不死だらな転生者

ホー助

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罪の重さ

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翌日の昼、ジンはチルミル侯爵の屋敷に来ていた。


「使徒様、例のエルフは隣の部屋で待たせてあります。
昨日は客間でゆっくり休ませました。」


「使徒様はやめてください。
あまり目立ちたくないので。
人の前ではただの冒険者で頼みます」


「はっ、では早速彼女を呼びます。」





クレアがジンの前に連れてこられる。


クレアは事前にチルミル侯爵から説明を受けており、ジンによって冤罪だった事が証明されたが相手がサンキ国なのでいきなり無罪放免は難しく奴隷落ちになったが、あくまでサンキ国に対するアピールの為のものだと説明を受けていた。



「ジン様…
私を救ってくれた方のお名前を聞いてもしやと思ったらやはりあなただったのですね…」


「なんて感謝したらいいのでしょか…」


ジンは今の今まで捕らえられたエルフというのがクレアだとは思ってもみなかった。


「捕らえられたらエルフというのは君の事だったのか。
無事でなによりだ。
侯爵閣下から大まかな事情は聞いているが、仲間は本当に残念だったな…。」



「ええ、勇者は絶対許さない…」


クレアが目に涙を溜めながら拳を握りしめる。


「クレア、奴隷紋は付いたままになるが君はもう自由だ。
これからどう生きてもらっても構わないが逃亡生活に獄中生活と精神的にも疲れているたろう。
ひとまず俺の家に帰ってゆっくり休んでくれ。」


「ジン様本当にありがとうございます…」


「ひとまずお言葉に甘えさせてもらって今後の事を考えたいと思います…」



「侯爵閣下、ひとまず帰らせていただきます。
またこの御礼を兼ねてお伺いさせていただきます」



「クレア、俺と手を繋いで目をつぶってくれるかな」


「分かりました。
今はジン様の奴隷です。
好きなように命令してください。」


「では侯爵閣下また…。
転移!」


ジン達に光が集まり侯爵の目の前で忽然と姿を消す。




クレアが目を開けるとそこは気持ちいい風が頬をなぜ、小鳥がさえずるジンの自宅だった。


「はっ、ここは?!」


「クレア落ち着いて、転移の魔法で俺の自宅に戻ってきたんだよ」



「転移の魔法ですって!
あなたは一体?!」


「言っておくが俺は勇者ではないよ。
言葉で説明するより、ステータスプレートを見てもらったほうが早いね。」



そう言ってチルミル侯爵と同じようにステータスプレートを見せながら説明する。


「そんな…使徒様だとは…。」


「そんなに畏まらなくてもいいよ。
取りあえずうちの家族を紹介するからね。」


そう言って自宅に招き入れた。


簡単な自己紹介も終わったので、まずは休んでもらおうと温泉をすすめる。


「アリス、クレアを案内してあげて。」



そして数十分後、温泉の方から大声が聞こえた。



何事かと急いで行ってみると脱衣場への廊下でクレアが馬乗りになりながらタツヤの首を絞めいた。


「勇者……勇者は殺す!!
私がこの手で殺す!!
みんなの、仲間の無念を知れ!!!
死ねぇーーーーー!!!!!」



アウラとジンが大急ぎで二人を引き離す。



「離して!離して!
勇者は敵よ!
私の仲間をいたぶりながら殺したのよ!!
離してぇー!!!!!!!」


クレアは手が付けられない状態だったため、ジンが後ろから首トンで眠らせる。


タツヤは顔面蒼白だがちゃんと息をしている。


「アウラ、タツヤヒールを!」


チエは横で手で顔を覆い涙をはじめとする流しながら立ちすくんでいる。


「一体どうしたんだ!」


ジンがチエに聞く。


「あっ、はい。
タツヤと私と2人でクレアさんにちゃんと謝ろうとしてお風呂から上がるのを待ってたんです。
そして私達も勇者だと話し謝ったのですが…」



「そうか、気持ちは分からないでもないが俺に一度相談してから勇者というのを話すべきだったな。
まぁ、済んだ事は仕方ないが謝罪の気持ちをキチンと持っているというのは大切な事だ。
ひとまず俺はクレアを客間に寝かせてくる」



「首トンした後に念のため安眠の魔法もかけた。
今日は起きてこないだろうが明日、全員でクレアにきちんと話そう。」



「ジンさん、軽率な事をしてしまってすみませんでした…。」


「分かったよ。
タツヤ、大丈夫か?」


「な、なんとか…」


この日はジンが言った通りクレアは目を覚まさなかった。
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