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#29: On the eve of promised session solemnly
On the eve of promised session solemnly 03
しおりを挟む禮と渋撥は、図書室の奥のテーブルに並んで座っていた。テーブルが等間隔にいくつも整列しているが、二人以外には人っ子一人姿がない。資料室に比べれば別世界ほど静かなものだ。
禮は教科書やノートをテーブルの上に広げ、黙々と試験勉強に励む。その隣で渋撥は、試験期間であっても勉強などするはずがなく、手持ち無沙汰。本棚を眺めてみても背表紙のタイトルなど一つも目に留まらない。
暇を持て余した暴君は、内容に関心はないが、禮のノートに目を落としてみた。存外小さな綺麗な文字を書くものだと思った。自分の筆跡を気にして恥じたことはないが、この文字と並べたら酷いものだ。自分の筆跡をどうにかしようなどとは一切思わず、綺麗な文字を一所懸命に書く少女をただいじらしく感じた。
とはいえ手持ち無沙汰には違いない。ズボンのポケットに手を突っ込んでゴソゴソと漁りだした。
禮はふと渋撥の仕草に気づいた。このようなときに渋撥がポケットを気にする理由は見当がつく。
「ココ灰皿あれへんよ」
渋撥はチッと舌打ちした。ポケットから両手を出し、これでいいんだろとばかりに腕組みをした。
「ハッちゃん、帰ってもええよ。ウチが勉強してる間ヒマやろ」
「禮が帰るなら帰る」
「ん~。もうちょお勉強するし」
「ほな終わるまでおる」
「別にハッちゃんに付き合うてもらわへんでも試験勉強くらいでけるよ」
禮は、試験勉強もしない、読書にも興味がない渋撥が、自分に付き合って図書室で時間を無駄にするのが不思議だった。彼の性格なら帰宅して好きに煙草を吸って昼寝でもするほうが余程有意義だろうに。
「アホ言え。禮一人にでけるか。さっきかて俺が来な危なかったやんけ」
「何が?」
「そういうとこや」
渋撥はテーブルに頬杖をつき、ゆっくりと禮のほうへ顔を向けて視線を固定した。
見れば見るほど危機感のない表情だ。厳格な父兄に守られ女子校という閉鎖空間で育った純粋培養も然る事ながら、人心の本音や裏側など勘繰らない純朴な心根。男の下心や邪心など説明したところで理解できないだろう。禮に世間が如何に危険かを理解させて自己防衛を期待するより、自分が駆逐したほうが手っ取り早く実効力があることに、渋撥はとうに気づいていた。
世間、そのような漠然としたものよりも、この閉じられた狭い空間のほうがずっと危険だ。欲求に正直で、後先やリスクなど考えず、快楽に飛びつき、暴力に焦がれ、支配し支配され奪い奪われる、短絡的で即物的な阿呆ばかりが檻のなかに閉じ込められている。
渋撥にとって、そのような阿呆な獣によって禮を傷付けられることも、泣かされることも、損なわれることも、我慢できないことだ。
「禮、勝手にどっか行くな。どっか行くときは俺に一言言え」
「どっかて?」
「ガッコん中でも外でもや」
「えー。ガッコも? 言うたらハッちゃんついてくるん?」
「ああ、せや」
禮は、妙に真剣な声音だなと思い、渋撥に目線を向けた。翠玉が射抜きそうなほど真っ直ぐに此方を見つめていた。
渋撥は目が合っても気まずさなど一瞬も見せず一分も逸らさなかった。禮でなければ睨まれていると誤解してしまう。
「ハッちゃんマジメな顔して何か変なかんじ」
「俺がマジメなツラしとるときは禮もマジメに聞け」
「分かった。ほなどっか行く用事があるときはハッちゃんに言う。メッセでええ?」
禮はふいっと渋撥から目線を逸らし、またノートへと目を落とした。渋撥の話を真剣に取り合っていないことは明らかだった。
渋撥は禮がかけている椅子の背凭れに腕を置いて体ごと躙り寄った。
「お前、真剣に聞いてへんな」
耳許で低い声で囁かれ、禮はビクッと肩を撥ねさせた。何かしら感情が籠もっている気がした。
「ハッちゃん怒ってる?」
「禮が俺の話ゼンゼン聞いてへんからや」
禮が反射的に上半身を仰け反らせて距離を取ろうとすると、渋撥はさらに体を寄せて距離を詰めた。
「禮はここがどんなとこかよう分かってへん。何もなく三年間過ぎる思うたら大間違いや。特に禮みたいな女はな、男共よりよっぽど危ないねん」
「わ、分かった」
「分かってへん」
渋撥は禮の手首を捕まえ、小さな円い後頭部に手を回した。逃れる暇を与えず素早く唇を重ねた。
――ホラ見ろ。危機感がなく隙だらけだからこうも簡単に奪われる。
経験豊富な渋撥が警戒心のない禮をねじ伏せる情況を作りだすのは容易なことだった。何しろ体格もウェイトもアドバンテージがある。
禮は唇が離れた途端、両腕をピーンと突っ張った。硬い胸板を全力で押したが、渋撥が許す距離以上に遠ざけることはできなかった。
「いっ、いきなり何すんの! ここガッコやよっ」
「こんなモンで抵抗になると思てんのか。カワエエな禮は。そういうとこが分かってへんねん。カワイけりゃカワエエだけ危ない目に遭うねん」
「カ、カワいくないもんっ」
「アホか宇宙一カワエエわッ!」
渋撥の怒号が禮の声を掻き消した。
渋撥は横に並んだ椅子の上に禮を押し倒した。禮が反撃を繰り出す前に覆い被さった。背中を座面に接し、足を封じられ、巨体にのしかかられている状態では、満足に攻撃できまい。
「お前な~、自覚あれへんのが一等危ないねん。禮は自分のカワイさをもっと自覚せえ。禮がいてるだけでゴキブリホイホイ並に男が寄ってきてクソウザイ」
「そんなことなッ……ひっ」
渋撥はセーラー服から覗く白い首筋に口づけをした。禮は上擦った悲鳴を漏らして身動ぎしようとしたが渋撥の肉体は重たかった。
胸に触れられた禮は「やだ!」と咄嗟に口を突いて飛びだした。
「ハッちゃんやだってば……ン!」
渋撥は禮の口を手で塞いだ。小さな顎は加減しないと握り潰してしまいそうだ。
渋撥の硬くて熱い手の平に胸を撫でられ、禮の瞳には涙が浮いた。
渋撥は珍しく口の端を歪めた。柔らかな乳房を揉みしだく度に小さな身体を震えるようにビクビクと反応させ、愛らしい顔を紅潮させる光景は、愉快であり興奮する。
「こんなもんで泣くな」
「んんッ! んーッ!」
ガゴォンッ!
渋撥の後頭部に硬いものがぶち当たった。視界にバチバチッと火花が散った。
「何をやっとるかァーーッ!」
野太い怒号が、重たい一撃を喰らわされた直後の脳内に反響した。
渋撥に鉄槌を下したのは神様でも仏様でもなく、体育教諭・瀧まどか。瀧は渋撥に負けず劣らずの逞しい肉体を誇る。その筋力から繰り出される破壊力抜群のパンチを無防備な後頭部に喰らわされては、さしもの渋撥もノーダメージとはゆかない。
瀧は禮に覆い被さっていた渋撥を押し退け、禮を椅子の座面から助け起こした。
「ほら、こちらに来なさい、相模」
「セ、センセエ~~っ」
瀧は涙を浮かべる禮を背中に庇い、渋撥の前に仁王立ちになった。強面の大男に迫られて可憐な少女が半べそでいたら、恋人でなくとも庇い立てするのは必然だ。
「こんな幼気な少女を押し倒すなど、貴様恥を知れ。貴様がか弱い女子に力尽くで乱暴するような男とは思っていなかったぞ、近江」
ダメージから復帰した渋撥も瀧に対峙して仁王立ちになった。
「邪魔すんな! 自分のオンナとイチャついて何が悪いねんッ」
「相模は嫌がっている。たとえ交際中の男女としても、一方的に意思を無視して力尽くで押し倒すなど看過できん」
「ええ大人が女のイヤとイイの見分けがつけへんのか。ツラ構え通り空気読めへんヤツやな」
「空気読めない顔とはどういう意味だ?」
「まんまの意味や。何で分かれへんねん。鏡見てこい」
はて、と瀧は小首を傾げた。今朝の洗面台の鏡に映る自分の顔を思い出してみたが、特に変だとは感じなかった。
イラァ……。オッサンのキョトン顔など腹立たしい以外の感情が湧いてこない。渋撥の眉間の皺が深くなった。
「鏡なら今朝ヒゲを剃るときに見たが?」
「そーゆー意味ちゃうわ。なんぼほどクソマジメやねん。天然か」
「鏡を見ろと言ったのはお前だろう」
「言われたからてほんまに見てどうすんねん。ボケ倒すのも大概にせえ。ええからはよ俺のオンナ返せ」
渋撥が禮に伸ばし、瀧はそれをパシンッと叩き落とした。
「話は終わっていない」
「お前はほんまに面倒臭いな💢 オッサンの天然なんかムカツクだけなんじゃボケェッ!」
「誰がオッサンだ! 俺はまだ30代前半だーッ!」
突然、図書室に男同士の怒鳴り声が響き渡った。
杏は教科書から、美作は少年週刊誌から、それぞれ顔を引き上げた。
「なんか今、何か野太い怒鳴り声聞こえてきましたケド?」
「……一人は近江さんの声やったな。もう一個は瀧ちゃん、かな」
「瀧って体育の? あの、顔に大っきな傷あるガッチリした」
「まー、瀧ちゃんなら変なモメ事にはなれへんやろ。放っとこか」
美作は再び少年週刊誌に目線を引き戻した。
そうですか、と杏も腰を落ち着けた。自分よりもこの世界を知り尽くしている男が言うのだからそうなのだろう。
「瀧ちゃんは教師にしては話通じるほうやで」
「へー。意外」
「ギャハハハハッ!」
突然、劈くような爆笑。これは明らかに渋撥や瀧の声ではない。
杏が周囲をキョロキョロと見渡すと、大鰐と幸島が図書室真横の通路に立っていた。
大鰐は腹を抱えて杏を指差した。
「コイツほんまに試験勉強してんでハル。手遅れやのになー?」
大鰐は杏をバカにするのに夢中だが、律儀な性分の幸島は美作に対してペコッと会釈した。美作はフラッと軽く手を振って幸島の挨拶に応えた。
「オマエのアタマじゃ必死で勉強せんと俺に負けてまうもんなァ。アホはツライのー」
バンッ、と杏はテーブルを叩いて立ち上がった。
「へー💢 アンタ資料室がどんなんか知ってたんやろ! 何でさっさと言わへんねんこの役立たず!」
「や、役立たず⁉ 俺がか!」
大鰐はガンッとショックを受けた。
美作はクックックッと肩を震わせた。大鰐のショックは同性として共感できる。
(ソレは男として一番言われたない言葉やな)
「俺は言おうとしたやろがい! 言う前にオマエがボディにフック喰らわして逃げたんやッ」
(純さんの前で要らんこと言うなこのアホ!)
杏の頬がカッと赤くなった。例えば教室でどのように罵られても羞じらいはないが、美作の前となれば話が異なる。男に遠慮なくフックをかます女と認識されたくなかった。
「コーノハル!」と杏に呼ばれ、傍観していた幸島は「ん?」と反応を返した。
杏は大鰐では何をどう言っても話にならないと判断した。大鰐と比較すれば幸島は段違いに話が通じる。人に気持ちを推し量る人情もある。
「へー、どうにかして。やかましいさかい勉強になれへん。人の迷惑にならんようちゃんと躾といてんか」
「俺が躾けるんか」
「アンタが躾けな誰が躾けんの、こんなひねくれたヤツ」
「オイ」と大鰐は不服そうな声を上げた。
「何で同い年のオマエ等に躾けられなあかんねん」
「精神年齢が小学生やから」
「誰がやッ」
美作は週刊少年誌を閉じ、それを足を組んだ太腿に乗せた。その上に頬杖を突いて大鰐に目線を向けた。
大鰐は自分に向けられる視線を敏感に察知した。目が合うと金髪の最上級生は「キミがへーちゃんやろ」と笑いかけた。次に幸島へ目を向けて「そっちがハルちゃん」と声をかけた。
大鰐は少々苦々しい気分だった。最上級生に目をかけられるというのは好ましいことだが、気に入らない愛称で覚えられるのは不本意だった。
「大鰐っス。俺は大鰐平いいます。〝へー〟は勝手につけられて迷惑してます」
「オオワニ……。フーン、大鰐なあ」
大鰐は、美作が自分の名前を噛み締めるように反復したのが引っかかった。最上級生にとって新入生など取るに足らない存在であるはずだ。何かしら含みがあるような気がした。
「何スか?」
「イヤ、キミのことは覚えたわ。これからもヨロシクな、へーちゃん」
(ちゃんと覚えてへんやんけ。俺はタイラや)
大鰐はあからさまに不服そうにブスッとした。
「キミ、荒菱館の資料室がどんなか知っとったんやな。それで禮ちゃんとアンちゃんが心配で様子見に来たか」
「そーゆーんちゃいます」
大鰐は眉根を寄せて口をひん曲げ、さらに不機嫌そうに表情を歪めた。
幸島がいい加減にしろという意味で大鰐を肘で突いた。生意気だ、叛意あり、と捉えられるような行動を慎ませたかった。
幸い、美作は大鰐の反応を見越していたかのようにハハッと笑ってくれた。
「今年の一年は頼もしいな。赤菟馬のときなんか俺等よりも先に動いてたもんな。あれには感心したで」
あれは褒められた行動ではない。居ても立ってもいられなくなったと言えば美談めくが、実態は向こう見ずで無鉄砲。結果が良かっただけで、否、結果が伴わなければ、ただの無謀な暴走だ。
大鰐も幸島も、やんわりとした口調で釘を刺されたのだと受け取った。
「ほんまに下心ゼロかどうかは置いといて、今のとこ妙な気起こさんとちゃんと女のコ守っとるみたいやで、安心や」
(下心なんかあんのは虎徹のアホくらいや)
大鰐も幸島も、新入生一の変人にして即物人間・虎徹と同列に扱われるのは御免だった。
「これから先も女のコを守ったってくれや、一年坊。俺はキミ等に期待してるで」
「これから何かあるんでっか」
幸島がすかさず美作に聞き返した。敢えて何気なく零した一言を聞き逃さないとは、なかなか見所がある。
「ここは荒菱館や。いつ何が起こってもおかしない。いつでも誰かが何かをしでかす。ドイツもコイツもそれを楽しみにしとる。お祭り騒ぎは大歓迎や。ドイツがどうなっても一時楽しめたらそれでええ」
美作は椅子の背もたれに体重を任せ、吹き抜けの天井を振り仰いだ。
最上級生にして劣悪な環境を三年間生き抜いた先達、荒菱館高校の№2に位置する美作が、どのようなことに思いを馳せているのか、何も知らないに等しい新入生たちには推し量ることはできなかった。
「誰が何するんも自由や。……ここはパラダイスやから」
パラダイス―――暴力と引き替えに自由を得る最後の楽園。それこそが、獣たちが犇めき合うこの小さな檻。
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