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宮津線(現在の京都丹後鉄道・丹鉄)
天橋立・伊根の舟屋~丹後半島の奇跡~
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福知山盆地は京都府の日本海側の地域である丹後地方の玄関口でもある。盆地の東側の綾部は舞鶴市やさらに福井県西部の小浜市など若狭湾沿岸地域へ通じる線路(舞鶴線・小浜線)の起点である。盆地の西側に位置する福知山では日本三景の一つとしてお馴染みの天橋立でも有名な宮津市や、その北側の丹後半島にも通じる丹鉄(京都丹後鉄道)の宮福線に乗り換えられる。
私は先述したように乗り鉄の従兄と福知山から京都までの山陰本線を走るディーゼルカーに乗った前日に敦賀から小浜線に乗り、西舞鶴から宮津などを経由して豊岡まで、京都丹後鉄道(丹鉄)の宮舞線と宮豊線の前身であるJR宮津線に乗った。宮津線を運営する鉄道会社がJRから丹鉄に替わる前に宮津線に乗ろうとしていた乗り鉄の従兄に連れて行って貰ったのだ。その宮津線は西舞鶴から舞鶴市の西側を由良川にも沿って北上し、若狭湾沿岸に出るとほぼ海沿いを宮津市に向かって進んで行く。冬晴れの下に広がる青い日本海は鮮やかであった。宮津駅を抜けて天橋立に近づくと車窓から緑の木々が青空の下で綺麗に長く連なるように並んでいるのを見た。それが私が今まで見たことのある唯一の天橋立であった。見た当時は列車の中で横から見るだけではなく上から見たいと思ったが、今振り返れば横から見えたのもなかなか味のある風景であった。
その天橋立は宮津湾をほぼ真二つに分けるように横たわり、幅が細いところでは20メートルくらいしかないが全長約3.6キロもある砂州に約8000本の松が林立する不思議で綺麗な景色である。展望台から見下ろすのもよいが次回天橋立に行く機会があれば、私はさざ波を聴きながら天然の道にもなっている松林の中を歩いてみたい。
天橋立は丹後半島の付け根にある。丹後半島にはその他にも海沿いを中心に経ヶ岬、琴引き浜、丹後松島など鮮やかなマリンブルーの海を眺められる景勝地が多い。私はJR宮津線に乗った時以外は丹後半島に足を運んだことはないが、丹後半島の中で特に行ってみたいのが「伊根の舟屋」である。海沿いに一階が船置き場で中には床ではなく海面からなる一階のあり二階がやっと住居である舟屋と呼ばれる家屋が自然な感じで綺麗に建ち並ぶ。テレビや写真を見ただけでも本当に一度訪れて出来れば舟屋の宿に泊まってみたくなる程であり伊根の舟屋にあたる集落は国から「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されて国内外問わず毎年約30万人の観光客や旅人が訪れるという。地図で見ると丹後半島の東側の頭の部分に日本海の大海原とは反対の南向きに突き出た小さな岬(鷲岬)の湾内にありさらに沖には天然の防波堤青島などが浮かぶ。それに水深も35メートルと湾内にしては深く冬の日本海や台風などの高波の心配も要らず高潮や津波も恐らく一階の高さで治まるのであろう。湾内は漁場としても有名で特にブリは三大漁場とされている。絶好の舟屋集落の立地条件で、正に自然と人間それぞれの営みの調和が生んだ奇跡である。
私は先述したように乗り鉄の従兄と福知山から京都までの山陰本線を走るディーゼルカーに乗った前日に敦賀から小浜線に乗り、西舞鶴から宮津などを経由して豊岡まで、京都丹後鉄道(丹鉄)の宮舞線と宮豊線の前身であるJR宮津線に乗った。宮津線を運営する鉄道会社がJRから丹鉄に替わる前に宮津線に乗ろうとしていた乗り鉄の従兄に連れて行って貰ったのだ。その宮津線は西舞鶴から舞鶴市の西側を由良川にも沿って北上し、若狭湾沿岸に出るとほぼ海沿いを宮津市に向かって進んで行く。冬晴れの下に広がる青い日本海は鮮やかであった。宮津駅を抜けて天橋立に近づくと車窓から緑の木々が青空の下で綺麗に長く連なるように並んでいるのを見た。それが私が今まで見たことのある唯一の天橋立であった。見た当時は列車の中で横から見るだけではなく上から見たいと思ったが、今振り返れば横から見えたのもなかなか味のある風景であった。
その天橋立は宮津湾をほぼ真二つに分けるように横たわり、幅が細いところでは20メートルくらいしかないが全長約3.6キロもある砂州に約8000本の松が林立する不思議で綺麗な景色である。展望台から見下ろすのもよいが次回天橋立に行く機会があれば、私はさざ波を聴きながら天然の道にもなっている松林の中を歩いてみたい。
天橋立は丹後半島の付け根にある。丹後半島にはその他にも海沿いを中心に経ヶ岬、琴引き浜、丹後松島など鮮やかなマリンブルーの海を眺められる景勝地が多い。私はJR宮津線に乗った時以外は丹後半島に足を運んだことはないが、丹後半島の中で特に行ってみたいのが「伊根の舟屋」である。海沿いに一階が船置き場で中には床ではなく海面からなる一階のあり二階がやっと住居である舟屋と呼ばれる家屋が自然な感じで綺麗に建ち並ぶ。テレビや写真を見ただけでも本当に一度訪れて出来れば舟屋の宿に泊まってみたくなる程であり伊根の舟屋にあたる集落は国から「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されて国内外問わず毎年約30万人の観光客や旅人が訪れるという。地図で見ると丹後半島の東側の頭の部分に日本海の大海原とは反対の南向きに突き出た小さな岬(鷲岬)の湾内にありさらに沖には天然の防波堤青島などが浮かぶ。それに水深も35メートルと湾内にしては深く冬の日本海や台風などの高波の心配も要らず高潮や津波も恐らく一階の高さで治まるのであろう。湾内は漁場としても有名で特にブリは三大漁場とされている。絶好の舟屋集落の立地条件で、正に自然と人間それぞれの営みの調和が生んだ奇跡である。
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