競り市で落とされて

設楽大介

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その⑤売った体

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「触れてもいいですか?」
愛海が頷くと、男は首筋に手を這わせみぞおちかさらに下へ進み、愛海の乳房を愛撫し始めた。愛海の一番感じるところだ。やがてそこを通り過ぎ、舌の茂みに潜り込んだ。
それと同時に愛海の耳を軽く噛み、やがてその舌は乳房へと滑り落ち、敏感な部分を、まるで赤ん坊が母親に甘えるように口に含んだ。
 吸われ、転がされ、熱くなる感じがあった。おもわず、愛海の唇からため息が漏れた。
「もういいかな?」不意に顔を愛海の胸から外し目を見て聞いてきた。
「え、はい」その後の愛海はおずおずと相手に頼んだ。
「あ、あの、つけてもらっていいですか」
 事前に運営からの説明として、この場では万一の事故、女性側の妊娠や、相互の感染症の伝播を防ぐためコンドームの使用を推奨、とあった。会場内のいたるところに用意されている。
「あ、はい」男はそう答えると袋をびりっと破り装着した。
まだ、無理じゃないか、と愛海は思ったが、男は向かい合って、愛海のひざ下に手を差し入れると、屈曲の姿勢をとらせ、いきなりぬるりと侵入してきた。
緊張していたので気づかなかったが、自分は十分潤っていたようだった。
「はっ、はっ、は……」と男はすでに息を荒くしている。
愛海も、だんだんと体の奥が熱くなった。男が愛海の膝から手をぬいて通常の体位に変わったので、愛海は足を男の腰に絡めた。もっと深くなるように。
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