上 下
34 / 36

番外編:少し先の話 4R18

しおりを挟む
 臍の下の薄い皮膚を、指の先で円を描くように撫でられる。官能を呼び起こすような性的の意図の含まれた指使いに、ヴィンスの喉からは甘い声が零れてピクピクとのたうつように足の先が跳ね続ける。
 
「う、ぁ……っ」 
 
 痙攣しているようにルンペルの指が齎す一つ一つの刺激が、ヴィンスをのたうち回らせる。ベルトを外す金属音が聞こえ、期待感に思わず喉を鳴らしてヴィンスが見上げると、暗褐色の瞳がゆるりと細まった。
 
「ちょっと失礼するよ」
 
 太腿の内側を大きな掌で掴まれ、グイと力を込められ両足を大きく開かせる。静かに秘所へと視線を向けられると、雄を求めて蠢く秘所の動きが、強く意識させられた。
 
「うん、充分解れているようだね。これなら挿れても問題なさそうだ」
 
 完全に直立した雄を受け入れれば、どれ程の快楽を齎してくれるのだろうか。はしたない振舞いである事など、とうに頭からはとびぬけている。期待感に男根から目が離せないでいるヴィンスの様子に、ルンペルは小さく笑みを浮かべ、先端から先走りを垂らしている亀頭を秘所へと押し当てた。
 
「よく耐えたねヴィンス」
 
 褒め言葉と共に、雄がジワジワと埋め込まれる。待ち焦がれていた熱と質量に、肉筒が歓喜で打ち震える。息を乱してシーツを強く握るヴィンスの額を、ルンペルは静かに撫でると軽く腰を突いた。
 
「あっ……うぅ……!!」 
 
 腹の奥の部屋の入口が、待ち焦がれたように開いて閉じてを繰り返す。ジンジンと奥が痺れて、奥に招くように腰を揺らしているヴィンスに応えるよう、足を広げさせていた手を両腰へと移し、しっかりと掴んだ。
 
「っ、あ……は、うっ……」 
 
 ズブズブと奥に進むたび、をヴィンスは感じた。ルンペルの暗褐色の瞳が、妖しい光を帯びてこちらを見つめてくる。見られるだけでも達しそうな程に熱く、思わずヴィンスは声を上げて身を捩って、ルンペルの雄を招くように動き始めた。
 
「っ、あ――」
 
 衝き動かされるたび、自分の雄からひっきりなしに精液が飛び出しシーツと腹を汚した。白濁で汚れた腹を褐色の手が丹念な手つきで撫でると、ぬらぬらと精液が広がりテラテラと薄い胎を光らせる。
 
「ん……ふ、ぅっ……!!」
 
 腹を突き破られる様に何度も抉られながら、遠慮の無い手つきで精液だらけの腹を押される。内と外の両方で責められ、耐えられずにヴィンスは嬌声と共に背筋を大きく逸らした。
 
「っ、あ……」
 
 絶頂が終って鎮まったかと思えば、また次の絶頂が訪れる。ビクビクと何度も跳ね、ベッドを揺らしている。
 
「く……!」
 
 ルンペルの小さな呻き声と共にヴィンスの腹の中に生暖かな精液がじんわりと広がる感触が伝わると、己を内側から焦がしていた情欲の炎が少しだけ和らぐ。静かに呼吸を繰り返しているヴィンスの様子を確かめると、ルンペルは額に浮かんだ汗を拭って息を吐いた。
 
「は、ぁ……ぅ……」
 
 薄っぺらな胸を上下するヴィンスの声には、疲弊による睡魔の色が滲んでいる。それに気づいたルンペルは、彼に埋めていた雄を引き抜くと額に浮かんだ汗を指で拭った。
 
「発情期は一週間くらいはかかるからね、寝られるうちは、寝ておいた方が良い」 
 
「ん……」
 
 ルンペルの言葉に、ゆっくりとヴィンスは首を縦に振ると、薄緑色の瞳が瞼が覆われ伏せられた。静かに寝息を立て始めたヴィンスを見つめながら、ルンペルは未だ収まらぬ情欲を主張する雄を見つめて小さくため息を吐いた。
 
「私の方は――どうしたものかな」 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼第2章2025年1月18日より投稿予定 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 時々おまけを更新しています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...