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第76話 女神クエスト受注
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俺がドラゴンの婿と知って以降、イリアーナのエロ挑発はそれはもうパーフェクトと言って良いくらいに無くなってしまった。
「サキュバスというのはそういうものじゃからの」
とルカは言っていた。サキュバスは自分が身ををく共同体の中で最も力を持った男を籠絡しようとする性質があるらしい。
その力というのは単なる腕力のときもあれば、俺のように立場が高いという意味での力を指すこともあるようだ。
サキュバスは相手が妻子持ちだろうが関係なく誘惑することから、共同体に大混乱を引き起こすことが多い。
おそらくライラはそういったサキュバスの危険性を知っていて、俺のことを守ってくれたのだろう。
そんなサキュバスだからこそヒラエルキーについては犬猫クラスの敏感センサーを持っている。魔物の頂点にあるドラゴン。
その婿に対してちょっかいを出すなんてことは絶対にありえないのだ。
というわけで、俺がドラゴンの婿と知れて以降、イリアーナの挑発はない。
「ちょっと残念かも……」
「なにシンイチが『やらせろ』と言えばいくらでも好きにできるじゃろうよ」
俺の独り言を聞いたルカが言う。
「そ、そうなの?」
「自分より遥かに力が強いものには逆らわん。サキュバスというのはそういうものじゃ。なんなら試してみるか?」
「えっ、いや……いいよ」
俺は脳内でパワハラ上司(俺)が部下の美人巨乳OL(イリアーナ)に関係を迫るエロシーンを思い浮かべる。
表面上は拒否するそぶりを見せながら、実のところ期待している美人巨乳OLがわざと胸をはだけさせてパワハラ上司を挑発し……
ライラと目が合った。
俺は目を泳がせつつ、
「そういうのよくないよ!……ねっ!」
「わたしは構いませんよ、シンイチ様」
「おお! ライラは懐が深いのぉ!」
「ただ、もしわたしより先に身ごもることになるようなことがあれば……」
「「……あれば?」」
ライラの静かな気迫に俺もルカも真剣な表情で次の言葉を待った。
「消します。母体ごと……」
ライラの目は本気だったよ。
「あっ、あー、やっぱり無理強いってのはよくないよ! 俺そういうの全く駄目だから。そ、それに俺にはライラがいるから、そもそもそんな必要ないし……ねっ! ルカ!」
「そそ、そーじゃの! シンイチにはライラがおるからな!」
ライラが胸に手を当ててニッコリ微笑んだ。それはまごうことなき天使の笑顔だった。だったが……怖かった。
~ 女神クエスト ~
(ココロチン、そういや女神クエストって今どんな感じ?)
最近、俺は【幼女化】の技に磨きを掛け続けている。ステファンには剣術を、ライラには拳闘を教わり、自分自身が戦いながらスキルを発動させるという技術を磨いていた。
最近では一人で狩に出かけては獲物を相手に【幼女化】を放ち、着々と腕を上げ、スキルレベルを上げるための個体数をこなしつつあった。
というわけで、そろそろ腕試しをしてみたいと俺は感じていた。
(それでは現状のクエスト一覧を表示します)
≫ 受注可能な女神クエスト一覧
≫ ● 勇者を探せ! 報酬:EON200,000ポイント/買い物かご+1 / デュフデュフ動画プレミア会員登録
≫ ● 悪魔勇者を探せ! 報酬:EON1,000,000ポイント / Amazonoサービス解放 / NetPrex会員登録
≫ 〇 魔王を倒せ! 報酬:EON3,000,000ポイント / 王の指輪
≫ 〇 妖異 ダゴリーヌの狩猟 報酬:EON900,000ポイント
≫ 〇 妖異 ドドミ=ゴの狩猟 報酬:EON700,000ポイント
≫ 受注可能な天使クエスト一覧
≫ ● 男の娘を攻略せよ 報酬:買い物かご+1
(んー、色々ツッコミたいねぇ。ツッコミたいけど……)
(お気持ちはわかります)
男の娘攻略って何だよ! 俺は絶対に突っ込まないからな! いや、エロい意味じゃないよ!?
(えっと……そうだな。どこから触れても地雷な予感しかしないから順番に行くか。『勇者を探せ』ってあるけどさぁ、勇者って女神が転生させたんじゃないの? なして居場所がわからんと?)
(……まったく田中様の仰る通りです。ほんと何やってんだか……と思わなくないですが、現在行方不明なのは確かです)
(俺限定でクエストが出ているってことは、他には知られたくないってこと?)
(まぁ、なるべく問題が小さいうちに処理したいという発注側の意図は感じますね。報酬も若干増えているようですし、急いでいるとも読めなくはありません)
報酬が増えてる? 改めてクエスト報酬を見てみると確かに増えていた。
(デュフデュフ動画のプレミア会員登録って……あの動画共有サイトの?)
(はい。♪デューフデュフ動画♪のプレミア会員登録ですね)
(それ凄いな! いやでもどうやって視るのさ!)
(端末はスマホかタブレットを契約していただくか、Amazonoサービスが使えるようになってからパソコンをご購入いただくか……)
(それも凄い話だな!)
(そうなるとノートパソとか手に入れたいところだけどAmazonoサービスの利用は、悪魔勇者探しか……字面からして死にそうなクエストだな)
(報酬のポイントも一桁違いますね)
(うん。先に勇者を探そう。それで勇者に悪魔勇者を倒して貰って報酬ゲットの路線でいくか)
(汚い、さすが田中様です)
(支援精霊ボーナス……いらないの?)
(田中様、ふぁい・おー!です!)
(といっても、勇者を探す手掛かりとかはないの?)
(転生直後の場所以外は何もありません)
(うーん。一応は受注しておいて、地道に気長に探していくとするか)
というわけで俺は二つのクエストを受注することにした。
≫ ● 勇者を探せ!
≫ 〇 妖異 ドドミ=ゴの狩猟
男の娘を攻略せよ?
そんな地雷踏んでたまるか!
「サキュバスというのはそういうものじゃからの」
とルカは言っていた。サキュバスは自分が身ををく共同体の中で最も力を持った男を籠絡しようとする性質があるらしい。
その力というのは単なる腕力のときもあれば、俺のように立場が高いという意味での力を指すこともあるようだ。
サキュバスは相手が妻子持ちだろうが関係なく誘惑することから、共同体に大混乱を引き起こすことが多い。
おそらくライラはそういったサキュバスの危険性を知っていて、俺のことを守ってくれたのだろう。
そんなサキュバスだからこそヒラエルキーについては犬猫クラスの敏感センサーを持っている。魔物の頂点にあるドラゴン。
その婿に対してちょっかいを出すなんてことは絶対にありえないのだ。
というわけで、俺がドラゴンの婿と知れて以降、イリアーナの挑発はない。
「ちょっと残念かも……」
「なにシンイチが『やらせろ』と言えばいくらでも好きにできるじゃろうよ」
俺の独り言を聞いたルカが言う。
「そ、そうなの?」
「自分より遥かに力が強いものには逆らわん。サキュバスというのはそういうものじゃ。なんなら試してみるか?」
「えっ、いや……いいよ」
俺は脳内でパワハラ上司(俺)が部下の美人巨乳OL(イリアーナ)に関係を迫るエロシーンを思い浮かべる。
表面上は拒否するそぶりを見せながら、実のところ期待している美人巨乳OLがわざと胸をはだけさせてパワハラ上司を挑発し……
ライラと目が合った。
俺は目を泳がせつつ、
「そういうのよくないよ!……ねっ!」
「わたしは構いませんよ、シンイチ様」
「おお! ライラは懐が深いのぉ!」
「ただ、もしわたしより先に身ごもることになるようなことがあれば……」
「「……あれば?」」
ライラの静かな気迫に俺もルカも真剣な表情で次の言葉を待った。
「消します。母体ごと……」
ライラの目は本気だったよ。
「あっ、あー、やっぱり無理強いってのはよくないよ! 俺そういうの全く駄目だから。そ、それに俺にはライラがいるから、そもそもそんな必要ないし……ねっ! ルカ!」
「そそ、そーじゃの! シンイチにはライラがおるからな!」
ライラが胸に手を当ててニッコリ微笑んだ。それはまごうことなき天使の笑顔だった。だったが……怖かった。
~ 女神クエスト ~
(ココロチン、そういや女神クエストって今どんな感じ?)
最近、俺は【幼女化】の技に磨きを掛け続けている。ステファンには剣術を、ライラには拳闘を教わり、自分自身が戦いながらスキルを発動させるという技術を磨いていた。
最近では一人で狩に出かけては獲物を相手に【幼女化】を放ち、着々と腕を上げ、スキルレベルを上げるための個体数をこなしつつあった。
というわけで、そろそろ腕試しをしてみたいと俺は感じていた。
(それでは現状のクエスト一覧を表示します)
≫ 受注可能な女神クエスト一覧
≫ ● 勇者を探せ! 報酬:EON200,000ポイント/買い物かご+1 / デュフデュフ動画プレミア会員登録
≫ ● 悪魔勇者を探せ! 報酬:EON1,000,000ポイント / Amazonoサービス解放 / NetPrex会員登録
≫ 〇 魔王を倒せ! 報酬:EON3,000,000ポイント / 王の指輪
≫ 〇 妖異 ダゴリーヌの狩猟 報酬:EON900,000ポイント
≫ 〇 妖異 ドドミ=ゴの狩猟 報酬:EON700,000ポイント
≫ 受注可能な天使クエスト一覧
≫ ● 男の娘を攻略せよ 報酬:買い物かご+1
(んー、色々ツッコミたいねぇ。ツッコミたいけど……)
(お気持ちはわかります)
男の娘攻略って何だよ! 俺は絶対に突っ込まないからな! いや、エロい意味じゃないよ!?
(えっと……そうだな。どこから触れても地雷な予感しかしないから順番に行くか。『勇者を探せ』ってあるけどさぁ、勇者って女神が転生させたんじゃないの? なして居場所がわからんと?)
(……まったく田中様の仰る通りです。ほんと何やってんだか……と思わなくないですが、現在行方不明なのは確かです)
(俺限定でクエストが出ているってことは、他には知られたくないってこと?)
(まぁ、なるべく問題が小さいうちに処理したいという発注側の意図は感じますね。報酬も若干増えているようですし、急いでいるとも読めなくはありません)
報酬が増えてる? 改めてクエスト報酬を見てみると確かに増えていた。
(デュフデュフ動画のプレミア会員登録って……あの動画共有サイトの?)
(はい。♪デューフデュフ動画♪のプレミア会員登録ですね)
(それ凄いな! いやでもどうやって視るのさ!)
(端末はスマホかタブレットを契約していただくか、Amazonoサービスが使えるようになってからパソコンをご購入いただくか……)
(それも凄い話だな!)
(そうなるとノートパソとか手に入れたいところだけどAmazonoサービスの利用は、悪魔勇者探しか……字面からして死にそうなクエストだな)
(報酬のポイントも一桁違いますね)
(うん。先に勇者を探そう。それで勇者に悪魔勇者を倒して貰って報酬ゲットの路線でいくか)
(汚い、さすが田中様です)
(支援精霊ボーナス……いらないの?)
(田中様、ふぁい・おー!です!)
(といっても、勇者を探す手掛かりとかはないの?)
(転生直後の場所以外は何もありません)
(うーん。一応は受注しておいて、地道に気長に探していくとするか)
というわけで俺は二つのクエストを受注することにした。
≫ ● 勇者を探せ!
≫ 〇 妖異 ドドミ=ゴの狩猟
男の娘を攻略せよ?
そんな地雷踏んでたまるか!
応援ありがとうございます!
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