33 / 87
境線
境港~ゲゲゲの鬼太郎と妖怪達の故郷~
しおりを挟む
米子から島根半島の東側を走り、妖怪列車としても親しまれている境線に乗り、終点の境港駅に着くとゲゲゲの鬼太郎にちなんだ妖怪達が旅人も迎えてくれる。
境港と言えば妖怪の漫画やテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんの出身地である。水木しげる氏といえば「ゲゲゲの鬼太郎」や「河童の三平」などのアニメや漫画そして朝の連ドラでやっていた「ゲゲゲの女房」は勿論だが、私にとっては特にNHKのドラマでも放送されていた「のんのんばあと俺」で彼が数々の妖怪達とも出会いながら、少年時代を過ごした話がとても印象に残っている。
「のんのんばあ」とは境港では神様や仏様への信心深いばあさんのことを言う。彼はその中の一人であるお手伝いさんのばあさんから、妖怪など目に見えないものの話をよく聴かされていたと言う。お風呂の掃除をきちんとしないと「垢なめ」という妖怪が現れて、さらにお湯の中に引きずり込むような怖い妖怪を呼び寄せるなど特に子供が悪い事をしたらよく出てくると言われた妖怪の話のみならず、亡くなった方の魂は残された方々に宿る「転生」など「目に見えないもの」の大切さを「のんのんばあ」から教えて貰い続けていたに違いない。
もう少しわかりやすく例えると、「夜に口笛を吹いたら妖怪が出る」と夜に口笛を吹くのは近所迷惑だからしてはいけない事をなかなか想像出来ない子供達に対してしては、いけない事を躾ける役割も昔から妖怪達は果たして来たと言える。
彼が「ゲゲゲの鬼太郎」など妖怪の漫画を描いたのも子供の頃に出会えた「のんのんばあ」の影響も大きいという。特に「のんのんばあ」に連れて行かれた正福寺という近所のお寺の本堂に描かれていた、雲の上にある高い宮殿のようなところに仏様が多く在わす様子などが描かれている、「極楽」と炎などが立つ世界に閻魔大王や鬼がいる様子が描かれた「地獄」との絵を眺め、さらに「のんのんばあ」から死後の世界があることも教わった。それにより別の世界があることを知った。
その影響で太平洋戦争で南方(赤道付近)の戦場に軍隊に選ばれて行った時に、他の兵士達よりも日本人とはかけ離れた地元の住民の生活に溶け込んだり、妖怪の世界に大いに興味を持ったという。
子供でも年を重ねて大人に近づくにつれて、おばけや妖怪なんている訳がないと思うのみならず、周りに反発する機会も増えるなどで、悪い事も覚えて行くうちに、小さい頃教わった悪い事をしたら死後に地獄、良い行いを重ねると天国へ行くということを忘れがちになり、自分自身をコントロールすることが出来なかったりコントロールを誤ることも多くなる。
その中でも水木しげるさんのこれらのエピソードをちょっと聞くだけでも、信仰の大切さ言い換えれば「目に見えない大切なもの」が読み取れる。
なかなか目に見えないものの一種である妖怪達も身近の自然と同様に子供にはすぐ出会えるが、多くの大人にはなかなか出会えないと思える。
駅前から延びる水木しげるロードやその先にある「水木しげる記念館」を巡って行くだけでも、彼の少年時代のように我々旅人も妖怪達に本当に出会い「目に見えない大切なもの」に気づくかも知れない。
個人的には境港駅から2つ先の上道駅が最寄りである例の正福寺の地獄極楽の絵も眺めたい。
境港と言えば妖怪の漫画やテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんの出身地である。水木しげる氏といえば「ゲゲゲの鬼太郎」や「河童の三平」などのアニメや漫画そして朝の連ドラでやっていた「ゲゲゲの女房」は勿論だが、私にとっては特にNHKのドラマでも放送されていた「のんのんばあと俺」で彼が数々の妖怪達とも出会いながら、少年時代を過ごした話がとても印象に残っている。
「のんのんばあ」とは境港では神様や仏様への信心深いばあさんのことを言う。彼はその中の一人であるお手伝いさんのばあさんから、妖怪など目に見えないものの話をよく聴かされていたと言う。お風呂の掃除をきちんとしないと「垢なめ」という妖怪が現れて、さらにお湯の中に引きずり込むような怖い妖怪を呼び寄せるなど特に子供が悪い事をしたらよく出てくると言われた妖怪の話のみならず、亡くなった方の魂は残された方々に宿る「転生」など「目に見えないもの」の大切さを「のんのんばあ」から教えて貰い続けていたに違いない。
もう少しわかりやすく例えると、「夜に口笛を吹いたら妖怪が出る」と夜に口笛を吹くのは近所迷惑だからしてはいけない事をなかなか想像出来ない子供達に対してしては、いけない事を躾ける役割も昔から妖怪達は果たして来たと言える。
彼が「ゲゲゲの鬼太郎」など妖怪の漫画を描いたのも子供の頃に出会えた「のんのんばあ」の影響も大きいという。特に「のんのんばあ」に連れて行かれた正福寺という近所のお寺の本堂に描かれていた、雲の上にある高い宮殿のようなところに仏様が多く在わす様子などが描かれている、「極楽」と炎などが立つ世界に閻魔大王や鬼がいる様子が描かれた「地獄」との絵を眺め、さらに「のんのんばあ」から死後の世界があることも教わった。それにより別の世界があることを知った。
その影響で太平洋戦争で南方(赤道付近)の戦場に軍隊に選ばれて行った時に、他の兵士達よりも日本人とはかけ離れた地元の住民の生活に溶け込んだり、妖怪の世界に大いに興味を持ったという。
子供でも年を重ねて大人に近づくにつれて、おばけや妖怪なんている訳がないと思うのみならず、周りに反発する機会も増えるなどで、悪い事も覚えて行くうちに、小さい頃教わった悪い事をしたら死後に地獄、良い行いを重ねると天国へ行くということを忘れがちになり、自分自身をコントロールすることが出来なかったりコントロールを誤ることも多くなる。
その中でも水木しげるさんのこれらのエピソードをちょっと聞くだけでも、信仰の大切さ言い換えれば「目に見えない大切なもの」が読み取れる。
なかなか目に見えないものの一種である妖怪達も身近の自然と同様に子供にはすぐ出会えるが、多くの大人にはなかなか出会えないと思える。
駅前から延びる水木しげるロードやその先にある「水木しげる記念館」を巡って行くだけでも、彼の少年時代のように我々旅人も妖怪達に本当に出会い「目に見えない大切なもの」に気づくかも知れない。
個人的には境港駅から2つ先の上道駅が最寄りである例の正福寺の地獄極楽の絵も眺めたい。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/

新しい日本のことわざ図鑑
naomikoryo
エッセイ・ノンフィクション
日本には、古くから伝えられてきた知恵や教訓が込められた「ことわざ」が数多く存在します。これらの短い言葉は、時代を超えて人々の日常生活や文化に深く根付いており、人生の指針や人間関係のヒントを与えてくれます。
本図鑑では、代表的なことわざを厳選し、その意味、語源、そして日常での使い方を詳しく解説しています。また、それぞれのことわざに込められた教訓や、それに似た表現も紹介することで、ことわざの奥深い魅力を感じていただける内容となっています。
さらに、ことわざに関連するエピソードや、海外の類似表現との比較を通じて、日本の文化的な背景をより深く知ることができます。
★こんな方におすすめ★
日常の会話にことわざを取り入れたい方
日本の文化や歴史に興味がある方
学校や職場で教養としてことわざを学びたい方
海外の人に日本文化を紹介したい方
**「日本のことわざ図鑑」**は、読むだけで日本の言葉の美しさと知恵を感じられる一冊です。ぜひ、ことわざを通じて、古くから受け継がれる日本の精神文化に触れてみてください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる