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<第二十話・港の揺さぶり>
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本当に、此処は普通の空間ではないらしい。一見すると四階にそのまま向かえるように見えた階段は、何故か一直線に下へ下へと降りる一方だった。歩けば歩くほど屋上の光は届かなくなり、まるで暗雲立ち込めるように周辺が暗くなってくる。それなのに、前を歩く港の姿と、足元だけは見えない何かに照らされているようにうっすら光って見えるのだ。
――何処へ、向かう気なんだろう。
また、あの秘密の通路のように、果てしなく暗闇を歩かされることになるんだろうか。有純は少々不安に思えてくる。あの時はまだ、すぐ傍に夏騎がいるという安心感があったからマシだった。でも今は、夏騎は何処にいるかも全く想像がつかない状況である。
辛うじて一人ではないと言っても、目の前を歩く少年は明らかに生きた人間ではないし、そもそも自分達をなんの目的かもわからぬ理由で異空間に引きずり込んだ張本人だ。不安に思うな、という方が無理があるというものだろう。
――夏騎……夏騎。何処にいるんだ。無事なのか?怖い目に遭ってないか?
自分は弱い。そんでもって、最低だと有純はわかっていた。今夏騎を心配するフリをして、明らかに傍にいてくれない彼を責めそうになっている。本当は彼の身の心配よりも、自分を心配して欲しい気持ちでいっぱいになっている。
――離れてた時だってあったのに。どうして俺、夏騎が傍にいないだけでこんなに不安になってるんだ。ほんと、情けないったらないよ……。
有純が出来ないことは何でも出来た夏騎。だから、夏騎が出来ない――それこそ力仕事だとか、体力がいるようなことは自分が全部できるようになろうと、そう決めていたのに。
結局、こんなにも“足らない”と虚無感を感じているのは、いつだって自分の方だけなのだ。夏騎は力がなくても、体力がなくても、有純よりもずっと心が強い。考え続ける精神力と、正確な答えを出す判断力なら誰にも負けないだろう。そんな彼に、いつも自分は頼りきりで、足を引っ張ってばかりいたように思う。
それではダメだと知っているからこそ、男の子みたいな強い女の子になろうと決めたのに。夏騎が危ない時に駆け付けられるヒーローになりたかったのに。お姫様なんかよりずっと、その方が夏騎と対等にいられる存在だと、自分自身でわかっていたというのに。
出来ることは一つだけだった。最後の理性で、夏騎に助けてという言葉だけは叫ばない――それだけである。
――だって、俺がそれ言ったら、夏騎は無理にでもこっちに来ちゃうような気がするから。
それだけは、ダメなのだ。
それでもし、夏騎が怪我でもしようものなら自分は、間違いなく自分を一生許せなくなるとわかっているのだから。
「……ねえ」
「!」
唐突に、声をかけられてはっとする。港だった。彼は振り返ることもなく有純に言葉を投げてくる。
「有純さんにとってさ、夏騎君ってすっごく大切な存在なんだよね。どうしてそんなに好きなの?」
「ばっ……!?」
「さっき言ったこと忘れた?この空間では僕が王様なんだってば。君は僕が自分の意思で招待したんだよ?君の考えていることくらい、この距離でわからないはずないじゃないか」
そういえば、そんなことを言っていた気もする。ということは、夏騎のことを思ってひとりでモダモダしていたのも全部筒抜けだったということである。
――やややっやばばっばばっばばこれめっちゃは、は、恥ずかしいやつうううううううううううううううう!!
有純は真っ赤になり悶絶する。というか、どうしてもっと早く気づかなかったのか。自分の、それはもうしょうもないくらい溢れまくっている恋心など、ここに来てすぐ見抜かれていて当然だったはずではないか。
正直に言おう、精神的には轟沈寸前である。他の恥を知られるのも恐ろしいが、やはり何を抜きにしても恋心というやつを見破られるのは羞恥心を感じるものなのだ。小学生だし、断じてそれ以上のどうのこうの、というやましいことまで想像の翼を羽ばたかせているわけではないけども(というか、そこまで知っているわけでもないし)。
「えっと、そうやって恥ずかしがってるのも全部見えてるんだけど……大丈夫?」
「ダイジョウブニ、ミエマスカ……?」
「うん、大丈夫じゃなさそうだね……」
さすがに有純の有様が悲惨なのに気づいて、港は振り返りこちらに戻ってくる。とりあえずこれ以上恥を垂れ流さまいと思考を切り替えようと思っているわけだが、さっきから挑戦は全くうまく行っていない。
心というものをそう簡単に自分の意思でコントロールできるなら、誰も苦労などしないのだ。
「……好きで、悪いかよお……」
そして、沈没しながらどうにか絞り出したのが、その一言。
「夏騎は、本当にかっこいいんだ。言葉少ないけど肝心なところではっきりモノが言えるし、大人相手だって物怖じしねーし、暴力に頼らずものを解決できるし……俺なんかより、全然すっげーんだ……しかもイケメンなんだぞ。惚れるなってのが無理だろうがこんちくしょー……」
「なるほどねえ。でも」
そして、港はまるで想像もしなかった言葉を言ってくるのである。
「僕は、有純さんも十分かっこいいと思うけどなあ。……僕、前から有純さんのこと知ってたから、今回呼んだんだよ?女の子なのに勇敢で、かっこいいなあって」
「へ」
ぽかんとして、顔を上げる。目の前の少年は、眼鏡の奥からにこにこと視線を向けてくる。想像以上に顔が近くて、さっきとはまるで違う意味で顔から湯気が出そうになった。
そして気付く。写真ではよくわからなかったが、港もなかなかどうして整った顔立ちではないか、と。
夏騎よりも少し丸顔だが、それは太っているとかではなく童顔であるゆえだ。夏騎が怜悧な美少年ならば、目の前の彼は幼顔の可愛らしい少年といった方向か。大きな丸い目に白い肌、さらさらとした少し茶色がかった髪。年上の女性が“可愛い!”と黄色い声を上げそうなタイプであるのはまず間違いない。
「ねえ、有純さん」
そして、彼は。
「僕が君を呼んだのは。……僕が君のことを前から知っていて、こっそり好きだったから……って言ったら、信じる?」
今度は、声も出なかった。有純が完全に赤くなったまま固まっているのを見て、その返事を待つことなく――あはは!と彼は高く朗々とした笑い声を上げる。
「ふふふ、落ち着いた?」
「へ、へ……?」
「じゃあそろそろ先に行こうか?出口、もう少しだから頑張って。此処は少し長く作ってしまったんだよね。僕もちょっと失敗だったとは思ってる。不安な気持ちにさせてしまってごめんよ」
落ち着いたも何も、余計混乱しただけなのだが、とは言えなかった。にこにこと告げる彼のどこからどこまでが本気で嘘なのか、全く有純には想像がつきそうにない。ただ。ぐるぐると同じ言葉が頭を巡るばかりである。
なんといっても初めてなのだ――男の子に、好きだ、なんてことを言われたことなど。いつも男の子とは、同性のような気安さで付き合う対等の友人であることが大半だったのだ。そうでない相手は拳で黙らせたり、あるいは適度に距離をとったり。自分のような男女が、そんな風に男子に意識を向けられたことがあるなど全く予想の範囲外だったわけであるからして。
――じょ、冗談だよな?冗談なんだよな?ゆゆゆ幽霊が冗談なんてものを言うのかどうかなんてわかんねーけどっ……!
そしてふと、有純はある可能性に行き着く。この空間に自分の意思で招待した人間の思考は、ある程度読み取れるのだというようなことを、目の前の彼は告げた。ならば見えるのは有純の感情だけではないはず。
港には見えているのだろうか。同じくこの空間に彼の意思で招かれたはずの、夏騎の心も。
――じゃあ。夏騎が、俺のことどう考えてるのかも……港には、全部わかってるってこと、なのかな。
流石にそれを、この場で尋ねる勇気はなかった。彼が真実を語る保証はどこにもなかったし、なんとなくそれを他人の口から聞いてしまうのは卑怯でしかないような気がしたからである。
本当に気になるのなら、後で直接彼本人に尋ねるべきだろう。自分に、そんな勇気が出るのかどうかは全く別問題であるとしても。
――くっそ。こんな状況なのに、俺の頭はお花畑かよ……こんちくしょう。
もうすぐ出口、という港の言葉は本当であったらしい。暫く階段を降りると、目の前に四角い切り込みのような光が見えた。オレンジ色の光が、ドアの向こうから射し込んでいるのだ。ドアの向こうは夕焼けなのだろうか。普通に考えれば廊下なのだろうが、そもそもこの場所では辿り着く場所が屋内であるとも限らないわけで。
「まだ、君は知らない事実がある」
やがて港は、相変わらずの笑みでドアに手をかけるのだ。
「どうか僕に教えてくれよ。君たちが、一体どんな答えを見つけてくれるのかを」
――何処へ、向かう気なんだろう。
また、あの秘密の通路のように、果てしなく暗闇を歩かされることになるんだろうか。有純は少々不安に思えてくる。あの時はまだ、すぐ傍に夏騎がいるという安心感があったからマシだった。でも今は、夏騎は何処にいるかも全く想像がつかない状況である。
辛うじて一人ではないと言っても、目の前を歩く少年は明らかに生きた人間ではないし、そもそも自分達をなんの目的かもわからぬ理由で異空間に引きずり込んだ張本人だ。不安に思うな、という方が無理があるというものだろう。
――夏騎……夏騎。何処にいるんだ。無事なのか?怖い目に遭ってないか?
自分は弱い。そんでもって、最低だと有純はわかっていた。今夏騎を心配するフリをして、明らかに傍にいてくれない彼を責めそうになっている。本当は彼の身の心配よりも、自分を心配して欲しい気持ちでいっぱいになっている。
――離れてた時だってあったのに。どうして俺、夏騎が傍にいないだけでこんなに不安になってるんだ。ほんと、情けないったらないよ……。
有純が出来ないことは何でも出来た夏騎。だから、夏騎が出来ない――それこそ力仕事だとか、体力がいるようなことは自分が全部できるようになろうと、そう決めていたのに。
結局、こんなにも“足らない”と虚無感を感じているのは、いつだって自分の方だけなのだ。夏騎は力がなくても、体力がなくても、有純よりもずっと心が強い。考え続ける精神力と、正確な答えを出す判断力なら誰にも負けないだろう。そんな彼に、いつも自分は頼りきりで、足を引っ張ってばかりいたように思う。
それではダメだと知っているからこそ、男の子みたいな強い女の子になろうと決めたのに。夏騎が危ない時に駆け付けられるヒーローになりたかったのに。お姫様なんかよりずっと、その方が夏騎と対等にいられる存在だと、自分自身でわかっていたというのに。
出来ることは一つだけだった。最後の理性で、夏騎に助けてという言葉だけは叫ばない――それだけである。
――だって、俺がそれ言ったら、夏騎は無理にでもこっちに来ちゃうような気がするから。
それだけは、ダメなのだ。
それでもし、夏騎が怪我でもしようものなら自分は、間違いなく自分を一生許せなくなるとわかっているのだから。
「……ねえ」
「!」
唐突に、声をかけられてはっとする。港だった。彼は振り返ることもなく有純に言葉を投げてくる。
「有純さんにとってさ、夏騎君ってすっごく大切な存在なんだよね。どうしてそんなに好きなの?」
「ばっ……!?」
「さっき言ったこと忘れた?この空間では僕が王様なんだってば。君は僕が自分の意思で招待したんだよ?君の考えていることくらい、この距離でわからないはずないじゃないか」
そういえば、そんなことを言っていた気もする。ということは、夏騎のことを思ってひとりでモダモダしていたのも全部筒抜けだったということである。
――やややっやばばっばばっばばこれめっちゃは、は、恥ずかしいやつうううううううううううううううう!!
有純は真っ赤になり悶絶する。というか、どうしてもっと早く気づかなかったのか。自分の、それはもうしょうもないくらい溢れまくっている恋心など、ここに来てすぐ見抜かれていて当然だったはずではないか。
正直に言おう、精神的には轟沈寸前である。他の恥を知られるのも恐ろしいが、やはり何を抜きにしても恋心というやつを見破られるのは羞恥心を感じるものなのだ。小学生だし、断じてそれ以上のどうのこうの、というやましいことまで想像の翼を羽ばたかせているわけではないけども(というか、そこまで知っているわけでもないし)。
「えっと、そうやって恥ずかしがってるのも全部見えてるんだけど……大丈夫?」
「ダイジョウブニ、ミエマスカ……?」
「うん、大丈夫じゃなさそうだね……」
さすがに有純の有様が悲惨なのに気づいて、港は振り返りこちらに戻ってくる。とりあえずこれ以上恥を垂れ流さまいと思考を切り替えようと思っているわけだが、さっきから挑戦は全くうまく行っていない。
心というものをそう簡単に自分の意思でコントロールできるなら、誰も苦労などしないのだ。
「……好きで、悪いかよお……」
そして、沈没しながらどうにか絞り出したのが、その一言。
「夏騎は、本当にかっこいいんだ。言葉少ないけど肝心なところではっきりモノが言えるし、大人相手だって物怖じしねーし、暴力に頼らずものを解決できるし……俺なんかより、全然すっげーんだ……しかもイケメンなんだぞ。惚れるなってのが無理だろうがこんちくしょー……」
「なるほどねえ。でも」
そして、港はまるで想像もしなかった言葉を言ってくるのである。
「僕は、有純さんも十分かっこいいと思うけどなあ。……僕、前から有純さんのこと知ってたから、今回呼んだんだよ?女の子なのに勇敢で、かっこいいなあって」
「へ」
ぽかんとして、顔を上げる。目の前の少年は、眼鏡の奥からにこにこと視線を向けてくる。想像以上に顔が近くて、さっきとはまるで違う意味で顔から湯気が出そうになった。
そして気付く。写真ではよくわからなかったが、港もなかなかどうして整った顔立ちではないか、と。
夏騎よりも少し丸顔だが、それは太っているとかではなく童顔であるゆえだ。夏騎が怜悧な美少年ならば、目の前の彼は幼顔の可愛らしい少年といった方向か。大きな丸い目に白い肌、さらさらとした少し茶色がかった髪。年上の女性が“可愛い!”と黄色い声を上げそうなタイプであるのはまず間違いない。
「ねえ、有純さん」
そして、彼は。
「僕が君を呼んだのは。……僕が君のことを前から知っていて、こっそり好きだったから……って言ったら、信じる?」
今度は、声も出なかった。有純が完全に赤くなったまま固まっているのを見て、その返事を待つことなく――あはは!と彼は高く朗々とした笑い声を上げる。
「ふふふ、落ち着いた?」
「へ、へ……?」
「じゃあそろそろ先に行こうか?出口、もう少しだから頑張って。此処は少し長く作ってしまったんだよね。僕もちょっと失敗だったとは思ってる。不安な気持ちにさせてしまってごめんよ」
落ち着いたも何も、余計混乱しただけなのだが、とは言えなかった。にこにこと告げる彼のどこからどこまでが本気で嘘なのか、全く有純には想像がつきそうにない。ただ。ぐるぐると同じ言葉が頭を巡るばかりである。
なんといっても初めてなのだ――男の子に、好きだ、なんてことを言われたことなど。いつも男の子とは、同性のような気安さで付き合う対等の友人であることが大半だったのだ。そうでない相手は拳で黙らせたり、あるいは適度に距離をとったり。自分のような男女が、そんな風に男子に意識を向けられたことがあるなど全く予想の範囲外だったわけであるからして。
――じょ、冗談だよな?冗談なんだよな?ゆゆゆ幽霊が冗談なんてものを言うのかどうかなんてわかんねーけどっ……!
そしてふと、有純はある可能性に行き着く。この空間に自分の意思で招待した人間の思考は、ある程度読み取れるのだというようなことを、目の前の彼は告げた。ならば見えるのは有純の感情だけではないはず。
港には見えているのだろうか。同じくこの空間に彼の意思で招かれたはずの、夏騎の心も。
――じゃあ。夏騎が、俺のことどう考えてるのかも……港には、全部わかってるってこと、なのかな。
流石にそれを、この場で尋ねる勇気はなかった。彼が真実を語る保証はどこにもなかったし、なんとなくそれを他人の口から聞いてしまうのは卑怯でしかないような気がしたからである。
本当に気になるのなら、後で直接彼本人に尋ねるべきだろう。自分に、そんな勇気が出るのかどうかは全く別問題であるとしても。
――くっそ。こんな状況なのに、俺の頭はお花畑かよ……こんちくしょう。
もうすぐ出口、という港の言葉は本当であったらしい。暫く階段を降りると、目の前に四角い切り込みのような光が見えた。オレンジ色の光が、ドアの向こうから射し込んでいるのだ。ドアの向こうは夕焼けなのだろうか。普通に考えれば廊下なのだろうが、そもそもこの場所では辿り着く場所が屋内であるとも限らないわけで。
「まだ、君は知らない事実がある」
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