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第20話 エルフに歪められちゃった少年
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ユリアスに【足ツボ治癒】を施した後、キモヲタは女騎士たちによる感謝の声に包まれながら白バラ騎士団の隊舎を後にしました。
この異世界に転移して以降、数多くの負傷者を治癒してきたキモヲタでしたが、初めてまともに感謝されたことに気を良くして、とてもご機嫌なのでした。
「それにしても、目隠しと耳栓は我ながら良いアイデアだったでござる。デュフコポー」
冒険者ギルドの居酒屋に腰を落ち着けたキモヲタは、白バラ騎士団たちの治癒で気づいたことを、今後どのように生かして冒険者活動を続けていくか思案していました。
(ハッ! そうでござった!)
先ほどまでの白バラ騎士団での扱いと異なり、微妙にキモヲタを避けて遠巻きにする冒険者たちを見ていたときに、キモヲタは大事なことに気がつきました。
(別に無理して危険な冒険者稼業などする必要はないでござる! そもそも我輩の願うところは、異世界のんびりハーレムライフ。十分なお金と美少女が確保できればいいのでござったわ!)
そう思い至ったキモヲタは、バッと立ち上がると、冒険者ギルドを飛び出していきました。
(まずはヒロインの確保でござる! ユリアス殿もいいのですが騎士団の隊長をしている以上、そうそう我輩と会う機会もないでござろう。我輩が求めるのはいつでも身近にいるモバイルヒロイン! どこでもペロペロモミモミできるヒロインなのですぞ!)
ドドドドドッと駆け抜けていくキモヲタが向かった先は、奴隷市場。
かつて自分が囚われていたことのある魔族収容所なのでした。
~ 再びの遭遇 ~
土煙を上げながら通りをドタドタとゆっくり走るキモヲタの視界に、自分のことをジッと見据える白い影が映りました。
「あれは……」
キモヲタが立ち止まって振り返ると、そこにはエルフの剣士エルミアナが立っていました。
「うひぃっ!」
キモヲタは身を翻して慌てて逃げ出します。それを見たエルミアナはキモヲタを追って走り始めました。
「ま、待って!」
後ろからエルミアナの制止する声が聞こえてきましたが、もちろんキモヲタに従うつもりはありません。
とはいえ、まっとうに走って逃げても、すぐに追いつかれてしまうに違いありません。そのように考えたキモヲタは、路地の中へと逃げ込みます。
普段からあちこちうろついて地形を把握していたこともあって、キモヲタはこの辺りの路地を知り尽くしており、行き止まりを避けつつ角を曲がり続けていきました。
しかし相手はエルフ。長い耳を持っており、風の精霊と会話し、そしてエルミアナは長きにわたる冒険者としての経験を持っています。
「だから! 待てと言っているでしょう!」
人気のない廃材置き場で、とうとうキモヲタはエルミアナに追い詰められてしまいました。
空からストンと降り立ったエルミアナを見て、キモヲタは恐怖で全身が震えあがりました。
(ひぃ! こんなところで殺されるのは嫌でござる! これから奴隷市場で巨乳のケモミミ美少女ヒロインを買うところでござったというのに!)
……と、キモヲタは最低なことを考えていました。
一方のエルミアナと言えば、あの出来事の後、仲間たちからコンコンと諭されたこともあって、今ではキモヲタに対する誤解も消えており、謝罪をするつもりでいたのです。
「キモヲタ殿、聞いてください! 今の私は貴方をどうこうするつもりはないのです!」
とりあえずキモヲタを落ち着かせようと、エルミアナは優しい笑顔で語り掛けました。
しかし、その笑顔はキモヲタにとっては、獲物を前に舌なめずりしている猛禽類のようにしか見えませんでした。
キモヲタの脳裡には、一瞬で魔族収容所の檻を破壊したエルミアナと、その手に握られたレイピアの映像が張り付いて離れなかったのです。
あのとき、もし狼王ロボがキモヲタを引き寄せていなければ、キモヲタは確実に死んでいたことでしょう。キモヲタのなかでは、お尻に矢が刺さったときや、犬耳少女に爪で引っ掻かれたときとは、恐怖のレベルが数段違っていました。
デュフコポー、デュフコポーと激しく息を荒げるキモヲタに、エルミアナは一歩近づきました。
「キモヲタ殿、私は貴方に謝罪したいだけなのです。だから落ち着いて話を聞いてください」
というエルミアナの言葉が、
「キモヲタこの豚野郎、私はお前に復讐したいだけなのだ、だからさっさと死んでくれ」
と聞こえたのでした。
「ぶひぃぃいい! 死ぬのは嫌でござるぅ!」
キモヲタは片手で顔を庇いつつ、もう片方の手の指先をエルミアナに叩きつけるように気合を発しました。
「ソヤッ!」
もちろんスキル【お尻かゆくな~る】を発動させたのです。
「!?」
さらにもう一歩近づこうとしてきたエルミアナの足がピタリと止まります。
その直後――
「かっ!? 痒い!?(お尻が)痒い!?」
左右に素早く目を走らせたエルミアナは、廃材置き場に大きな丸太が置かれているのを見つけました。丸太に駆け寄ると、その上に跨ってお尻を擦りつけはじめます。
スリスリッ! スリスリッ! スリスリッ!
「あはぁあああああん❤」
丸太にお尻を擦りつけるたびに痒みが解消されるエルミアナ。その口からは、あられもない声が漏れ出ていました。
「チャ、チャンスでござる!」
ここぞとばかりにキモヲタは、エルミアナに背を向けて逃げ出すのでした。
「あっ! 待ちなさい! あっぁああああん❤」
スリスリッ! スリスリッ!
丸太に腰を擦り付けるエルミアナの声が、廃材置き場に響き渡ります。幸いなことに、辺りに人気はなく、誰にも見られることはありませんでした。
いや……実は一人だけ見ている者がありました。
それはキモヲタたちがここへ来る前に、廃材置き場で遊んでいた一人の少年。
彼は誰かが廃材置き場に近づいてくる物音を聞いて、慌てて隠れていたのでした。
その後、美しいエルフが丸太にお尻を擦り付けて喘ぐ姿を1時間も見せられた少年は、エルミアナのせいでその性癖を歪めてしまったのでした。
スリスリッ! スリスリッ!
「キ、キモヲタ……許すまじ……あはぁあああん❤」
この異世界に転移して以降、数多くの負傷者を治癒してきたキモヲタでしたが、初めてまともに感謝されたことに気を良くして、とてもご機嫌なのでした。
「それにしても、目隠しと耳栓は我ながら良いアイデアだったでござる。デュフコポー」
冒険者ギルドの居酒屋に腰を落ち着けたキモヲタは、白バラ騎士団たちの治癒で気づいたことを、今後どのように生かして冒険者活動を続けていくか思案していました。
(ハッ! そうでござった!)
先ほどまでの白バラ騎士団での扱いと異なり、微妙にキモヲタを避けて遠巻きにする冒険者たちを見ていたときに、キモヲタは大事なことに気がつきました。
(別に無理して危険な冒険者稼業などする必要はないでござる! そもそも我輩の願うところは、異世界のんびりハーレムライフ。十分なお金と美少女が確保できればいいのでござったわ!)
そう思い至ったキモヲタは、バッと立ち上がると、冒険者ギルドを飛び出していきました。
(まずはヒロインの確保でござる! ユリアス殿もいいのですが騎士団の隊長をしている以上、そうそう我輩と会う機会もないでござろう。我輩が求めるのはいつでも身近にいるモバイルヒロイン! どこでもペロペロモミモミできるヒロインなのですぞ!)
ドドドドドッと駆け抜けていくキモヲタが向かった先は、奴隷市場。
かつて自分が囚われていたことのある魔族収容所なのでした。
~ 再びの遭遇 ~
土煙を上げながら通りをドタドタとゆっくり走るキモヲタの視界に、自分のことをジッと見据える白い影が映りました。
「あれは……」
キモヲタが立ち止まって振り返ると、そこにはエルフの剣士エルミアナが立っていました。
「うひぃっ!」
キモヲタは身を翻して慌てて逃げ出します。それを見たエルミアナはキモヲタを追って走り始めました。
「ま、待って!」
後ろからエルミアナの制止する声が聞こえてきましたが、もちろんキモヲタに従うつもりはありません。
とはいえ、まっとうに走って逃げても、すぐに追いつかれてしまうに違いありません。そのように考えたキモヲタは、路地の中へと逃げ込みます。
普段からあちこちうろついて地形を把握していたこともあって、キモヲタはこの辺りの路地を知り尽くしており、行き止まりを避けつつ角を曲がり続けていきました。
しかし相手はエルフ。長い耳を持っており、風の精霊と会話し、そしてエルミアナは長きにわたる冒険者としての経験を持っています。
「だから! 待てと言っているでしょう!」
人気のない廃材置き場で、とうとうキモヲタはエルミアナに追い詰められてしまいました。
空からストンと降り立ったエルミアナを見て、キモヲタは恐怖で全身が震えあがりました。
(ひぃ! こんなところで殺されるのは嫌でござる! これから奴隷市場で巨乳のケモミミ美少女ヒロインを買うところでござったというのに!)
……と、キモヲタは最低なことを考えていました。
一方のエルミアナと言えば、あの出来事の後、仲間たちからコンコンと諭されたこともあって、今ではキモヲタに対する誤解も消えており、謝罪をするつもりでいたのです。
「キモヲタ殿、聞いてください! 今の私は貴方をどうこうするつもりはないのです!」
とりあえずキモヲタを落ち着かせようと、エルミアナは優しい笑顔で語り掛けました。
しかし、その笑顔はキモヲタにとっては、獲物を前に舌なめずりしている猛禽類のようにしか見えませんでした。
キモヲタの脳裡には、一瞬で魔族収容所の檻を破壊したエルミアナと、その手に握られたレイピアの映像が張り付いて離れなかったのです。
あのとき、もし狼王ロボがキモヲタを引き寄せていなければ、キモヲタは確実に死んでいたことでしょう。キモヲタのなかでは、お尻に矢が刺さったときや、犬耳少女に爪で引っ掻かれたときとは、恐怖のレベルが数段違っていました。
デュフコポー、デュフコポーと激しく息を荒げるキモヲタに、エルミアナは一歩近づきました。
「キモヲタ殿、私は貴方に謝罪したいだけなのです。だから落ち着いて話を聞いてください」
というエルミアナの言葉が、
「キモヲタこの豚野郎、私はお前に復讐したいだけなのだ、だからさっさと死んでくれ」
と聞こえたのでした。
「ぶひぃぃいい! 死ぬのは嫌でござるぅ!」
キモヲタは片手で顔を庇いつつ、もう片方の手の指先をエルミアナに叩きつけるように気合を発しました。
「ソヤッ!」
もちろんスキル【お尻かゆくな~る】を発動させたのです。
「!?」
さらにもう一歩近づこうとしてきたエルミアナの足がピタリと止まります。
その直後――
「かっ!? 痒い!?(お尻が)痒い!?」
左右に素早く目を走らせたエルミアナは、廃材置き場に大きな丸太が置かれているのを見つけました。丸太に駆け寄ると、その上に跨ってお尻を擦りつけはじめます。
スリスリッ! スリスリッ! スリスリッ!
「あはぁあああああん❤」
丸太にお尻を擦りつけるたびに痒みが解消されるエルミアナ。その口からは、あられもない声が漏れ出ていました。
「チャ、チャンスでござる!」
ここぞとばかりにキモヲタは、エルミアナに背を向けて逃げ出すのでした。
「あっ! 待ちなさい! あっぁああああん❤」
スリスリッ! スリスリッ!
丸太に腰を擦り付けるエルミアナの声が、廃材置き場に響き渡ります。幸いなことに、辺りに人気はなく、誰にも見られることはありませんでした。
いや……実は一人だけ見ている者がありました。
それはキモヲタたちがここへ来る前に、廃材置き場で遊んでいた一人の少年。
彼は誰かが廃材置き場に近づいてくる物音を聞いて、慌てて隠れていたのでした。
その後、美しいエルフが丸太にお尻を擦り付けて喘ぐ姿を1時間も見せられた少年は、エルミアナのせいでその性癖を歪めてしまったのでした。
スリスリッ! スリスリッ!
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