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第35話 やはりただの変態……
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清楚系美人から謝罪されただけで、思わず惚れそうになってしまう。そんな悲しい哀しい己の性に気付いて、内心で凹むキモヲタ。
ふと、セリアの腰にある剣に目が留まります。
「お腰のそれ、もしや刀では……」
キモヲタの口から「カタナ」という言葉が出たのを聞いて、セリアの瞳の中にある炎が、一瞬明るく輝きました。
「よく……ご存じですね」
そう言ってセリアは、美しく装飾された赤い鞘が見える様に、腰をキモヲタの方に向けます。そして、その武器についてキモヲタに話を始めました。
「これは古大陸でもさらに東方にあるアンゴール帝国で使われている武器です。キモヲタ様のおっしゃる通りカタナと言います。私はこの大陸のあちこちを旅してきましたが、この新大陸でカタナをついぞ見かけたことがありません」
キランッ! という効果音が聞こえてきそうなほどな光が、セリアの瞳に走りました。
「……もしかしてキモヲタ様は古大陸へ行かれたことが?」
「い、いえ、そもそも我輩、古大陸なるものがあるということ事態が初耳でござるよ。我輩が転移者故、知っていただけでござる」
「テン・イモノ……ですか」
これまでもキモヲタは、初対面の挨拶で自分が転移者であることを堂々と名乗ってきているのですが、キモヲタの噛み噛みな挨拶と挙動不審な態度から、誰一人として言葉通り「転移者」と聞き取った者はいないのでした。
誰もが「オークがなんかブツブツ言ってる」程度に聞き逃していたのです。
セリアが、転移者という言葉の音を聞き取れたのは、他の者たちのようにキモヲタを「しゃべる肉塊」と適当にあしらわず、強い警戒心をキモヲタに抱いた故のことでした。
セリアにはテン・イモノというものが何か分かりませんでしたが、彼女の警戒ブラックリストの中にはその言葉が確実に刻まれたのでした。
一方、キモヲタはキモヲタで、柄といい鍔といい鞘といい、明らかに日本刀な武器を目にして、今さらながらに、この世界に転移もしくは転生してきたであろう者の存在を確信したのです。
(そりゃ、我輩が転移してくるくらいでござるから、他にも多くの者が転移、若しくは転生していても不思議ではござらんですぞ。考えてみれば当たり前のことなのに、すっかり油断しておりましたな。となると……)
他にも異世界転移・転生者がいて、彼らがキモヲタと同等かそれ以上のチート能力を持っているとなれば、下手するとお互いが力を使って潰し合うバトロワ展開が待っているかもしれない。そんな恐怖がキモヲタの心臓をギュッと締め付けるのでした。
前世ではあらゆることで負けしか知らずだったキモヲタは、もし他の転移者と争うようなことになった場合に勝てるヴィジョンが全く見えなかったのです。
(こ、これは他の転移者や転生者に気付かれることのないように注意して、慎ましやかにハーレムを作るしかないでござるな)
他の転移・転生者や権力者には怯えつつも、ハーレムを諦める考えは一切ないキモヲタなのでした。
剣呑な空気を感じ取ったユリアスが慌てて場を和ませようと、話を変えます。
「あっ、あと一人、今回の探索に参加予定のレンジャーですが、すでに参加してもらえることになっています。顔合わせは出発当日ということになります!」
ユリアスに態度に配慮したセリアはキモヲタへの追及を止めて、静かに頷きました。
「そそそうでござるか! ではユリアス殿の当初の予定通り事が進んでいるということでござるな! それは、よかったでござる!」
そうしてキモヲタは、賢者の石の探索について、ユリアスやセリアと話し合った後、冒険者ギルドを後にするのでした。
話し合いの間、セリアはキモヲタを詮索するようなこともせず、凛とした佇まいでユリアスの説明の補足をしたり、キモヲタに対して礼儀正しく接していました。
そんなセリアに対して、警戒心をすっかりと説いてしまったキモヲタは、すぐにセリアのスラリとした身体と、その細いくびれ故に自然と強調されるCカップにチラチラッと目が向くようになっていました。
金髪碧眼美女のユリアスや、ケモミミ美少女キーラがいかにも異世界を感じさせるのに対し、セリアの黒髪と東方系の美しい顔立ちには、キモヲタの前世の魂を激しく揺さぶるものがありました。
さらに、セリアの瞳に燃える青い焔や、薄く青いオーラを纏っているかのような白い肌に、この世のものではないかのような、はかない美しさを感じて、キモヲタは嘆息するのでした。
(はぁ……あの胸元の白い谷間に顔を埋めたいでござる……)
まぁ、はかない美しさを感じようと、考えることはいつもと変わらないキモヲタでした。
そしてそんなキモヲタをずっと観察し続けていたセリアの警戒心は、MAXからレベル0まで一気に引き落とされました。
(カタナのことを知っていたので警戒しましたが、この男、人の話を聞かないで、ずっと私の胸ばかり見て……もしかしてただの変態なのでは?)
話が終わって、キモヲタとキーラが冒険者ギルドを後にするのを見送っていたセリア。
宿に戻る道中で、奴隷少女のスカートの下を覗き込もうとして、少女に蹴られているキモヲタを見て確信するのでした。
(やはりただの変態……)
ふと、セリアの腰にある剣に目が留まります。
「お腰のそれ、もしや刀では……」
キモヲタの口から「カタナ」という言葉が出たのを聞いて、セリアの瞳の中にある炎が、一瞬明るく輝きました。
「よく……ご存じですね」
そう言ってセリアは、美しく装飾された赤い鞘が見える様に、腰をキモヲタの方に向けます。そして、その武器についてキモヲタに話を始めました。
「これは古大陸でもさらに東方にあるアンゴール帝国で使われている武器です。キモヲタ様のおっしゃる通りカタナと言います。私はこの大陸のあちこちを旅してきましたが、この新大陸でカタナをついぞ見かけたことがありません」
キランッ! という効果音が聞こえてきそうなほどな光が、セリアの瞳に走りました。
「……もしかしてキモヲタ様は古大陸へ行かれたことが?」
「い、いえ、そもそも我輩、古大陸なるものがあるということ事態が初耳でござるよ。我輩が転移者故、知っていただけでござる」
「テン・イモノ……ですか」
これまでもキモヲタは、初対面の挨拶で自分が転移者であることを堂々と名乗ってきているのですが、キモヲタの噛み噛みな挨拶と挙動不審な態度から、誰一人として言葉通り「転移者」と聞き取った者はいないのでした。
誰もが「オークがなんかブツブツ言ってる」程度に聞き逃していたのです。
セリアが、転移者という言葉の音を聞き取れたのは、他の者たちのようにキモヲタを「しゃべる肉塊」と適当にあしらわず、強い警戒心をキモヲタに抱いた故のことでした。
セリアにはテン・イモノというものが何か分かりませんでしたが、彼女の警戒ブラックリストの中にはその言葉が確実に刻まれたのでした。
一方、キモヲタはキモヲタで、柄といい鍔といい鞘といい、明らかに日本刀な武器を目にして、今さらながらに、この世界に転移もしくは転生してきたであろう者の存在を確信したのです。
(そりゃ、我輩が転移してくるくらいでござるから、他にも多くの者が転移、若しくは転生していても不思議ではござらんですぞ。考えてみれば当たり前のことなのに、すっかり油断しておりましたな。となると……)
他にも異世界転移・転生者がいて、彼らがキモヲタと同等かそれ以上のチート能力を持っているとなれば、下手するとお互いが力を使って潰し合うバトロワ展開が待っているかもしれない。そんな恐怖がキモヲタの心臓をギュッと締め付けるのでした。
前世ではあらゆることで負けしか知らずだったキモヲタは、もし他の転移者と争うようなことになった場合に勝てるヴィジョンが全く見えなかったのです。
(こ、これは他の転移者や転生者に気付かれることのないように注意して、慎ましやかにハーレムを作るしかないでござるな)
他の転移・転生者や権力者には怯えつつも、ハーレムを諦める考えは一切ないキモヲタなのでした。
剣呑な空気を感じ取ったユリアスが慌てて場を和ませようと、話を変えます。
「あっ、あと一人、今回の探索に参加予定のレンジャーですが、すでに参加してもらえることになっています。顔合わせは出発当日ということになります!」
ユリアスに態度に配慮したセリアはキモヲタへの追及を止めて、静かに頷きました。
「そそそうでござるか! ではユリアス殿の当初の予定通り事が進んでいるということでござるな! それは、よかったでござる!」
そうしてキモヲタは、賢者の石の探索について、ユリアスやセリアと話し合った後、冒険者ギルドを後にするのでした。
話し合いの間、セリアはキモヲタを詮索するようなこともせず、凛とした佇まいでユリアスの説明の補足をしたり、キモヲタに対して礼儀正しく接していました。
そんなセリアに対して、警戒心をすっかりと説いてしまったキモヲタは、すぐにセリアのスラリとした身体と、その細いくびれ故に自然と強調されるCカップにチラチラッと目が向くようになっていました。
金髪碧眼美女のユリアスや、ケモミミ美少女キーラがいかにも異世界を感じさせるのに対し、セリアの黒髪と東方系の美しい顔立ちには、キモヲタの前世の魂を激しく揺さぶるものがありました。
さらに、セリアの瞳に燃える青い焔や、薄く青いオーラを纏っているかのような白い肌に、この世のものではないかのような、はかない美しさを感じて、キモヲタは嘆息するのでした。
(はぁ……あの胸元の白い谷間に顔を埋めたいでござる……)
まぁ、はかない美しさを感じようと、考えることはいつもと変わらないキモヲタでした。
そしてそんなキモヲタをずっと観察し続けていたセリアの警戒心は、MAXからレベル0まで一気に引き落とされました。
(カタナのことを知っていたので警戒しましたが、この男、人の話を聞かないで、ずっと私の胸ばかり見て……もしかしてただの変態なのでは?)
話が終わって、キモヲタとキーラが冒険者ギルドを後にするのを見送っていたセリア。
宿に戻る道中で、奴隷少女のスカートの下を覗き込もうとして、少女に蹴られているキモヲタを見て確信するのでした。
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