美しい湿原である弥陀ヶ原でさえ信仰登山では地獄とされ、そこに生える湿原の草である「ミヤマホタルイ」は稲とは違い永遠に実がならない事から地獄の田植えとされたという。同じ弥陀ヶ原付近にあり信仰登山のルートである獅子が岩は、歩いてしか味わえない高さ約50mの岩壁の難所であった。室堂平付近にある火山ガスがあちこちから噴き出す谷「地獄谷」も文字通り地獄とされたという。対して北アルプスならではの絶景が広がる浄土山や標高3015mの立山最高峰の大汝山が極楽とされたのは、私も含めて山登りを経験された方々には容易に想像出来る。40年も生きている旅好きである私も一度でも良いから、標高差3,000m以上の本格的な信仰登山を体験したくなる。富山平野から標高3000m以上の立山を目指す信仰登山は、テレビで見ただけでも、泣けてくる程の感動を味わえた。この時程田中陽希さんを心から羨ましいと思えた事はないくらいだった。私も一生に一度でも、現代の立山連峰の観光に欠かせないバスやケーブルカーやロープウェイを使わない立山信仰の旅をして、化石燃料や電気の力でも山登りが出来る、現代社会で忘れ去られているものをじっくりこの目で見ながら肌で感じ、その暁には山頂から見える大絶景を、この目で存分に味わいたいものだ。さらに驚いたのが立山と同様に、山頂では極楽の世界のように大パノラマを味わえるのではと思えるくらい高く聳える隣の名峰剣岳も、信仰登山がよく行われていた江戸時代までは、剣のように尖った山容から地獄の針山とされていた事だ。長い間人を寄せ付けなかったくらいの危険な山である事を表していると言える。私も近々剣岳に初めて登る時は、一層気を引き締めて行きたい。
黒部ダムの周辺には多くの自然が残されている。立山連峰の周りの他にもダムから見て立山連峰と反対側にも、白馬岳や鹿島槍ヶ岳、さらに黒部川の黒部ダムよりも上流方向に聳える鷲羽岳など北アルプスの山々が連なる。さらに黒部川の源流付近には、日本最後の秘境と言われている湿原の雲の平も広がっている。
「高山植物の花々などが綺麗と聞くトンネルの向こう(立山連峰やその周辺)には来年の夏以降に行こう」
と言い聞かせてゆっくりと大町方面へと黒部ダムの上を再び通りながら引き返した。もちろん再びトローリーバスに乗る前に、黒部ダムの建設に貢献された方々など地上の星にあたる方々へ手を合わせるのも忘れずに!
多くの自然も残されていて私達を魅きつけ続ける、白馬岳や黒部ダム周辺の北アルプス北部では、戦後のみならず「高熱隧道」ともいわれた戦前の過酷な工事も含めて、黒部ダムを完成させた約1000万人の方々や、白馬村が会場となった長野オリンピックのスキージャンプ団体で、悪天候による中止を避けようと吹雪の中で懸命にテストジャンプをして日本チームに金メダルを獲らせたテストジャンパーの方々など、テレビやネットなどによく出るスターでなくても、暗い夜空を美しく流れている天の川のように、無数に見える地上の星達による数々のドラマもあった。
トンネルの先に通じる室堂平は、元々信仰登山や修験者の宿泊や祈祷の為の堂から始まり、立山連峰最高峰の大汝山(標高3015m)や北アルプスで有名で百名山の一つである標高の数字から登頂しても
「あともう少しで3000mなのに…」
ともどかしくなりそうな剱岳(標高2999m)と二つの日本百名山などの登山の拠点ともなっている。周辺では湖や池、高山植物の花々や雷鳥などが見られることもあり、立山連峰の自然や温泉も満喫できる。室堂平よりも富山寄りに行くと、東西4km、南北2kmの溶岩台地に広がる湿原で高山植物や紅葉も美しい弥陀ヶ原、日本一の落差である称名滝などまだまだ見どころが満載である。
プロアドベンチャーレーサーの田中陽希さんが、日本百名山及び二百名山をそれぞれ地図で一筆書きをするように踏破した様子が描かれた、NHKBSの旅のドキュメンタリー番組「グレートトラバーズ」シリーズがある。百名山及び二百名山を踏破に挑み達成された彼は、今度は三百名山踏破に挑んだ。その途中で立山連峰最高峰の大汝山に富山平野から昔からの信仰登山と同じルートを辿って登った様子をテレビで見た。立山連峰も含めた北アルプスから流れる、大量の雪解け水が生んだ日本一の落差である称名滝は、水が流れ落ちる轟音を仏様の名を称える念仏に例えて名付けられたという。高山植物や紅葉も美しい湿原である弥陀ヶ原でさえ信仰登山では地獄とされ、そこに生える湿原の草である「ミヤマホタルイ」は稲とは違い永遠に実がならない事から地獄の田植えとされたという。同じ弥陀ヶ原付近にあり信仰登山のルートである獅子が岩は、歩いてしか味わえない高さ約50mの岩壁の難所であった。室堂平付近にある火山ガスがあちこちから噴き出す谷「地獄谷」も文字通り地獄とされたという。対して北アルプスならではの絶景が広がる浄土山や標高3015mの立山最高峰の大汝山が極楽とされたのは、私も含めて山登りを経験された方々には容易に想像出来る。40年も生きている旅好きである私も一度でも良いから、標高差3,000m以上の本格的な信仰登山を体験したくなる。富山平野から標高3000m以上の立山を目指す信仰登山は、テレビで見ただけでも、泣けてくる程の感動を味わえた。この時程田中陽希さんを心から羨ましいと思えた事はないくらいだった。私も一生に一度でも、現代の立山連峰の観光に欠かせないバスやケーブルカーやロープウェイを使わない立山信仰の旅をして、化石燃料や電気の力でも山登りが出来る、現代社会で忘れ去られているものをじっくりこの目で見ながら肌で感じ、その暁には山頂から見える大絶景を、この目で存分に味わいたいものだ。さらに驚いたのが立山と同様に、山頂では極楽の世界のように大パノラマを味わえるのではと思えるくらい高く聳える隣の名峰剣岳も、信仰登山がよく行われていた江戸時代までは、剣のように尖った山容から地獄の針山とされていた事だ。長い間人を寄せ付けなかったくらいの危険な山である事を表していると言える。私も近々剣岳に初めて登る時は、一層気を引き締めて行きたい。
黒部ダムの周辺には多くの自然が残されている。立山連峰の周りの他にもダムから見て立山連峰と反対側にも、白馬岳や鹿島槍ヶ岳、さらに黒部川の黒部ダムよりも上流方向に聳える鷲羽岳など北アルプスの山々が連なる。さらに黒部川の源流付近には、日本最後の秘境と言われている湿原の雲の平も広がっている。
「高山植物の花々などが綺麗と聞くトンネルの向こう(立山連峰やその周辺)には来年の夏以降に行こう」
と言い聞かせてゆっくりと大町方面へと黒部ダムの上を再び通りながら引き返した。もちろん再びトローリーバスに乗る前に、黒部ダムの建設に貢献された方々など地上の星にあたる方々へ手を合わせるのも忘れずに!
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