45 / 65
罪の重さ
しおりを挟む
翌日の昼、ジンはチルミル侯爵の屋敷に来ていた。
「使徒様、例のエルフは隣の部屋で待たせてあります。
昨日は客間でゆっくり休ませました。」
「使徒様はやめてください。
あまり目立ちたくないので。
人の前ではただの冒険者で頼みます」
「はっ、では早速彼女を呼びます。」
クレアがジンの前に連れてこられる。
クレアは事前にチルミル侯爵から説明を受けており、ジンによって冤罪だった事が証明されたが相手がサンキ国なのでいきなり無罪放免は難しく奴隷落ちになったが、あくまでサンキ国に対するアピールの為のものだと説明を受けていた。
「ジン様…
私を救ってくれた方のお名前を聞いてもしやと思ったらやはりあなただったのですね…」
「なんて感謝したらいいのでしょか…」
ジンは今の今まで捕らえられたエルフというのがクレアだとは思ってもみなかった。
「捕らえられたらエルフというのは君の事だったのか。
無事でなによりだ。
侯爵閣下から大まかな事情は聞いているが、仲間は本当に残念だったな…。」
「ええ、勇者は絶対許さない…」
クレアが目に涙を溜めながら拳を握りしめる。
「クレア、奴隷紋は付いたままになるが君はもう自由だ。
これからどう生きてもらっても構わないが逃亡生活に獄中生活と精神的にも疲れているたろう。
ひとまず俺の家に帰ってゆっくり休んでくれ。」
「ジン様本当にありがとうございます…」
「ひとまずお言葉に甘えさせてもらって今後の事を考えたいと思います…」
「侯爵閣下、ひとまず帰らせていただきます。
またこの御礼を兼ねてお伺いさせていただきます」
「クレア、俺と手を繋いで目をつぶってくれるかな」
「分かりました。
今はジン様の奴隷です。
好きなように命令してください。」
「では侯爵閣下また…。
転移!」
ジン達に光が集まり侯爵の目の前で忽然と姿を消す。
クレアが目を開けるとそこは気持ちいい風が頬をなぜ、小鳥がさえずるジンの自宅だった。
「はっ、ここは?!」
「クレア落ち着いて、転移の魔法で俺の自宅に戻ってきたんだよ」
「転移の魔法ですって!
あなたは一体?!」
「言っておくが俺は勇者ではないよ。
言葉で説明するより、ステータスプレートを見てもらったほうが早いね。」
そう言ってチルミル侯爵と同じようにステータスプレートを見せながら説明する。
「そんな…使徒様だとは…。」
「そんなに畏まらなくてもいいよ。
取りあえずうちの家族を紹介するからね。」
そう言って自宅に招き入れた。
簡単な自己紹介も終わったので、まずは休んでもらおうと温泉をすすめる。
「アリス、クレアを案内してあげて。」
そして数十分後、温泉の方から大声が聞こえた。
何事かと急いで行ってみると脱衣場への廊下でクレアが馬乗りになりながらタツヤの首を絞めいた。
「勇者……勇者は殺す!!
私がこの手で殺す!!
みんなの、仲間の無念を知れ!!!
死ねぇーーーーー!!!!!」
アウラとジンが大急ぎで二人を引き離す。
「離して!離して!
勇者は敵よ!
私の仲間をいたぶりながら殺したのよ!!
離してぇー!!!!!!!」
クレアは手が付けられない状態だったため、ジンが後ろから首トンで眠らせる。
タツヤは顔面蒼白だがちゃんと息をしている。
「アウラ、タツヤヒールを!」
チエは横で手で顔を覆い涙をはじめとする流しながら立ちすくんでいる。
「一体どうしたんだ!」
ジンがチエに聞く。
「あっ、はい。
タツヤと私と2人でクレアさんにちゃんと謝ろうとしてお風呂から上がるのを待ってたんです。
そして私達も勇者だと話し謝ったのですが…」
「そうか、気持ちは分からないでもないが俺に一度相談してから勇者というのを話すべきだったな。
まぁ、済んだ事は仕方ないが謝罪の気持ちをキチンと持っているというのは大切な事だ。
ひとまず俺はクレアを客間に寝かせてくる」
「首トンした後に念のため安眠の魔法もかけた。
今日は起きてこないだろうが明日、全員でクレアにきちんと話そう。」
「ジンさん、軽率な事をしてしまってすみませんでした…。」
「分かったよ。
タツヤ、大丈夫か?」
「な、なんとか…」
この日はジンが言った通りクレアは目を覚まさなかった。
「使徒様、例のエルフは隣の部屋で待たせてあります。
昨日は客間でゆっくり休ませました。」
「使徒様はやめてください。
あまり目立ちたくないので。
人の前ではただの冒険者で頼みます」
「はっ、では早速彼女を呼びます。」
クレアがジンの前に連れてこられる。
クレアは事前にチルミル侯爵から説明を受けており、ジンによって冤罪だった事が証明されたが相手がサンキ国なのでいきなり無罪放免は難しく奴隷落ちになったが、あくまでサンキ国に対するアピールの為のものだと説明を受けていた。
「ジン様…
私を救ってくれた方のお名前を聞いてもしやと思ったらやはりあなただったのですね…」
「なんて感謝したらいいのでしょか…」
ジンは今の今まで捕らえられたエルフというのがクレアだとは思ってもみなかった。
「捕らえられたらエルフというのは君の事だったのか。
無事でなによりだ。
侯爵閣下から大まかな事情は聞いているが、仲間は本当に残念だったな…。」
「ええ、勇者は絶対許さない…」
クレアが目に涙を溜めながら拳を握りしめる。
「クレア、奴隷紋は付いたままになるが君はもう自由だ。
これからどう生きてもらっても構わないが逃亡生活に獄中生活と精神的にも疲れているたろう。
ひとまず俺の家に帰ってゆっくり休んでくれ。」
「ジン様本当にありがとうございます…」
「ひとまずお言葉に甘えさせてもらって今後の事を考えたいと思います…」
「侯爵閣下、ひとまず帰らせていただきます。
またこの御礼を兼ねてお伺いさせていただきます」
「クレア、俺と手を繋いで目をつぶってくれるかな」
「分かりました。
今はジン様の奴隷です。
好きなように命令してください。」
「では侯爵閣下また…。
転移!」
ジン達に光が集まり侯爵の目の前で忽然と姿を消す。
クレアが目を開けるとそこは気持ちいい風が頬をなぜ、小鳥がさえずるジンの自宅だった。
「はっ、ここは?!」
「クレア落ち着いて、転移の魔法で俺の自宅に戻ってきたんだよ」
「転移の魔法ですって!
あなたは一体?!」
「言っておくが俺は勇者ではないよ。
言葉で説明するより、ステータスプレートを見てもらったほうが早いね。」
そう言ってチルミル侯爵と同じようにステータスプレートを見せながら説明する。
「そんな…使徒様だとは…。」
「そんなに畏まらなくてもいいよ。
取りあえずうちの家族を紹介するからね。」
そう言って自宅に招き入れた。
簡単な自己紹介も終わったので、まずは休んでもらおうと温泉をすすめる。
「アリス、クレアを案内してあげて。」
そして数十分後、温泉の方から大声が聞こえた。
何事かと急いで行ってみると脱衣場への廊下でクレアが馬乗りになりながらタツヤの首を絞めいた。
「勇者……勇者は殺す!!
私がこの手で殺す!!
みんなの、仲間の無念を知れ!!!
死ねぇーーーーー!!!!!」
アウラとジンが大急ぎで二人を引き離す。
「離して!離して!
勇者は敵よ!
私の仲間をいたぶりながら殺したのよ!!
離してぇー!!!!!!!」
クレアは手が付けられない状態だったため、ジンが後ろから首トンで眠らせる。
タツヤは顔面蒼白だがちゃんと息をしている。
「アウラ、タツヤヒールを!」
チエは横で手で顔を覆い涙をはじめとする流しながら立ちすくんでいる。
「一体どうしたんだ!」
ジンがチエに聞く。
「あっ、はい。
タツヤと私と2人でクレアさんにちゃんと謝ろうとしてお風呂から上がるのを待ってたんです。
そして私達も勇者だと話し謝ったのですが…」
「そうか、気持ちは分からないでもないが俺に一度相談してから勇者というのを話すべきだったな。
まぁ、済んだ事は仕方ないが謝罪の気持ちをキチンと持っているというのは大切な事だ。
ひとまず俺はクレアを客間に寝かせてくる」
「首トンした後に念のため安眠の魔法もかけた。
今日は起きてこないだろうが明日、全員でクレアにきちんと話そう。」
「ジンさん、軽率な事をしてしまってすみませんでした…。」
「分かったよ。
タツヤ、大丈夫か?」
「な、なんとか…」
この日はジンが言った通りクレアは目を覚まさなかった。
0
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる