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<21・吊り先と思考開示>
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さてさて、とカンナはちらり、とある人物を見る。
二日目昼の残り時間も少なくなってきた中、殆ど何も喋っていない人物が数名。特に気になるのは。
「ジェフは、何か言うことはないの?」
6のジェフ。ゲーム開始前に、まさかの居眠りをしていた呑気な青年である。今日吊られる位置ではないとはいえ、グレーの人間が黙ったままというのはあまり感心できることではない。
「あーうん、そうだねえ。俺に振る?」
彼はどこか眠そうな顔で、うーん、と唸って見せた。
「そうだなあ。俺も占いローラーでいいかなあとは思うよ。黒は二つ出ているけれど、カロリーヌの言葉は尤なものだ。情報量としてはザカライアを吊るより、エイダを吊った方が多いし。うんうん、そこからローラーしていくべきじゃないかなあ」
「なんだか、人の意見に便乗しているだけで、中身がない発言に見える。まあ、あまり発言できていない私が言うのもなんだけれど、私は白もらいで貴方はグレー。もう少し思考開示を頑張ったらどうなの?やる気がない態度ばかり取っていると、貴方を吊りたくなるのだけれど」
「おっと、相変わらず君は辛辣だねぇ」
そんなジェフに、冷たく言い放つクラリッサ。厳しい物言いだが、言いたいことは尤もではある。それを平気な顔でへらへら流すジェフも大物なのかどうなのか。
――ジェフ……この人も、女王様に願いを叶えてもらいたくて人狼に参加しているはず、だよね?なんだかやる気を感じられないんだけど、どういうことだろう。
占い師に三人出ているということは、一番確率の高い内訳は真狂狼だろう。勿論真狼狼、狂狼狼なんてものもないわけではないのだが――さすがに占い師三人出ていて占い欠けは追いたくないところである。まあ、狂狼狼ならそれはそれ、占いローラーでほとんどケリがつくという意味では悪くない選択であるけども。
まあ、要するに。狂人が潜伏している可能性は、今回の場合相当低いものと見ることができるのである。つまり、ジェフは村人、猫又、狩人、狼のいずれかであるということ。どの場合であっても、さほど吊られて安牌とは思えない。にもかかわらず、吊られても問題ないようなこの態度は一体どういうつもりなのか。
――まさか、地獄に堕ちるために参加してる……なんて人、いないよね?そういう人が味方にいると滅茶苦茶困るんだけど……。
残念ながら、自分達は赤の他人ばかり。ゲームマスターが止めないあたり、人狼ゲームとして大きなルール違反をしている人物(村人が騙りに出る、など)をしている者がいないということしかわからない。
「ふむ、そうだな。思考開示は大切だ」
ウォーレンが頷きながら告げた。
「私も、エイダから吊るというのに大賛成だ。それが最も安定進行だからな。ただし……3-1だからといって、霊能者乗っ取りがないとは言い切れない。今のところは真で見ておくが、あまりにも噛まれないようならば霊能者ケア吊りの視野に入れておくべきとは思っている。それと、本当に白であるかは別として、さきほどの発言で少しばかりヘンリエッタの印象は良くなったかな。多少強引とはいえ、具体的に誰かを殴りに行こうという姿勢は好感度が高い。ここは村人か村役職ではないかね」
「なんでよ、なんでどいつもこいつも、わたくしを吊ろうと言い出すんですの。わたくし頑張ってグレーから黒を見つけましたのよ?そこを吊るのが筋ではありませんの?」
「君の気持ちもわかるが、割り切るべきだと思うがねえ。ここは、君が真でも吊られるべき場面だろう」
「ええ……」
エイダは不満そうに、ちらちらとザカライアを見ている。そっちを吊れよと言わんばかりの露骨な態度に、ザカライアも肩をすくめるしかないようだ。
「ちなみに」
ヘンリエッタがさらに口を開く。
「ザカライアは、何かCOする気はない?今日吊る気がないけど、貴方は黒が出ているのに随分大人しいと思っているのだけれど」
「おや、私に今日それを聴く意味がありますか?まあ、COなんかないのですけどね。なんだか村役職を気にするような発言ですね」
「別に、そういうわけではないけれど」
ザカライアの切り返しに、少女は少しむっとした顔になる。ここにきて少しヘンリエッタの発言が伸びてきたのは、何か理由があるのだろうか。確かにザカライアが黒出しされたのに抵抗する様子がないのが少々不思議ではあったけれども。
「自分が今日吊られると思ったなら多少反応を示しますが、そうではありませんからね。エイダさんの悪あがきに過剰に反応してやる必要もありません。私が善良な村人であることは、のちのち発言で証明していけばいいのですから」
相変わらず謎の自信だ。そろそろ時間だな、とキャサリンがタブレットに目を落として告げた。
「皆の意見の通りだ。今日は占い師、エイダを吊る。エイダ、何か遺言は?」
「遺言も何も、わたくし吊りは納得いきませんわよ!明日以降は確実にザカライアを吊ってくださいまし!」
「それは明日の展開次第だな」
ぷんぷんと頭から湯気を出すエイダは、なんだか少し子供じみていて可愛い気がする。少なくとも、ゲーム開始前の怒り方よりは大人しい。不思議なことだ、今の方が今後の運命を左右するゲームの本番中であるというのに。
あるいは、彼女は最初から自分が吊られることを想定していたのだろうか。こういう場合、下手に足掻くと周囲の不審を招く。過剰に吊り逃れする=人外ではないかと村が疑惑を持ちやすくなるからだ。とすると、これはもしかして彼女なりの狂人アピールだったりするのだろうか。
もし彼女が本当に狂人だったりしたら、明日の霊能結果では白が出る。霊能者は確実に生き残ってくれていないといけないし、当然エイダに黒を出していたダリルも確実に吊る必要があるだろう。
まあ、彼女が狂人か、あるいは狂人ブラフを撒いている狼か、それとも状況のせいで吊られてしまった真なのかは明日になれば多少なりに予想はつくだろうが。
「明日の霊能結果が、大事だ。霊能者を守らないとな」
うむ、と顎に手を当てて言うテレンス。なんだろう、潜伏狂人の確率は低いはずなのに、妙に潜伏狂人っぽい雰囲気の人が多くないではないだろうか、この村は。
「あのねえ、それわざと?狩人の護衛対象にここで触れるのはどうなの?印象が悪いわよ」
「まったくだ」
ミラの言葉に、ウォーレンが苦々しく頷く。なんだろう、テレンスの場合はうっかりなのか意図的なのか全くわからないのが判断に困るところだ。はっきりと狩人に護衛してほしいと言ったわけでもない。霊能結果が大事、というのも間違いではないのだから。
占いが真狼狼などの可能性もないわけではない。狂人んだとしたら、とんだ引っ掻き回しぶりであるが。
――最初の昼が、終わる。
二日目昼の段階だが、皆が比較的多く喋ってくれたおかげで情報が落ちたように思う。夜の時間の間に、考えをまとめておかなければなるまい。
『時間となりまシタ。皆様、投票をお願いしマス!』
スピーカーの音声と共に、全員がタブレットに指を載せた。
<投票結果>
1のウォーレン(0)→2のエイダ
2のエイダ(10)→8のザカライア
3のダリル(0)→2のエイダ
4のテレンス(0)→2のエイダ
5のヘンリエッタ(0)→2のエイダ
6のジェフ(0)→2のエイダ
7のクラリッサ(0)→2のエイダ
8のザカライア(1)→2のエイダ
9のミラ(0)→2のエイダ
10のキャサリン(0)→2のエイダ
11のカロリーヌ(0)→2のエイダ
さすがに、人外も今回の指定には逆らわなかったようだ。
『投票が終わりまシタ。2のエイダさんが吊られマス。エイダさんは、ゲーム終了まで霊界という名の隣室で待機となりますので、お待ちくだサイ』
どうやら、そういう仕組みであるらしい。さすがに吊られただけで負けたわけではない人間が、その時点でひどい目に遭うことはないだろうと思っていたが――少しだけ安心する。
再び浮き上がる体。夜時間がやってきたのだ。夜というのはあまりにも明るい個室で、カンナはふう、とひとつ息を吐いた。
――とりあえず、二日目昼の段階で結構状況が動いたな。夜の間に、誰が怪しいかどうか考えておかないと。
気になった者は、三人か。
まず、4のテレンス。彼は全体的に迂闊な発言が多い。ザカライア吊りを言い出したのは、よほど攻めた選択をするタイプか、あるいは安定進行が見えていないかのどちらかだろう。開始前に“しっぽつき”なんて言葉が出てくるあたり、ある程度人狼経験はあるはずなのだが。護衛ぶらしに見える言葉も、印象がよくない。
次に、6のジェフ。彼も人の意見に便乗する言葉しか言わない。ヘンリエッタの殴りにもさほど大きな反応や抵抗を示さなかった。まるで自分が吊られることも問題ないという態度。裏を返せば、極端に自分の印象を薄めようとしているようにも見える。潜伏狼や狩人、ということは逆にありえるのだろうか。
最後に、8のザカライア。黒を出されたというのに随分と余裕そうに見えたのは何故だろう。自らもエイダも人狼で、互いに人狼として身内切りをするのがわかっていたからだろうか?それとも3-1という状況で、自分が吊られる立場にないことがすぐにわかったからか?
――ザカライアは、恐らく猫又はないな。猫なら少しはCOするべきかどうか迷ってもよさそうだし。狩人は薄くあるか。黒を打たれてそのまま沈む狩人は有り得るから……。
それと、ミラもちょっと引っかかるところではある。ツッコミ損ねたが、彼女もあまり有用な発言をしていない。ミラの性格からメタで考えるなら、このゲームで自分の意見を積極的に開示しないのは少々違和感があるところである。口を挟みそこねたか、存在感を消したかったか。少々役持ち臭がするが、それが猫狩か狼なのかは判断しづらい。村人、の可能性もなくはないけれど。
――とにかく、明日の霊能結果と占い結果次第で詰めていくしかない。今夜は、誰が噛まれるんだろう?
そして、夜が明ける。
三日目昼。再び波乱のゲームは、動き出すことになる。
二日目昼の残り時間も少なくなってきた中、殆ど何も喋っていない人物が数名。特に気になるのは。
「ジェフは、何か言うことはないの?」
6のジェフ。ゲーム開始前に、まさかの居眠りをしていた呑気な青年である。今日吊られる位置ではないとはいえ、グレーの人間が黙ったままというのはあまり感心できることではない。
「あーうん、そうだねえ。俺に振る?」
彼はどこか眠そうな顔で、うーん、と唸って見せた。
「そうだなあ。俺も占いローラーでいいかなあとは思うよ。黒は二つ出ているけれど、カロリーヌの言葉は尤なものだ。情報量としてはザカライアを吊るより、エイダを吊った方が多いし。うんうん、そこからローラーしていくべきじゃないかなあ」
「なんだか、人の意見に便乗しているだけで、中身がない発言に見える。まあ、あまり発言できていない私が言うのもなんだけれど、私は白もらいで貴方はグレー。もう少し思考開示を頑張ったらどうなの?やる気がない態度ばかり取っていると、貴方を吊りたくなるのだけれど」
「おっと、相変わらず君は辛辣だねぇ」
そんなジェフに、冷たく言い放つクラリッサ。厳しい物言いだが、言いたいことは尤もではある。それを平気な顔でへらへら流すジェフも大物なのかどうなのか。
――ジェフ……この人も、女王様に願いを叶えてもらいたくて人狼に参加しているはず、だよね?なんだかやる気を感じられないんだけど、どういうことだろう。
占い師に三人出ているということは、一番確率の高い内訳は真狂狼だろう。勿論真狼狼、狂狼狼なんてものもないわけではないのだが――さすがに占い師三人出ていて占い欠けは追いたくないところである。まあ、狂狼狼ならそれはそれ、占いローラーでほとんどケリがつくという意味では悪くない選択であるけども。
まあ、要するに。狂人が潜伏している可能性は、今回の場合相当低いものと見ることができるのである。つまり、ジェフは村人、猫又、狩人、狼のいずれかであるということ。どの場合であっても、さほど吊られて安牌とは思えない。にもかかわらず、吊られても問題ないようなこの態度は一体どういうつもりなのか。
――まさか、地獄に堕ちるために参加してる……なんて人、いないよね?そういう人が味方にいると滅茶苦茶困るんだけど……。
残念ながら、自分達は赤の他人ばかり。ゲームマスターが止めないあたり、人狼ゲームとして大きなルール違反をしている人物(村人が騙りに出る、など)をしている者がいないということしかわからない。
「ふむ、そうだな。思考開示は大切だ」
ウォーレンが頷きながら告げた。
「私も、エイダから吊るというのに大賛成だ。それが最も安定進行だからな。ただし……3-1だからといって、霊能者乗っ取りがないとは言い切れない。今のところは真で見ておくが、あまりにも噛まれないようならば霊能者ケア吊りの視野に入れておくべきとは思っている。それと、本当に白であるかは別として、さきほどの発言で少しばかりヘンリエッタの印象は良くなったかな。多少強引とはいえ、具体的に誰かを殴りに行こうという姿勢は好感度が高い。ここは村人か村役職ではないかね」
「なんでよ、なんでどいつもこいつも、わたくしを吊ろうと言い出すんですの。わたくし頑張ってグレーから黒を見つけましたのよ?そこを吊るのが筋ではありませんの?」
「君の気持ちもわかるが、割り切るべきだと思うがねえ。ここは、君が真でも吊られるべき場面だろう」
「ええ……」
エイダは不満そうに、ちらちらとザカライアを見ている。そっちを吊れよと言わんばかりの露骨な態度に、ザカライアも肩をすくめるしかないようだ。
「ちなみに」
ヘンリエッタがさらに口を開く。
「ザカライアは、何かCOする気はない?今日吊る気がないけど、貴方は黒が出ているのに随分大人しいと思っているのだけれど」
「おや、私に今日それを聴く意味がありますか?まあ、COなんかないのですけどね。なんだか村役職を気にするような発言ですね」
「別に、そういうわけではないけれど」
ザカライアの切り返しに、少女は少しむっとした顔になる。ここにきて少しヘンリエッタの発言が伸びてきたのは、何か理由があるのだろうか。確かにザカライアが黒出しされたのに抵抗する様子がないのが少々不思議ではあったけれども。
「自分が今日吊られると思ったなら多少反応を示しますが、そうではありませんからね。エイダさんの悪あがきに過剰に反応してやる必要もありません。私が善良な村人であることは、のちのち発言で証明していけばいいのですから」
相変わらず謎の自信だ。そろそろ時間だな、とキャサリンがタブレットに目を落として告げた。
「皆の意見の通りだ。今日は占い師、エイダを吊る。エイダ、何か遺言は?」
「遺言も何も、わたくし吊りは納得いきませんわよ!明日以降は確実にザカライアを吊ってくださいまし!」
「それは明日の展開次第だな」
ぷんぷんと頭から湯気を出すエイダは、なんだか少し子供じみていて可愛い気がする。少なくとも、ゲーム開始前の怒り方よりは大人しい。不思議なことだ、今の方が今後の運命を左右するゲームの本番中であるというのに。
あるいは、彼女は最初から自分が吊られることを想定していたのだろうか。こういう場合、下手に足掻くと周囲の不審を招く。過剰に吊り逃れする=人外ではないかと村が疑惑を持ちやすくなるからだ。とすると、これはもしかして彼女なりの狂人アピールだったりするのだろうか。
もし彼女が本当に狂人だったりしたら、明日の霊能結果では白が出る。霊能者は確実に生き残ってくれていないといけないし、当然エイダに黒を出していたダリルも確実に吊る必要があるだろう。
まあ、彼女が狂人か、あるいは狂人ブラフを撒いている狼か、それとも状況のせいで吊られてしまった真なのかは明日になれば多少なりに予想はつくだろうが。
「明日の霊能結果が、大事だ。霊能者を守らないとな」
うむ、と顎に手を当てて言うテレンス。なんだろう、潜伏狂人の確率は低いはずなのに、妙に潜伏狂人っぽい雰囲気の人が多くないではないだろうか、この村は。
「あのねえ、それわざと?狩人の護衛対象にここで触れるのはどうなの?印象が悪いわよ」
「まったくだ」
ミラの言葉に、ウォーレンが苦々しく頷く。なんだろう、テレンスの場合はうっかりなのか意図的なのか全くわからないのが判断に困るところだ。はっきりと狩人に護衛してほしいと言ったわけでもない。霊能結果が大事、というのも間違いではないのだから。
占いが真狼狼などの可能性もないわけではない。狂人んだとしたら、とんだ引っ掻き回しぶりであるが。
――最初の昼が、終わる。
二日目昼の段階だが、皆が比較的多く喋ってくれたおかげで情報が落ちたように思う。夜の時間の間に、考えをまとめておかなければなるまい。
『時間となりまシタ。皆様、投票をお願いしマス!』
スピーカーの音声と共に、全員がタブレットに指を載せた。
<投票結果>
1のウォーレン(0)→2のエイダ
2のエイダ(10)→8のザカライア
3のダリル(0)→2のエイダ
4のテレンス(0)→2のエイダ
5のヘンリエッタ(0)→2のエイダ
6のジェフ(0)→2のエイダ
7のクラリッサ(0)→2のエイダ
8のザカライア(1)→2のエイダ
9のミラ(0)→2のエイダ
10のキャサリン(0)→2のエイダ
11のカロリーヌ(0)→2のエイダ
さすがに、人外も今回の指定には逆らわなかったようだ。
『投票が終わりまシタ。2のエイダさんが吊られマス。エイダさんは、ゲーム終了まで霊界という名の隣室で待機となりますので、お待ちくだサイ』
どうやら、そういう仕組みであるらしい。さすがに吊られただけで負けたわけではない人間が、その時点でひどい目に遭うことはないだろうと思っていたが――少しだけ安心する。
再び浮き上がる体。夜時間がやってきたのだ。夜というのはあまりにも明るい個室で、カンナはふう、とひとつ息を吐いた。
――とりあえず、二日目昼の段階で結構状況が動いたな。夜の間に、誰が怪しいかどうか考えておかないと。
気になった者は、三人か。
まず、4のテレンス。彼は全体的に迂闊な発言が多い。ザカライア吊りを言い出したのは、よほど攻めた選択をするタイプか、あるいは安定進行が見えていないかのどちらかだろう。開始前に“しっぽつき”なんて言葉が出てくるあたり、ある程度人狼経験はあるはずなのだが。護衛ぶらしに見える言葉も、印象がよくない。
次に、6のジェフ。彼も人の意見に便乗する言葉しか言わない。ヘンリエッタの殴りにもさほど大きな反応や抵抗を示さなかった。まるで自分が吊られることも問題ないという態度。裏を返せば、極端に自分の印象を薄めようとしているようにも見える。潜伏狼や狩人、ということは逆にありえるのだろうか。
最後に、8のザカライア。黒を出されたというのに随分と余裕そうに見えたのは何故だろう。自らもエイダも人狼で、互いに人狼として身内切りをするのがわかっていたからだろうか?それとも3-1という状況で、自分が吊られる立場にないことがすぐにわかったからか?
――ザカライアは、恐らく猫又はないな。猫なら少しはCOするべきかどうか迷ってもよさそうだし。狩人は薄くあるか。黒を打たれてそのまま沈む狩人は有り得るから……。
それと、ミラもちょっと引っかかるところではある。ツッコミ損ねたが、彼女もあまり有用な発言をしていない。ミラの性格からメタで考えるなら、このゲームで自分の意見を積極的に開示しないのは少々違和感があるところである。口を挟みそこねたか、存在感を消したかったか。少々役持ち臭がするが、それが猫狩か狼なのかは判断しづらい。村人、の可能性もなくはないけれど。
――とにかく、明日の霊能結果と占い結果次第で詰めていくしかない。今夜は、誰が噛まれるんだろう?
そして、夜が明ける。
三日目昼。再び波乱のゲームは、動き出すことになる。
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2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
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