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15話:魂の眠る場所
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ヴィンスの顔色は、今までで一番良く見える。苦痛を堪える為に唇を噛みしめる事も、時折立ち止まって腰を抑える事もない。だが、その表情はいつになく沈んでいる。
「ヴィンス、大丈夫?」
ベートの呼びかけに、ヴィンスは豆のスープをよそう手を止めた。そして、振り返った時の表情は、いつもどおりのものだった。
「ああ、煎じた薬が合っていたようで、調子は良い」
「そっか、良かった」
ヴィンスの身体を心配していたのか、安心したようにふにゃりと顔を弛めるベートの表情に、物憂げに眉を伏せていたヴィンスの顔もまた、少しだけ和らいで微かな笑みの形を浮かべた。ベートの方には豆や野菜もたっぷりと盛られているのに対し、ヴィンスの方の器は、具もスープの量も少ない。何度か食事をしてきて分かったが、ヴィンスの食事量は、ベートよりも格段に少ない。
(身体が弱っているから食べられないのか、それとも食べてないから身体が弱るのか……うーん……)
己の身体が頑丈な為か、ヴィンスのように虚弱な相手に何をすれば良く、何をしてはいけないのかは分からない。試しにヴィンスの好きな味にすれば、食べる量も増えるかと思って調理を任せてみても、食事量は自分の時と変わらない。どうすれば、ヴィンスの食事量が増えるだろうか。
考え込んだままベートはパンとスープを食べていると、ヴィンスの薄緑色の瞳がベートを捉えていた。
「ベート、お前まで私に合わせなくても良いぞ。狩人なんだ、肉を喰わないと身体が持たないだろう」
「俺の身体は大丈夫、狩の時、腹が減ったら外で魚とか、売り物になりそうにない獣とかを捌いて焼いて食べてるから。あ、もしかして焼いた肉の匂いが服についてて、食欲がわかなかったのか?」
「いや、お前が言うまで気づかなかった」
「良かったぁ……食事の事については、お師匠が死んでから、誰かと一緒にご飯を食べるのって久しぶりだから、俺が一緒に食べたいだけだよ」
「お師匠? お前、両親はどうしたのか?」
ヴィンスが不思議そうに聞き返すと、パンを頬張りながらベートは首を縦に振った。
「ああ、俺さ。赤ちゃんの時に森に捨てられてたらしくって。泣いてる俺を、お師匠が拾って育てて。狩の仕方だとか人の中で生きる為の心得を教えてくれたんだ」
「そうか……辛い事を言わせたな」
申し訳無さそうに、表情を歪めると、ヴィンスは食事の手を止めた。身体の具合は良くなったが、食欲は無いのかヴィンスの前に置かれているパンとスープは半分だけ残り、それ以上は減る気配はない。ヴィンスはベートの方へと残ったものを差し出すと、それらは気持ちの良い速度で消えた。
「なら、この家は師匠との思い出の証だろう? それなのに、私が異国に行くと言えば、着いて行くつもりなのか?」
「うん。だってお師匠の魂は、俺の心の中で眠っているから」
「心の中?」
訝し気にヴィンスの瞼がパチパチと何度も瞬きを繰り返している。食事を食べ終えたベートは、食器を片付けながらヴィンスの方へと視線を向けた。
「お師匠が言ってたんだ。身体は大地に還るけれど、魂は自分を思う人の心の中に還るんだって」
「思う人の……心の中?」
ベートの話に興味が沸いたのか、ヴィンスもまたベートの隣に立ち食器を片付けるのを手伝い始めた。話の続きを聞きたいとでも言うように、自分の顔を見上げるヴィンスの様子に、ベートの少し胸が高鳴った。
「狩人だから、だったのかな。お師匠は、いつも自分が居なくなった時の事、俺が一人でも生きていける事を気にしてた。『何かに悩んだ時や、独りが寂しい時には、どんな形でも必ず応える』って、最期に教えてくれた」
「応えは――返ってきたのか?」
ベートに問いかけるヴィンスの表情は、縋るように弱弱しい。
「うん。困った時だとか、どうすれば良いか分からない時、お師匠の声が此処から聞こえてくるんだ。『何やっているんだ、馬鹿者』って。そしたらさ、寂しくても、腹が減っても。笑えるようになるんだ」
胸をトンと軽く叩いてベートが笑うと、ピタリとヴィンスの額が寄せられた。まるで、己の胸の中で眠る師匠を追い求めようとしているようなヴィンスの様子にベートは何も言えなくなる。
「私の胸の中にも……父の魂は在ると思うか?」
消えてしまいそうな程に弱弱しい問いかけをするヴィンスの事が、堪らなく愛おしく思え、ベートはその華奢な身体を優しく抱きしめた。その抱擁を、ヴィンスはただ黙って受け入れていた。
「うん、思うよ」
「――私には、父の魂を、感じる事はできない」
ポツリと呟くと、ヴィンスの手がルナールの服を掴み、肩が小刻みに震え出す。ヴィンスの心が落ち着くよう、何度もベートは背中を撫でると絞り出されたような哀愁の籠った声が漏れた。
「異国の国の知識があれば、『悪魔憑き』の原理を解明でき、父を殺した『迷信』に復讐する事ができる。だがこの土地には、父との思い出があるんだ……この国の在り方が、父を殺した。それだと言うのに父と過ごしたこの土地から離れる事が……辛くて、悲しくて、堪らない……父の名誉のため、迷信への復讐のため。何もかも捨てられると思っていたのに――此処から離れる勇気が出ない」
食事も禄に取れなくなる程、ヴィンスはその事について思い悩んでいた。胸から額を離し、ベートへと顔を上げるヴィンスの薄緑色の瞳からは、薄らと涙が滲んでいる。黙ってヴィンスを抱く腕をベートは弛め、目尻に溜まった涙を包帯で覆われた右腕で拭うと、じんわりと白い布地が濡れる。
どうすれば、ヴィンスをこの苦しみから解放出来るのか。異形の獣の右腕を持つが故、人との係わり最小限にするよう気を付けていたベートには、適切な言葉も名案も浮かばない。
「……」
胸に眠るお師匠の魂に問いかければ、お師匠との厳しい修行で泣いていた己の頬を、慰めてくれたお師匠の飼い犬が舐めてくれた事を思い出した。
舌を出し、頬に伝う涙をベートは舐め取った。突然のベートの対応にヴィンスが硬直していると、我に還ったベートがワタワタと慌てて説明した。
「えっと、俺が泣いてた時。お師匠が飼ってた犬が、こうしてくれて……」
「――お前は、犬じゃなくて人間だろう」
ベートの対応に、ヴィンスは笑った。悲しさや後ろめたさを隠す為ではない。心から見せた笑みに、ベートの心はふんわりと温かいもので包まれる。
「えへへ」
「だが――お前を慰めていたと言う、犬の魂を感じる事はできた。ソイツは――優しい子だったんだな」
ヴィンスの言葉に、ベートの表情が晴れやかなものに変わった。不思議そうにベートの顔を見つめるヴィンスの肩を掴むと、ぐいと顔を近づけた。
「じゃあ、ヴィンスのお父さんがヴィンスにした事を、俺がするよ。そうすれば、ヴィンスが胸の中に居る、お父さんの魂を感じる事が出来るかもしれない」
「は……あ!?」
ベートの提案に、ヴィンスは声を荒げた。硬直するヴィンスに対して、ベートは慌てた表情を浮べて眉を寄せた。
「俺、変な事、言った?」
「……そういう訳では無いんだが……その、この年になって、子どもにするように扱われるのは、流石に恥ずかしいと言うか……」
「俺とヴィンスしか知らない事だよ? ヴィンスにした事、俺は絶対誰にも言わない」
ベートの視線は、ただヴィンスに父の魂を感じる為の力になりたいと言う善意のみが込められている。子ども扱いされる羞恥はあるが、真直ぐ向けられた視線と、父の魂に触れられるかもしれない可能性は魅力的であり、長々と長考した後、ヴィンスは目を閉じて深々と息を吐いた。
「……じゃあ。頼む」
「ヴィンス、大丈夫?」
ベートの呼びかけに、ヴィンスは豆のスープをよそう手を止めた。そして、振り返った時の表情は、いつもどおりのものだった。
「ああ、煎じた薬が合っていたようで、調子は良い」
「そっか、良かった」
ヴィンスの身体を心配していたのか、安心したようにふにゃりと顔を弛めるベートの表情に、物憂げに眉を伏せていたヴィンスの顔もまた、少しだけ和らいで微かな笑みの形を浮かべた。ベートの方には豆や野菜もたっぷりと盛られているのに対し、ヴィンスの方の器は、具もスープの量も少ない。何度か食事をしてきて分かったが、ヴィンスの食事量は、ベートよりも格段に少ない。
(身体が弱っているから食べられないのか、それとも食べてないから身体が弱るのか……うーん……)
己の身体が頑丈な為か、ヴィンスのように虚弱な相手に何をすれば良く、何をしてはいけないのかは分からない。試しにヴィンスの好きな味にすれば、食べる量も増えるかと思って調理を任せてみても、食事量は自分の時と変わらない。どうすれば、ヴィンスの食事量が増えるだろうか。
考え込んだままベートはパンとスープを食べていると、ヴィンスの薄緑色の瞳がベートを捉えていた。
「ベート、お前まで私に合わせなくても良いぞ。狩人なんだ、肉を喰わないと身体が持たないだろう」
「俺の身体は大丈夫、狩の時、腹が減ったら外で魚とか、売り物になりそうにない獣とかを捌いて焼いて食べてるから。あ、もしかして焼いた肉の匂いが服についてて、食欲がわかなかったのか?」
「いや、お前が言うまで気づかなかった」
「良かったぁ……食事の事については、お師匠が死んでから、誰かと一緒にご飯を食べるのって久しぶりだから、俺が一緒に食べたいだけだよ」
「お師匠? お前、両親はどうしたのか?」
ヴィンスが不思議そうに聞き返すと、パンを頬張りながらベートは首を縦に振った。
「ああ、俺さ。赤ちゃんの時に森に捨てられてたらしくって。泣いてる俺を、お師匠が拾って育てて。狩の仕方だとか人の中で生きる為の心得を教えてくれたんだ」
「そうか……辛い事を言わせたな」
申し訳無さそうに、表情を歪めると、ヴィンスは食事の手を止めた。身体の具合は良くなったが、食欲は無いのかヴィンスの前に置かれているパンとスープは半分だけ残り、それ以上は減る気配はない。ヴィンスはベートの方へと残ったものを差し出すと、それらは気持ちの良い速度で消えた。
「なら、この家は師匠との思い出の証だろう? それなのに、私が異国に行くと言えば、着いて行くつもりなのか?」
「うん。だってお師匠の魂は、俺の心の中で眠っているから」
「心の中?」
訝し気にヴィンスの瞼がパチパチと何度も瞬きを繰り返している。食事を食べ終えたベートは、食器を片付けながらヴィンスの方へと視線を向けた。
「お師匠が言ってたんだ。身体は大地に還るけれど、魂は自分を思う人の心の中に還るんだって」
「思う人の……心の中?」
ベートの話に興味が沸いたのか、ヴィンスもまたベートの隣に立ち食器を片付けるのを手伝い始めた。話の続きを聞きたいとでも言うように、自分の顔を見上げるヴィンスの様子に、ベートの少し胸が高鳴った。
「狩人だから、だったのかな。お師匠は、いつも自分が居なくなった時の事、俺が一人でも生きていける事を気にしてた。『何かに悩んだ時や、独りが寂しい時には、どんな形でも必ず応える』って、最期に教えてくれた」
「応えは――返ってきたのか?」
ベートに問いかけるヴィンスの表情は、縋るように弱弱しい。
「うん。困った時だとか、どうすれば良いか分からない時、お師匠の声が此処から聞こえてくるんだ。『何やっているんだ、馬鹿者』って。そしたらさ、寂しくても、腹が減っても。笑えるようになるんだ」
胸をトンと軽く叩いてベートが笑うと、ピタリとヴィンスの額が寄せられた。まるで、己の胸の中で眠る師匠を追い求めようとしているようなヴィンスの様子にベートは何も言えなくなる。
「私の胸の中にも……父の魂は在ると思うか?」
消えてしまいそうな程に弱弱しい問いかけをするヴィンスの事が、堪らなく愛おしく思え、ベートはその華奢な身体を優しく抱きしめた。その抱擁を、ヴィンスはただ黙って受け入れていた。
「うん、思うよ」
「――私には、父の魂を、感じる事はできない」
ポツリと呟くと、ヴィンスの手がルナールの服を掴み、肩が小刻みに震え出す。ヴィンスの心が落ち着くよう、何度もベートは背中を撫でると絞り出されたような哀愁の籠った声が漏れた。
「異国の国の知識があれば、『悪魔憑き』の原理を解明でき、父を殺した『迷信』に復讐する事ができる。だがこの土地には、父との思い出があるんだ……この国の在り方が、父を殺した。それだと言うのに父と過ごしたこの土地から離れる事が……辛くて、悲しくて、堪らない……父の名誉のため、迷信への復讐のため。何もかも捨てられると思っていたのに――此処から離れる勇気が出ない」
食事も禄に取れなくなる程、ヴィンスはその事について思い悩んでいた。胸から額を離し、ベートへと顔を上げるヴィンスの薄緑色の瞳からは、薄らと涙が滲んでいる。黙ってヴィンスを抱く腕をベートは弛め、目尻に溜まった涙を包帯で覆われた右腕で拭うと、じんわりと白い布地が濡れる。
どうすれば、ヴィンスをこの苦しみから解放出来るのか。異形の獣の右腕を持つが故、人との係わり最小限にするよう気を付けていたベートには、適切な言葉も名案も浮かばない。
「……」
胸に眠るお師匠の魂に問いかければ、お師匠との厳しい修行で泣いていた己の頬を、慰めてくれたお師匠の飼い犬が舐めてくれた事を思い出した。
舌を出し、頬に伝う涙をベートは舐め取った。突然のベートの対応にヴィンスが硬直していると、我に還ったベートがワタワタと慌てて説明した。
「えっと、俺が泣いてた時。お師匠が飼ってた犬が、こうしてくれて……」
「――お前は、犬じゃなくて人間だろう」
ベートの対応に、ヴィンスは笑った。悲しさや後ろめたさを隠す為ではない。心から見せた笑みに、ベートの心はふんわりと温かいもので包まれる。
「えへへ」
「だが――お前を慰めていたと言う、犬の魂を感じる事はできた。ソイツは――優しい子だったんだな」
ヴィンスの言葉に、ベートの表情が晴れやかなものに変わった。不思議そうにベートの顔を見つめるヴィンスの肩を掴むと、ぐいと顔を近づけた。
「じゃあ、ヴィンスのお父さんがヴィンスにした事を、俺がするよ。そうすれば、ヴィンスが胸の中に居る、お父さんの魂を感じる事が出来るかもしれない」
「は……あ!?」
ベートの提案に、ヴィンスは声を荒げた。硬直するヴィンスに対して、ベートは慌てた表情を浮べて眉を寄せた。
「俺、変な事、言った?」
「……そういう訳では無いんだが……その、この年になって、子どもにするように扱われるのは、流石に恥ずかしいと言うか……」
「俺とヴィンスしか知らない事だよ? ヴィンスにした事、俺は絶対誰にも言わない」
ベートの視線は、ただヴィンスに父の魂を感じる為の力になりたいと言う善意のみが込められている。子ども扱いされる羞恥はあるが、真直ぐ向けられた視線と、父の魂に触れられるかもしれない可能性は魅力的であり、長々と長考した後、ヴィンスは目を閉じて深々と息を吐いた。
「……じゃあ。頼む」
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