70 / 120
第70話 アダルトグッズの正しい使い方
しおりを挟む
キモヲタたちがトゥチョ=トゥチョ族の村を出て一週間。
とうとうウドゥンキラーナの領域からも出ることになりました。
「妾が見送れるのはここまでじゃ、この先からは十分注意して旅を続けるのじゃぞ」
「まぁ、色々と思うところはござるが、世話になったことには感謝するでござるよ」
「ピンクのふにふにならまだ返せるが、よいのでありんすか?」
「まだ川に流してなかったんかーい! でござる!」
「ふふふ。これで本当にお別れじゃのう」
「……」
「ではさらばじゃ……」
そう言い残すと、ウドゥンキラーナの姿は森の中へ溶け込んで消えてしまいました。
ピンクのふにふにがちゃんと川に流されたのか、キモヲタはウドゥンキラーナにツッコんで確認できなかったのが残念でなりませんでした。
しかし、その話題が他の仲間の耳に入ってしまうとキモヲタの身に危険が危ないので、ついに聞くことはできませんでした。
「さぁ、ここからが本当の冒険でござるな!」
気合を入れるキモヲタに、ユリアスが頷きます。
「そうですね。ここからカザン王国までは距離はありますが、この街道をまっすぐ進むだけです。なので迷うことはありませんが、まだ戦火が消えたわけではありませんので、心して向かいましょう」
ユリアスの言葉に鷹揚に頷くキモヲタ。その周りをキーラがピョンピョンと跳ね回り始めました。
「ねぇ、キモヲタ! ウドゥンキラーナが言ってたピンクのふにふにって何? エルミアナもセリアもユリアスも、ボクには教えてくれないんだよ! 酷いよね! で、ピンクのふにふにって何なの?」
「さぁ、我輩たちの冒険が今始まるでござる!」
「んーっ! もう! キモヲタ教えてよ! 教えてったら! ピンクのふにふにって何なの!」
苦笑いするユリアス、こめかみに青筋を立てるエルミアナとセリア、そしてビクつくキモヲタ。その周りを飛び回るキーラ。
「ンメェェェエエ!」
キンタの鳴き声を合図に、キモヲタたちの冒険が始まったのでした。
~ 主婦力が高い ~
この冒険の旅において、日常生活面でのキモヲタの役割は主に食事の準備と洗濯でした。
洗濯については、縞パンやコスプレ衣装の扱いが繊細であることを理由にして、嫌がる女子勢を無理くり説得して担当になりました。
最初のうちは、脱ぎたてシャンティを見て胸をときめかせるキモヲタでしたが、一週間もすると、洗濯物はただの洗濯物でしかなくなってしまいました。
同じく女子勢も、最初のうちはキモヲタの下心に警戒心と嫌悪感を抱いていたものの、一週間もするとキモヲタのことを魔法の全自動洗濯乾燥機としか思わなくなっていきました。
そういわけで今朝も今朝とて、川で洗濯を終えたキモヲタは野営地に戻ると、まだ寝ている女子勢を起こさないように気をつけながら、日の良く当たる場所に洗濯物を干しはじめます。
ナイトタイムラバーで大量に購入したコン○ームで結んで作ったゴムの紐を木と木の間に張り、SMカテゴリで販売されていた一体どこを挟むのか興味深いクリップを洗濯ばさみにして、洗濯物を干していきました。
その後、焚火が消えかかっていることに気がついたキモヲタ。
僅かに残った種火に、コ○ドームを投げ入れ、ゴムが燃え始めるとグッズの空箱を入れ、それが燃え始めると、今度は焚き木を投入して、焚火を再生させました。
「あっ、水を汲むのをわすれていたでござる」
キモヲタはコンドー○と、同じくナイトタイムラバーででおもちゃの保存用に販売されていた巾着袋を手に取り、川へ向かいます。
コ○ドームの口を広げて水を入れ、水で膨らんだコン○ームを巾着袋に入れて、キモヲタは簡易水筒を作りました。同じ水筒を6つも作った後、キモヲタは再び野営地に戻り、女子勢を起こさないように気遣いながら、エプロンを身に着けて朝食の準備に取り掛かりました。
まず鍋を焚火に掛けて水を煮立たせます。昨日の残りのカルパスの袋を取り出し、袋を止めていた輪ゴム代わりのコ○ドームを外して、中身を鍋に投入。そこに野菜を加えて、最後にレトルトカレーを開けて、カレースープを完成させました。
まず最初に、匂いにつられたキーラが起き上がってきて、スープ鍋に近寄ってきます。
「ふぁぁあ、おはようキモヲタ! とってもいい香りだね!」
続いて、朝の見張りを続けていたエルミアナが木から降りてきました。
「キモヲタ殿、お疲れ様。先ほどからずっと見ていましたが、そのこんどーむ?というのは色々と応用のきく素晴らしいアイテムですね。できれば私にも分けて欲しいですが」
「それは構わんでござるが、焚火が消えかけてござったぞ! 気をつけて欲しいでござる」
「申し訳ない。つい、キモヲタ殿を当てにしてサボッてしまいました」
キモヲタは両手を腰に当てて、まだ眠っているユリアスとセリアを起こしに掛かりました。
「二人とも朝食ができたでござるよ! 早く起きて一緒に食べるでござる! さぁさぁ!」
「キモヲタ様、おはようございます」
「うーん……お母さん……あと5分……」
「誰がお母さんかっ!」
と、セリアを起こしに掛かるキモヲタの姿を見て、エルミアナとキーラは思うのでした。
「「お母さんだこれ!」」
とうとうウドゥンキラーナの領域からも出ることになりました。
「妾が見送れるのはここまでじゃ、この先からは十分注意して旅を続けるのじゃぞ」
「まぁ、色々と思うところはござるが、世話になったことには感謝するでござるよ」
「ピンクのふにふにならまだ返せるが、よいのでありんすか?」
「まだ川に流してなかったんかーい! でござる!」
「ふふふ。これで本当にお別れじゃのう」
「……」
「ではさらばじゃ……」
そう言い残すと、ウドゥンキラーナの姿は森の中へ溶け込んで消えてしまいました。
ピンクのふにふにがちゃんと川に流されたのか、キモヲタはウドゥンキラーナにツッコんで確認できなかったのが残念でなりませんでした。
しかし、その話題が他の仲間の耳に入ってしまうとキモヲタの身に危険が危ないので、ついに聞くことはできませんでした。
「さぁ、ここからが本当の冒険でござるな!」
気合を入れるキモヲタに、ユリアスが頷きます。
「そうですね。ここからカザン王国までは距離はありますが、この街道をまっすぐ進むだけです。なので迷うことはありませんが、まだ戦火が消えたわけではありませんので、心して向かいましょう」
ユリアスの言葉に鷹揚に頷くキモヲタ。その周りをキーラがピョンピョンと跳ね回り始めました。
「ねぇ、キモヲタ! ウドゥンキラーナが言ってたピンクのふにふにって何? エルミアナもセリアもユリアスも、ボクには教えてくれないんだよ! 酷いよね! で、ピンクのふにふにって何なの?」
「さぁ、我輩たちの冒険が今始まるでござる!」
「んーっ! もう! キモヲタ教えてよ! 教えてったら! ピンクのふにふにって何なの!」
苦笑いするユリアス、こめかみに青筋を立てるエルミアナとセリア、そしてビクつくキモヲタ。その周りを飛び回るキーラ。
「ンメェェェエエ!」
キンタの鳴き声を合図に、キモヲタたちの冒険が始まったのでした。
~ 主婦力が高い ~
この冒険の旅において、日常生活面でのキモヲタの役割は主に食事の準備と洗濯でした。
洗濯については、縞パンやコスプレ衣装の扱いが繊細であることを理由にして、嫌がる女子勢を無理くり説得して担当になりました。
最初のうちは、脱ぎたてシャンティを見て胸をときめかせるキモヲタでしたが、一週間もすると、洗濯物はただの洗濯物でしかなくなってしまいました。
同じく女子勢も、最初のうちはキモヲタの下心に警戒心と嫌悪感を抱いていたものの、一週間もするとキモヲタのことを魔法の全自動洗濯乾燥機としか思わなくなっていきました。
そういわけで今朝も今朝とて、川で洗濯を終えたキモヲタは野営地に戻ると、まだ寝ている女子勢を起こさないように気をつけながら、日の良く当たる場所に洗濯物を干しはじめます。
ナイトタイムラバーで大量に購入したコン○ームで結んで作ったゴムの紐を木と木の間に張り、SMカテゴリで販売されていた一体どこを挟むのか興味深いクリップを洗濯ばさみにして、洗濯物を干していきました。
その後、焚火が消えかかっていることに気がついたキモヲタ。
僅かに残った種火に、コ○ドームを投げ入れ、ゴムが燃え始めるとグッズの空箱を入れ、それが燃え始めると、今度は焚き木を投入して、焚火を再生させました。
「あっ、水を汲むのをわすれていたでござる」
キモヲタはコンドー○と、同じくナイトタイムラバーででおもちゃの保存用に販売されていた巾着袋を手に取り、川へ向かいます。
コ○ドームの口を広げて水を入れ、水で膨らんだコン○ームを巾着袋に入れて、キモヲタは簡易水筒を作りました。同じ水筒を6つも作った後、キモヲタは再び野営地に戻り、女子勢を起こさないように気遣いながら、エプロンを身に着けて朝食の準備に取り掛かりました。
まず鍋を焚火に掛けて水を煮立たせます。昨日の残りのカルパスの袋を取り出し、袋を止めていた輪ゴム代わりのコ○ドームを外して、中身を鍋に投入。そこに野菜を加えて、最後にレトルトカレーを開けて、カレースープを完成させました。
まず最初に、匂いにつられたキーラが起き上がってきて、スープ鍋に近寄ってきます。
「ふぁぁあ、おはようキモヲタ! とってもいい香りだね!」
続いて、朝の見張りを続けていたエルミアナが木から降りてきました。
「キモヲタ殿、お疲れ様。先ほどからずっと見ていましたが、そのこんどーむ?というのは色々と応用のきく素晴らしいアイテムですね。できれば私にも分けて欲しいですが」
「それは構わんでござるが、焚火が消えかけてござったぞ! 気をつけて欲しいでござる」
「申し訳ない。つい、キモヲタ殿を当てにしてサボッてしまいました」
キモヲタは両手を腰に当てて、まだ眠っているユリアスとセリアを起こしに掛かりました。
「二人とも朝食ができたでござるよ! 早く起きて一緒に食べるでござる! さぁさぁ!」
「キモヲタ様、おはようございます」
「うーん……お母さん……あと5分……」
「誰がお母さんかっ!」
と、セリアを起こしに掛かるキモヲタの姿を見て、エルミアナとキーラは思うのでした。
「「お母さんだこれ!」」
1
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
帝国の第一皇女に転生しましたが3日で誘拐されました
山田うちう
ファンタジー
帝国の皇女に転生するも、生後3日で誘拐されてしまう。
犯人を追ってくれた騎士により命は助かるが、隣国で一人置き去りに。
たまたま通りかかった、隣国の伯爵に拾われ、伯爵家の一人娘ルセルとして育つ。
何不自由なく育ったルセルだが、5歳の時に受けた教会の洗礼式で真名を与えられ、背中に大きな太陽のアザが浮かび上がる。。。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる