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#04: The flawless guy

Beast collides beast.✤

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 ガツッ。
 大志朗タイシローの胸倉が、正面にいる渋撥シブハツではなく横方向から伸びてきた鶴榮ツルエの腕に掴まれた。

「オイ。ほんでレイちゃんどうしたんや」

 大志朗は鶴榮をチラリと見たあと、直ぐに渋撥に目を戻した。

「店の中や。お前等がいてたトコからじゃ死角で見えへんやろ。心配せんでも菊池キクチのアホが妙なこと考えんようトラがピッタリ張り付いとるわ」

 鶴榮はチッと舌打ちした。目視で確認できない以上、大志朗の言葉を嘘だと判断することはできない。

「アンタさえここで退いてくれれば禮ちゃんは俺とトラで何が何でも守ったる。トラは《荒菱館コーリョーカン近江オーミ》以外をどうするとも約束してへん。タダで菊池に手は貸さへん。そっちの頭数なら《荒菱館の近江》がおらんでも東光トーコー潰すのなんかわけないやろ。それでこの戦争は終いや」

 大志朗は渋撥に向かって話しているのに、渋撥は相も変わらず無表情で煙草を咥えたまま無言で立っていた。
 壁にでもしゃべりかけているのか俺は。何なのだ、この男は。本当に物を考えたり、感情を持ったりしているのか。自分や虎宗が想っている十分の一でも禮のことを想っているというのなら、何故こんなにも鎮まっていられる。

「…………何で黙ってんねん。お前、この戦争どうするつもりや。禮ちゃんの気持ちどうするつもりやねん」

 サングラスの男は禮の安否を気遣っているというのに、目の前の大男は禮の恋人であるくせに少しも取り乱してもいない。それが大志朗を苛つかせる。

「お前が禮ちゃんのカレシやろ。禮ちゃんはお前守る為に一人で乗り込んできたっちゅうのに、何とも思わんのか」

 大志朗が責めたいのは渋撥だ。しかしながら、大志朗がどれだけ批判的に接しても渋撥からの反応はなく、まるで無関心なような無表情をする。

「禮ちゃんのことほんまに好きなんやったら、禮ちゃんのこと考えてくれんなら……このままトラとぶつからんと帰ってくれ。トラとお前がやり合わんで済めば禮ちゃんはっ……」

 大志朗を責っ付くのは、虎宗をとめることができないと諦めつつも禮に期待してしまった罪悪感。いつまでも幼気な少女だと思っていた妹のような禮でさえ精一杯思考し己の身を危険に晒してまで行動している。一度は諦めたとはいえ、納得していないならこのまま傍観者でいてよい理由はない。自分も何かしなければと懸命に絞り出した策は、虎宗の敵である渋撥に懇願すること。誰も悲しまない為に、誰も傷付かない為に、自分に残された道はこれしかない。
 ようやくゆっくりと渋撥は動き出した。やっと反応したかと思うと、大志朗の眼前、鼻先数センチまで顔を近付けた。大志朗は渋撥の目を真っ直ぐに見詰め、分かったと頷いてくれることをただただ祈った。

「残念やったな。俺ァ、アイツだけは絶対に自分でブチ殺す」

 その返答を聞いた途端、大志朗は猛烈な勢いで鶴榮の手を振り払い、渋撥の服を掴んだ。

「何でや! 東光トーコーのアタマは菊池や! 俺もトラもアイツ等の仲間ちゃう、今回きり手ぇ貸しとるだけや! 菊池ぶっ殺したらソレで終いやんけ!」

 服を握り締め、必死に渋撥を説得しようとする大志朗は、ほんの少し禮に似ていた。病院で禮が渋撥の袖を掴んで縋ったように、大志朗も渋撥の服を掴んで引き留めようとする。獣たちの王として崇められるこの男に、一握り人の情があることを期待して。

「何でトラにこだわんねん! これ以上アイツにつらい思いさせんといてくれや! 憎くもないヤツ殴って、禮ちゃんとは敵同士になってっ……アイツ、ほんまはもうキツくてしゃあないねん!」

「気に入らん」

 渋撥はそう放言し、大志朗の顔にフーッと煙草の煙を噴きかけた。

「禮にこだわっとるのはそっちやろ。トラっちゅうヤツ、禮に惚れとるやろ」

 ギクッと、大志朗は目を大きくした。

「ああ……そうや。禮ちゃんには、伝えてへんけど。トラがお前とほんまにやり合ったら禮ちゃんに憎まれてまう! 禮ちゃんかてお前がトラにやられんようッ……」

「禮の願いとか言うとったなお前。ンなモン知ったことかボケが」

 大志朗の切なる願いはパシンという乾いた音で振り払われた。渋撥は自分の服から大志朗の手を叩き落としたのだ。
 禮の涙すらも看過した。禮の手すらも振り払った。禮の悲鳴すらも無視した。かけるべき一切の情はとうに捨てたのに、今更この綺麗な男の願いを切り捨てることに何の躊躇があろう。
 渋撥には、大志朗が何度も何度も禮の為と重ねるのが酷く空々しく聞こえた。渋撥の体内にグルグルと渦巻くのは、残念ながら禮への配慮ではない。胸の辺りで高速で回転し、手の指先、足の爪先まで巡るのは熱く猛る感情。

「禮があの坊主頭をとめに行ったのは、俺がアイツには敵わんと思うてるからやろが……」

 渋撥の絞り出すような声を聞き、鶴榮は引かれるように渋撥の顔を見た。

ハツ?」

 鶴榮が目にした渋撥の形相は、尋常ではなかった。目の色が変わるとはまさにこのことだ。胸の辺りで発生した煮え滾る感情は渋撥の体の隅々まで充満し、ついには脳に到達して噴火する。眼には、ギラギラとした焔のような獣のような輝きが宿っていた。

「俺がアイツに負けると思うとんのやろがァッ‼」

 渋撥は大志朗の髪の毛を乱暴にガッと掴み、力尽くで自分のほうへ引き寄せた。

「俺の女やったら相手が誰でも四の五の言わんと俺が勝つて信じとけばええんじゃボケがァッ‼」

 牙を剥いて吠え立てると投げ捨てるように大志朗から手を放した。
 肩を怒らせて猛然と歩き出した渋撥。その背中から立ち上る仄青い揺らめきを見たとき、鶴榮は事が始まったのだと理解した。
 路地裏から出てくると、渋撥は一瞬たりとも歩みを停めることなく標的がいる地点へと一直線に進んでいく。
 男たちの注目を集めるなか、鶴榮は手をパッと挙げた。それは開戦の合図。

「一人残らずぶっ潰せ」

 王様の号令を代する鶴榮の声は、静かだった。

 おおおおおおーっ‼
 戦太鼓や銅鑼のように突如として沸き上がった雄叫び。押し寄せてくる怒号に似た鬨の声。喫茶店を占拠している東光トーコー高校の男たちは、一斉に弾かれるように椅子から立ち上がった。全員がガラス張りのウインドウから店外を見て身構えた。

「きっ、菊池さん来ました!」

「荒菱館の奴等です!」

「あ、アレ! 正面の真ん中におるのっ……《荒菱館の近江》やっ!」

 警戒した猫がその身を跳ね上げるように、菊池はガバッと椅子から立ち上がった。
 菊池とは対照的に虎宗は悠然と口を開く。少しも焦らず、少しも押されず、待ってましたとばかりにゆっくりと口を開くのだ。

「ほな、店から出よか」

 菊池は少しギクッとして虎宗のほうを振り返った。虎宗は中指で眼鏡を押し上げ、顔色一つ変えず立ち上がった。

「なに一々オドオドしとんねん。ワレ、俺等の大将やろ。折角向こうから潰されに来てくれとんねん。ドシッとしとけや」

「の、能登ノト……」

「大将のお前が先陣切って、荒菱館がなんぼのモンじゃてかましたれや」

 予期せぬ急襲にも虎宗が剰りにも落ち着き払っているから、周囲の者たちも菊池すらも、次第に平静を取り戻した。そして眼前の事実を実感し、覚悟を決めるのだ。戦争は既に始まっているのだと。

 キィッ。
 荒菱館の軍勢が店の出入り口を包囲し、程なくして喫茶店のドアが開いた。店中から東光高校の男たちがゾロゾロと出てきた。互いに睨みを利かせて牽制し合いながら、布陣をするように男たちは満遍なく拡がりを見せる。人員の分布による面積の拡大に計算や意図はない。しかしながら、本能的な威嚇の意味はあるのかも知れない。
 先頭に立ち顎をしゃくってこちらを見据える菊池を見て、曜至ヨージはクッと笑った。

「へー、逃げなかったか。小物が思ったより頑張るじゃねェか」

「俺が用があるのは《荒菱館の近江》や。オドレみたあな小物に用はあれへん。引っ込んどれ」

 それは短気な曜至の着火剤としては充分だった。格下だと思っている男に小物と蔑まれたのだから当然だ。
 美作は曜至の額に青筋が浮かぶのを目敏く見逃さなかった。鶴榮も後頭部しか見えない曜至がどのような表情をしているだろうと想像してクックッと肩を揺する。

「……上等。テメエの相手になってラッキーだったぜ」


 禮は虎宗と大志朗に挟まれ、最後に店から出た。店の前には既に菊池を先頭にした黒い学生服の人垣ができていた。端緒では荒菱館高校と東光高校との小競り合いが始まっており、野太い喧噪が聞こえてくる。

「店の中におったほうがええで」

 虎宗は人垣の向こうを眺望しながら禮に言った。案じて言ってくれていることは分かっているが、禮はフルフルと首を横に振った。

「ウチはハッちゃんが勝つトコ見なあかんの。それが見られへんなら意味ないから」

 それは俺の敗北を望んでいるということだ、とわざわざ口に出すのはやめた。禮と虎宗は対岸に立つ者同士。最早勝利を分かち合うことはできない。

「…………。巻き込まれて禮ちゃんが怪我でもしたら親っさんに顔向けでけへん」

「トラちゃんが何言うても、ウチはもう決めたんよ」

 兄と恋人――――わたしの大切な人同士が鬩ぎ合い、剥り合い、潰し合い、奪い合い、喰らい合い、どうなってしまっても最後まで見届ける覚悟は決めた。それがきっとわたしの果たすべき役目。
 虎宗が見た禮は、驚くほど平静な顔をしていた。否、真実何ともないのではなくて、覚悟を決めたのだ。悲哀も紅涙も懇願もねじ伏せて、すべてを見届ける覚悟を決めた。
 一度覚悟を決めた禮には何を言っても通用しない。これには虎宗のほうが折れた。どうせ禮の一番の望みは決して叶えてやれないのだから。

「怪我だけはせんように気ィ付けてや。頼むで……」

「うん。おおきに、トラちゃん」


 おおおおおーーッ‼
 急に視界が明るくなったように感じたのは、人垣を成していた男たちが一斉に雄叫びを上げて殴り合いを始めたから。
 街灯の下で拳を握り、口汚い罵り合いが聞こえてガキンガキンと何かが噛み合うような骨のぶつかる音が聞こえる。言葉の端々すらも聞き取れない喧しさにも血飛沫が飛ぶ生々しさにすら何も感じない。まるで人形劇か影劇のように上の空。禮にとっての悲劇、それは二匹の獣がぶつかり合う様だけだから。


「よお。久し振りやなぁ《荒菱館の近江》」

 再会を果たした虎宗に声をかけられ、自分もそれを待ち望んでいたはずなのに、渋撥はとても気に食わないという顔をしていた。禮が自分の為を思って虎宗を止めに行ったのだと大志朗に聞かされても、そのようなことは言い訳にもならない。どのような理由があれ、禮が虎宗の後ろに立っているのは、とても気に食わない。

「そんなトコで何しとんねん、禮」

 渋撥から責めるような口調が飛んできて、禮はピクッと両肩を跳ね上げた。

「ソイツの味方に付いたるか」

「ちゃうよ」

「ほな何でそっち側にいてんねん。お前は俺の女ちゃうんか。それとも俺見限って、ソイツの女になるか」

「オイ、ハツ

 鶴榮は渋撥の肩を引っ張って「言い過ぎだ」と諫めようとしたが、渋撥は引かれた以上に肩を押し出して禮を見据えた。獣の眼光で禮を見据える。喉元に食らい付くくらい鋭利な眼光で。

「黙って俺を信じとかれへんのやったらソイツんトコでもどこでも行ってまえっ!」

 泣きたく、なった――――。
 どれほど心で想っても、心を痛めても、心を砕いても、あなたにはその欠片も届きはしない。
 でも、信じたかった。あなたがそうやって悔しそうな顔をするのは、わたしのことを想ってくれているからだと。



「もう止めへんから、見守るくらいさせてよっ!」

 叫んだ拍子に涙が弾けそうになり、禮はそれを鼻の頭で堪えた。けれど表情は歪んでしまった。
 泣いてはいけない。泣く為に来たわけじゃないから。泣いて縋りついてとめる為に此処にいるわけじゃないから。わたしの役目はただ一つ、あなたを信じて見届けること、それがわたしが果たさなければならないこと。

「ハッちゃんが負けるなんて金輪際思えへんから……絶対勝つて信じてるから……ウチに見届けさせてよ!」

 有りっ丈の愛と有りっ丈の勇気、この小さな体に詰まっているものを全部ぶちまけるつもりで叫んでいた。それぐらいしないと決して声は届かない。渋撥も虎宗も、全身全霊を懸けて衝突するのだから。

「タイマンや」

 禮とは対照的に、虎宗の声は静かに冷徹に響いた。禮はとうに受け容れる覚悟があったから少しも動揺しなかった。もう疑うことはしないと誓った。もうどうなってしまっても渋撥だけを信じていようと自分自身に誓った。
 渋撥は虎宗を睨み、ゆっくりと拳を握った。

「オドレは……俺がブチ殺す」

「俺も、お前にだけは負けるわけにはいかんのや」

 運命の環を廻すのは一枚一枚の歯車の噛み合い、軋み合い。きっと歯車の一枚一枚には「近江オーミ渋撥シブハツ」だとか「能登ノト虎宗タケムネ」だとか名前が付いていて、歯の形状も枚数も独特でほかのどんな歯車にも代用はできなくて、ガチリと噛み合った瞬間に是も非もなく動き出すのだ。
 例えば大志朗がその噛み合いの中に身を放り投げたとしても、きっと止めることはできない。そして、器用に要領よく振る舞っているつもりだった自分も所詮は歯車の一枚なのだと思い知る。
 どれだけ自分が奔走したところで結局運命は変えられないのだと痛感した大志朗の口からは溜息が漏れた。

「トラがやるっちゅうんなら……俺も約束果たさなしゃーないか。面倒やけど」

 大志朗は、渋撥の斜め後ろに立っている鶴榮に視線を向けた。

「荒菱館の№2は俺の分やよって」

 大志朗が小綺麗な顔を神経質そうに強張らせていると、目が合った鶴榮は白い歯を見せてニッと笑った。

「ケンカくらいで思い詰めたようなツラすんなや。どっちが勝っても負けてもたかがケンカや」

「あんま気の進むケンカちゃうさかいな」

 大志朗は苦笑してサラサラの髪を掻き上げた。そのように気軽に考えられたらどれほど楽だろうかと、鶴榮が少し羨ましくなった。

「ワシ等みたいなんがケンカするせえへんでそんな勿体振ることあれへん。メンツにしろ命にしろ負けて失うモンなんざ人間一人が抱えとる程度のモンや。ワシ等の生き死になんか世の中にとっちゃどうでもええことや」

 カチャ、と鶴榮は中指でサングラスの位置を正した。大志朗は明らかに気乗りしない態度なのに、彼は上機嫌に見えた。

「そう考えたらこの世も満更悪くない。パラダイスや」

「パラダイス?」

「好きなようにケンカして好きなように生きて死んで、パラダイスやろ?」

「ケンカ屋が」

 大志朗は地面に向かって吐き捨てるように言った。それは彼にとって自分と対極に在るばかりか唾棄すべき存在。質を取って虎宗と自分を利用する菊池も、禮を悩ませる渋撥も、大志朗にとっては同じようにクズだ。

「ケンカ屋か。そやな、お前等みたあな御行儀のええ連中からしたらそーかも知れんなァ。せやけど、これからワシ等と同じ土俵でケンカしようっちゅうお前がなんぼのモンや」


 ――――「男には人生に一度や二度、納得いけへん理由で拳握らなあかんコトもある。それでも、〝力〟使うなら腹くくれ。何がどうなってもお前等の責任や」


 自らを「ケンカ屋」と罵った鶴榮を目の前に、大志朗の脳裏には彼等とは対極に位置するはずの攘之内の言葉が巡っていた。

(師範……。腹くくれとるんかでけてへんのか、正直自分でも分かれへんのです。俺はトラみたいにも禮ちゃんみたいにもなられへん。せやけど……)

 大志朗はグッと拳を握り込んだ。

(せやけどトラに付いていくて決心だけはついとるさかい、トラが拳握るなら俺も握らなあかん)

 覚悟を決めた表情で顔を上げると、鶴榮の斜め後ろに金髪の男が立っていた。
 鶴榮は「鶴さん」と声をかけられ振り返った。其処にはブスッとした美作が立っていた。

「お前何しとんねん。大好きなケンカやろ、早よ参戦してこいや」

「曜至くんに置いてかれてしもて💧」

 美作は口を尖らせて小声で言い、鶴榮は「はぁ?」と言って眉を顰めた。

「曜至くん、一目散で自分だけあのガタガタ前歯のほうへ走ってってしもて……」

 置き去りにされた美作が拗ねているので、鶴榮は「はぁあ」と溜息を吐いて美作の肩をポンポンと叩いた。

「ほなお前に大仕事を任したるわ」

 鶴榮は大志朗を指差した。

「キレエやからて舐めてかからんどけよ。あの兄ちゃん、なかなかの強敵やで。折角譲ったるんや。情けない様だけは見せてくれんなや」

 美作は初めて大志朗を見た感想、鶴榮が言う通り綺麗な顔をした男だとは思った。しかしながら、力持ちである風にも殴り合いが得意そうにも見えない。今から本気で殴り合いを始めようというのに、相変わらず微笑みを湛えているのは少々気に食わない。

「勝手な選手交代は困るで。荒菱館の№2を潰すっちゅうのが菊池との約束やねん。俺はアンタとやらな意味あれへん」

 まるで眼中にないという風な言い方をされたのは流石にムッとした。言い返そうとした美作の首根っこを鶴榮が掴んで引き寄せた。

「安心せえ。コイツが次の荒菱館№2や」

 美作はカッと頬を紅潮させて鶴榮の顔を見た。

「つ、鶴さん……⁉」

 鶴榮は大志朗に向かって白い歯を剥いてニカッと笑って見せた。

「コイツぶちのめせんねやったら堂々と荒菱館№2やったったて触れ回ってええで。せやけどなァ、舐めとったら痛い目見るのはそっちやで、キレエな兄ちゃん」

 かくて獣と獣は相見え、野獣たちが上げる雄叫びの渦の中、戦いの火蓋は切って落とされた――――。
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