81 / 195
第三章 グレイベア村
第79話 幼女殺法
しおりを挟む
「幼女戦隊ドラゴンジャー出動!」
私たちは4台の73式小型トラックに搭乗し、魅惑の美女シンディ・ラトテップの案内で彼女の村へ出発した。
坂上大尉の運転する先頭のトラックには魅惑の美女シンディの他、私とタヌァカ氏が乗っている。ちなみにタヌァカ氏は魅惑の美女シンディの真後ろの席に座っている。
これはもちろん、魅惑の美女が不気味な蛆虫の正体を現した時にタヌァカ氏の幼女化スキルを叩き込むことができるようにするためだ。
街道を進む中、私は大きな声で魅惑の美女シンディに声を掛ける。
「シンディさんのバロック村は、あの山の方向で間違いないですか?」
私が指差す方向を見て、魅惑の美女シンディは頷いた。私はインカムに手を当ててフワーデに、先に偵察に向うようこっそりと指示を出した。
道中の休憩時には、魅惑の美女シンディが警戒心を抱かないように、男性陣はその周りを取り囲むように座らせる。彼らには、彼女の気を惹こうとするそぶりをするように厳命している。
「あっ、あーっ、シンディは、その……すごく色白だよなー」
いつものイタリア人気質はどこに行った!?と怒鳴りつけたくなるくらいの棒読みで、マーカスがシンディに声を掛ける。
「うふふ。お褒めいただいて嬉しいですわ」
「お、おう……」
私の目には、超セクシー美人グラドルがマーカスに妖艶に微笑みかけているように見える。マーカスの目にも絶世の美女が映っているはずなのだが、彼の顔は思い切り引きつっていた。
南大尉やヴィルフォランドールも、同じように棒読みでシンディを褒めたたえ、同じように顔を引きつらせていた。
休憩中にフワーデの報告を受けた私は、シンディさんに村まであと数時間で到着できる旨を告げる。
「現地に到着したら村の様子を偵察した後、陽が落ちるのを待って夜襲を仕掛けます」
「お願いしますわ」
私は花摘みを名目にルカを伴ってその場から離れた。
「でっ、村の様子はどうだったのじゃ?」
「まぁ、全て予想通りですね。村に人間は一人もいませんでした。」
そう言って、私はフワーデの偵察ドローン「カラス」が撮影した映像をルカと確認する。鳥に擬態したこのドローンは、上空から村の様子を精緻に撮影していた。
「ここにいるのは人間の子どもじゃないのかの?」
ルカが指摘した部分で動画を停止した私は、映像を拡大する。
「遠くからは子供のように見えますが、近づくと正体がわかりますね」
「うげっ。ドラゴンのわらわから見ても趣味が悪いのぉ」
拡大映像には、子供の身長くらいある蛆虫が複数蠢いていた。
「恐らく、子供を助けに飛び込んできたところを一網打尽にしようとしているのでしょう。周辺にある建物の中、これ分かりますか?」
「こやつのことは知っておる、ショゴタンとか言うやっかいなスライムじゃろ」
子供蛆虫の周囲にある建物の窓から、中で何かが蠢く様子が見える。その蠢くもの触手らしきものは、建物の外にある側溝の中にまで広がっていた。
「私たちもこいつと戦ったことがあります」
「勝てるか?」
「この映像からは、村のあちこちに潜んでいることが想定されます。村での戦闘となると、今の私たちの兵装だけだと厳しいかもしれません」
「そうか……ならシンイチに出張ってもらうしかないかのぉ」
「いいえ。彼には蛆女の相手をしてもらわねばなりませんし、ここは私たちにお任せください」
私はニッコリと笑ってルカに親指を立てて見せた。
~ 爆殺 ~
ドドーーーーン! ドドーーーーン! ドドーーーーン!
「トマホーク着弾! ターゲットキル!」
インカムに山形砲雷長の声が響く。
バロック村を目の前にして、私たちは護衛艦フワデラから発射されたミサイル、タクティカル・トマホークが次々と村を破壊していく様子を見物していた。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
魅惑の美女シンディが顎が外れんばかりの大口を開けて叫んでいる。
ごぉぉぉぉぉぉお。
村は炎に包まれ、私たちのいる場所まで轟音が響いてくる。
「膨れ女! これで残る妖異は貴様だけじゃ!」
ルカが魅惑の美女シンディを指差して叫ぶと、シンディはブルブルと震え出した。
「貴様ら……ただでは……ただでは済まさぬぞぉぉぉ」
魅惑の美女シンディがみるみると膨れ上がり膨れ女の正体を現す。その醜く悍ましい姿を見た、私は心臓が恐怖にワシ掴みにされるのを感じた。だが、あらかじめ心構えを固めていたので気絶するまでには至らない。他の面々も私と同じような状況のようだ。
「ただで済まさぬのは我らの方じゃ! いくぞドラゴンジャー幼女殺法!」
ルカを中心に私とライラとグレイちゃんが一列に並び、必殺技を放つ前のポーズを決める。
「賢者の石は正義の印!」(ルカ)
「青き正常なる世界を求め!」(私)
「胸にピンクの優しい心!」(ライラ)
「黄色は太陽の黄! カレーは美味しい!」(グレイちゃん)
「我ら幼女戦隊ドラゴンジャー! 必殺! 幼、女、殺、法!」(みんなで)
ルカは高く掲げたこぶしをタヌァカ氏に向けた。
「シンイチ!」
「【幼女化ビーム(1秒間)】!」
タヌァカ氏が幼女化ビームを膨れ女に放つ。
「タヌァカ氏の必殺技じゃん! 幼女戦隊関係ねぇー!」
という私のツッコミはスルーされた。
ボンッ!
煙が立ち昇ったかと思うと、膨れ女が幼女に変わっていた。
ボンッ!
と思ったらすぐに元の膨れ女に戻った。が、そのときの膨れ女は地面に這いつくばってヒクヒクするばかりで、虫の息だった。
「止めじゃ! 幼女殺法みんなでバースト!」
南大尉と坂上大尉、そしてライラが64式7.62mm小銃で膨れ女をハチの巣にする。
動かなくなった膨れ女にライラが手榴弾を投げると、全員が一斉に退避した。
ドカーーン!
こうして膨れ女は死んだ。
「幼女戦隊ドラゴンジャー! 正義の義務を果たしたり!」
ビシッ!
四人の幼女がポーズを決めている様子を、坂上大尉がスマホで撮影していた。
私たちは4台の73式小型トラックに搭乗し、魅惑の美女シンディ・ラトテップの案内で彼女の村へ出発した。
坂上大尉の運転する先頭のトラックには魅惑の美女シンディの他、私とタヌァカ氏が乗っている。ちなみにタヌァカ氏は魅惑の美女シンディの真後ろの席に座っている。
これはもちろん、魅惑の美女が不気味な蛆虫の正体を現した時にタヌァカ氏の幼女化スキルを叩き込むことができるようにするためだ。
街道を進む中、私は大きな声で魅惑の美女シンディに声を掛ける。
「シンディさんのバロック村は、あの山の方向で間違いないですか?」
私が指差す方向を見て、魅惑の美女シンディは頷いた。私はインカムに手を当ててフワーデに、先に偵察に向うようこっそりと指示を出した。
道中の休憩時には、魅惑の美女シンディが警戒心を抱かないように、男性陣はその周りを取り囲むように座らせる。彼らには、彼女の気を惹こうとするそぶりをするように厳命している。
「あっ、あーっ、シンディは、その……すごく色白だよなー」
いつものイタリア人気質はどこに行った!?と怒鳴りつけたくなるくらいの棒読みで、マーカスがシンディに声を掛ける。
「うふふ。お褒めいただいて嬉しいですわ」
「お、おう……」
私の目には、超セクシー美人グラドルがマーカスに妖艶に微笑みかけているように見える。マーカスの目にも絶世の美女が映っているはずなのだが、彼の顔は思い切り引きつっていた。
南大尉やヴィルフォランドールも、同じように棒読みでシンディを褒めたたえ、同じように顔を引きつらせていた。
休憩中にフワーデの報告を受けた私は、シンディさんに村まであと数時間で到着できる旨を告げる。
「現地に到着したら村の様子を偵察した後、陽が落ちるのを待って夜襲を仕掛けます」
「お願いしますわ」
私は花摘みを名目にルカを伴ってその場から離れた。
「でっ、村の様子はどうだったのじゃ?」
「まぁ、全て予想通りですね。村に人間は一人もいませんでした。」
そう言って、私はフワーデの偵察ドローン「カラス」が撮影した映像をルカと確認する。鳥に擬態したこのドローンは、上空から村の様子を精緻に撮影していた。
「ここにいるのは人間の子どもじゃないのかの?」
ルカが指摘した部分で動画を停止した私は、映像を拡大する。
「遠くからは子供のように見えますが、近づくと正体がわかりますね」
「うげっ。ドラゴンのわらわから見ても趣味が悪いのぉ」
拡大映像には、子供の身長くらいある蛆虫が複数蠢いていた。
「恐らく、子供を助けに飛び込んできたところを一網打尽にしようとしているのでしょう。周辺にある建物の中、これ分かりますか?」
「こやつのことは知っておる、ショゴタンとか言うやっかいなスライムじゃろ」
子供蛆虫の周囲にある建物の窓から、中で何かが蠢く様子が見える。その蠢くもの触手らしきものは、建物の外にある側溝の中にまで広がっていた。
「私たちもこいつと戦ったことがあります」
「勝てるか?」
「この映像からは、村のあちこちに潜んでいることが想定されます。村での戦闘となると、今の私たちの兵装だけだと厳しいかもしれません」
「そうか……ならシンイチに出張ってもらうしかないかのぉ」
「いいえ。彼には蛆女の相手をしてもらわねばなりませんし、ここは私たちにお任せください」
私はニッコリと笑ってルカに親指を立てて見せた。
~ 爆殺 ~
ドドーーーーン! ドドーーーーン! ドドーーーーン!
「トマホーク着弾! ターゲットキル!」
インカムに山形砲雷長の声が響く。
バロック村を目の前にして、私たちは護衛艦フワデラから発射されたミサイル、タクティカル・トマホークが次々と村を破壊していく様子を見物していた。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
魅惑の美女シンディが顎が外れんばかりの大口を開けて叫んでいる。
ごぉぉぉぉぉぉお。
村は炎に包まれ、私たちのいる場所まで轟音が響いてくる。
「膨れ女! これで残る妖異は貴様だけじゃ!」
ルカが魅惑の美女シンディを指差して叫ぶと、シンディはブルブルと震え出した。
「貴様ら……ただでは……ただでは済まさぬぞぉぉぉ」
魅惑の美女シンディがみるみると膨れ上がり膨れ女の正体を現す。その醜く悍ましい姿を見た、私は心臓が恐怖にワシ掴みにされるのを感じた。だが、あらかじめ心構えを固めていたので気絶するまでには至らない。他の面々も私と同じような状況のようだ。
「ただで済まさぬのは我らの方じゃ! いくぞドラゴンジャー幼女殺法!」
ルカを中心に私とライラとグレイちゃんが一列に並び、必殺技を放つ前のポーズを決める。
「賢者の石は正義の印!」(ルカ)
「青き正常なる世界を求め!」(私)
「胸にピンクの優しい心!」(ライラ)
「黄色は太陽の黄! カレーは美味しい!」(グレイちゃん)
「我ら幼女戦隊ドラゴンジャー! 必殺! 幼、女、殺、法!」(みんなで)
ルカは高く掲げたこぶしをタヌァカ氏に向けた。
「シンイチ!」
「【幼女化ビーム(1秒間)】!」
タヌァカ氏が幼女化ビームを膨れ女に放つ。
「タヌァカ氏の必殺技じゃん! 幼女戦隊関係ねぇー!」
という私のツッコミはスルーされた。
ボンッ!
煙が立ち昇ったかと思うと、膨れ女が幼女に変わっていた。
ボンッ!
と思ったらすぐに元の膨れ女に戻った。が、そのときの膨れ女は地面に這いつくばってヒクヒクするばかりで、虫の息だった。
「止めじゃ! 幼女殺法みんなでバースト!」
南大尉と坂上大尉、そしてライラが64式7.62mm小銃で膨れ女をハチの巣にする。
動かなくなった膨れ女にライラが手榴弾を投げると、全員が一斉に退避した。
ドカーーン!
こうして膨れ女は死んだ。
「幼女戦隊ドラゴンジャー! 正義の義務を果たしたり!」
ビシッ!
四人の幼女がポーズを決めている様子を、坂上大尉がスマホで撮影していた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる