54 / 120
第54話 キモヲタとうとう真実を語る……って最初から語ってござろうが!
しおりを挟む
ユリアスとセリア、そしてエルミアナに取り囲まれたときには「何事か」と警戒したキモヲタ。
しかし、彼女たちがただ「パンティが欲しい」というだけのことだったことを知って、内心でホッと胸を撫で下ろすのでした。
ところが既に事は「パンティ」だけでは納まらないところまで、彼女たちは来ていたのです。
キーラのお尻を撫でまわしていたエルミアナが、キモヲタに真剣な眼差しを向けて言いました。キーラのお尻を撫でまわしながら言いました。
「カレーのときには何だかんだと一生懸命に言い訳しておられたので、私たちもあまり深く追及はしませんでしたが……。キモヲタ殿、何か私たちに隠していることがありますよね?」
「ギクッ!?」
確かにキモヲタには隠していることが沢山ありました。
そんなキモヲタの反応に気付いたセリアが、すかさず追及を続けます。
「最初からおかしいとは思っていました。あんなに大量のカレーをどこから持ち込んだのか。いえ……出してきたのかと。あなた……色々と隠していますよね?」
「ギクッギクッ!?」
キモヲタの頭の中に、色々と思い当たるモノが浮かんでは消えていきます。
そんなキモヲタの様子を見て、ユリアスが口を開きました。
「キモヲタ様、私たちは仲間ではないですか。信じてください。貴方がどのような隠し事をなさっていたとしても、私は全て受け入れる覚悟ができています」
ユリアスが、まるで天使のように美しい笑顔で、キモヲタに向って両腕を広げました。
「あわわわわ……」
キモヲタの全身から大量の汗が流れ出て行きます。
(ま、まさか、我輩がカレーと一緒に色々と購入したアダルトグッズのことがバ、バレているのでござるか。そ、そういえばキーラタソには、あの箱を見られてしまっていたでござる。そこから秘密が漏れて……)
キモヲタの脳裡に、セーラー服の可愛い女の子の絵が描かれた箱や、顔を真っ赤にメスの顔をした爆乳少女の絵が描かれた箱や、お尻を突き出しながらこちらを振り返っているメイド少女の絵が描かれた箱や(以下略)の映像が浮かんできました。
(くっ! もしこんなところでバレてしまうのであれば、さっさと使っておけばよかったでござる! まさか、まだ一度も使わないまま、すべて破棄されてしまことになろうとは……)
……というキモヲタの懸念は、まったくの杞憂でした。
セリアが瞳の中の青い焔を揺らめかせながら、キモヲタに問いかけました。
「あなた【空間収納】を持っているのでしょう?」
「えっ!? そんなものがあるのでござるか?」
「あら? その反応……どうやら違うみたいね」
二人のやりとりを聞いていたユリアスがセリアに【空間収納】尋ねます。
「分かりやすく言えば【魔法のカバン】のことよ。どんなものでも、いくらでもカバンに詰め込んで持ち運ぶことができるの」
「な、なるほど。それならキモヲタ殿が、あの沢山のカレーをいきなり出してきたというのも納得がいきます」
納得するユリアスにエルミアナが、
「でも、キモヲタ殿は【空間収納】を知らなかった。つまり【魔法のカバン】は持っていないのですよね?」
「そういう便利なものがあるのでござれば、ぜひとも手に入れたいでござるな。デュフコポー」
どうやら話の焦点がアダルトグッズにないことを知ったキモヲタ。安心したのでしょう。いつものキモヲタ呼吸が戻ってきたのでした。
「でも、あれだけ沢山のカレーを、私たちの誰も気付かないうちに一瞬で持ち込んだ。それだけじゃない、あのキーラにプレゼントしていた、明らかに普通じゃないクオリティのシャンティ……」
そう言って、セリアがキモヲタをジッと見つめてきます。その瞳に浮かぶ青い焔を見て、キモヲタは思わず背筋が凍るのを感じるのでした。
「キモヲタ……あなたもしかして異世界人ね?」
「えっ!? キモヲタ様が異世界から来た人ということですか」
「ま、まさか……キモヲタはこの世界のオー……人間じゃないのですか?」
そして、既に復活してベッドの上に腰かけていたキーラも、
「キモヲタは異世界から来たの!?」
全員が驚愕した表情を浮かべて、キモヲタを見つめているのでした。
「最初からそう言ってござろうがぁぁぁ!」
思わず怒鳴ってしまったキモヲタでした。
「最初からずっと我輩は自分のことを転移者と紹介してたでござろうが! というかエルミアナ殿はまだ我輩のことをオークとか言いかけてござったよね! 我輩のことを異世界オークとか思ってござるよね!?」
キモヲタに詰め寄られたエルミアナが指で頬を掻きながら、そっと目を逸らしました。
「えっ……あっ……その……ごめんなさい」
ユリアスは顎に手を当てて上を向きながら、一生懸命に思い出そうとしていました。
「そういえばそんなことを仰っていたような……」
セリアはキモヲタに目を向けられても、まったく動じることなく冷静に答えました。
「ごめん。たぶん、そのときはオークの泣き声か何かだと思って聞いてなかったんだと思う」
「こん畜生でござるぅぅぅ!!」
キモヲタの絶叫を完全にスルーして、セリアがキモヲタに尋ねました。
「で、あなたは異世界人で、あのカレーやシャンティは異世界人の不思議な能力を使って出したってことでいいのかしら」
「はい……」
セリアに何を言っても、どうせ自分が望むような反応を一切返してくれないと悟ったキモヲタは、ただただうな垂れるのでした。
しかし、彼女たちがただ「パンティが欲しい」というだけのことだったことを知って、内心でホッと胸を撫で下ろすのでした。
ところが既に事は「パンティ」だけでは納まらないところまで、彼女たちは来ていたのです。
キーラのお尻を撫でまわしていたエルミアナが、キモヲタに真剣な眼差しを向けて言いました。キーラのお尻を撫でまわしながら言いました。
「カレーのときには何だかんだと一生懸命に言い訳しておられたので、私たちもあまり深く追及はしませんでしたが……。キモヲタ殿、何か私たちに隠していることがありますよね?」
「ギクッ!?」
確かにキモヲタには隠していることが沢山ありました。
そんなキモヲタの反応に気付いたセリアが、すかさず追及を続けます。
「最初からおかしいとは思っていました。あんなに大量のカレーをどこから持ち込んだのか。いえ……出してきたのかと。あなた……色々と隠していますよね?」
「ギクッギクッ!?」
キモヲタの頭の中に、色々と思い当たるモノが浮かんでは消えていきます。
そんなキモヲタの様子を見て、ユリアスが口を開きました。
「キモヲタ様、私たちは仲間ではないですか。信じてください。貴方がどのような隠し事をなさっていたとしても、私は全て受け入れる覚悟ができています」
ユリアスが、まるで天使のように美しい笑顔で、キモヲタに向って両腕を広げました。
「あわわわわ……」
キモヲタの全身から大量の汗が流れ出て行きます。
(ま、まさか、我輩がカレーと一緒に色々と購入したアダルトグッズのことがバ、バレているのでござるか。そ、そういえばキーラタソには、あの箱を見られてしまっていたでござる。そこから秘密が漏れて……)
キモヲタの脳裡に、セーラー服の可愛い女の子の絵が描かれた箱や、顔を真っ赤にメスの顔をした爆乳少女の絵が描かれた箱や、お尻を突き出しながらこちらを振り返っているメイド少女の絵が描かれた箱や(以下略)の映像が浮かんできました。
(くっ! もしこんなところでバレてしまうのであれば、さっさと使っておけばよかったでござる! まさか、まだ一度も使わないまま、すべて破棄されてしまことになろうとは……)
……というキモヲタの懸念は、まったくの杞憂でした。
セリアが瞳の中の青い焔を揺らめかせながら、キモヲタに問いかけました。
「あなた【空間収納】を持っているのでしょう?」
「えっ!? そんなものがあるのでござるか?」
「あら? その反応……どうやら違うみたいね」
二人のやりとりを聞いていたユリアスがセリアに【空間収納】尋ねます。
「分かりやすく言えば【魔法のカバン】のことよ。どんなものでも、いくらでもカバンに詰め込んで持ち運ぶことができるの」
「な、なるほど。それならキモヲタ殿が、あの沢山のカレーをいきなり出してきたというのも納得がいきます」
納得するユリアスにエルミアナが、
「でも、キモヲタ殿は【空間収納】を知らなかった。つまり【魔法のカバン】は持っていないのですよね?」
「そういう便利なものがあるのでござれば、ぜひとも手に入れたいでござるな。デュフコポー」
どうやら話の焦点がアダルトグッズにないことを知ったキモヲタ。安心したのでしょう。いつものキモヲタ呼吸が戻ってきたのでした。
「でも、あれだけ沢山のカレーを、私たちの誰も気付かないうちに一瞬で持ち込んだ。それだけじゃない、あのキーラにプレゼントしていた、明らかに普通じゃないクオリティのシャンティ……」
そう言って、セリアがキモヲタをジッと見つめてきます。その瞳に浮かぶ青い焔を見て、キモヲタは思わず背筋が凍るのを感じるのでした。
「キモヲタ……あなたもしかして異世界人ね?」
「えっ!? キモヲタ様が異世界から来た人ということですか」
「ま、まさか……キモヲタはこの世界のオー……人間じゃないのですか?」
そして、既に復活してベッドの上に腰かけていたキーラも、
「キモヲタは異世界から来たの!?」
全員が驚愕した表情を浮かべて、キモヲタを見つめているのでした。
「最初からそう言ってござろうがぁぁぁ!」
思わず怒鳴ってしまったキモヲタでした。
「最初からずっと我輩は自分のことを転移者と紹介してたでござろうが! というかエルミアナ殿はまだ我輩のことをオークとか言いかけてござったよね! 我輩のことを異世界オークとか思ってござるよね!?」
キモヲタに詰め寄られたエルミアナが指で頬を掻きながら、そっと目を逸らしました。
「えっ……あっ……その……ごめんなさい」
ユリアスは顎に手を当てて上を向きながら、一生懸命に思い出そうとしていました。
「そういえばそんなことを仰っていたような……」
セリアはキモヲタに目を向けられても、まったく動じることなく冷静に答えました。
「ごめん。たぶん、そのときはオークの泣き声か何かだと思って聞いてなかったんだと思う」
「こん畜生でござるぅぅぅ!!」
キモヲタの絶叫を完全にスルーして、セリアがキモヲタに尋ねました。
「で、あなたは異世界人で、あのカレーやシャンティは異世界人の不思議な能力を使って出したってことでいいのかしら」
「はい……」
セリアに何を言っても、どうせ自分が望むような反応を一切返してくれないと悟ったキモヲタは、ただただうな垂れるのでした。
1
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる