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日豊本線〜大分ー鹿児島〜
いよいよ薩摩へ〜桜島とご対面〜
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話を初めての九州一人旅で駅寝した都城駅に戻す。翌朝一番列車で鹿児島へ向かった。都城での駅寝はやはり布団に入るよりも満足な睡眠は取れなかった。
列車は都城を抜けて直ぐに鹿児島県に入る。折角はるばるしかもいくつもの列車を乗り継いで本土最南端の鹿児島までやって来たのに、未明の駅寝による寝不足の影響で睡魔には勝てず居眠りと車窓をぼんやり眺めるのを繰り返した。
そのぼんやり眺めた景色は今までの旅で見てきた長閑な車窓とは一味違っているように感じた。日本の長閑な風景で真っ先にイメージできる田園が広がる風景ではなく、さつまいも畑の風景が広がっているように見えて
「これが社会科の授業で習ったシラス台地か」
と眠気を抱えながらぼんやり思えた。シラス台地は火山灰が降り積もって出来ている鹿児島ならではの火山性の土地で、この辺りは水はけが良すぎて水が溜まらずに米づくりには適さないのだという。
北海道と並んで九州も同じ日本なのに、景色を見るだけでも何処か日本離れしているような感じがする。
特に鹿児島県はそのシラス台地などの火山性の土地柄が特にそうさせていると思える。歴史を少し調べても江戸時代全国のあちこちで生産されていたお米が幕府や殆どの各藩の主な収入源になっていた中で、シラス台地などによる火山性の土地柄によりお米がメインでは薩摩藩の運営は到底出来なかったという。
琉球などからの密貿易が主な収入源であったとよく言われている。幕府が密貿易を取り締まる為送られた密偵が殆ど帰って来なかった事や、鹿児島弁の中でも、もともとは薩摩の方々が幕府が取り締まりづらいように、わざと作った日本語からかけ離れた暗号からの言語があることもよく聞く話である。こうして少し歴史を振り返るだけでも薩摩はかつては独立していた別の国だったのではとさえ思える。
その薩摩の国を象徴するのはなんと言っても桜島である。私は初めての九州一人旅も含めて、もう既に5回以上旅で桜島を眺めているのに、見る度にはるばる鹿児島にやって来たのだと実感する。なかでも鹿児島市北部の竜ヶ水からさらに市の中心部に向かう途中の日豊本線や国道10号線沿いからは、山の上の方には火山らしい茶系やグレー系の荒々しい山肌で麓の方に目をやると緑や集落と生活感が漂う島の様子、そして周りに広がる錦江湾の海原と雄大な桜島が望める。
初めてのツーリングで九州を縦断した時にその一帯の中にある磯海水浴にバイクから降りて見た桜島が
、もっとも印象に残っておりビーチに寝っ転がりながら
「鹿児島まで来た!」
と思えた。その時は20年くらい後に再び鹿児島へ一人旅をして、沖縄の知り合いのうちに息子を連れて遊びに行っているかみさんから
「息子の乳歯がぬけた」
とのLINEを見ながら、同じビーチから桜島を眺めているなんて全く想像しなかった。
列車は都城を抜けて直ぐに鹿児島県に入る。折角はるばるしかもいくつもの列車を乗り継いで本土最南端の鹿児島までやって来たのに、未明の駅寝による寝不足の影響で睡魔には勝てず居眠りと車窓をぼんやり眺めるのを繰り返した。
そのぼんやり眺めた景色は今までの旅で見てきた長閑な車窓とは一味違っているように感じた。日本の長閑な風景で真っ先にイメージできる田園が広がる風景ではなく、さつまいも畑の風景が広がっているように見えて
「これが社会科の授業で習ったシラス台地か」
と眠気を抱えながらぼんやり思えた。シラス台地は火山灰が降り積もって出来ている鹿児島ならではの火山性の土地で、この辺りは水はけが良すぎて水が溜まらずに米づくりには適さないのだという。
北海道と並んで九州も同じ日本なのに、景色を見るだけでも何処か日本離れしているような感じがする。
特に鹿児島県はそのシラス台地などの火山性の土地柄が特にそうさせていると思える。歴史を少し調べても江戸時代全国のあちこちで生産されていたお米が幕府や殆どの各藩の主な収入源になっていた中で、シラス台地などによる火山性の土地柄によりお米がメインでは薩摩藩の運営は到底出来なかったという。
琉球などからの密貿易が主な収入源であったとよく言われている。幕府が密貿易を取り締まる為送られた密偵が殆ど帰って来なかった事や、鹿児島弁の中でも、もともとは薩摩の方々が幕府が取り締まりづらいように、わざと作った日本語からかけ離れた暗号からの言語があることもよく聞く話である。こうして少し歴史を振り返るだけでも薩摩はかつては独立していた別の国だったのではとさえ思える。
その薩摩の国を象徴するのはなんと言っても桜島である。私は初めての九州一人旅も含めて、もう既に5回以上旅で桜島を眺めているのに、見る度にはるばる鹿児島にやって来たのだと実感する。なかでも鹿児島市北部の竜ヶ水からさらに市の中心部に向かう途中の日豊本線や国道10号線沿いからは、山の上の方には火山らしい茶系やグレー系の荒々しい山肌で麓の方に目をやると緑や集落と生活感が漂う島の様子、そして周りに広がる錦江湾の海原と雄大な桜島が望める。
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