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<7・マンション前にて。>
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殆どお金は光流が出した。小銭をちまちま投下し続けた結果、恐らく三千円ほどは使ったことだろう。
にも関わらず、二人合わせて取れたのは小さな赤いキリンのぬいぐるみがふたつだけ。むしろ、二個取れただけでも儲けものと言わざるをえない。
「お前……クレーンゲームに三千円っていいのか。お前だってそんな金あるわけじゃないだろ大学生。ていうか、俺が一個取ったところで諦めときゃよかったのに」
「嫌ですよ、二個欲しかったんです」
「いやだから、なんで」
「だって君が、赤いキリンがいいって言ったんじゃないですか」
彼のマンション前にて。ぷくーっと、頬を膨らませて、光流は告げた。
「二個ないと、一個ずつ持ってられないでしょ……お揃いで」
お前、そういうこと気にするのか。
ていうか、そこですねるとかちょっと可愛すぎるんですけども?
「お、オマエな……あ、赤いキリン好きなら、そう言えって」
「そうじゃないです!もう、わかってるくせにはぐらかさないでくださいよ!」
「い、いやだって、その」
これ完全にあかんやつ、と思った。自分とお揃いがいいって。それを持っていたいって。だからお金かかってでもクレーンゲームに没頭したって、それ。
――マジで、恋人同士みたい、じゃん?
彼は自分のことが好きだと言った。嘘をつく理由もないし、態度からしても本当なのだろう。しかし、祥一郎の方がそれをOKして付き合うことになったのかといえば、微妙と言わざるをえない。これからも護衛を続けてやるとは言ったが、何も自分も彼のことが好きだとはっきり言ったわけではないからだ。
実際、祥一郎の方はまだ自分の本当の気持ちなどまったくわかっていなくて困惑している状態である。彼のことが好きなのか、友達として親しく感じているだけなのか。確かに、友達と言うには少し距離が近い気がしないでもないが、それこそ疑似兄弟じみていると言われてみればそれっぽいような気もしないではなく。
そもそも本当に相手が好きかどうかもわかっていないのに、付き合っているなんて言い方をしてもいいのかどうか。はっきり言って、こっちはまったく答えが出ていないのである。なんせ、あんな純粋でマジな告白など、人生で一度もされたことがなかったのだから。
――俺、こいつのこと好きなのか?どうなんだ?
何度自問自答してもわからない。初めてなことが、あまりにも多すぎるがゆえに。
きっとそれは、光流の方もよくわかっているのだろう。だから、無理に明確な答えを求めるようなことをしてこないのだ。本当は、彼だって祥一郎の答えが知りたがっているはずだというのに。
――どうしよう、わからねえ。
嫌いじゃないし、一緒にいると時間を忘れるとは思っている。でも、それがどういう意味を持つのか、己にはまったくわからないのだ。
友情と愛情の境目はどこにあるのだろう。残念ながら地面に退かれたボーダーラインのように、明確な線匹がなされているわけではない。ましてや祥一郎の心は祥一郎しかわからないのに、一体他の誰が線を引く権利を持っているというのだろう。
「……お金なんか、多少かかったっていいんですよ」
熱くなった頬を誤魔化すように視線を彷徨わせている祥一郎に、光流は何を思ったのかぼそりと呟いた。
「僕は、一緒にゲームできて楽しかったです……時間を忘れるくらいに。祥一郎君は、どうですか?」
「……そりゃ、楽しかったけど」
「それなら良かったです。ああ、でも」
こちらを見上げて、彼はちょっとだけ寂しそうに言った。
「自分が我儘を言っている自覚はありますから。……もし本当に迷惑だと思ったら、その時はちゃんと言ってくださいね。僕は君が好きんなんです。その好きな人を、僕のせいで不幸にしたくはないので」
不幸、なんて。なんとも悲しい言葉を使うものだと思ってしまった。なんとなくそれは、振り回していることからくる罪悪感とか、そういうものから来ているわけではなさそうだということも。
思えば、未だに自分は彼について知らないことが多すぎる。結局、彼の中高生時代については“バレーボールが苦手だった”くらいの話しか聞いていない。明らかに、本人が話題を避けていると感じるがゆえに。
「そ、その……」
なんとなく、気づいている。同じ高校だった連中が、暴力を用いてでもと光流を追い回す理由が、単なるお金の問題だけではないということに。なんせ、自分が護衛するようになってさえ、時々はそういった不逞の輩が目の前に現れることもあるのだ。それこそ、祥一郎が自販機でジュースを買っていた僅か数分にも満たない時間の間に、路地裏に引っ張り込まれそうになっていたなんて事件もあったほど。
別の町の連中ならば、祥一郎の“悪名”は知らなくてもおかしくはない。それでも、真っ赤な髪のいかにもごついヤンキー男というだけで、喧嘩を避けて通りたいと思うのが当たり前であるはずである。光流に手を出せば、一発殴ったのが百発になって返ってきそうな相手だというのは明白なはずだ。それでも無理やり既成事実を作りたがっているというのはつまり――向こうも、それなりの覚悟をしているということではないのか。
勿論、どんな理由があれ人の尊厳を貶めていい理由になどなるはずがないのだけれど。
「何ですか?」
いい加減、訊かなければいけない。そう思ったのに、肝心なところで声が詰って出てこなかった。不思議そうな様子の光流に、祥一郎は。
「そ、その。……迷惑だとは思ってねえ、けど。さっきのお金くらいは返すっつーか、いくらなんでも全額払ってもらうのは申し訳ないつーか、お前もお金そんなにあんのかっつーか……」
「ああ、なんだそんなことですか」
どうにか絞り出せたのは、まったく違う件についてだった。俺ってこんなにチキンだったっけ、と思わざるをえない。
光流と一緒にいると、己が時々ものすごく情けなくなるのを感じるのは、どうしてだろう。
「心配には及びません。ネット記事を書く仕事をしているので、両親からの仕送り以外にも収入は多少ありますから。これでも月五万くらいは稼いでますし、大学を卒業してもまだ内定貰えなかったらもうこれ仕事にしちゃおうかなーって思ってますしね。時間使って量を増やせば十万くらいはいけそうな仕事なんです」
「そう、なのか?」
「はい、だから気にしなくていいですよ」
「な、ならいいけど……」
まあ、お金のことはあまり心配しなくていいらしい、ということはわかった。大学に行くのに交通費も使ってないようだし、恐らく家賃や光熱費系が学費といっしょに学校が払ってくれているのだろう。親の仕送りこみなら不自由なく暮らせている、というのは多分間違ってはいまい。
――いや、心配だったのはそこもあったけど一番気になってたのはそこじゃねぇというのに俺って……俺ってえええ!
心の中で頭を抱える。昔の彼のことを知るのが怖いと思ってしまうのは何故だろう。
知ろうとしたことで嫌われてしまうのも、知ったことで今の関係が壊れるのも怖い。そう感じる。ああ、そこまでわかっている。
そう思うなら、自分は。
「そういえば、料理得意なんですっけ、君は」
光流は不意打ちのように、トンデモ発言をした。
「君に予定がなかったら、今日僕の家に来てくれませんか?材料は提供しますから、ごはん作ってくれると嬉しいなって。僕は簡単なものしかできないものえすから」
「ふひっ!?」
「駄目、ですか?」
その上目使いは反則だ。こいつ、本当は全部分かってやってるんじゃないか、と祥一郎は冷や汗だらだらになってしまう。眼鏡の奥の潤んだ瞳が妙に扇情的に見えてしまう。こいつ何でこんなに可愛いの、ていうか相変わらず肌綺麗だし、唇も綺麗なピンクで――と一体何を考えているのか自分は!
心臓と、あらぬところが脈打ちそうになって思わず祥一郎はぶんぶんと首を振った。
「りょ、料理は得意だけどそのうちな!きょ、今日は予定があるから!」
「……そうですか、残念です」
わかりやすく光流が肩を落としてきたので、祥一郎は凄まじい罪悪感に襲われることになる。そもそも一度彼の家には上り込んでいるわけだし、今更遠慮も何もないのではと思わなくもない。自分が作る簡単な料理でも、彼が喜んでくれるのならいつか提供したいという気持ちもある。あるにはある。でも。
――駄目だ……今日のこのテンションは駄目だ。なんかものすごく、駄目な気がする!
なんだか、理性にストップがかからなくなるような、暴走して獣になってしまいそうな凄く嫌な予感がしているのだ。そういうこと、にトラウマがありそうな光流に無体なことなどしたくない。というか、そうでなくてもまだ自分はちゃんと光流のことが好きかどうかもわかっていないのだ。相手の好意に甘えて、なし崩しに、なんてことあってはいけないのである。
ひょっとしたら、彼のこの誘いがめいっぱいのアピールだったかもしれない、としてもだ。
「ま、また明日な、じゃ、じゃあ!」
「ええ、また明日」
オートロックの自動ドアを開けて、エレベーターホールに向かって歩いていく少年の姿。その背中がホールに消えたところで、祥一郎は深々とため息をつく。
本当に、光流と出逢ってからペースが崩されっぱなしである。まさか本当にこれが恋心、というやつなのだろうか。もし、そうであるのだとしたら。
――ものすごく、めんどくせえ……なんで世の人間どもはこんなもん……くっそ。
人の心とは、何でこう複雑怪奇なのだろう。探っても探っても、正解が見える気配がないのだから。
にも関わらず、二人合わせて取れたのは小さな赤いキリンのぬいぐるみがふたつだけ。むしろ、二個取れただけでも儲けものと言わざるをえない。
「お前……クレーンゲームに三千円っていいのか。お前だってそんな金あるわけじゃないだろ大学生。ていうか、俺が一個取ったところで諦めときゃよかったのに」
「嫌ですよ、二個欲しかったんです」
「いやだから、なんで」
「だって君が、赤いキリンがいいって言ったんじゃないですか」
彼のマンション前にて。ぷくーっと、頬を膨らませて、光流は告げた。
「二個ないと、一個ずつ持ってられないでしょ……お揃いで」
お前、そういうこと気にするのか。
ていうか、そこですねるとかちょっと可愛すぎるんですけども?
「お、オマエな……あ、赤いキリン好きなら、そう言えって」
「そうじゃないです!もう、わかってるくせにはぐらかさないでくださいよ!」
「い、いやだって、その」
これ完全にあかんやつ、と思った。自分とお揃いがいいって。それを持っていたいって。だからお金かかってでもクレーンゲームに没頭したって、それ。
――マジで、恋人同士みたい、じゃん?
彼は自分のことが好きだと言った。嘘をつく理由もないし、態度からしても本当なのだろう。しかし、祥一郎の方がそれをOKして付き合うことになったのかといえば、微妙と言わざるをえない。これからも護衛を続けてやるとは言ったが、何も自分も彼のことが好きだとはっきり言ったわけではないからだ。
実際、祥一郎の方はまだ自分の本当の気持ちなどまったくわかっていなくて困惑している状態である。彼のことが好きなのか、友達として親しく感じているだけなのか。確かに、友達と言うには少し距離が近い気がしないでもないが、それこそ疑似兄弟じみていると言われてみればそれっぽいような気もしないではなく。
そもそも本当に相手が好きかどうかもわかっていないのに、付き合っているなんて言い方をしてもいいのかどうか。はっきり言って、こっちはまったく答えが出ていないのである。なんせ、あんな純粋でマジな告白など、人生で一度もされたことがなかったのだから。
――俺、こいつのこと好きなのか?どうなんだ?
何度自問自答してもわからない。初めてなことが、あまりにも多すぎるがゆえに。
きっとそれは、光流の方もよくわかっているのだろう。だから、無理に明確な答えを求めるようなことをしてこないのだ。本当は、彼だって祥一郎の答えが知りたがっているはずだというのに。
――どうしよう、わからねえ。
嫌いじゃないし、一緒にいると時間を忘れるとは思っている。でも、それがどういう意味を持つのか、己にはまったくわからないのだ。
友情と愛情の境目はどこにあるのだろう。残念ながら地面に退かれたボーダーラインのように、明確な線匹がなされているわけではない。ましてや祥一郎の心は祥一郎しかわからないのに、一体他の誰が線を引く権利を持っているというのだろう。
「……お金なんか、多少かかったっていいんですよ」
熱くなった頬を誤魔化すように視線を彷徨わせている祥一郎に、光流は何を思ったのかぼそりと呟いた。
「僕は、一緒にゲームできて楽しかったです……時間を忘れるくらいに。祥一郎君は、どうですか?」
「……そりゃ、楽しかったけど」
「それなら良かったです。ああ、でも」
こちらを見上げて、彼はちょっとだけ寂しそうに言った。
「自分が我儘を言っている自覚はありますから。……もし本当に迷惑だと思ったら、その時はちゃんと言ってくださいね。僕は君が好きんなんです。その好きな人を、僕のせいで不幸にしたくはないので」
不幸、なんて。なんとも悲しい言葉を使うものだと思ってしまった。なんとなくそれは、振り回していることからくる罪悪感とか、そういうものから来ているわけではなさそうだということも。
思えば、未だに自分は彼について知らないことが多すぎる。結局、彼の中高生時代については“バレーボールが苦手だった”くらいの話しか聞いていない。明らかに、本人が話題を避けていると感じるがゆえに。
「そ、その……」
なんとなく、気づいている。同じ高校だった連中が、暴力を用いてでもと光流を追い回す理由が、単なるお金の問題だけではないということに。なんせ、自分が護衛するようになってさえ、時々はそういった不逞の輩が目の前に現れることもあるのだ。それこそ、祥一郎が自販機でジュースを買っていた僅か数分にも満たない時間の間に、路地裏に引っ張り込まれそうになっていたなんて事件もあったほど。
別の町の連中ならば、祥一郎の“悪名”は知らなくてもおかしくはない。それでも、真っ赤な髪のいかにもごついヤンキー男というだけで、喧嘩を避けて通りたいと思うのが当たり前であるはずである。光流に手を出せば、一発殴ったのが百発になって返ってきそうな相手だというのは明白なはずだ。それでも無理やり既成事実を作りたがっているというのはつまり――向こうも、それなりの覚悟をしているということではないのか。
勿論、どんな理由があれ人の尊厳を貶めていい理由になどなるはずがないのだけれど。
「何ですか?」
いい加減、訊かなければいけない。そう思ったのに、肝心なところで声が詰って出てこなかった。不思議そうな様子の光流に、祥一郎は。
「そ、その。……迷惑だとは思ってねえ、けど。さっきのお金くらいは返すっつーか、いくらなんでも全額払ってもらうのは申し訳ないつーか、お前もお金そんなにあんのかっつーか……」
「ああ、なんだそんなことですか」
どうにか絞り出せたのは、まったく違う件についてだった。俺ってこんなにチキンだったっけ、と思わざるをえない。
光流と一緒にいると、己が時々ものすごく情けなくなるのを感じるのは、どうしてだろう。
「心配には及びません。ネット記事を書く仕事をしているので、両親からの仕送り以外にも収入は多少ありますから。これでも月五万くらいは稼いでますし、大学を卒業してもまだ内定貰えなかったらもうこれ仕事にしちゃおうかなーって思ってますしね。時間使って量を増やせば十万くらいはいけそうな仕事なんです」
「そう、なのか?」
「はい、だから気にしなくていいですよ」
「な、ならいいけど……」
まあ、お金のことはあまり心配しなくていいらしい、ということはわかった。大学に行くのに交通費も使ってないようだし、恐らく家賃や光熱費系が学費といっしょに学校が払ってくれているのだろう。親の仕送りこみなら不自由なく暮らせている、というのは多分間違ってはいまい。
――いや、心配だったのはそこもあったけど一番気になってたのはそこじゃねぇというのに俺って……俺ってえええ!
心の中で頭を抱える。昔の彼のことを知るのが怖いと思ってしまうのは何故だろう。
知ろうとしたことで嫌われてしまうのも、知ったことで今の関係が壊れるのも怖い。そう感じる。ああ、そこまでわかっている。
そう思うなら、自分は。
「そういえば、料理得意なんですっけ、君は」
光流は不意打ちのように、トンデモ発言をした。
「君に予定がなかったら、今日僕の家に来てくれませんか?材料は提供しますから、ごはん作ってくれると嬉しいなって。僕は簡単なものしかできないものえすから」
「ふひっ!?」
「駄目、ですか?」
その上目使いは反則だ。こいつ、本当は全部分かってやってるんじゃないか、と祥一郎は冷や汗だらだらになってしまう。眼鏡の奥の潤んだ瞳が妙に扇情的に見えてしまう。こいつ何でこんなに可愛いの、ていうか相変わらず肌綺麗だし、唇も綺麗なピンクで――と一体何を考えているのか自分は!
心臓と、あらぬところが脈打ちそうになって思わず祥一郎はぶんぶんと首を振った。
「りょ、料理は得意だけどそのうちな!きょ、今日は予定があるから!」
「……そうですか、残念です」
わかりやすく光流が肩を落としてきたので、祥一郎は凄まじい罪悪感に襲われることになる。そもそも一度彼の家には上り込んでいるわけだし、今更遠慮も何もないのではと思わなくもない。自分が作る簡単な料理でも、彼が喜んでくれるのならいつか提供したいという気持ちもある。あるにはある。でも。
――駄目だ……今日のこのテンションは駄目だ。なんかものすごく、駄目な気がする!
なんだか、理性にストップがかからなくなるような、暴走して獣になってしまいそうな凄く嫌な予感がしているのだ。そういうこと、にトラウマがありそうな光流に無体なことなどしたくない。というか、そうでなくてもまだ自分はちゃんと光流のことが好きかどうかもわかっていないのだ。相手の好意に甘えて、なし崩しに、なんてことあってはいけないのである。
ひょっとしたら、彼のこの誘いがめいっぱいのアピールだったかもしれない、としてもだ。
「ま、また明日な、じゃ、じゃあ!」
「ええ、また明日」
オートロックの自動ドアを開けて、エレベーターホールに向かって歩いていく少年の姿。その背中がホールに消えたところで、祥一郎は深々とため息をつく。
本当に、光流と出逢ってからペースが崩されっぱなしである。まさか本当にこれが恋心、というやつなのだろうか。もし、そうであるのだとしたら。
――ものすごく、めんどくせえ……なんで世の人間どもはこんなもん……くっそ。
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