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<25・悪足掻きと呪詛>
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おいおい、と思ったのはカンナだけではないはずである。テレンスを除く全員が、あきれ果てた顔で彼を見ている。
「……対抗猫又さん、いても出なくていい。これは絶対猫炙りだから」
はっきりとそのテレンスに白い目を向けるヘンリエッタ。
「貴方は序盤から疑われている位置だった。昨日までは吊り先が決まっていたから、猫又COする必要はなかったと思う。そして、貴方がみんなに真占い濃厚と思われているダリルの白であったとしても、COしなくて問題なかったと思うけど。今日は違う。……貴方は自分が、今日吊られる筆頭の場所にいるという認識はなかったの?」
実に最もな意見だ。吊り指定が出て、昼時間ギリギリになってからCOするなんて。真猫であったとしたら、利敵以外の何者でもない。霊能も吊り先を再検討する時間が必要だし、他の人物のCOを聴く時間も必要なのだから。
「貴方が猫なら、今日の朝一でCOするのが妥当だった。それをしなかったのは、貴方が吊り逃れしたい人外だから。ギリギリにCOして指定変更が間に合わないようにしたい、同時に真猫を炙りだしたいのが透けてる。……キャサリンさん、指定はこのままでいい」
「ち、違う!俺は本当に猫又なんだ。動揺してCOが遅れたけど嘘じゃない。頼む、吊らないでくれ!道連れが出てもいいのか?」
「貴方で道連れは出ないと思っているし、仮に対抗猫が出てきても貴方の方を吊る。みんなそう思っていると思うけど」
物静かなキャラクター、そして幼女のような見た目に反して、ヘンリエッタは相当はっきりものを言うタイプであるようだ。
重要なことだけ、短く要件をまとめて口にするとでも言えばいいのかもしれない。
この様子だと敵ではなさそうに見えるが――もし敵に回ったら非常に厄介なタイプであったのかもしれなかった。
「偽占い師に黒を出されているザカライアは少し微妙だけど、それ以外の位置から猫が出てきたらまず貴方の方が信用が低い。吊られることに不満があるなら、もっと自分の発言を慎重にするべきだった。……最初に染み付いた印象は、そうそう覆せるものではないのだから」
まったくである。彼は序盤でブレた意見を言ったのみならず、その後はほとんど自分の思考らしい思考を開示してこなかった。疑われても仕方ない、ということに何故気づかないのか。
「違うって言ってるだろ!きちんと発言できなかったのは確かだけど、それでも俺は猫又なんだ!」
「君が猫又だとしたら、利敵以外の何物でもないがな」
「キャサリン!」
「霊能者として、指定変更はしない。対抗猫は出なくていい。今日は君を吊る。一応聴くだけ遺言だけは聴いてやる。言ってみろ」
「ぐっ……」
もし。テレンスが本当に猫又で、今日吊ってその呪いが村人に飛んでしまったら村の負けだ。それはわかる。プレイングとして安定進行を望むであれば、彼は最終日の吊りに回した方がいいのだろう。
だが、それとは別に彼の言動では終盤に残したくない、と思っている者が多い。真猫の動き方であったとは思えない、というのも。
ここで猫又炙りをして対抗猫が出ないにも関わらず吊りを強行するというのは、狼を相手に大きなプレッシャーを与えることだろう。攻めた指定もできる村役、と思われればそれだけで人外には驚異に思われるはずだ。
「……絶対に後悔するぞ」
呪詛のような言葉を吐いて、テレンスは告げた。
「ヘンリエッタの物言い、どう考えても猫を今日吊りたいらしい。こんなの村の発言じゃない、こいつが人外濃厚だ。時点でザカライア。こいつは最初から俺を目の敵にしている、ヘンリエッタじゃないならこっちが人外だろ!くそったれ!」
『時間となりまシタ。皆様、投票をお願いしマス!』
<投票結果>
1のウォーレン(0)→4のテレンス
4のテレンス(6)→5のヘンリエッタ
5のヘンリエッタ(1)→4のテレンス
6のジェフ(0)→4のテレンス
8のザカライア(0)→4のテレンス
10のキャサリン(0)→4のテレンス
11のカロリーヌ(0)→4のテレンス
『投票が終わりまシタ。4のテレンスさんが吊られマス。テレンスさんは、ゲーム終了まで霊界という名の隣室で待機となりますので、お待ちくだサイ』
やはり、道連れは出ない。
テレンス吊りで間違いなかったようだ。テレンスは狼だろう。明日霊能のキャサリンが噛まれているかもしれないが、噛まれていたところでもうテレンスは狼で決めうっていい。そもそも狂人は霊能結果からしていないことがほぼ確定しているのだから。
――あれが狩人でもアウトだよね……ここまで疑われていてグレーが狭くなってるんだから、狩人でもさっさとCOしていいはずだし。むしろ狩人なら猫又限定のCOなんて論外だし。
今日何処が噛まれるか、で今後の考え方が大きく変わってくる。
狩人が生きているかどうかははっきりしていないが、ミラがもし本当に狩人ならば霊能を噛みに行くことも可能になっているだろう。現在、狼はLWであるはず。狂人もいない。猫又を踏んだら一発で終わりだ。狼が一番避けなければいけないことは、猫又を踏んでLWが吹き飛んで終わるという間抜け極まりないエンディングであるはずなのだから。
つまり狩人がいないという自信があれば、“絶対に猫又だけはありえない”霊能者を噛みに行くのはアリなのである。
――そして、テレンスが猫又を炙ったということは。狼の視点では、猫又が誰なのかまだ自信が持てる状態ではなかったということ……。
確実に猫を避けるために猫炙りをしたが、失敗した狼。LWは相当焦っているはずだ。
ただ気になるのは、仲間が残っているはずだというのに、村の中にテレンスを庇おうとする者がひとりもいなかったことである。揃いも揃って、テレンス吊りに積極的だった。どうやら仲間を見捨ててでも、ライン切りを徹底したかったということらしい。
――では、その最後の狼って誰?……味方を切っても、一匹で戦える位置……。
うぐぐ、とカンナは頭を抱える。その理屈で言うと、残る村のメンバー殆どが当てはまってしまうのが問題である。特に強弁と言えるのはヘンリエッタ、ザカライアのあたりだが、ウォーレンも自分の意見ははっきり持っているようだ。この三人の誰が狼で誰が猫又でもおかしくはない、とは思っている。
ただし、グレーの状況として見るとこの三人はそれぞれ異なる位置に置かれている。
ヘンリエッタは、偽占い師に白をもらい。
ザカライアは偽占い師に黒をもらい。
そしてウォーレンは、誰にも占われずにグレーに残された。
――そして、唯一発言が弱いのが、ジェフ。……自分が疑っている人物を、はっきり言わなかった。それが狼として潜伏しているからなのか、それとも別の理由なのか……。
とにかく、明日を待つしかない。カンナはタブレットのメモに自分の意見をまとめながら、朝を待つことにした。
恐らく明日か明後日で、ゲームは決着するはずである。
『五日目の朝になりまシタ。……ヘンリエッタさんは、無残な遺体で発見されまシタ。皆様、本日の議論を始めてくだサイ』
昼時間がやってきた。
議論の部屋に飛ばされると同時にアナウンスされた内容、欠けた座席。
――噛まれたのは、ヘンリエッタ……!
昨日、人外であるテレンスが一番疑っていると言い、そして投票した位置だ。やはり、あれは噛み先指示だったということか。
確かに、今ヘンリエッタの発言を見返してみれば、彼女の非猫は透けていたように思う。
『……対抗猫又さん、いても出なくていい。これは絶対猫炙りだから』
今日霊能を噛んでも問題はなかっただろうが、念には念を入れてもうひとり狩人候補を噛むことにしたというわけらしい。そもそも道連れが出なかった時点で、テレンス狼は誰の目から見ても明らかなのである。猫避けさえできるのなら、霊能を無理に噛みに行く必要もない。そういう意味では実に堅実な噛みだ。
――狼は、冷静な奴らしいな。
ヘンリエッタは、恐らくただの村人だろう。正直彼女が生き残ってくれていたなら、かなり頼もしかったに違いないが。噛まれてしまった以上は、どうにもならない。生きていた時の彼女の発言も参考にしながら、推理を進めるしかあるまい。
これで、カンナ視点で残る狼候補は三人。1のウォーレン、6のジェフ、8のザカライア。――霊能噛みが来なくても不自然な場面ではないのだから、キャサリンが生き残っているのもそこまでおかしなことではない。今日の他の者達の言動次第だが、キャサリン狼はほぼ切ることにしようと思う。
「霊能結果、テレンスは黒だ。まあ言うまでもなくみんなわかっているだろうがな。これで私の仕事は終了、LW確定というわけだ」
キャサリンが告げる。さすがに、ここでおかしな霊能結果が出るということはない。
――とすればまず、私が皆に言うべきことは……!
「……おはようございます。これで、全員揃ってグレー。グレーを詰めて、2吊りの中で狼を消すしかないわけです。猫又及び狩人はもう出ていい場面かと。COお願いします。ちなみに、私はただの村人です。役職を持ってません」
カンナは顔を上げて、はっきりと発言する。
自分がするべきことは、一つ。冷静に、落ち着いて――敵を追い詰めることである。
「……対抗猫又さん、いても出なくていい。これは絶対猫炙りだから」
はっきりとそのテレンスに白い目を向けるヘンリエッタ。
「貴方は序盤から疑われている位置だった。昨日までは吊り先が決まっていたから、猫又COする必要はなかったと思う。そして、貴方がみんなに真占い濃厚と思われているダリルの白であったとしても、COしなくて問題なかったと思うけど。今日は違う。……貴方は自分が、今日吊られる筆頭の場所にいるという認識はなかったの?」
実に最もな意見だ。吊り指定が出て、昼時間ギリギリになってからCOするなんて。真猫であったとしたら、利敵以外の何者でもない。霊能も吊り先を再検討する時間が必要だし、他の人物のCOを聴く時間も必要なのだから。
「貴方が猫なら、今日の朝一でCOするのが妥当だった。それをしなかったのは、貴方が吊り逃れしたい人外だから。ギリギリにCOして指定変更が間に合わないようにしたい、同時に真猫を炙りだしたいのが透けてる。……キャサリンさん、指定はこのままでいい」
「ち、違う!俺は本当に猫又なんだ。動揺してCOが遅れたけど嘘じゃない。頼む、吊らないでくれ!道連れが出てもいいのか?」
「貴方で道連れは出ないと思っているし、仮に対抗猫が出てきても貴方の方を吊る。みんなそう思っていると思うけど」
物静かなキャラクター、そして幼女のような見た目に反して、ヘンリエッタは相当はっきりものを言うタイプであるようだ。
重要なことだけ、短く要件をまとめて口にするとでも言えばいいのかもしれない。
この様子だと敵ではなさそうに見えるが――もし敵に回ったら非常に厄介なタイプであったのかもしれなかった。
「偽占い師に黒を出されているザカライアは少し微妙だけど、それ以外の位置から猫が出てきたらまず貴方の方が信用が低い。吊られることに不満があるなら、もっと自分の発言を慎重にするべきだった。……最初に染み付いた印象は、そうそう覆せるものではないのだから」
まったくである。彼は序盤でブレた意見を言ったのみならず、その後はほとんど自分の思考らしい思考を開示してこなかった。疑われても仕方ない、ということに何故気づかないのか。
「違うって言ってるだろ!きちんと発言できなかったのは確かだけど、それでも俺は猫又なんだ!」
「君が猫又だとしたら、利敵以外の何物でもないがな」
「キャサリン!」
「霊能者として、指定変更はしない。対抗猫は出なくていい。今日は君を吊る。一応聴くだけ遺言だけは聴いてやる。言ってみろ」
「ぐっ……」
もし。テレンスが本当に猫又で、今日吊ってその呪いが村人に飛んでしまったら村の負けだ。それはわかる。プレイングとして安定進行を望むであれば、彼は最終日の吊りに回した方がいいのだろう。
だが、それとは別に彼の言動では終盤に残したくない、と思っている者が多い。真猫の動き方であったとは思えない、というのも。
ここで猫又炙りをして対抗猫が出ないにも関わらず吊りを強行するというのは、狼を相手に大きなプレッシャーを与えることだろう。攻めた指定もできる村役、と思われればそれだけで人外には驚異に思われるはずだ。
「……絶対に後悔するぞ」
呪詛のような言葉を吐いて、テレンスは告げた。
「ヘンリエッタの物言い、どう考えても猫を今日吊りたいらしい。こんなの村の発言じゃない、こいつが人外濃厚だ。時点でザカライア。こいつは最初から俺を目の敵にしている、ヘンリエッタじゃないならこっちが人外だろ!くそったれ!」
『時間となりまシタ。皆様、投票をお願いしマス!』
<投票結果>
1のウォーレン(0)→4のテレンス
4のテレンス(6)→5のヘンリエッタ
5のヘンリエッタ(1)→4のテレンス
6のジェフ(0)→4のテレンス
8のザカライア(0)→4のテレンス
10のキャサリン(0)→4のテレンス
11のカロリーヌ(0)→4のテレンス
『投票が終わりまシタ。4のテレンスさんが吊られマス。テレンスさんは、ゲーム終了まで霊界という名の隣室で待機となりますので、お待ちくだサイ』
やはり、道連れは出ない。
テレンス吊りで間違いなかったようだ。テレンスは狼だろう。明日霊能のキャサリンが噛まれているかもしれないが、噛まれていたところでもうテレンスは狼で決めうっていい。そもそも狂人は霊能結果からしていないことがほぼ確定しているのだから。
――あれが狩人でもアウトだよね……ここまで疑われていてグレーが狭くなってるんだから、狩人でもさっさとCOしていいはずだし。むしろ狩人なら猫又限定のCOなんて論外だし。
今日何処が噛まれるか、で今後の考え方が大きく変わってくる。
狩人が生きているかどうかははっきりしていないが、ミラがもし本当に狩人ならば霊能を噛みに行くことも可能になっているだろう。現在、狼はLWであるはず。狂人もいない。猫又を踏んだら一発で終わりだ。狼が一番避けなければいけないことは、猫又を踏んでLWが吹き飛んで終わるという間抜け極まりないエンディングであるはずなのだから。
つまり狩人がいないという自信があれば、“絶対に猫又だけはありえない”霊能者を噛みに行くのはアリなのである。
――そして、テレンスが猫又を炙ったということは。狼の視点では、猫又が誰なのかまだ自信が持てる状態ではなかったということ……。
確実に猫を避けるために猫炙りをしたが、失敗した狼。LWは相当焦っているはずだ。
ただ気になるのは、仲間が残っているはずだというのに、村の中にテレンスを庇おうとする者がひとりもいなかったことである。揃いも揃って、テレンス吊りに積極的だった。どうやら仲間を見捨ててでも、ライン切りを徹底したかったということらしい。
――では、その最後の狼って誰?……味方を切っても、一匹で戦える位置……。
うぐぐ、とカンナは頭を抱える。その理屈で言うと、残る村のメンバー殆どが当てはまってしまうのが問題である。特に強弁と言えるのはヘンリエッタ、ザカライアのあたりだが、ウォーレンも自分の意見ははっきり持っているようだ。この三人の誰が狼で誰が猫又でもおかしくはない、とは思っている。
ただし、グレーの状況として見るとこの三人はそれぞれ異なる位置に置かれている。
ヘンリエッタは、偽占い師に白をもらい。
ザカライアは偽占い師に黒をもらい。
そしてウォーレンは、誰にも占われずにグレーに残された。
――そして、唯一発言が弱いのが、ジェフ。……自分が疑っている人物を、はっきり言わなかった。それが狼として潜伏しているからなのか、それとも別の理由なのか……。
とにかく、明日を待つしかない。カンナはタブレットのメモに自分の意見をまとめながら、朝を待つことにした。
恐らく明日か明後日で、ゲームは決着するはずである。
『五日目の朝になりまシタ。……ヘンリエッタさんは、無残な遺体で発見されまシタ。皆様、本日の議論を始めてくだサイ』
昼時間がやってきた。
議論の部屋に飛ばされると同時にアナウンスされた内容、欠けた座席。
――噛まれたのは、ヘンリエッタ……!
昨日、人外であるテレンスが一番疑っていると言い、そして投票した位置だ。やはり、あれは噛み先指示だったということか。
確かに、今ヘンリエッタの発言を見返してみれば、彼女の非猫は透けていたように思う。
『……対抗猫又さん、いても出なくていい。これは絶対猫炙りだから』
今日霊能を噛んでも問題はなかっただろうが、念には念を入れてもうひとり狩人候補を噛むことにしたというわけらしい。そもそも道連れが出なかった時点で、テレンス狼は誰の目から見ても明らかなのである。猫避けさえできるのなら、霊能を無理に噛みに行く必要もない。そういう意味では実に堅実な噛みだ。
――狼は、冷静な奴らしいな。
ヘンリエッタは、恐らくただの村人だろう。正直彼女が生き残ってくれていたなら、かなり頼もしかったに違いないが。噛まれてしまった以上は、どうにもならない。生きていた時の彼女の発言も参考にしながら、推理を進めるしかあるまい。
これで、カンナ視点で残る狼候補は三人。1のウォーレン、6のジェフ、8のザカライア。――霊能噛みが来なくても不自然な場面ではないのだから、キャサリンが生き残っているのもそこまでおかしなことではない。今日の他の者達の言動次第だが、キャサリン狼はほぼ切ることにしようと思う。
「霊能結果、テレンスは黒だ。まあ言うまでもなくみんなわかっているだろうがな。これで私の仕事は終了、LW確定というわけだ」
キャサリンが告げる。さすがに、ここでおかしな霊能結果が出るということはない。
――とすればまず、私が皆に言うべきことは……!
「……おはようございます。これで、全員揃ってグレー。グレーを詰めて、2吊りの中で狼を消すしかないわけです。猫又及び狩人はもう出ていい場面かと。COお願いします。ちなみに、私はただの村人です。役職を持ってません」
カンナは顔を上げて、はっきりと発言する。
自分がするべきことは、一つ。冷静に、落ち着いて――敵を追い詰めることである。
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